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(回答先: 英EU離脱で「恐怖指数」取引に好機 投資家が利益を得る方法 株価を上げた英国銘柄13選 ブレグジットで長引く米銀の冬 投稿者 軽毛 日時 2016 年 6 月 28 日 17:39:17)
ソニー株、英EU離脱で割安に
ソニーはゲーム部門の今年度の営業利益が52％増加するとの見通しを示している。写真は6月にロサンゼルスで開かれたE3 でソニーの「プレイステーション VR」を試す来場客
By JACKY WONG
2016 年 6 月 28 日 16:24 JST
英国の欧州連合（EU）離脱で、ソニーは国際通貨同士の綱引きに巻き込まれている。しかし、為替変動はソニーの再建にさほど大きな影響は与えそうにない。
23日に英国民がEUに背を向けて以来、為替市場は大混乱に陥っている。特に円は27日時点で対ドルで3.6％上昇。さらにユーロに対しては、欧州経済の先行きが不透明になったことで23日以降、6.5％も急伸した。
こうした円の上昇はソニーに双方向の影響を及ぼす。対ドルでの円高はソニーにとって有利だ。電子部品などコストの大部分はドル建てで取引されているが、決算は円建てで行うためだ。しかし、対ユーロでの円高はソニーにとって打撃だ。なぜなら、売上高の4分の1近くを欧州で稼いでいるからだ。
ソニーの想定によると、ゲーム機、テレビ、携帯電話事業を含むエレクトロニクス部門の今年の営業利益は為替変動により約110億円押し下げられる見通しだ。また、映画・音楽部門の営業利益も60億円減少する可能性がある。しかし、数十億円はわずか数百万ドルだ。為替変動で減少するとみられる170億円は、ソニーの今年度の予想営業利益（熊本地震による一時的損失を除く）の4％にも満たない。それに引き換え、ソニーの株価は23日以降、8％下落し、17億ドル近い時価総額が吹き飛んでいる。
ソニーは先月、家庭用ゲーム機「プレイステーション4」の累計販売台数が2013年の発売以来、4000万台を突破したことを明らかにした。これは歴代モデルで最速ペースだ。また、手頃な価格が高評価を得ているバーチャルリアリティー（仮想現実、VR）ヘッドセット「プレイステーション VR」が10月に発売される予定だ。ソニーはゲーム部門の今年度の営業利益は52％増加するとの見通しを示している。多くのアナリストは、それをさらに上回る可能性もあるとみている。
円高の影響を直接受けそうにない日本企業の株価は週明けの27日に24日の下落分をほとんど取り戻した。ソニーは依然、英EU離脱確定直後の低い水準にあるが、値を戻してもおかしくないはずだ。
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WSJ【社説】
ブレグジットはEUにとって改革の好機
2016 年 6 月 28 日 16:46 JST
欧州連合（EU）は28日の首脳会議で、英国のEU離脱（ブレグジット）について初めて公式に検討する機会を持つ。英国の選択を温かく受け入れるのか懲罰的な対応に出るのかを議論するが、彼らにとって最も重要なのは、EU改革に向けてこの好機を逃さないことだろう。
残る27の加盟国は、英国との離別の仕組みを理解しようとしており、今週の会議では実務的な問題を中心的に扱う公算が大きい。リスボン条約第50条が発動すると交渉期間の2年間がスタートする。キャメロン首相は即座に発動を求めることはせず、この任務を後任に託すことになりそうだ。ドイツのメルケル首相は、EUが英国の動きを待つべきだと正論を吐いた。待つことで、激しい感情が冷め、欧州の指導者はブレグジットの影響をじっくり考える機会を持つことができる。
交渉が始まれば、残りの加盟国は対英貿易を続けるための条件を決めることになる。英国に追随した離脱を防ぐため、英国の有権者を罰するというのが1つの見方だ。モノとサービスの共通市場への復帰に際して高い関税を課すほか、英国人の移動の自由を抑えるといった内容が考えられる。
これでは道を誤ることになる。英国は世界で5番目の経済大国の地位を維持しており、多くの欧州製品にとって重要な市場だ。ドイツのメーカーが英国に有利な条件を求めるだけの理由がある。
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英国の輸出については、欧州の指導者は脆弱（ぜいじゃく）な自国経済が輸入価格上昇から打撃を受けることだけは避けたいはずだ。英国の法律と文化は金融、IT、マーケティングといったサービスを効率的に提供するのに向いていることから、同国はEU経済の一大拠点となっている。こうした利点は今後も失われず、欧州に必要とされる。ただフランスは本能的に、ロンドンの犠牲のもとパリとフランクフルトを金融ハブとして盛り立てようとするだろう。
投資家は、聞こうとする政治家を見つけてはこの説を唱えている。27日には大陸欧州全体で銀行株が急落した（イタリア政府はこれを受けて400億ユーロ《約4兆5100億円》の資本注入を検討し始めた）。この急落は、欧州経済と金融システムが2008年の危機後10年近くたっても相変わらず弱いことを示す警鐘だ。EUは、英国規模の経済との貿易縮小による余波への対応に追われるだろう。険悪な交渉から生じる政治的不確実性への対応はさらに難しい。
EUにとって最善の選択は、貿易について英国に寛大な条件を提示することだ。まず、英国をEUから離脱させた政治、司法、規制面での障害を条件から排除することである。それにより、ブレグジットを巡る現在の経済的不確実性が早急に払拭され、EUは悪意のない民主的な決定を受け入れる能力があることを証明できる。
EUはブレグジットを、改革の能力があることを示す（おそらく最後の）好機だともみている。EUは「モア・ヨーロッパ」（欧州の統合深化）が大陸の全ての問題に対する解決策だとうたうが、この決まり文句を敬遠する人は既に増えつつある。EUが近く代替策を示さなければ、他国での新たな反EUの動きがブレグジット以上に深刻な結果をもたらすだろう。
そうした自由主義の秩序を維持するには、EUがモノ・サービス・資本の自由な動きに特化した共通市場という当初の役割に回帰する必要がある。特に人の自由に関して、英国の離脱派が自らの最も進歩的な考えを固守することも必要だ。移民を巡る不安は多くの離脱票をもたらしたが、英国は引き続き外国の人材を必要としているうえ、自国民が欧州で生活したり働いたりできることはプラスになる。労働者の自由な移動は若者に対する政治的安全弁として非常に重要だ。EUの一部で雇用が不足している時期にあってはなおさらである。
自由主義の新たな噴出は、欧州がユーロ圏を救うことに寄与するかもしれない。成長に必要な労働市場・規制・税制改革の構築に政府が腐心するなか、ユーロは重圧にさらされている。EUは改革に向けた推進力を必要としているが、ブレグジットはそれをもたらしうる。
EUは、創設当初の自由主義的な原則に立ち返れば、なお繁栄の余地がある。それには、欧州の指導者に長年みられる以上に、想像力と政治的意思を膨らませる必要があるだろう。だが、他の加盟国が英国に倣い始める前に、欧州の指導者に自己とEUの改革を促す拍車の役割は、ブレグジットが果たすかもしれない。
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