通信を「盗聴」したのだと思う　＜＝　愛が　３０年前から　盗聴は許されるとする理由だ
　

チェチェン共和国のカディロフ大統領はISやアルカイダに特徴的なサラフィージハーディストやワッハーブ主義者を心底嫌っておりチェチェンに多いイスラム教スーフィーズムを信奉しているので、シリアで暗躍しているカフカス系のイスラムテロリストを送り出すルートはカディロフとつながるチェチェンマフィアを通じて割り出しているようだ。

その割り出した情報がクレムリンに上がっていくというわけだが、チェチェン紛争といえば今尚、独立をめぐってロシアの無慈悲な攻撃と虐殺がプーチンのイメージを冷血の独裁者に喩えられる欧米マスコミの定番だが、現実のチェチェン共和国はロシアから独立をする際に立ち上がった地元ムスリムと援軍にかけつけたアラブ系のイスラム義勇軍とがヘゲモニー争いで対立し、ワッハーブ派のアラブ系イスラム義勇軍がテロに走るなどして地元ムスリムの指導者を爆弾で殺害するなどして完全に内戦状態に突入すると、地元ムスリム勢はあれほど嫌っていたロシアとの和解を基にアラブ系イスラム義勇軍をテロリストとしてチェチェンから掃討するためにロシア軍と共闘し、今ではカディロフはプーチンの盟友とも相成っている。

そのためカディロフは欧米からプーチンに寝返った裏切者だと蛇蝎のごとく非難されているが、スーフィズムを信奉するカディロフがシャーリアに厳格でないスンニ派はムスリムとは認めず、異端教徒として殺してよいとするサラフィージハーディストやワッハーブ主義者と折り合えるわけがないことを考えれば、欧米はカディロフの選択を避難できないはずだ。
ISやアルカイダの現在がカディロフが危惧したそのものであり、欧米がその現実に喘いでいるのだから。

このようにロシアはイスラム教徒の多い国でもあり、そのため独自のイスラムネットワークやマフィアから情報を得ることが可能である。
こういうことはアメリカや欧州にはまずもって無理なことである。