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[nfml:7913] 沈み込んだ海山と地震との関係について
http://www.asyura2.com/16/cult17/msg/784.html
投稿者 taked4700 日時 2017 年 3 月 28 日 10:01:09: 9XFNe/BiX575U dGFrZWQ0NzAw
 

(回答先: [nfml:7897] 近い将来起こるであろう関東地方での大地震の起こり方の予測 投稿者 taked4700 日時 2017 年 3 月 28 日 09:59:05)

[nfml:7913] 沈み込んだ海山と地震との関係について
沈み込んだ海山と地震との関係について

「海山に起因する弱いプレート間カップリングと繰り返し発生するM7級地震との関
係」
http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/people/kimi/Projects/Ibaraki.html

についての投稿です。大きな誤解をしているのかも知れませんが、かなり考えた結果
です。専門家の方々からコメントを頂ければと思います。

「海山」という言葉がどの海山を指すのかを明確にするために、上の論文で対象とさ
れている「比高〜3000 m、基底部直径〜50 kmを持つ、ほぼ富士山の規模に相当する
海山が海面より深さ〜10 kmに沈み込んでいることを明らかにした(図2)。」に緑色で
示された部分を海山Z(かいざんゼット)と表記します。なお、「図 4 プレート境
界の形状と地震活動」には、海山Zが緑色で示された位置ではなく、より海溝よりに
ずれた位置に示されていると思います。このことの理由が自分には理解が出来ません
でした。googlemapで見ても、図2に緑色で示された部分が海山Zとなると思えるの
ですが。

(1) 沈み込んだ海山Zの北側の海底に溝があり、更にその北側にある「地震活動
が非活発な領域」について:

「図 1 茨城県沖の地震活動と構造調査測線」の

>青で囲まれた領域は、地震活動が非活発な領域

の緯度・経度は度・分で示されていますから、それを10進法にして、かつ、この領域
が斜めになっているため、その中心領域を取ることにして、緯度:36.35-36.65、経
度:141.60-142.05 と見積もり、その領域で2004年10月以降のM4以上地震の発生状
況をEMSCのサイトを使って調べました。

そのurlが
http://www.emsc-csem.org/Earthquake/?filter=yes&start_date=2004-10-01&end_da
te=2017-01-14&min_lat=36.35&max_lat=36.65&min_long=141.60&max_long=142.05&mi
n_intens=0&max_intens=8&view=3
です。

2017年1月14日までに総数46件発生があると出てきました。その内、最も以前の
(2004年10月に近い)もの7件が次のリストです。(一行の文字数を少なくするた
め、NEAR EAST COAST OF HONSHU, JAPANの部分を除いてあります。)

2011-03-11 07:42:54.0 36.42 N 141.88 E 28 5.8
2009-10-02 00:44:01.5 36.47 N 141.90 E 34 4.8
2008-07-21 20:31:54.9 36.55 N 141.60 E 30 4.7
2008-06-10 00:03:14.3 36.35 N 141.91 E 30 4.7
2008-05-31 07:55:50.0 36.46 N 141.71 E 32 5.0
2008-05-31 07:44:12.7 36.44 N 141.88 E 2 4.6
2008-05-31 05:03:33.9 36.50 N 141.69 E 41 4.9

最も以前のものが2008年5月であり、2004年10月から3年間以上発生が無かったことが
分かります。(ただし、これが観測機器の配備の都合である可能性もあると思いま
す。一応、緯度を少しずらして調べると、
2006-12-02 00:30:36.1 36.51 N 142.49 E 33 4.7 OFF
EAST COAST OF HONSHU, JAPAN
2006-02-03 05:38:12.7 36.61 N 141.51 E 52 4.9
NEAR EAST COAST OF HONSHU, JAPAN
とか、
2005-07-26 05:14:37.9 33.28 N 142.32 E 10 5.4 OFF
EAST COAST OF HONSHU, JAPAN
2005-02-04 18:34:16.2 33.66 N 142.16 E 30 5.4 OFF
EAST COAST OF HONSHU, JAPAN
が出てきます。)

よって、上のことは、「丸は1996〜2005年の気象庁一元化震源によるM3以上の地震の
震央」が「青で囲まれた領域」にはほとんど存在しないことと整合的です。

しかし、2011年3月11日以降は次のようになります。(OFF EAST COAST OF HONSHU,
JAPANとの表記も除いてあります。)
2016-08-30 20:36:50.1 36.40 N 141.67 E 30 4.7
2016-08-30 20:04:49.6 36.35 N 141.76 E 40 5.0
2016-03-06 09:08:20.2 36.64 N 141.80 E 10 4.6
2015-01-20 14:35:04.0 36.47 N 141.74 E 10 4.4
2014-06-15 18:19:13.8 36.65 N 141.72 E 10 5.6
2014-03-29 01:53:56.0 36.40 N 141.79 E 10 5.3
2013-12-15 15:35:14.0 36.35 N 141.95 E 40 4.7
(途中省略)
2011-03-11 12:24:37.0 36.51 N 141.68 E 30 5.5
2011-03-11 11:16:49.0 36.62 N 141.79 E 32 5.5
2011-03-11 11:13:11.0 36.53 N 141.72 E 10 5.6

年別に集計すると次のようになります。

2004年:00件(10月1日以降)
2005年:00件
2006年:00件
2007年:00件
2008年:05件
2009年:01件
2010年:00件
2011年:24件
2012年:04件
2013年:06件
2014年:02件
2015年:01件
2016年:03件
2017年:00件(1月13日現在)

必ずしも確実とは言えないとは思いますが、一応は、311大地震以降は状況が変わ
り、「地震活動が非活発な領域」でもM4以上地震が発生しだしたとみなすことが出
来ると思います。

この「地震活動が非活発な領域」は、「黒矢印は海山が沈み込んだために形成された
と考えられる、沈み込み方向に並んだ海底地形の溝を示す」との説明がある黒矢印を
海山Zとの間に挟んで北側にあります。更に、「この非活発帯に対応して、陸側プ
レート地殻内における上部地殻と下部地殻との境界面が南側に傾斜していることがわ
かった(図2中R2)。非活発帯よりもさらに北側では、この境界面はほぼ水平をなして
いることなどから、この非活発帯は海山の沈み込みによってプレート境界に接する下
部地殻が削り取られ、そこに堆積物がたまっているために地震活動が非活発になって
いる可能性がある。海山の沈み込んだ跡に堆積層が存在することによって、プレート
境界での固着強度は弱まり、その南側で発生した巨大地震の破壊が北側に伝播できな
かった、すなわち過去に海山の通った痕跡がアスペリティの境界になっている可能性
を示した。」との説明がされています。

この文章の意味が自分にはなかなか理解できなかったのですが、自分の理解ではつぎ
のようになりました。

1.「過去に海山の通った痕跡」とは、海山Zが通ったという意味ではなく、多分、
海山Zよりもはるかに昔に沈み込んだ海山の通った痕跡の意味。なぜなら、海山Zと
「青で囲まれた領域は、地震活動が非活発な領域」とされる領域は別であり、その間
に「黒矢印」で示される海底の溝があるから。なお、そもそも、論文の「1.概要」
に「その震源域に接した北側には地震活動の非活発帯が存在する。ここは複数の海山
が過去に沈み込んだ痕跡であり、そこに堆積物がたまってプレート間の固着を弱くし
ているために地震活動が非活発」との記述があります。
2.「陸側プレート地殻内における上部地殻と下部地殻との境界面が南側に傾斜して
いる」の意味は、陸側プレート内に上部地殻と下部地殻があり、その境界面が南に向
かって、下がっているとの意味。つまり、海山Zよりもはるか昔に沈み込んだ海山に
よって、陸のプレートの下部地殻が削り取られ、その結果、陸のプレートが薄くな
り、その最も薄くなった部分が重力に耐えられなくなったため、沈下して「南側に傾
斜」した。
3.「この非活発帯は海山の沈み込みによってプレート境界に接する下部地殻が削り
取られ、そこに堆積物がたまっているために地震活動が非活発になっている可能性」
とは、一般的に海山が陸のプレートの下へ沈み込むと、海山の周辺に堆積物が付随し
て沈み込み、海山が通過した跡にそういった堆積物が残る。そして、そういった堆積
物は十分に柔らかいため、歪みを貯めることが出来ず、結果的に大きな地震を起こせ
ない。

事実として、2004年10月から2008年4月まではM4以上地震の発生は無かったのです
から、この時期、「海山の沈み込みによってプレート境界に接する下部地殻が削り取
られ、そこに堆積物がたまっているために地震活動が非活発」であった可能性はかな
り高いと思います。
しかし、上の311以降の地震データは「過去に海山の通った痕跡」の領域でもかな
り活発に地震が発生することを示していると思います。問題は、では、なぜ、311以
降M4地震が発生するようになったかです。M4以上地震が発生するためにはかなり
大きな固着が破壊される必要があり、311の前後で変わった条件は、海のプレート
の沈み込み速度、または沈み込み圧力ですから、沈み込み速度が遅いとき、または沈
み込み圧力が小さいとき、堆積物がいわゆる潤滑油の役割を果たし、地震を起こさな
いということではないのでしょうか。沈み込み活動が活発化した場合、上部が破壊さ
れてかなり平らになった抜け殻状況の海山でも、その凸凹がM4以上の地震を起こす
アスペリティになり得るのではないでしょうか。

(2)「海山が沈み込むことによってその基底部に応力が集中し、その前方に比較的
弱いプレート間の固着を持つアスペリティを形成していること」について:

金魚すくいで使う丸いフレームに紙が貼ってあるモノを、動かす方向と平行の向きし
て動かしても、紙が破れてしまうことはなかなかありませんが、直角にして動かせば
簡単に紙は破れてしまいます。これは水の圧力が紙に直接伝わるためでしょう。しか
し、仮に動かす方向に直角であってもごくゆっくり動かせば、紙が破れることなくか
なりの距離動かすことが出来るはずです。

それと同じで、海山の動きがごくゆっくりであるとき、海山の表面に堆積物が潤滑油
として働くため、海山全体に陸のプレートの圧力が伝わり、結果的に海山全体が海の
プレートの沈み込み方向とは逆方向に傾くような圧力を陸のプレートから受けるだけ
で、海山自体が破壊されることがないのではないでしょうか。そして、「前方に比較
的弱いプレート間の固着を持つアスペリティを形成している」とは、海山が進行方向
後ろ側に傾くため、海山の前方の裾の部分が鉛直上方に持ち上げられ、それが陸のプ
レートの下部地殻を突き上げるため、震源深さの浅い正断層型の地震が起こるのでは
ないでしょうか。

海山の動きがより速くなった場合、陸のプレートに海山から伝わる圧力が大きくな
り、結果的に陸のプレートがより内陸側へ押されて、かなり大きな地震が起こり、更
に、より海山の沈み込み速度が大きくなれば、最も陸のプレートとの固着が強いであ
ろう海山の上半分あたりが破壊されて、一気に海のプレートが沈み込みこともあり得
るのではないでしょうか。

(3)「 海山上のプレート境界はこれまで予測されていた性質とは異なり、固着強
度が弱い(すなわち海山自身はアスペリティにはならない)」について:

事実として、「地震の発生は海山の基底部周辺に集中しており、海山上のプレート境
界では全く地震が発生していない」であったため、上のことが言われているのだと思
いますが、調査期間が311大地震前であり、太平洋プレートの沈み込み速度が遅
い、または沈み込み圧力が小さかったための現象ではないでしょうか。自分には、冒
頭に引用したurlにある論文に、「海山自身はアスペリティにはならない」ことの理
由と言うか理屈の説明は述べられていないと思えるのですが、どうでしょうか。少な
くとも、海山の上面と陸のプレートの下部地殻との境界面がアスペリティにならない
ことの説明が見つからないと思います。

なお、「図 1 茨城県沖の地震活動と構造調査測線」の説明分に「黄色の星印は、
1982年に発生したM7.0の地震の震央」とあり、この黄色の星印は図2に示された海山
Zのほぼ中央部に記されています。また、「1982年に発生したM7.0の地震に関する震
源解析の結果、破壊は海山の基底部で開始した後プレート境界面上の深い方へと進行
して、海山上ではほとんどすべりが見られなかったこと、またその破壊の平均的な滑
り量は〜50 cm (最大すべり量〜75 cm)にとどまり、速さ〜8.5 cm/年で20年間に沈み
込む量(= 170 cm)の30%にしか相当せず、固着強度としては弱いと考えられることを
明らかにした。」ということは、「海山の基底部」、つまり、海山の根元、海のプ
レートから立ち上がっている部分が、海山全体がゆっくりと陸のプレートから押され
ることにより、海山の根元の海のプレートから立ち上がっている面で海山が破壊さ
れ、海山自体は陸のプレートによって動きを止められているため、海山の下にある海
のプレートだけが沈み込んだという意味ではないでしょうか。「1982年に発生した
M7.0の地震」の滑り量が「〜50 cm」で「20年間に沈み込む量(= 170 cm)の30%にしか
相当」しないのは、単に、ごくゆっくりと海山が沈み込む期間では、70%がいわゆる
ゆっくり滑りで解消されているということかと思えるのですが。

2017年1月14日 武田信弘
 

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