ロシア人専門家：中国は核兵器保有量の管理に関する古いアプローチを見直した［スプートニク日本語］
2015年11月11日 20:31

一連のマスコミは、中国が近いうちにも、核ミサイルを搭載した潜水艦の初の「戦闘準備パトロール」を開始、あるいはすでに開始したと報じた。このようなパトロールは、これまで延期が繰り返されてきた。間もなく中国がパトロールを開始する可能性があると初めて発表したのは、米海軍情報局（ＯＮＩ）で、２０１３年のことだった。

以下、ロシア戦略分析技術センターのワシリー・カシン専門家の見解をご紹介する。

核ミサイルを搭載した中国の新たな０９４型潜水艦の「戦闘準備パトロール」の開始は、中国が、核爆弾の保管や核兵器保有量の管理に関する古いアプローチを見直したことを意味している。比較的最近まで、中国は、中国にとっては一般的な慎重さをもって、平時は、ミサイルから外された核弾頭を保管していると考えられていた。

安全性と事故防止の観点から見て、中国は、核保有国であることを公式に認められている国の中で、最も責任感が強いと思われる。中国人は、特に重要な技術プロジェクトを実施する際に、安全性とあらゆる不測の事態を避けることに大きな関心を払うという特徴がある。これは、例えば、中国の宇宙プログラムでは、事故の発生率が非常に低いことなどで証明されている。

なお、中国を、ロシアと米国が行っているように、核戦力を戦闘準備態勢に置くことへ移行させたのは、状況の変化だと思われる。しかしこれが、中国人民解放軍・第二砲兵部隊の地上配備ミサイルにどの程度まで影響するのかについて述べるのはまだ難しい。

戦略核戦力の制御を行うはるかに近代的なシステムが稼働することは必然的だ。このシステムは、例えば、超長波による無線通信などを使って、水中に潜っている核ミサイルを搭載した潜水艦に、核兵器使用の指示を伝えることができるというものだ。

入手したわずかな情報を基に考えた場合、中国の潜水艦発射型大陸間弾道ミサイルJL-2は、南シナ海の通常のパトロールエリアから、米国本土の目標を破壊するためには射程距離が足りないと思われる。

しかしJL-2は、アジアにおける米国の全ての基地と同盟国に脅威を与えることができる。今後、中国の海洋配備ミサイルの改良版では、恐らく射程距離が延びるだろう。また中国は、南シナ海のパトロールエリアに対する管理体制も変えることになるだろう。この変更の開始が早ければ早いほど、我々が、同海域における中国の船舶や航空機の活動の高まりに直面するのも早くなる。

中国が南シナ海で建設している人工島は、当初から、中国人民解放軍海軍が同海域をより厳密に管理し、船の安全性を確保するのをサポートすることを目的としていたと考えることができる。今後、南シナ海で活動する他の国の船隊は、同海域におけるあらゆる軍事的出来事がきわめて高くつくことを考慮しなければならない。最悪の場合、ミスや偶発的な軍事衝突が、私たちの世界を危険にさらす極めて危険な核危機の発端となる恐れがある。

http://jp.sputniknews.com/opinion/20151111/1151585.html

コメント
1. 2015年11月11日 22:56:11 : jXbiWWJBCA スプートニクの報道では珍しくはないことだが 「中国人は、特に重要な技術プロジェクトを実施する際に、安全性とあらゆる不測の事態を避けることに大きな関心を払う」 「中国の宇宙プログラムでは、事故の発生率が非常に低い」 のかどうかは、最近の化学工場の爆発や、悲惨な環境汚染など、多くの事実から明らかだろう。 https://www.youtube.com/watch?v=P815JVWS_8w 1996年2月15日 - 長征3Bロケットの爆発 中国四川省のリャンシャン・イ族自治州で打ち上げられた長征3Bロケット1号機が西昌市に墜落・爆発した。強い腐食性を持つ非対称ジメチルヒドラジンが一帯に飛散し、村は壊滅。中国政府の公式確認では死者は6人。米国の軍事情報筋によれば、200人以上が死亡したとみられている。500人が死亡したという情報もある[2]。
2. 2015年11月12日 01:28:31 : pEdN1c3VYQ 今のところ中国の原潜が安全に出港できる基地はない。北の青島は日米の厳しい監視下に置かれているし南の海南島は深度が浅い大陸棚が続き台湾とフィリピンが行く手を阻んでいる。原潜の戦略パトロールを有効に行うのは事実上不可能だ。
3. 母系社会 2015年11月12日 19:14:53 : Xfgr7Fh//h.LU : DE7WQoDAOQ いずれにせよ、中国が南シナ海の件で強硬な態度をとっているのは、「資源」とか「シーレーン」の問題ばかりではなく・・・ �@１５世紀の「明」の時代に、「明」のイスラム教徒の武将「鄭 和」が、南シナ海を通ってアフリカや、サウジのメッカまで到達した七度の大航海を行い、南シナ海では海賊を退治して、東南アジア内での貿易を盛んにした実績を中国人が誇りに思っていること（中国人にとって「鄭 和」は英雄である） �Aこの０９４型原子力潜水艦（弾道ミサイル原子力潜水艦：晋級）による戦略パトロールの件 ・・・もあるのは間違いない。 米国が南シナ海問題に介入する意図には、この中国の弾道ミサイル原子力潜水艦による戦略パトロールを阻止するという軍事的目的がある。つまり、核兵器の中では、最も生存性が高いのが「弾道ミサイル原子力潜水艦」。それで米国は、中国が「弾道ミサイル原子力潜水艦」を実践配備して、「相互確証破壊」の面で軍事的に米国と対等な立場になるのを阻止するためにも介入している。 だから米国は、米国自体が反対して批准していない国連海洋法の「航海の自由」を名目に、米国は「正義の使者」面して南シナ海問題に介入しているのである。 ★米、露、英、仏、印が保有している「弾道ミサイル原子力潜水艦」を放棄すれば、中国も放棄することになり、南シナ海問題も平和的に解決する可能性が生まれる。 しかし、これらの５ヶ国が保有を続ければ、中国も、南シナ海を「０９４型原子力潜水艦」が安全に待機していられる「聖域化」することを諦めない。万一、中国の地上配備型「核弾道ミサイル」を奇襲で破壊されたら、中国は報復能力が無くなり、敗北を余儀なくされるからである。 つまり、中国にとっては単なる領土問題ではなく、国家的な「安全保障」の問題なので強硬な態度を続けているが、米国は、この「弾道ミサイル原子力潜水艦」の問題を隠したいので、日本の従米マスゴミは、この件を隠して報道しない。なぜなら、米国も危険な「弾道ミサイル原子力潜水艦」を放棄しろという国際世論が高まるからである。 ★そもそも、核兵器は、非核兵器保有国には使用不可能な兵器であり、非核兵器保有国である日本は無視できる。したがって、日本は、まずは何の役にも立たない米国の「核の傘」から脱するべきである。 ★そして、たった１隻の「弾道ミサイル原子力潜水艦」で反乱が起きたりすれば、核戦争が起きるかもしれないので、唯一の被爆国である日本は、核兵器の中でも最も危険な「弾道ミサイル原子力潜水艦」の廃止を訴えるべきなのである。
4. 2015年11月12日 22:10:39 : jYFOCBzhQA >>2 お前は認知症か 真逆の嘘こきやがって 大陸棚続きで深度が浅いのは渤海湾に近い青島の方だ 海南島周辺は深度も深く洞窟基地・ドックが続々と作られ 中国軍潜水艦を補足することが日に日に難しくなって来ている
5. 2015年11月13日 03:45:05 : YcBIlaIAWw >>3 ０９４型原子力潜水艦は外形から判断するにロシアのデルタ級戦略ミサイル原潜をコピーした物のように思われます。二隻程度しか建造されていないので数の面からも戦略パトロールを行うのは不可能です。中国の目的は研究にあると思われるが、将来的に戦略ミサイル原潜の艦隊を建造してアメリカと対等に張り合う意思があるのは明らかでしょう。 そのためにも原潜の母港となる海軍基地を入手するのは最重要国家目標でしょう。 体積が大きく水中での運動性能が優れている原潜の性質から言って、出港時には空軍機や海上艦艇に守られ、出港してすぐに深海まで潜航できる地形がベストです。そういう意味では今のところ中国にはそのような海軍基地はまだありません。旧ソ連のウラジオストック基地も良い地形ではなかったので、アメリカ太平洋艦隊にとってソ連原潜を追尾するのは難しい事ではありませんでした。 >>04 原潜にとって200ｍ程度では敵に発見されやすい危険な深度なのだ。海中のソナーケーブルに引っかからないためには6000ｍ位の深度が望ましい。南シナ海のどこに6000ｍの深度があるというのか。補足が難しいのは中国軍の通常型潜水艦だろう。これは最近新型に更新されているので日に日に難しくなって来ているのは当たり前だ。他人を嘘つき呼ばわりしたかったら少しは勉強したらどうだね。ネトウヨってのはドヤ顔以外にできる事はないのかｗ

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