また、シリア政府やクルド勢力、シリアの反政府派、あるいはアルカイダ系組織が「イスラム国」を弱体化させて、この地域を支配しそうになると、その勢力の反対勢力が潰そうとするので、誰にも「イスラム国」を完全に消滅させることはできない。

要するに誰も、この地域の安定した統治構想＝ビジョンを描けない状態。

それで、米国が大量の地上軍を派遣して、この地域を一時的に占領しても、反米派イスラムの攻撃の的になるだけで、撤退するしかなくなるから、米国も「イスラム国」を完全に消滅させることはできず、せいぜいが「イスラム国」を封じ込めるだけしかできない。

つまり、当面の間、「イスラム国」は生き残り、中東の他の地域でも「イスラム国」系組織や、アルカイダ系組織による不安定化が進む。

そして、これらの組織により、ヨルダンでも内戦が起きれば、国境を接するイスラエルも本格的に軍事介入するしかなくなり、米国は「イスラム国」への際限のない空爆と、イスラエル支援で疲弊して弱体化する。

それで、余力の無くなった米国は、アジアでは適当に中国と妥協するしかなくなり、増々中国が米国に替わる次の覇権国として成長・台頭するし、中東では四面楚歌（三面？）となったイスラエルも崩壊するのではないか。

ドイツやフランスが反対したのに、イラク戦争に賛成して、米国によるフセイン政権崩壊を支援した自民党は、日本の生命線である中東を混乱に導くという自滅政策を行ったのである。

そうすることで、自民党は同盟国米国の疲弊を促進させ、「宿敵中国」の台頭を招いたのである。

原発推進と集団的自衛権で、日本を放射能汚染と戦争のリスクに晒す自民党こそ、真の「反日政党」である。