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ロシア(地上軍の派遣:シリア)と激動する世界情勢(NEVADAブログ)
http://www.asyura2.com/15/warb16/msg/140.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 10 月 06 日 22:07:00: igsppGRN/E9PQ
 

ロシア(地上軍の派遣:シリア)と激動する世界情勢
http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/
2015年10月06日 NEVADAブログ


インタファクス通信は、ロシアのコモエドフ下院国防委員長が、シリア空爆に関して以下の通りの発言をしたと報じています。

『ロシア人義勇兵がシリア政府軍に参加するだろう』

これは極めて重要かつ危機的な事態であり、ロシアは世界最大級の輸送機である「アントノフ」を使って兵員・武器・物資をシリア国内の軍事基地に輸送していますが、今後本格的に武器を輸送するとなれば、本格的な地上戦が想定され、そうなれば米軍等の西側諸国と戦闘に発展することもあり得ます。

ロシアは空爆のみを行うとされていましたが、この空爆もイラン・イラクからの上空飛行許可を取得して実現しており、ロシアがイランとの関係を強化しているのが分かります。
そこにウクライナ東部地域で活動している”地上軍”を派遣となれば、どうなるでしょうか?

義勇兵はいわばロシアの精鋭部隊であり、この部隊がシリア政府軍と合流して掃討作戦に参加すれば、地上軍を派遣していないアメリカはいくら反政府軍を支援しましても反政府軍は相手になりません。

また、武器もロシア製の地対空ミサイルをシリア国内のロシア軍基地に配備すれば、西側の空爆はできるものではありません。
因みに、ロシア製の地対空ミサイルはかなりの精度を持っていると言われており、今回、シリアで最新鋭戦闘爆撃機と地対空ミサイルのデモンストレーションが行われれば、中東諸国はロシア製の武器を挙って買うことになりかねません。

アメリカが介入をしない(地上軍)としている間に、ロシア軍が本格的な介入をしてきており、今後、シリア情勢は一気に緊迫する事態になります。

シリア難民は総勢で700万人とも言われていますが、その700万人という「爆弾」をヨーロッパに送りこむロシアの戦略にヨーロッパ諸国は戦々恐々としているはずですが、ロシアがその攻勢を緩めるはずもなく、ヨーロッパの試算では今年は50万人の難民(移民)がヨーロッパに流れ込むとされていますが、ロシアが地上戦を始めれば50万人どころか数百万人がヨーロッパに流れ込むことになりかねません。

そしてその「難民・移民」の中には、イスラム国のゲリラがすでに多く紛れ込んでいると言われており、いつ何時大規模なテロを行うかわかりません。

情報筋の話ではすでに数千人のゲリラがヨーロッパに入り込んでおり、今後彼らが難民としてドイツやフランスに入り、西側政府の生活支援を受けながらテロ活動をするという、とんでもない事態に発展するかも知れません。
彼らはすでに複数のパスポートを入手しているはずであり、ヨーロッパ中をいくらでも動き回れます。

ロシア地上兵派遣後のシリア情勢は世界の情勢を一変させるだけの破壊力を持っています。

 

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コメント
 
1. 2015年10月06日 22:27:52 : kXe4SWCDeQ
アントノフてウクライナの会社だったのか!
今後の調達や整備はどうなるんだ?

500万人も難民作ったら全員が全員ヨーロッパに流れるはずはなく、無視できない人数がロシア内のイスラム系の共和国に流れ込みそうだが大丈夫なんだろうか


2. 仁王像 2015年10月06日 22:46:58 : jdZgmZ21Prm8E : qh9Mmj9DiE
 ロシア(ソ連)はかつてアフガンに介入してさんざんな目に遭い、それがソ連崩壊の引き金になった。ブレジンスキーに誘い込まれたとされている。
 その後、どういう訳か米国が介入し敗退していった。イラクでも敗退した。
 米国はこれに懲りて、中東に本格的な地上軍を送るのに二の足を踏み続けている。
 ロシアがどれくらいの地上軍を投入していくのかは不明だが、ロシアの国力などから見て、深入りするのは非常に危険だと思う。アサドを助けるのもほどほどにしないと元も子もなくなる。
 地上軍を投入することで米国の介入をある一線から後退させ、中東自身の力で秩序が回復していく道筋をつければ十分だろう。

3. 2015年10月06日 23:30:20 : 51yJRCNq3A
田中宙の説が正しければ、戦争は比較的早期にアサドの勝利で終わる。
これにより難民問題も解決に向う。
それをヨーロッパは望んでいる。(本当はアサドが嫌でも難民急増よりまし)
アメリカは、悔しいが指をくわえてみている(ロシアと戦争する気はない)



4. 2015年10月07日 00:45:46 : bk3cwzsBe2
米軍ですら二の足を踏んでいるややこしいところに、ロシアが深入りしたところで状況が好転するとはとても思えんな。
せいぜい今では国土の1/4をどうにか確保しているだけのアサド政権が崩壊しないようにてこ入れするのがやっとだろう。
実際に送るのがロシアの正規軍ではなく「義勇兵」なのは、そうすれば非正規の軍事行為は公表出来ないというロシアの大統領令により、義勇兵がどれだけ死傷してもロシア国民の目から隠せるし、失敗して撤退しても無かった事に出来るというセコイ目論見があってのものだろう。

5. 2015年10月07日 01:37:18 : v1gbxz7HNs
米軍がISISを使い混乱させている所へ、ロシアが介入してきたというのが実態だ。もしアメリカが介入しなければISISは終わる。しかし介入すれば、アメリカの陰謀丸だしだ。もはや陰謀ではなくあからさまな侵略だから、それはできまい。とすると、ロシアをしきりに罵って油価、金価格を落とし続けその行動を妨害するくらいしかない。我々は中東で混乱が起きているのになぜか油価が上がらない、それどころか下がるという珍しい光景を見られるだろう。

6. 2015年10月07日 02:28:15 : DmU9wH7S2g
 ベトナム戦争での難民を思い出せ。サイゴンの政権でいい思いをしてた奴らがベトコン、北ベトナムによる粛清にビビりあがって逃げ出しただけの事。今回も同じ。

7. 2015年10月07日 03:03:40 : rqnYuAxUbA
>>6
おいおい。
ベトナム難民の数の上ではぶっちぎりで中国系の華人(約110万人)が多いのだぞ。
だから中越戦争はベトナム難民が原因の一端と言われるんだ。
サイゴン政権は旧宗主国の影響が強いキリスト教徒が中核だから全然違う。

8. 2015年10月07日 04:15:48 : 6b2aqCbQak

ロシアとイスラエルは昔から反ナチでテーブルの下では手を握り合ってきた。

反イスラム過激派では強力に一致できるだろう。

イスラエルはアメリカは中東ですでに頼りにならない事を知っている。

いわゆる自由シリア軍などはペーパーで実体はなく、武器や金を与えればISとアルカ

イダ系に武器も金も人も流れる。アルカイダ系はISとすぐにでも合流しかねない。

ISがダマスカスとバクダッドを陥落させるような事態になれば、新バビロニアの再来

となる。エルサレムを占領されかねない(笑)。

イスラエルが動かず、イラン、イラクのシーア派勢力が味方でアサド政権を押さえて

ISと補完勢力を徹底的に叩き、あとトルコを脅しておけば、アフガンの二の舞にはな

るまい。ドンパスで活躍した義勇兵がシリア兵と協同して空中支援付き参戦すればIS

はあっという間に滅ぶだろう。シリア側とイラク側から挟み撃ちにすれば逃げ場はな

い。まあバラバラになってトルコとサウジに逃げ込むのだろうが(笑)

アメリカと欧州の軍関係は口先でジタバタするだろうが、EUは心の中ではロシア様プ

ーチン様お願いしますとなるだろう。


9. 2015年10月07日 05:12:10 : 6b2aqCbQak

ドンパスの義勇兵は空中支援なしに空軍を持つウクライナ軍相手に、短期間で2回に

渡りスターリングラードの再現をやって大軍を包囲し、殲滅寸前まで追いつめて解放

した。ミンスク合意はウクライナ兵の命を助けるためのものだった。

砂漠のIS相手にどのような戦いを行うか極めて注目される。

ロシア国内でもシリア向けの義勇兵の募集が始まっている。

チェチェン共和国のイスラム教徒の義勇兵も参戦するらしいとの報道もある。

ISはアッシリア、新バビロニアの再現、トルコはオスマン帝国、イランはササン朝ペ

ルシャの再現の夢を見ているかもしれない。

欧米の中東における政策が失敗し空爆の無力さが明らかになった今、キープレーヤー

に躍り出たロシアがどのような道を選ぶのか・・・世界史的な激動が始まっている特

に中東情勢は日に日に激変している。


10. 2015年10月07日 23:06:10 : aQq0UGoaxY
ロシアはシリアの基地防衛にS300を持ち込んでおり、外部からの航空機での攻撃は相当の覚悟が必要になるだろう。
主体の地上攻撃にはSU25を多数準備し、空域警戒のためにSU30を飛ばしている。
万全の準備をしてシリアを援助しているので、反政府ゲリラは生きた心地がしないだろう。
そして、ロシアはシリア軍に衛星写真を渡し始めたのでシリア軍は24時間の作戦行動が可能である。
また、スペツナズを投入したとの報道があるので、航空機近接支援戦闘も可能になったと考えられる。

反政府ゲリラへの補給を止めることができれば、早期に収束できる可能性が高い。


11. 2015年10月08日 02:27:09 : fpt8itpB5Q
ああっ、日本もロシアと一緒に戦いたい
ロシアには正義があるのに、日本は天皇がのさばる悪魔の国だ
とても惨めだ
誰かなんとかしる

12. 2015年10月08日 07:03:15 : jXbiWWJBCA
危険な代理戦争と化すシリア紛争
米国、ロシア、サウジ・・・入り乱れて炎を煽る外部勢力
2015.10.8(木) Financial Times
(2015年10月6日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

ロシアのトルコ領空侵犯は意図的、NATOが非難
ロシア国防省が公式ウェブサイトで公開した、シリアでの空爆作戦で爆弾を投下するロシアのSU24M爆撃機を写したとされる動画からの一コマ〔AFPBB News〕
 1930年代に、スペイン内戦は外国勢力を巻き込み、ナチスドイツがナショナリスト派(反乱軍)を支援、ソ連が共和国側を支援し、外国の理想主義者たちが紛争の両側で戦うためにスペインに押し寄せた。

 現在、似たような代理戦争がシリアで繰り広げられており、ロシア、米国双方の空軍が標的を爆撃し、外国人戦闘員がシリアになだれ込んでいる。

 内戦が外国勢力間の「代理戦争」に発展する変容は、ほぼ決まって悲劇的で危険な展開だ。

 シリアでは、それによって戦争が長引き、一段と血みどろになり、諸外国にとってより危険になり、終わらせるのがいっそう難しくなった。

代理戦争が危険な理由

 通常の内戦であれば、4年も経てば燃え尽き、シリア国民に自分たちの生活と国を再建する多少のチャンスを与えていたかもしれない。だが、外部勢力が紛争の火に油を注いでいる今、唯一、何らかの国際的な調停だけが紛争終結の望みを与えられることは明白だ。

 残念ながら、戦いはまだエスカレートする段階にあるようだ。外国勢力が「自分たちサイド」の勝利か、やがて行われる和平交渉で影響力を高めることを期待して、戦場での取り組みを強化しているからだ。

 イラン、ロシア、武装組織ヒズボラは、バシャル・アル・アサド大統領のシリア体制側のために介入した。米国、サウジアラビア、湾岸諸国、トルコ、フランス、英国は反政府勢力を支援してきた。

 一方、外国のジハード主義者は引き続き、自称イラク・シリアのイスラム国(ISIS)の一部として戦うためにシリアに赴いている。

 代理戦争は、その土地で戦いが繰り広げられる国々にとって惨事だ。だが、紛争を煽っている大国にとっても、非常に危険な場合がある。最も明白なリスクは、当初代理人を通じて行われた戦争がやがて直接的な紛争に発展することだ。

 1930年代にスペインで反対側の勢力を支援していた国々は、1940年代になると、互いと直接戦っていた。

 シリアの紛争が、イランとサウジアラビア、ことによるとロシアと米国との直接衝突につながるリスクを割り引いて考えることはできない。

 対立する国の空軍同士が近くで作戦展開している時は特にそうだ。

戦争の炎は意図的に煽られると制御が難しくなる

 だが、代理戦争の危険は直接紛争のリスクにとどまらない。戦争の炎というものは、ひとたび意図的に煽られてしまうと、制御するのが難しいのだ。

 例えば、パキスタンと米国は1980年代に、アフガニスタンでソ連を相手に代理戦争を戦った。だが後に、アフガンで自分たちが支援したイスラム主義過激派勢力からの「ブローバック*1」にひどく苦しめられることになった。

【AFP記者コラム】墓場と化したアレッポの街を撮り続けて
シリアの多くの地域が完全な廃墟と化している(写真はシリア北部の都市アレッポのカラセ地区で、政府軍の「たる爆弾」攻撃が伝えられた後、負傷した妹を抱いて走る若者)〔AFPBB News〕
 シリアの紛争が、紛争にかかわっている一部の国にとって同じようなブローバックを生み出すことを想像するのは難しくない。

 サウジアラビア政府は明らかに、自国がシリアで助長し、支援した過激派イスラム主義勢力の一部に脅かされている。

 ロシアもまた、自国内のイスラム教徒の怒りを買い、ウクライナでの紛争が悪化する傍らで別の戦争にさらに深く巻き込まれていく恐れがある。

*1=blowback、国が取った外交上の行動の結果生じる予想外の悪影響のこと

スンニ派vsシーア派、米国vsロシア、ISISとの戦い・・・

 こうしたリスクにもかかわらず、外部勢力は引き続きシリア紛争に関与している。ほかの国や教義が主導権を握るのを許したら、自国の安全保障と地位が弱まってしまうと恐れてのことだ。

 最も明白な場面が、イスラム教スンニ派とシーア派の勢力同士の戦いだ。

 アサド政権はシーア派が多数を占める国家、中でもイランとイラクによって支えられている。一方、反アサド勢力はサウジアラビア、湾岸諸国、トルコというスンニ派諸国に支えられている。

 地域大国間のこの争いの上に覆いかぶさるのが、米国とロシアの争いだ。ロシアがアサド氏を支持する一方で、米国は引き続きアサド退陣を要求し続けている。ロシアと米国の争いは部分的には中東での影響力を巡るものだ。だが、それより大きな地政学的、思想的要素もある。

 ロシアと西側はすでに、ウクライナの将来を巡って代理戦争を戦っている。また、非民主的な政府や抑圧的な政府に対する「レジームチェンジ(体制転換)」の支持という大きな概念を巡っても対立している。

ISの「モデル都市」に暮らす生き地獄 シリア・ラッカ
ロシアもトルコも表向きは空爆の標的はISISだとしているが・・・〔AFPBB News〕
 ISISが複雑な状況にさらなる層を加えている。理論上は、過激派のジハード勢力からの脅威は、すべての外国勢力を結束させる可能性がある。

 だが現実には、西側諸国はロシアを、ISISを概ね無視し、代わりにアサド政権と戦っている穏健派勢力――その一部は西側諸国から支援を受けている――を標的にしていると批判している。

各国を介入に突き動かす不安

 米国とトルコの間でも、これと似ているが、それほど目立たない議論が行われている。米国はISIS空爆に参加するトルコの意思を歓迎したが、トルコはむしろアサド氏と戦っている数少ない効果的な非ジハード主義勢力に入るクルド武装勢力を攻撃することに熱心なことを知って、幻滅させられた。

 シリアに介入した国はすべて、大部分において、恐怖心がその動機となっている。サウジはイランの台頭を恐れており、イランは同盟関係にあるシリア政府が別の敵対的なスンニ派国家に取って代わられることを恐れている。

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、縮小する経済とウクライナでの行き詰まりに直面し、西側主導のさらなる「レジームチェンジ」を防ぎたいと思っている。

 米国は対応せざるを得ないと感じている。オバマ政権が再び、米国の力の衰退を受け入れていると非難されることがあってはいけないからだ。

 これは、自己成就的に現実になってしまう恐れのある認識だ。

 これらの国はすべて、もし自分たちの側がシリアで「負けている」と見られたら、自国の弱さが露見するか、際立ってしまうと思っている。

 どの国も、全員を脅かす紛争を終わらせるという共通の利益に基づいて行動することができないように見える。これらの国が協調することを決めるまでは、シリア国民の苦悩が続く。

By Gideon Rachman

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44952


13. 2015年10月08日 07:04:52 : jXbiWWJBCA

国連安保理常任理事国はいずれも恐るべき死の商人
『ドローン・オブ・ウォー』と『ロード・オブ・ウォー』が語る「武器の今」
2015.10.8(木) 竹野 敏貴
米オレゴン州の大学で銃乱射、死者10人 容疑者死亡
銃乱射事件が起きた米オレゴン州ローズバーグにあるアンプクア・コミュニティー・カレッジで、学生の持ち物を検査する警官(2015年10月1日撮影)〔AFPBB News〕
 10月1日、オレゴン州ローズバーグのアンプクワ・コミュニティ・カレッジで、銃乱射事件が起き、少なくとも10人が死亡した。

 こうした「スクール・シューティング」は、米国ではたびたび起きている。そして、そのたび、銃規制強化の声が上がる。しかし、世論は二分され、結局、先に進まない。

 2期目を迎える際にも規制への強い決意を述べたバラク・オバマ大統領は、今回も、「米国は数か月ごとに銃撃事件の起こる唯一の先進国。我々の感覚は麻痺している。法律を変えなければならないが、私だけではできない」と語っている。

 「今世界に5億5000万の銃がある。12人に1丁の計算だ。残る課題は1人1丁の世界」

世界には8億7500万丁の銃

 アンドリュー・ニコル監督の『ロード・オブ・ウォー』(2005)は、武器商人ユーリーのそんな言葉から始まる。

 少々数字は変わるが、「Small Arms Survey 2007」には、世界の銃器数は8億7500万、軍警察など公的所有物を除けば6億5000万、そのうち、米国だけで2億7000万、とある。

 つまり、米国に限れば、ユーリーの目標はおおむね達成していることになるのだ。実際には、複数保有者も少なくなく、成人3人に1人程度らしいのだが。

 で主人公を執拗に追い続けるインターポール捜査官は語る。

 「世界平和のためには核を追うべきか?」

 「違う。戦争犠牲者の9割が銃で殺されている。AK47こそ真の大量破壊兵器だ」

 そんな捜査官を演じるイーサン・ホークは、現在劇場公開中のニコル監督最新作『ドローン・オブ・ウォー』(2014)(原題は「Good kill」)では、ドローンで遠隔爆撃する任にある空軍少佐を演じている。

 1万キロ離れた米国内基地のエアコンの利いたコンテナからミサイル攻撃を行い、成功すれば「Good kill」と言う。戦闘機乗りとは違い、身の危険は全くない。

 しかし、パイロットならすぐさま知ることもない爆撃地の「攻撃成果」確認のため、主人公は、死体数のカウントまでする。

 そして、12時間の勤務を終えれば、車に乗って家に帰り、妻子とバーベキューパーティをしたりする。そんな生活に違和感を覚え、酒に浸り、PTSD(心的外傷後ストレス障害)と言える状態にある。

やむを得ない被害

 その攻撃は「標的殺害」である。しかし、非戦闘員の巻き添え被害は少なくない。劇中、新人女性空兵の口から、「戦争犯罪では?」という言葉が出るケースさえある。巻き添え犠牲者は、「悪い時」に「悪い場所」にいた、ただ、それだけで命を落とす。

 こうしたことに、「コラテラル・ダメージ」という言葉が使われる。目的達成に付随する「やむを得ない被害」だというものである。

 アーノルド・シュワルツェネッガー主演の『コラテラル・ダメージ』(2002)は、コロンビア内戦に介入する米国に対し、反政府ゲリラがロサンゼルスで起こした爆弾テロで家族を失った米国市民が主人公。

 テレビで「米国がコロンビア国民にしていることと同じ。犠牲者は気の毒だが、コラテラル・ダメージだ」とのコメントを聞き、怒りを覚えたシュワルツェネッガーは、単身、コロンビアへと向かう。

 そして、そのゲリラ支配地域潜入劇も、「米国民間人」である主人公救出作戦も、多くのコロンビア人巻き添え犠牲者を出す。

 麻薬が経済を潤していようが、ゲリラの支配地域だろうが、いまあるコミュニティで暮らしてきた普通の人々である。米国の憎むべきテロリストその人さえも、かつて米国がグアテマラ介入していた頃、家族を失った過去があり、おそらく「コラテラル・ダメージ」扱いされたのでは、という設定である。

 この映画は、当初、中東政策をめぐる物語だったが、コロンビアに設定変更されたうえで撮影、公開予定は2001年10月5日だった。しかし、9・11同時多発テロが発生。その内容から、公開は遅れ、翌年2月へとずれ込んだ。

 9・11後、兵器開発は加速、ドローンの武器化も進んだ。オバマ政権となって、依存度が増したとも言う。もちろん、偵察、監視といった元来の役割も持ち続けている。実際、どう対処しているかは不明だが、ドローンが飛べば、自軍兵士とて「監視」されることもあるだろう。

 『ハミングバード』(2013)の主人公はアフガンで活動していた英国人元特殊部隊軍曹。襲撃で仲間たちを失い、独断で現地人を「処刑」する様をドローンが撮影していたことから、軍法会議で重罪は免れないと考え逃亡、今はロンドンで酒浸りのホームレス生活を送っている。

 しかし、世界一とも言われる監視都市ロンドンである。そこでの生活も至る所で撮られている。もちろん、空からも・・・。

国家に差し出した自由

 『ギヴァー 記憶を注ぐ者』(2014)は、そんな監視が日常となった近未来の「コミュニティ」が舞台。主人公の友人もドローン操縦士として、コミュニティを「見守る」役割を果たしている。

 貧困も飢えも争いも知らない平等で安全なコミュニティは、一見、完璧な世界である。しかし、秩序ある均一世界を乱す恐れがあるとして、人々は過去の記憶を持たないようコントロールされている。

 そんななか、ただ1人記憶を持つことができるのが「ギヴァー」と呼ばれる者。コミュニティで重要な役割を果たし尊敬される例外的存在の記憶を受け継ぐべく、「レシーヴァー」となった青年が主人公の物語である。

 そこでは、誰もが長老が決めた仕事につく。監視されていることにも何ら抵抗がない。個人の自由はない。あるのは均一、そのための異質の排除。平等社会を達成するため、差別しているのである。

 しかし、疑問を持つ者はいない。そう教育し、維持するシステムが出来上がっているからである。犯罪やテロから守るという言葉で、近年、国家に自由を差し出す傾向が強まるなか、考えさせられる。

 10月1日、防衛相の外局「防衛装備庁」が発足、武器などの防衛装備品の開発、輸出といったことを一元的に担うことになった。経団連は、9月、武器輸出などを「国家戦略として推進すべき」と提言している。

 『ロード・オブ・ウォー』の主人公は、殺人が日常茶飯事の環境で育ち、使われるのが「俺の銃でもいいはずだ」「大金は国家間の戦争で動く」と考え、武器商人となった。

 インターポールに御用となっても、

 「仕事で付き合ってきた独裁者たちの何人かは、君たちの敵の敵だ」

 「最大の武器商人は合衆国大統領。輸出量は1日で私の1年分。証拠を残したくない取引もある。そんな時は、私みたいなフリーランサーに託すのだ」

 「私を悪と呼ぶのはいい。だけど君らの必要悪なのさ」

 と語り、自分はいずれ釈放される、と思っている。そして最後、

 「個人経営の武器商人も繁盛しているが、最大の武器供給者は米英露仏中である」

 「この5か国は国連安保理常任理事国でもある」

 と字幕が告げ、映画は終わる。もう1つ付け加えれば、これらすべてが核保有国である。

 そんな映画を見ていると、心配になるのが、日本の武器の行方・・・。

(本文おわり、次ページ以降は本文で紹介した映画についての紹介。映画の番号は第1回からの通し番号)

(1084)ロード・オブ・ウォー (1085)ドローン・オブ・ウォー (1086)コラテラル・ダメージ
(1087)ハミングバード (1088)ギヴァー
ロード・オブ・ウォー
1084.ロード・オブ・ウォー Lord of war 2005年米国映画

(監督)アンドリュー・ニコル
(出演)ニコラス・ケイジ、イーサン・ホーク、ジャレッド・レト、ブリジット・モイナハン

 幼い頃、ウクライナから移民したユーリーが住むニューヨークのリトル・オデッサでは殺人は日常茶飯事。新聞を見ても、撃ち合いばかり。そこで考えた。「これが俺の銃でもいいはずだ」と。「大金は国家間の戦争で動く」とも。

 武器商人となったユーリー。しかし、冷戦期の取引は政府間が中心。だから、闇取引を始めた。1984年、自爆テロ後のレバノンが最初の大仕事。米軍は、去る時、輸送にカネがかかるから武器を置いていく。それを安く買い叩いたのだ。

 冷戦期は歴史上最大の兵器生産時代。ソ連もせっせと作った。ソ連崩壊。敵が消え、武器バザールが始まった。稼ぎ頭はAK47「カラシニコフ」。冷戦終了で政治は不要となった。紛争地域で、双方と商売すればいい。

 2000年、週1回は西アフリカに出張している。リベリアではブラッドダイヤモンドで支払いを受けた。

 そんなユーリーを、インターポール捜査官バレンタインは執拗に追いかける・・・。

 ビクトル・ボウトなど実在の武器商人をモデルに、アンドリュー・ニコルが脚本を書き監督。高いエンターテイメント性の中で深刻な問題を提起する「死の商人」物語である。

ドローン・オブ・ウォー
1085.ドローン・オブ・ウォー Good kill 2014年米国映画

(監督)アンドリュー・ニコル
(出演)イーサン・ホーク、ブルース・グリーンウッド、ゾーイ・クラヴィッツ

 2010年.かつてF-16パイロットとして多くの出撃をこなしたトミーは、いま、ラスベガス郊外の空軍基地にあるエアコンの利いたコンテナ内で、紛争地を飛ぶドローンを遠隔操作し爆撃している。

 12時間の仕事を終えると、家で妻子とバーベキューパーティをするような日々である。

 トミーのチームはCIAの対テロ作戦に参加することになった。集団の行動パターンから武装勢力と判断すれば標的攻撃するもので、電話を通し送られてくる命令に従い爆撃。

 母国にいながらにして戦争をしている、ディスプレイを通し爆撃する、そんな日常に、トミーは酒におぼれ、家族ともうまくいかず・・・。

 『ガタカ』(1997)『ロード・オブ・ウォー』(2005)に続きアンドリュー・ニコル監督作出演のイーサン・ホークの寡黙な演技が、ドローン攻撃の現実を静かに語る。

コラテラル・ダメージ
1086.コラテラル・ダメージ Collateral damage 2002年米国映画

(監督)アンドリュー・デイヴィス
(出演)アーノルド・シュワルツェネッガー

 ロサンゼルス、コロンビア総領事館前で爆破テロが発生。消防隊長ゴーディーは、近くのカフェで待ち合わせていた妻子を失った。コロンビアの反政府組織ALCの「ウルフ」がコロンビアに介入する米国を糾弾する犯行声明を出した。

 コロンビア政策を「和平」とする米国政府は様子見。捜査は進まず、今回のテロ被害者は「コラテラル・ダメージ」とのコメントもテレビで流れた。

 国には期待できないと感じたゴーディーは、単身、コロンビアへと向かった。様々な困難を切り抜けゲリラ支配地域に潜入、「ウルフ」への復讐劇が始まった・・・。

 「コラテラル・ダメージ(副次的被害)」とは、軍事行動などの目的達成に付随する「やむを得ない被害」を表す言葉。被害者サイドから言えば「巻き添え」のことである。

 当初、2001年10月の公開を予定していたものの、9・11同時多発テロが発生。その内容から、公開は翌年2月へと延期された。『沈黙の戦艦』(1992)『逃亡者』(1993)で知られるアンドリュー・デイヴィス監督によるアクション大作である。

ハミングバード
1087.ハミングバード Hummingbird 2013年英国映画

(監督)スティーヴン・ナイト
(出演)ジェイソン・ステイサム、アガタ・ブゼク

 アフガニスタンで特殊部隊軍曹だったジョゼフは、戦場での行為で軍法会議にかかることを恐れ、戦闘ストレスで収容されていた陸軍病院から逃亡した。

 1年後、ロンドンでホームレス生活を送るジョゼフにとって、数少ない心の通う存在がイザベルだった。

 ギャングによるホームレスへの取り立てから逃げ、飛び込んだ高級アパートの住人はたまたま長期不在。知人になりすまし、そこで新生活を始める。

 裏社会で稼ぎながら、連れ去られたイザベルを助けようと考えるジョゼフ。ホームレスの世話をする修道女とも気持ちが通じるようになった。しかし、イザベルが惨殺されたことを知り、犯人捜しを始め・・・。

 『堕天使のパスポート』(2002)でアカデミー脚本賞候補となったスティーヴン・ナイトの監督デビュー作。

ギヴァー
1088.ギヴァー 記憶を注ぐ者 The giver 2014年米国映画

(監督)フィリップ・ノイス
(出演)ブレントン・スウェイツ、ジェフ・ブリッジス、メリス・ストリープ
(原作)ロイス・ローリー

 貧困も飢えも争いも知らない平等で安全な近未来「コミュニティ」。人々は過去の記憶をもたず、長老たちが決めた仕事に何の疑問も持たずにつき、平穏な日々を送っていた。

 ジョナスの職は、名誉ある「レシーヴァー」に決まった。ただ1人、過去の記憶を持つ「ギヴァー」から記憶を受け継ぐ大役である。

 記憶の授受が始まった。

 「色」「音楽」「愛」・・・全く知らない世界に触れる日々。しかし、戦争の残酷さ、均一社会実現のため行われる「解放」の真実までも知り・・・。

 表面的にはユートピアを実現したかのように見える社会の闇を描くロイス・ローリーの同名の世界的ベストセラー児童文学の映画化。

 人気絶頂の歌手テイラー・スウィフトが「ギヴァー」の娘役として出演。主題歌はOneRepublicが担当している。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44942


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