★阿修羅♪ > 中国8 > 336.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
中国 新5カ年計画の狭き道(上)痛み伴う構造改革 新成長路線へ不可避(下)「ポスト習」狙う世代 忠誠示し時機を待つ
http://www.asyura2.com/16/china8/msg/336.html
投稿者 あっしら 日時 2016 年 3 月 22 日 03:21:49: Mo7ApAlflbQ6s gqCCwYK1guc
 


中国 新5カ年計画の狭き道

(上)痛み伴う構造改革 新成長路線へ不可避

 中国の習近平指導部は16日に閉幕した全国人民代表大会(国会に相当、全人代)で、2020年までの第13次5カ年計画を採択した。任期10年とされる習氏にとって20年は総仕上げの節目。構造改革と成長戦略を両立させられるかが最大の課題になる。政権運営では習氏の「1強」ぶりが目立ち、円滑な世代交代の道筋は見えていない。

閑散とした街

 中国東北部にある炭鉱の町、遼寧省阜新市。3月15日、未舗装の道を歩いてたどり着いた石炭会社には時折、土煙を上げながらダンプカーが出入りするが、人の出入りはほとんどない。ひっそりとした街には、石炭で繁栄を築いた当時の面影はなかった。

 同市は産業全体の75%を石炭産業を中心とする重工業が占める。需要減から石炭の採掘量が減るとともに経済は低迷し、15年の域内総生産(GDP)は前年比9%減少した。失業者は約13万人に達し、市民の4分の1が生活保護を受ける。元炭鉱労働者の男性は「炭鉱で働いても月1千元(約1万7千円)。辞めても別の仕事は見つからない」と話す。

 今回の全人代では、遼寧、吉林、黒竜江の東北3省の経済不振に注目が集まった。かつては工業地帯として中国経済を支えた同地域は「古い経済」の象徴だ。石炭や機械など主要産業の大半を国有企業が担う。高齢化も急速に進む。

 東北3省の15年の成長率は全国の省・直轄市のなかでワースト5に入る。李克強首相は5日の政府活動報告で「東北など旧工業基地の新たな振興戦略を実施する」と言及し、かつて省トップを務めた遼寧省などの経済低迷に危機感をにじませた。


ゾンビ企業淘汰

 習指導部は5カ年計画で減税や規制緩和を軸に企業の活力を引き出す「供給サイドの改革」を掲げ、過剰生産の解消や利益を出せない「ゾンビ企業」の淘汰に本腰を入れる姿勢を示した。構造改革の必要性は東北地域だけにとどまらない。

 「勇気を持って(改革の)先陣を切ってほしい」。李首相は9日、製造業が集積し「世界の工場」をけん引してきた広東省の全人代分科会で檄(げき)を飛ばした。広東省は今後1年で約2300社のゾンビ企業を淘汰するほか、約1千社の整理・再編を促す方針を打ち出した。

 改革には痛みが伴う。石炭・鉄鋼業だけでも180万人の余剰人員が生じる見通しで、政府は従業員の再就職支援などに1千億元を充てると表明した。ただ、主な受け入れ先となるサービス業では「国有企業(の人)は扱いにくい」(飲料大手、娃哈哈集団の宗慶後董事長)とそっけない。

 5カ年計画では産業用ロボットやIT(情報技術)、航空宇宙などに予算や人材を投入。新産業の育成と雇用の創出につなげる方針だが、具体策はこれからだ。

 構造改革と成長戦略の両輪をうまくかみ合わせて、新たな安定成長路線を築き上げられるかどうか。20年までの道は決して平たんではない。

[日経新聞3月18日朝刊P.7]
------------------------------------------------------------------------------------------------------------
(下)「ポスト習」狙う世代 忠誠示し時機を待つ

 16日に閉幕した中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)では「ポスト習」の座をうかがう地方幹部が習近平国家主席(共産党総書記、62)が掲げる政策の取り組みをアピールする発言が相次いだ。念頭にあるのは来年秋に開く5年に1度の党大会での人事。自らの政策よりも習氏への忠誠を示して、時機を待つ姿勢が色濃くにじんだ。

元部下の「新星」

 「5年で貧困人口を656万人減らした」。陳敏爾・貴州省党委書記(55)は習氏が力を入れる貧困対策の成果を強調した。習氏の地方勤務時代の部下で、2012年秋に習指導部が発足するや貴州省長に抜てきされ、昨夏に省トップに昇格した。次期最高指導部入りを狙う「ダークホース」とも「新星」とも呼ばれる。

 身ぶりを交えて説明したビッグデータなどの新産業育成策も習氏の肝煎りだ。最後は人さし指を派手に突き立てながら「地元では『貴州であなたを待っています』という歌がはやっている。ぜひ来てほしい」と声を張り上げた。中国人記者は「習氏に近い余裕の表れだ」と説明した。

 「今年初め、習近平総書記が視察され、重慶市の成果を非常に評価してくれた」。中立派の重慶市トップの孫政才・党委書記(52)は習氏にほめられたエピソードを紹介。強いなまりの中国語で話す言葉に「供給側改革」「貧困撲滅」など、習氏が掲げる標語をちりばめた。全人代の閉幕式では、習氏が退場するところを待ち構え、25人いる政治局員の中でただ1人、習氏と握手した。

 将来の総書記候補と呼ばれてきた共産主義青年団の流れをくむ胡春華・広東省党委書記(52)も「18年までに全国に先駆けて貧困対策を完了させる」と表明した。

 香港の複数の記者が書店関係者の失踪事件について大声で問い詰めると「香港の皆さん、安心してください」とざわつく会場を静める胆力も見せた。ただ、その後は「今後も広東と香港は協力を強化していく」と慎重な回答にとどめた。


成果をアピール

 昨年8月、大規模爆発事故にみまわれた天津市の黄興国・市党委代理書記(61)は「事故の損失は大きかったが、全国3位となる9.3%の高成長を実現できた」と“復興”を強調した。習氏の側近の一人で、事故後も人事レースに踏みとどまったとみられている。

 全人代を控えた1〜2月、地方幹部の間で習氏を「党の核心」と呼んで忠誠を誓う発言が相次いだが、最初に口火を切ったのは黄氏だった。

 一方、最年少省長である共青団派の陸昊・黒竜江省長(48)は失言につまずいた。同省北部の炭鉱で発生した賃金未払い問題について「未払いは一切ない」と発言すると、地元で大規模な抗議運動が起きた。あわてて省のウェブサイトで誤りを認め「解決に向けて努力したい」と釈明したが、政治キャリアに傷が付いたとの見方もある。

 17年秋の党大会では、7人いる最高指導部のうち5人が定年を迎える見通しだ。習氏は入れ替え人事をちらつかせて地方での改革を促すが、内部には習氏の強権化への不満も多い。新5カ年計画を円滑に遂行できる道筋はまだ見えていない。

 永井央紀、原島大介が担当しました。

[日経新聞3月19日朝刊P.]

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 中国8掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
中国8掲示板  
次へ