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経済手詰まりで、銀行は一段と「不動産」に傾斜 
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投稿者 軽毛 日時 2016 年 6 月 14 日 13:56:31: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

経済手詰まりで、銀行は一段と「不動産」に傾斜

上野泰也のエコノミック・ソナー

マイナス金利による利ざや縮小に対応
2016年6月14日(火)
上野 泰也
日本銀行のマイナス金利政策により貸出金利が低下し、利ざや縮小による金融機関の収益圧迫が予想されている。運用先に困った金融機関は、不動産業界向けの貸し出しを増やしている。

日銀のマイナス金利政策の影響で、金融機関の資金は不動産へと向かっている
「CI」の数値で、日本経済全体の状況を確認

 日本経済全体の状況を1つの経済指標で手軽に確認しようとする場合に最も適切なのは、景気動向指数のCI(コンポジット・インデックス)だろう。

 この統計を作成している内閣府のホームページから引用すると、景気動向指数というのは、「生産、雇用など様々な経済活動での重要かつ景気に敏感に反応する指標の動きを統合することによって、 景気の現状把握及び将来予測に資するために作成された指標」である。

 「コンポジット・インデックス(CI)」と「ディフュージョン・インデックス(DI)」の2種類があり、「CIは構成する指標の動きを合成することで景気変動の大きさやテンポ(量感)を、DIは構成する指標のうち、 改善している指標の割合を算出することで景気の各経済部門への波及の度合い(波及度)を測定することを主な目的」にしている。

 そして、「一般的に、CI一致指数が上昇している時は景気の拡張局面、低下している時は後退局面であり、CI一致指数の動きと景気の転換点は概ね一致」する。「CI一致指数の変化の大きさから、景気の拡張又は後退のテンポを読み取る」。「ただし、例えば景気の拡張局面においても、CI一致指数が単月で低下するなど、不規則な動きも含まれていることから、 移動平均値をとることにより、ある程度の期間の月々の動きをならしてみることが望ましい」とされている。

2014年以降、アベノミクスは「頭打ち」「足踏み」「弱含み」

 内閣府が5月23日に発表した3月改訂値で、CI一致指数(2010年平均=100)は111.1に上昇した。だが、過去数年間の推移を眺めれば、「アベノミクス」の限界あるいは行き詰まり感が、はっきり浮かび上がる<図1>。

■図1:景気動向指数 CI先行指数、CI一致指数

(出所)内閣府
 2012年11月(第2次安倍内閣発足の前月)に記録した101.8をボトムに、2014年3月の116.2まで同指数は堅調に推移した。しかしその後の2年間は「頭打ち」「足踏み」さらには「弱含み」と形容できる動きに終始している。

 また、一般的に一致指数に数か月先行することから景気の先行きを予測する目的で利用されるCI先行指数は、段階的に水準を切り下げており、景気のリスクがダウンサイドにあることを明瞭に示している。さらに、CI一致指数とCI先行指数の差は2016年3月分で+11.7まで拡大している。これは1998年1月(+12.1)以来の大きさ。当時は消費税率引き上げ翌月の1997年5月に景気が山をつけた後の、後退局面のさなかだった(景気の谷は1999年1月)。

預金と貸出金の差(預貸ギャップ)は、過去最大に

 一方、日本の金融環境(金融業界が置かれた状況)を1つの経済指標で手軽に確認しようとする場合に最も適切なのは、貸出・預金動向速報だろう。

 日銀が6月8日に発表した5月分で、総貸出平残<銀行計>は432兆4126億円(前年同月比+2.2%)で、実質預金+CD(譲渡性預金)<3業態計>は653兆7966億円(同+3.3%)になった<図2>。なお、「実質預金」とあるが、ここで言う実質とは物価の騰落で調整したという意味ではなく、表面的な預金額から手形・小切手の未決済分を除いてあるという意味である。

■図2:貸出・預金動向速報  総貸出平残(銀行計)と実質預金+CD(3業態計)

(出所)日銀
 貸し出しは前年同月比+2%台で緩やかに伸びている。だが、預金は同+3%台で、上向きの角度が貸し出しよりも急である。その結果、預金と貸出金の差である「預貸ギャップ」は5月に221兆3840億円に達し、過去最大を更新した。

有力な選択肢は、不動産業への貸し出し

 すでに元気がない上に下振れリスクを帯びた経済状況の下で、銀行貸し出しが全体として伸びを加速するとは考え難い。余ったお金が主に向かう先は、通常は有価証券の世界ということになる。

 だが、日銀のマイナス金利導入の影響で、このルートも狭まっている。10年物国債利回りは▲0.1%台。30年物国債利回りはプラスの世界に踏みとどまっているものの、0.2〜0.3%台にすぎない。銀行の資金調達原価が平均して1%前後であることを考えると、この債券を購入する場合でも逆ざやになってしまう。

 このように資金運用面での手詰まり感がきわめて強い中で、消去法的に有力な選択肢になっているとみられるのが、不動産業への貸し出しである。

 2015年から実施された相続税増税への対策として注目されているアパートローン(土地の相続税評価額を引き下げる狙いから更地に貸家を建設する案件への融資)、グローバルな金余り状況の中で東京の不動産は割安だとみた海外マネーが流入する中での都心再開発案件など、元気がない日本国内の景気循環とは切り離された原因によって資金需要が生じているところへ、融資を強化する動きが強まっている。

 5月20日に日銀から公表された貸出先別貸出金(四半期調査)(3月)で、業種別の設備資金新規貸出の金額をチェックすると、国内銀行および信用金庫による不動産業向け設備資金新規貸出額が、足元で一段と増加したことがわかる<図3>。

■図3:貸出先別貸出金 不動産業向け設備資金新規貸出額

(出所)日銀
 2016年1-3月期の不動産業向け設備資金新規貸出額(国内銀行+信用金庫)は、3兆7447億円+6666億円=4兆4113億円。初めて4兆円台に乗せて、過去最高額を更新した。

 同じ四半期の設備資金新規貸出額全体に占める不動産業向けの比率は、国内銀行が27.7%、信用金庫が36.7%で、いずれもこれまでで最も高い数字である<図4>。

■図4:貸出先別貸出金 不動産業向けが設備資金新規貸出額全体に占める割合

(出所)日銀資料より筆者作成
資金が不動産業に過剰に向かい続ければ、いずれ反動が

 日銀は2016年4月の金融システムレポートで、金融活動指標のうち「不動産業実物投資の対GDP比率」は引き続き「赤」(上限の閾値を超えて過熱方向に変化)としつつ、「不動産業向け貸出の対GDP比率」は「緑」(安定)のままにした。「幅広い情報を総合的にみれば、不動産市場全体としては過熱の状況にはないと考えられる」という。

 だが、現実問題として「物価安定の目標」2%早期達成の方が、内部的に「マクロプルーデンス」(金融システム全体のリスク状況の分析・評価に基づいた安定確保のための政策対応)よりも優先度がかなり高いとみられる日銀といえども、大都市を中心に地価や取引額が上昇傾向にあること、不動産業向け貸出の伸び率が上昇していることなどから、「マイナス金利環境の今後の影響も含め、不動産市場の動向については、引き続き注意深く見守っていく必要がある」と記述せざるを得なくなっているのが、現在の状況である。

 5月20日の記者会見で日銀の梅森徹名古屋支店長(当時)は、マイナス金利政策が貸し出しの利ざやを圧迫することは避けられないとした上で、「一定のリスクを取らないと収益をあげられない」ため、今後は十分なリスク管理が必要になるという認識を示した。

 日本経済の「実力」に鑑みると高すぎて達成困難な2%の物価目標の達成を目指して金融緩和が強化され、長期金利は極端に低下した。そうした中で、銀行などの資金が不動産業に過剰に向かい続けるとすれば、その反動がいずれ訪れることは避けられないだろう。


このコラムについて

上野泰也のエコノミック・ソナー
景気の流れが今後、どう変わっていくのか?先行きを占うのはなかなか難しい。だが、予兆はどこかに必ず現れてくるもの。その小さな変化を見逃さず、確かな情報をキャッチし、いかに分析して将来に備えるか?著名エコノミストの上野泰也氏が独自の視点と勘所を披露しながら、経済の行く末を読み解いていく。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/248790/060900048  

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コメント
 
1. 2016年6月14日 19:09:09 : 6jC6Ok4X3M : r9HiorRuc1w[551]
銀行は日本に見切りをつけて海外へ出たが資源関連投資で大怪我して尻尾を巻いて日本に戻ってきた、日本で不動産に入れ込んで2回目のバブル崩壊を起こすことになるだろう、もう預金受け入れを拒否して送金手数料なんかで地道に生きて行くしか方法は無いだろう。
産業育成が出来ない金融機関なんて要らない。

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