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株安・円高の呪縛が解ける日 低変動・高配当戦略リスク 米株バブル懸念なし 経済対策効果は限定的、緩和拡大に懸念 次は資源
http://www.asyura2.com/16/hasan112/msg/289.html
投稿者 軽毛 日時 2016 年 8 月 22 日 20:38:53: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

コラム:
株安・円高の呪縛が解ける日

竹中正治龍谷大学経済学部教授
[東京 22日] - 日本株と円相場の関係について、昨年夏の中国ショック、あるいは今年6月のブレグジット・ショック(英国民投票での欧州連合離脱選択)など、世界経済に暗雲が立ち込め、各国株価が急落する時に円高に動くことが続いた。
これに釈然としない方々は少なくないはずだ。メディアは「相対的にリスクの低いと考えられている円が買われて円高になった」とほとんど意味のない市況解説を繰り返してきた。この相場現象を考えてみよう。その上で現在の「株安・円高」「株高・円安」という相関関係(逆相関)が崩れる可能性についても検証してみよう。
<バブル崩壊後に円高が進行した訳>
円相場と日本の企業収益の間にはある程度の相関関係がある。したがって円高を示唆するニュースで、円高なら企業収益減、日本株売り(逆なら逆)と投資家が動くのは不思議ではない。奇妙なのは株価下落を示唆するニュースで、日本株安なら円高に動くことだ。
しかし振り返れば、日本経済・金融に何か負のショックが起こり、それが円高を誘発した最初の大きな局面として1990年代前半のバブル崩壊局面がある。1990年春には1ドル160円近辺まで円安に戻っていたが、日本のバブル崩壊、つまり株価の下落、不動産価格の下落と並行して1995年には1ドル80円まで円高が進行した。通常、資産バブル崩壊という負のショックは当該国から資金の流出を起こすため通貨安を起こすと考えられている。実際、大概の国ではそうなる。
なぜ日本ではそうならなかったのか。日本は当時も恒常的な経常収支黒字国であり、加えてバブル崩壊による不況を受けた内需の冷え込みと輸出ドライブで、経常収支黒字が一層増えた。経常収支黒字の増加は需給的な円高要因である。
一方、1980年代に旺盛な海外投資をしていた生保など機関投資家は、国内の資産価格の急落で莫大な評価損を抱え、投資のリスク許容度を低下させてしまった。その結果生じた彼らの海外投資の減退は外貨の需要減退となるので、やはり円高要因となった。経常収支黒字の増加と海外投資の減退という2つの需給要因によって、大幅な円高が進行したのだ。過度な円高は輸出企業の収益を直撃したので、株価の下落にも拍車がかかった。
しかし、行き過ぎた相場というものは、経済のファンダメンタルな変化がなくても、市場参加者のセンチメントの変化で逆転し得るものだ。当時、大蔵省の榊原英資国際金融局長の陰ひなたにわたる円安誘導パフォーマンスが功を奏し、円高修正基調となり、1995年後半から円安と日本株価回復の流れとなった。この時、ヘッジファンドなどを中心に起こった円売りは「円売りキャリートレード」と呼ばれるようになった。
ただし、1990年代から2004年までの期間で見ると、株安・円高、株高・円安という逆相関の関係は安定的ではなかった。1990―2004年の期間について、月次データを使ってドル円相場と日本の株価指数TOPIXの前月比の変化で相関関係(期間1年)を計測すると、逆相関(相関係数がマイナス)が計測できるのは全期間の33%に過ぎない。また、絶対値で0から1までの変域をとる相関係数(値が1に近いほど関係性が高い)が0.5を超えている期間は全体のわずか7%で、関係性は総じて弱かった。

<株安・円高、株高・円安の関係性はいつ定着したか>
現在まで見られる日本株と円相場の強い逆相関は実は2005年頃から始まった。2005年から2016年7月までの期間について同様に計測すると、全期間の96%について逆相関となり、しかも相関係数がマイナス0.5―1.0の高い値をとる期間が全体の60%を占める。この経緯を振り返ってみよう。
2005年頃から日本では高金利通貨国の政府債に投資する投資信託がブームとなり、年間数兆円も買われるようになった。もちろん長引く日本のゼロ金利状態がその背景だ。世界的にも為替先物やFXトレーディングで円売りキャリートレードの持ち高が急増し、ほぼゼロ金利の円を売って高金利通貨を買い、その金利格差を収益として獲得する取引残高が急増した。
そのこと自体が為替相場の需給を円安に動かし、2007年前半には1ドル124円まで円安が進んだ。世界的な好景気の中で日本経済も景気回復が続き、企業収益が史上最高を更新しながら株高が進み、株高・円安の逆相関の展開となった。
ただし、このような円売り持ち高の積み上がりは、資産価格が上昇する好調な市況の下での投資家のリスク許容度の上昇に支えられたものだった。
2007年夏にサブプライム危機として米国の住宅バブル崩壊が始まると、投資家がリスク回避に殺到し、株売りだけでなく、円売りキャリートレードの急速な巻き戻し(円買い)の動きで円相場は急騰した。ドル金利の低下による金利格差の縮小も円売りキャリートレードの手仕舞い(円買い)に拍車をかけた。
こうした事情を私は後講釈で言っているのではない。各種の円売り持ち高が積み上がっていること、円相場が相対的購買力平価をベースに計算される実質相場指数の長期的な平均値から円安方向に大きく乖(かい)離していること、その結果として円高への急速な回帰が近い将来起こるであろうと、私は2006年10月発刊の著書の中で以下のように述べている。
「現在(2006年8月時点)の115円以上のドル円相場水準はドル割高圏にあり、ドル債投資をするレンジではない。2000年頃から続いている現在の高金利通貨ブームもいずれ終わり、ドルを含めた高金利通貨相場急落の局面が到来するだろう」「現在(同上)の115円のドル割高レンジで投資をすれば、長期的にはあなたは負け越し投資家になってしまう確率がかなり高い。降水確率80%で傘を持たずに外出するのと同じだ」(「素人だから勝てる外貨投資の秘訣」扶桑社刊)
<アベノミクス下でも見られた「関係性の自己強化」>
こうして戦後最大の金融危機を挟んで生じた株価と円相場の逆相関の関係性は、市場関係者の脳裏に鮮明に焼き付いた。市場現象というものは長期的には経済のファンダメンタルズに依存しながらも、しばしば「関係性の自己強化」と呼ぶべき興味深い動きを見せる。
例えば1980年代後半に「米国の貿易収支赤字の拡大はドル下落、赤字縮小はドル上昇」という短期の相場パターンが著しくなったことがある。公表される貿易収支の赤字の増減が、ちょうど博打のサイコロの目のような役割を果たし、予想より赤字が大きければドル売り優勢、赤字が小さければドル買い優勢となる変動を繰り返した。
貿易収支赤字の拡大が短期的には為替相場の需給上、ドル下落要因であることは間違いではない。しかし、為替相場の需給はそれ以外にも対外的なマネーフローの変化や先物取引によるヘッジや投機的な動きによって大きく変わる。また、そもそも公表される貿易収支は1カ月以上も前のものであり、それによる需給的な変化は過去1カ月に為替市場でほとんど実現済みのはずである。
したがって貿易収支の発表に対するドル相場の反応は明らかに過剰反応だった。しかし、過剰反応であろうと、「皆が買うなら上がるから自分も買う」という原理で、短期の相場変動は関係性の自己強化を起こすのだ。そして、市場参加者が相場の変動を何と強く関係づけるかは、時々の流行のようなものである。
2005年から始まった株価と円相場の逆相関も同様の自己強化の局面に入っているようだ。とりわけ2012年末に安倍政権が、「3つの矢」で脱デフレ、円高の修正などを掲げると、その政策に乗った海外投資家の日本株買いと円売りが実際に株高・円安を起こした。その結果、円相場と株価の逆相関はますます強化されることになった。
掲載図は月次データで2012年12月から足元までのドル円とTOPIXの前年同月末比の変化の関係を示したものだ。相関係数はマイナス0.92、決定係数は0.85と非常に高い。これは一方の変化で他方の変化の85%を説明できてしまうことを意味する。

「海外投資家が外貨で日本株を買うのなら、外為市場での円買いになるので円高になるのではないのか」と最初は戸惑う人達もいた。しかし、金融の自由化が進んだ今日では海外投資家が円安のリスクを先物為替取引でヘッジする、あるいは円資金を調達して日本株に投資するなど為替の需給に影響が生じない取引が自由にできる。
また、ヘッジファンドなどは、日本株買いの為替相場リスクをヘッジするだけでなく、「日本のインフレはすなわち円安」と判断して先物為替取引などで積極的な円売りに動いた。そのため株高・円安が劇的に進行したのだ。
このような動きに変化が起きたのは昨年夏の中国ショックの頃からである。インフレ期待に働きかける異次元金融緩和は、市場参加者が将来のインフレ率の上昇を信じるから効くという、いわゆる偽薬(プラシーボ)効果の性質が強かった。ところが、当初2年間でと言われていたインフレ目標が3年目に入っても未達となった。その結果、期待の剥げ落ちから日本株買い・円売り持ち高を縮小する動きが海外投資家の間に広がった。そのため株価と円相場の関係は、株高・円安から株安・円高に反転したが、逆相関自体は変わらない。
日本株価と円相場の逆相関について、円相場リスクを先物為替取引でヘッジしている海外投資家のヘッジ操作が原因だとする解説もある。例えばドル資金を原資に100億円相当を日本株に投じた海外投資家は、円相場の変動リスクをヘッジするために先物為替で100億の円売り・ドル買い持ち高をキャリーする。日本株が10%下落して時価総額が90億円に減ると10億円相当の先物為替のヘッジ過剰が生じる。そこで円売り持ち高を10億円減らすとすれば、10億円分の円買い・ドル売りが生じる。これが日本株安・円高を起こす。逆に日本株が10%上昇すれば、10億円分のヘッジ過少が生じるので、追加の円売りが起こるというわけだ。
この解説の辻褄は合っている。また、そうした操作を実際に行っている海外投資家もいるだろう。しかし、もしそれが日本株と円相場の逆相関の主因であるならば、グローバルな投資が一般化している他の地域でも同様の現象が見られるはずだ。ところが、ユーロ圏や英国、オーストラリアなどで当該国通貨相場と株価の間に同様の逆相関の関係は見られない。やはりこれは2005年以降の円相場の特殊な履歴の中で形成された「関係性の自己強化」の産物という色彩が濃いのだ。

http://static.reuters.com/resources/media/editorial/20160822/fxforum.gif

<株価と円相場の逆相関が終わる時>

日本株と円相場の逆相関は永遠に続くわけではない。最後に今後の変化の可能性を考えてみよう。
第1の可能性は株安・円安への転換で、これは危機シナリオである。こうした危機のケースは対外的な資金流入への依存度が高い途上国や新興国では現実的に起こり得る。また、日本でも1997―98年のアジア通貨危機と日本の銀行不良債権危機が重なった時には、短期的ながら株安・円安が起こった。
しかし、数年の時間軸で見る限り、今の日本でこの種の危機が起こる可能性は非常に低いだろう。その根拠は、日本は依然として世界最大の対外純資産国(339兆円、2015年末)であり、経常収支も年間16兆円(2015年)もの黒字だからだ。なにかしらのショックが起こった時、リスク許容度を低下させた日本の投資は対外資産の取り崩し、資金の自国回帰(円買い)を行う。その結果、円高にこそなれ、円安にはなり難い。
また、1990年代後半のような不良債権問題を日本の金融システムが抱えているわけでもない。財政赤字と政府債務の膨張を次の危機の要因と強調する方もいるが、日銀が年間80兆円もの国債を買う状況下、国債価格の多少の低下(利回りの上昇)はあっても、暴落というようなことは起こり難いだろう。
第2の可能性は株高・円高への転換だ。これは理想的なケースであり、イノベーションと労働生産性の上昇などにより日本の成長力が回復する場合には、株価の上昇とある程度の円高が併存し得よう。ただし、これは長期的な可能性であり、目先1―3年の中期では実現困難なシナリオだ。
第3は株高・円安に戻るケースだ。しかし、異次元的な金融緩和でデフレ脱却という偽薬効果は剥げ落ちてしまった。一度期待が剥げ落ちてしまえば同じ薬で同じ効果は出ないのが偽薬効果である。
第4は昨年夏以来の株安・円高が継続するケースであり、これは景気後退シナリオだ。昨年10月の論考「日本に灯る円高・デフレ回帰の黄信号」で述べたリスクが赤信号となって実現してしまうことを意味する。そのリスクは現状でも30%程度あると思っているが、以下の理由により回避できる可能性はある。
私が最も可能性が高いと考える第5のケースは、弱い景気回復が持続し、株価と円相場の関係性が次第に薄れるシナリオだ。掲載図を見ると、実際に直近2―3カ月は円高の進行ほどには株価が下がり難くなっている兆候が見られる。
中国経済は依然、成長鈍化・調整プロセスにあり、引き続き最大のリスク要因であるが、2015年からマイナス成長が続いていたロシアとブラジルに底打ち反転の兆しがあり、株価が反発している。世界景気の鈍化傾向に歯止めがかかり、国内では28兆円の景気対策(うち財政処置のある「真水」は13兆円)が用意されようとしている。
それが長期的な財政再建にとって望ましいかどうかはともかく、景気の腰折れは当面回避できるかもしれない。この場合、円相場と株価の関係性は次第に希薄化しながら、企業収益の持ち直しを背景に、株価も多少強含み推移となる可能性がある。
これはそれほど面白くない中期見通しではあるが、前回の論考「円安ボーナス期終焉後の日本経済」で書いた通り、人工知能(AI)やロボット技術の飛躍的な進歩によるイノベーションを活かすための経済・社会環境の変革に取り組む過渡期だと考えれば、希望も湧いてくる。
*竹中正治氏は龍谷大学経済学部教授。1979年東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行、為替資金部次長、調査部次長、ワシントンDC駐在員事務所長、国際通貨研究所チーフエコノミストを経て、2009年4月より現職。経済学博士(京都大学)。最新著作「稼ぐ経済学 黄金の波に乗る知の技法」(光文社、2013年5月)
*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。
(編集:麻生祐司)

http://jp.reuters.com/article/column-masaharu-takenaka-idJPKCN10X099 


米国株投資、低変動・高配当戦略にリスク
ENLARGE
ジョンソン・エンド・ジョンソン株は今年に入ってS&P500種指数をアウトパフォームしている PHOTO:ASSOCIATED PRESS
By
JUSTIN LAHART
2016 年 8 月 22 日 15:47 JST
 今年最高の二つの株式売買戦略には大きな下振れリスクがある。投資家が同じ群れに固まってしまうことと、コストが高くなることだ。
 米製薬・医療機器大手ジョンソン・エンド・ジョンソンは世界有数の成長株とは言えないが、それでも今年の有力な投資先となっている。同社株の上昇率は16.7%と、S&P500種指数の6.8%をしのぐ。19.2%上昇している米通信大手AT&Tもまた今年の有力株の一つだ。
 これらの銘柄にとっての好材料の一つには、他社の株価ほど価格が上下しないということが挙げられる。過去3年間で見ると、S&P500種指数の構成銘柄でも特に値動きが小さい銘柄であり、市場全体との相関性を示すベータ値も低い。
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 今年は、投資家が市場の変動から身を守ろうとしているため、変動率の低い銘柄に投資する戦略が人気となっている。投資資金は、パワーシェアーズS&P500ロー・ボラティリティETFやiシェアーズMSCI米国ミニマム・ボラティリティETFといったETFへと流入している。いずれのETFでも、ジョンソン・エンド・ジョンソンとAT&Tは保有上位10銘柄に入っている。
 米国債利回りが低下し、その他の債券も投資家にとって魅力的でなくなる中、高配当銘柄に投資する戦略も人気が高い。このため、バンガード米国高配当株式ETFなどの商品が注目を集めている。同ETFでもジョンソン・エンド・ジョンソンとAT&Tは保有上位10銘柄に入っている。
 実際には、変動率の低い株と高配当株とは重なっていることが多い。株価が安定した企業は、定期配当の目安となる成熟事業や安定事業を営む場合が多い。また、配当そのものが変動率を抑える場合もある。株安で配当利回りが上昇すれば、買い手を呼び込むことになるからだ。
S&P500種指数のPER推移(青:最低ベータ銘柄/赤:最高ベータ銘柄)
THE WALL STREET JOURNAL Source: Richard Bernstein Advisors
Shake Shock Forward price-earnings ratio for the lowest and highest beta S&P 500quintiles relative to the overall index
 変動率が低く高配当の銘柄に投資するETFやインデックス・ファンドの保有銘柄を見てみると、ジョンソン・エンド・ジョンソンとAT&Tだけでなく、よく目にする銘柄が存在することに気づく。米日用品大手のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、米製薬大手ファイザー、米飲料大手コカ・コーラなどだ。これらの銘柄は、低変動率と高配当のハイブリッド商品でも買われている。
 ただ、この低変動率と高配当の銘柄に投資する戦略でこうした株価が押し上げられたため、現在は売られやすくなっている可能性もある。
 資産運用会社リチャード・バーンスタイン・アドバイザーズによると、S&P500種指数の構成銘柄のうちベータ値が最も低い銘柄は、予想株価収益率(PER)が指数全体の平均PERに対し1.12倍となっている。逆にベータ値の最も高い銘柄のPERは同0.77倍だという。両者の差は過去30年の最高に迫る。バンガード米国増配株式ETFの価格は市場全体と比較して、高値圏で推移している。
 安全な株式投資を求めて集まった投資家は、全く安全でないものを作り出してしまっている。
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https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwif45uT39TOAhXHHZQKHTY0BGUQFggeMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11227962842099473856204582266742766926920&usg=AFQjCNESWZDaIJuOiwqgWx-Jj4GxkDEt8A 

 

米国にバブル懸念なし、テクノロジー株がネットバブル以来の重みでも
Lu Wang
2016年8月22日 13:41 JST
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• 2000年と異なり、現実の利益貢献で株価上昇の説明つくとの見方
• 全体では収益はマイナスの傾向にあるが、テクノロジーは成長続く
米国株市場でテクノロジー銘柄の重みが、インターネットバブル期以来となっている。
  マイクロソフトやアルファベットがそれぞれ2倍、アマゾン・ドット・コムは3倍、フェイスブックは5倍に値上がりしたここ3年の株価上昇局面で、コンピューターやソフトウエア銘柄の価値は米S&P500種株価指数全体の21%近くを占めるようになった。この割合の大きさは15年ぶり高水準近辺。テクノロジーの次に割合が大きい業種は銀行だが、両業種間の開きは過去最大に近い水準に広がっている。
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iQ4pvmQFARAU/v2/-1x-1.png
  このような格差は2000年のネットバブル崩壊を生き延びた投資家には警鐘となるものだが、今回のテクノロジー株上昇には利点があり、ある意味で市場の健全性を示唆するものだ。まず、金融危機前に非常に大きな比重を占めていた銀行株の影響力低下が反映している。また、株価が理にかなっている証拠でもある。テクノロジーは業績が伸び続けている数少ない業種の一つだからだ。

ニューヨーク証取
Photographer: Eric Thayer/Bloomberg
  「根幹を成す経済はテクノロジーの方向に一段と向かっているため、関連銘柄が市場で重みを増しているのはこれと無関係ではないだろう」と、ノースウェスタン・ミューチュアル・ライフ・インシュアランスの資産運用部門でチーフ投資ストラテジストを務めるブレント・シャット氏は指摘する。「テクノロジー株が割安だと言うつもりはないが、バブルがこれから起きるとの議論は除外していい」と述べた。
  ナスダック総合指数とS&P500情報技術(IT)指数はそれぞれ、2月の底値から23%上昇。IT指数の上げをけん引してきたのはエヌビディアやアプライド・マテリアルズ、マイクロン・テクノロジーなどの半導体銘柄だった。同指数を構成する68銘柄でこの期間に下げたのはファースト・ソーラーの1銘柄のみ。ナスダック総合指数は15日に過去最高値を更新。週ベースでは9週続伸と、09年以降で最長の上げ相場となっている。
  テクノロジー銘柄がS&P500種に占める比重は7−9月に入って20.9%と、金融株の割合を約5ポイント上回る。時価総額の大きい米企業トップ10の半分をアップルやマイクロソフトといった主要テクノロジー企業が占め、インターネットブーム時代のピーク時同様の現象が起きている。
  しかし、利益を上げていなくても将来性を手掛かりにネット銘柄が買われたドットコム・ブーム時とは異なり、現在の株価上昇の土台には利益がある。今回の決算発表シーズンでもテクノロジー企業は各業種の中で最も予想を上回る結果を示した。S&P500種全体では7−9月の成長見通しがマイナスとなった中で、テクノロジー企業は2.8%増益が見込まれる。
  アメリカン・センチュリー・インベストメンツのシニア・ポートフォリオ・マネジャー、リッチ・ワイス氏は「金融株の存在が薄くなっているのと同時に、利益面ではテクノロジーが力強い成長セクターになっている状況を示す現象だ」とし、「健全な成長だ。現時点で、あるいは近い将来のテクノロジーバブルを心配する必要はないと確信する」と付け加えた。
 
原題:Ascending Tech Dominates S&P 500 Like No Time Since Dot-Com Bust(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-08-22/OCAK5Q6KLVRC01 


 

アングル:米国株は割高にあらず、株価収益率の盲信は危険

[ニューヨーク 19日 ロイター] - 米国株が史上最高値をつける中、そろそろ売るべきタイミングなのではないかと悩む投資家も多いことだろう。ただ、専門家たちは高水準となった株価収益率(PER)だけで判断するのは軽率だと警告している。

S&P総合500種指数.SPXは史上最高値を若干下回る水準で推移、同指数のPERも最近、1年超ぶりの高水準を記録している。

これに対して、株式を選好している投資家たちは、以下の2つの点を理由にPERが全てを物語っているとは限らないと主張している。

まず第1に、企業の利益水準が非常に抑制されていることから、バリュエーションが高く感じられるという点。第2には、債券利回りが低いために、株式投資の相対的な魅力が高まっているという点だ。

リッジワース・インベストメンツのアセットアロケーション担当ディレクター、アラン・ゲイル氏は「株式のバリュエーションは絶対的な感覚において高水準になっており、まだ実現されていない企業利益の回復を市場が織り込んでいることを示唆している」と指摘。しかし「当社では依然、債券との比較で株式をより高く評価している」と述べた。

<現在の株価水準は「適正」>

バリュエーションは、S&P採用企業が過去1年に発表した利益に基づく数字、今後1年の予想利益に基づく数字のどちらで見ても高い。

トムソン・ロイターI/B/E/Sによると、S&Pの過去PERは18.8倍で、過去10年の平均である15.9倍を上回っている。

過去PERが高い理由の1つは、S&P採用企業の決算が過去4四半期に減益だったことだ。エネルギー企業の業績悪化が主因だが、原油価格は最近は落ち着いており、エネルギー企業の利益も上向く可能性がある。

ウェルズ・キャピタル・マネジメントの首席投資ストラテジスト、ジム・ポールセン氏は「過去PERが高いのは、原油価格急落からの回復途上にあるためで、(原油安は)いずれ反転する」と述べた。

将来PERは17.3倍で、10年平均の15.6倍を上回るが、ピープルズ・ユナイテッド・ウェルス・マネジメントのジョン・トレーナー最高投資責任者(CIO)は、やや割高だが、通常の水準から逸脱しているという程度のレベルであり、「並外れて高いわけではない」と話す。

トムソン・ロイターI/B/E/Sによると、S&P採用企業は第3・四半期こそは0.5%の減益になると予想されているが、その後の四半期はそれぞれ8%、15%、13%の増益予想となっている。

トレーナー氏は「今後12カ月に企業利益は上向くとみており、これを踏まえると、現在の株価水準は適正ということになる」と述べた。

(Lewis Krauskopf記者 翻訳:吉川彩 編集:山川薫)
http://jp.reuters.com/article/us-stock-idJPKCN10X0HK


 

ピクテの新興市場債ファンド、見掛けより慎重な投資家の人気集める
Natasha Doff
2016年8月22日 16:23 JST

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新興市場債に記録的なペースで資金を投じている投資家は見掛けよりも慎重だ。こうした資産を最も大きく増やしている投資信託もまた、リスクテークには極めて慎重だ。
  ピクテ・アセット・マネジメントのグローバル新興市場債券ファンドは運用資産が年初から44%増え81億ドル(約8150億円)と、ストーン・ハーバー・インベストメント・パートナーズを抜き、この資産クラス向けのアクティブ運用ファンドとしては世界最大となった。米調査会社モーニングスターが追跡する大規模な新興国債券ファンド12本の中で、ピクテのファンドのリスクレーティングは最も低い。
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/i5iidrWJYVmM/v2/-1x-1.png
  ピクテのファンドの人気は、米国が利上げを再開すれば新興市場債の値上がりが反転する可能性に対し多くの投資家がヘッジしていることを示している。モーニングスターのシニアファンドアナリスト、シャノン・カーウィン氏(ミュンヘン在勤)は「新興市場債に戻りたいが再びやけどするのが怖い投資家が、この種のディフェンシブリスクプロフィルのファンドを選ぶというのはいかにもありそうなことだ」と述べている。
  ピクテのファンドの運用を担当するサイモン・ルエフォン氏はコメントを控えた。同氏は為替相場のリスクを回避するためハードカレンシー債券に投資、また新興市場債からの損失を和らげるヘッジとして米国債を相場下落時に買い入れ、過去5年の運用成績で競合ファンドの77%を上回った。
原題:Pictet’s Rise to Top Shows Caution Lurks in Emerging Bond Rush(抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-08-22/OCATNZ6JIJUW01

 


ロイター企業調査:経済対策の効果は限定的、日銀緩和拡大に懸念6割

 8月22日、ロイター企業調査によると、政府の経済対策について、効果は限定的との見方がほとんどで、消費喚起や潜在成長率底上げへの期待はそれほど高くなかった。川崎市の京浜工業地帯で18日撮影(2015年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 22日 ロイター] - 8月ロイター企業調査によると、政府の経済対策について、効果は限定的との見方がほとんどで、消費喚起や潜在成長率底上げへの期待はそれほど高くなかった。将来不安解消と人口問題への真剣な取り組みが必要との声が目立つ。日銀に対しても、財政拡大路線と足並みを揃えた緩和強化を望む声は3割台にとどまった。
目先のサプライズより経済の長期安定を優先し、現状維持ないし徐々に出口に向かうべきとの意見が6割超を占めた。
この調査はロイター短観と同じ期間・対象企業で実施。資本金10億円以上の中堅・大企業400社を対象に8月1日─16日に実施。調査対象企業は400社で、うち回答社数は265社程度。
<経済対策、消費喚起は過半数が期待せず>
政府の経済対策が足元の景気に効果があるか聞いたところ、「かなりある」との回答は3%にとどまった。「少しはある」が63%。「あまりない」が31%、「全くない」も3%となった。事業規模28兆円、財政支出7.5兆円の対策となるが、期待は限定的だった。
http://static.reuters.com/resources/media/editorial/20160817/survey0822HrSUJT-1.gif

特に低迷が続く消費の喚起につながる期待が「かなりある」との回答はゼロとなり、「少しはある」も43%。「あまりない」の49%と、「全くない」の8%を合わせると、過半数が期待はもてないとみている。「将来不安が消費を抑えており、短期的な財政出動効果は乏しい」(機械)とみられる。
0%台前半とされる低い潜在成長率の底上げにつながるとの見方も半数に届かなった。底上げへ効果は「かなりある」が2%、「少しはある」が45%、「あまりない」が45%、「全くない」が8%となった。
企業の多くは、特に人口減少問題への取り組みが十分でないことが期待の低さにつながっていると指摘する。「本質的な問題は生産人口の減少に由来する。30年後の効果であるとしても出生率2.0に近づける政策をとらない限り、成長は持続しない」(電機)との懸念がある。
対策の目玉となったリニア新幹線への財政投融資資金の大規模投入は、経済成長を押し上げるとの期待が65%と過半数を占めた。ただそのうち「大いに期待できる」はわずか5%。融資規模は3兆円にのぼるが、東京ー大阪間の開業が8年前倒しされても実現は2037年と先の話となる。
http://static.reuters.com/resources/media/editorial/20160817/survey0822HrSUJT-2.gif 

企業からは「インフラ整備や輸出への支援に最大の財政措置が取られるなど、(政府の)意志と金の集中が従前より感じられる」(卸売)と評価する声がある一方で、「人口減少時代に巨額のインフラ投資はナンセンス」(機械)との指摘もある。
他方、財政支出については、インフラ投資よりも、これからの時代を見据えたIoT(インターネット・オブ・シングス)やAI(人工知能)の活用に向けた支援を拡大すべきとの回答が63%。残り37%は「あまり必要ない」と回答している。「IotやAIなど将来性ある事業を各企業が取り入れることができる施策を実施すべき」(化学)との声や、ネットワークインフラの普及などに政府が本腰を入れるべきとの指摘もあった。
<緩和強化望む企業もヘリマネ警戒、過剰なマネー供給に危うさ>
日銀は9月にこれまでの異次元緩和の「総括検証」を行うと発表しており、今後の金融政策のあるべき姿を聞いた。
企業からは「政府と足並みを揃えて緩和強化すべき」との意見が37%だったのに対し、「今程度でふみとどまり現状維持とすべき」が35%、「緩和姿勢を徐々に弱め出口に向かうべき」が27%を占めた。これ以上の金融緩和拡大は経済を不安定化させるとの懸念が大きいことが背景。
http://static.reuters.com/resources/media/editorial/20160817/survey0822HrSUJT-3.gif 

「緩和強化」を求める企業は「円高対策を考えてほしい」(鉄鋼)との要望が強いが、「ヘリコプターマネー政策だけは避けるべき」(一般機械)と釘を刺す声もある。
「現状維持」を求める企業は「企業の投資意欲がないため、危険」(輸送用機器)など、資金需要がない中での過剰なマネー供給に危うさも感じている。
「緩和を縮小すべき」との企業からも、「現役世代は賃金上昇が起こらないのでインフレ期待を持たない。年金世代は蓄えを目減りさせるインフレを望んでいない」(サービス)として、誰も物価上昇を望んでいないと指摘。
「不動産市場は異様な状況。経験値では推し量れない価格に上昇しているので怖い。相続対策の賃貸住宅建設で供給ばかり増えている」(不動産)など、行き場のなくなった資金が過剰な投資を生んでいることへの懸念も出始めている。
(中川泉 梶本哲史  編集:石田仁志)

http://jp.reuters.com/article/poll-economic-package-idJPKCN10W109 

ドル・円は100円台後半、日米金融当局者発言で買い優勢
小宮弘子
2016年8月22日 09:32 JST更新日時 2016年8月22日 12:12 JST
• 早朝には一時100円91銭と3営業日ぶりの水準までドル買い・円売り
• 「101円を超えてどんどん上がる相場ではない」−外為どっとコム
22日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=100円台後半と先週末から水準を切り上げて推移している。日米金融当局者の発言を受けて、両国の金融政策の方向性の違いが意識されやすくなっている。朝方には101円付近まで値を切り上げる場面が見られた。
  午後0時12分現在のドル・円相場は100円79銭前後。早朝には一時100円91銭と3営業日ぶりの水準までドル買い・円売りが進行。100円28銭まで伸び悩んだ後は、再びドル買い・円売りが優勢となっている。19日のニューヨーク終値は100円22銭だった。 
  三井住友信託銀行マーケット金融ビジネスユニットの細川陽介為替セールスチーム長は、ドル・円の動きについて、「黒田日銀総裁やフィッシャーFRB(連邦準備制度理事会)副議長の発言が材料視された感じだが、ルネサスの米企業買収報道も取りざたされたことも あり、基本的には薄い中でのストップを付けた動きのように思える。その後下げたものの、何かに下支えされたというよりも、窓埋めが 終わったことによるテクニカル的な側面が大きいかもしれない」と述べた。

  20日付の産経新聞によると、日本銀行の黒田東彦総裁は、9月にまとめる「総括的な検証」を踏まえ、その時点の経済・金融情勢を議論し、必要な場合には躊躇(ちゅうちょ)なく追加的な緩和措置を講じる可能性は十分あるとインタビューで述べた。
  一方、フィッシャー米FRB副議長は21日、米経済が既に金融当局の掲げる目標の達成に近づいており、成長が今後勢いを増すだろうと述べ、2016年中の1回の利上げが依然検討されていることを示唆した。
ルネサスエレクトロニクスの買収交渉関連の記事は、こちらをクリックしてください
  米国では今週、25日から27日までカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムがジャクソンホールで開かれ、26日にイエレンFRB議長が講演する。
  外為どっとコム総合研究所の石川久美子研究員は、目先は黒田総裁発言を日本株がどう受け止めるかが注目で、好感して株高になればドル・円は上昇する可能性があるが、「101円を超えてどんどん上がる相場ではない」と予想。為替市場の関心はFRB議長講演に集中しており、「イエレン議長のスタンスをみるまでポジションは取りにくい」と話す。
  22日の東京株式相場は上昇して取引を開始。日経平均株価は85円高まで上昇した後、前週末の終値を下回る場面があったが、総じて底堅く推移している。午前の終値は38円93銭高の1万6584円75銭だった。
  ブルームバーグ・データによると、ドルはほとんどの主要通貨に対して買い優勢となっており、対ユーロでは1ユーロ=1.13ドル台前半から一時1.1282ドルまでドル買いが進んでいる。  
  オプション市場では、ドル・円の予想変動率が急上昇している。9月20、21日開催の日銀金融政策決定会合をまたぐ1カ月物は前週末比3.8375%ポイント高の14.6325を付けた。半面、リスクリバーサルでは、先週までの円の先高観が後退している。三井住友信託銀の細川氏は、「日銀後のドル・円の上昇リ スクに備える動きもあるとみられる。これまでの値幅を考えたら102円はそれほど遠くないはずだが、思った以上に遠いといった感じ」と指摘している。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-08-22/OCABFL6S972801


 


1割円高が直撃、日本の4−6月業績は東日本震災来の悪化−定着恐れ
赤間信行、Min Jeong Lee
2016年8月22日 00:00 JST
前年同期に比べ対ドルで20円進んだ円高は日本の企業業績を直撃し、4ー6月期の営業利益は東日本大震災が起きた年以来、およそ5年ぶりの悪化となった。足元では1ドル=100円割れとさらに円が強含み、円高定着による業績の下振れ、株価の下落リスクが投資家の間で警戒されている。
  ブルームバーグ・データによると、15日までに4−6月期決算を発表した日本企業の営業利益(金融含む)は前年同期比16%減だった。2011年10ー12月期に記録した27%減以来の悪さで、12年末に安倍政権が発足して以降では最大の落ち込み。財務省の法人企業統計が示す経常利益も、1ー3月期に9.3%減となっており、9月1日に発表予定の4ー6月期分が2桁減益となれば、同じく11年10ー12月期以来だ。
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/ii_dOF6Odg50/v2/-1x-1.png
日本企業の四半期営業利益の推移
  4ー6月期のドル・円相場の平均値は1ドル=107円98銭、15年度の平均値である120円6銭から10%ドル安・円高に振れた。ユーロ・円では、前年度の132円61銭から4ー6月期の121円95銭まで8%の円高が進行。新興国の景気減速なども逆風となり、電機や輸送用機器、鉄鋼、機械など輸出、素材セクターなど製造業の落ち込みが目立った。
  ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは、「昨年7ー9月期の1ドル=122円中心の推移と比べると、現在の円高水準はかなり厳しい」と指摘。4ー6月期の決算発表が集中した7月後半は106円前後だったため、「企業も積極的には業績見通しを変えなかったが、中間決算発表時の10月後半になっても100円程度の推移が続くと、通期の下方修正を迫られる」と警戒感を示す。

決算発表をするトヨタ自動車

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
  国内自動車メーカー最大手のトヨタ自動車は、今期の為替前提を105円から102円と実勢に近い水準に変更したが、ヤマハ発動機やデンソーなどは106円と現在の為替水準と乖離(かいり)があり、一段の円高局面では業績の下方修正が必至だ。16日の取引では一時99円54銭と、英国の欧州連合(EU)離脱選択に揺れた6月24日以来の水準まで円が上昇。恒常的に100円を割り込んで推移することになれば、13年秋以来となる。
  企業業績の下方修正リスクが高まると、日本株にも悪影響が及ぶ。木証券の勇崎聡投資情報部長は、現在の日経平均株価の水準は1株利益(EPS)前提は1200円、PERは14倍程度を想定しており、「下方修正含みのEPSに対し14倍以上を買うのは難しいとの判断になる」と言う。楽天証券経済研究所の土信田雅之シニアマーケットアナリストは、9月以降に90円台の円高が定着するなら、市場は業績見通しの下方修正リスクを織り込む可能性があり、「日経平均で2月と6月に付けた1万5000円割れが視野に入ろう」との見方を示した。

日経平均株価の予想1株利益推移
  現在の為替市場では、米国で追加利上げが年内にあるかどうかが焦点の1つだ。7月の雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を上回る増加となるなどマクロは堅調ながら、欧州やアジア経済の先行きに不透明感が強く、金融政策当局も逡巡している。7月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録は追加利上げの緊急性をめぐり、一部はインフレ抑制の継続で待つのが望ましいとした半面、完全雇用に近い状態から早期利上げを主張するメンバーもいるなど意見が割れた。今後も経済統計の改善が続けば、年内の利上げ実施の観測が再燃、円高懸念は後退することになる。
  DIAMアセットマネジメントの坪田好人上席ポートフォリオマネジャーは、4ー6月期の減益率が大きかったのは「円高のインパクトによるものだけに、為替の影響を取り除くとそれほど悪くない」と分析。日本株は、「年前半の新興国景気の減速や米国のリセッションリスク、円高といった悪材料をかなり織り込んだこともあり、過度の業績不安が後退することで株価リバウンドに寄与する」とみている。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-08-21/OC1VC56JIJUP01 

 

米投資家ロス氏、次の賭けは石油と天然ガス
ENLARGE
ディストレスト投資で有名な著名投資家ウィルバー・ロス氏は鉄鋼・石炭の複合企業を作り上げ、その後数十億ドルで売却した PHOTO: CHRIS GOODNEY/BLOOMBERG NEWS
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MATT JARZEMSKY
2016 年 8 月 22 日 17:28 JST
 米著名投資家ウィルバー・ロス氏は、破たん企業などに投資するディストレスト投資で知られるが、石油と天然ガス相場の低迷が長引き、同業界の弱者企業は淘汰されるとみている。
 状況に詳しい関係者によると、同氏の投資会社WLロス・アンド・カンパニーは、行き詰った石油・天然ガス企業の数億ドル規模の債務を購入している。こうした企業が債権者に所有権を引き渡さざるを得なくなる場合に経営権を獲得することが狙いだ。同社は、石油・天然ガス相場の一段安を受けて企業価値が下がり続け、他の投資家が割安だとして飛びついていた初期のころには模様眺めに徹していた。

https://si.wsj.net/public/resources/images/BF-AL546_ROSS_16U_20160819174506.jpg
バークレイズ・ハイ・イールド・エネルギー・インデックスの推移
 WLロスは現在、5月に破産法11条の適用申請を行ったブライトバーン・エナジー・パートナーズの経営権と債権のスワップを狙っているという。また、テキサス州の石油生産業者パーミアン・リソーシズの債務を取得している。関係者によると、再編過程で最終的には少なくとも一部の所有権を債権者に渡す必要が生じる可能性がある。
 2年前に始まった原油相場の下落と、その結果生じた一連の企業破綻で、エネルギー企業の価値は下落しており、時には極めて割安になっている。ロス氏のようなディストレスト債の投資家は大幅に割引された債務を購入するが、破産もしくは債務再編の際には額面通りの価値の交渉権を維持できる。

https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjZ_-Ga3tTOAhWJjpQKHX_oBIIQFggeMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11227962842099473856204582266893371254870&usg=AFQjCNFu3K1j5eSxAUj13slDt18q_Sbfeg 


中国株値下がりに賭けるETF、大人気だった1年前とは様変わり
Elena Popina
2016年8月22日 17:18 JST
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中国株の値下がりから利益を得る上場投資信託(ETF)は、1年前のスタート時には存在感を示していた。だが中国経済の成長見通し改善に伴い、現在は低迷している。
  「ディレクション・デーリーCSI300チャイナA株ベア1Xシェアーズ」の総資産は昨年6ー8月に101倍の4億300万ドル(約406億円)に膨らんだが、今は9000万ドルにも届かない。同ETFは2月に付けた今年の高値から24%下落している。
  ウォーラックベス・キャピタルのETF取引ソリューション担当ディレクター、モヒット・バジャジ氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、「レバレッジをかけているファンドの場合、市場が味方する日は最良のパフォーマンスとなり得るが、翌日に急落する場合もある。中国に関するセンチメントが悪化すれば、このETFも再び値上がりする可能性はあるが、失敗して大きな損失を出す事態も起こりやすい」と述べた。
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/i4akCvP0MRdU/v2/-1x-1.png
原題:Bearish China ETF Fades a Year After Rout Pushed It Over the Top(抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-08-22/OCAWLC6JIJV101 

アングル:VIX先物の大規模な売りポジションに隠された真相

[ニューヨーク 21日 ロイター] - ヘッジファンドなどの投機筋のポジション動向から判断すれば、米国株のボラティリティは低水準が続く、と彼らが予想しているのだと推測される。だが本当はそれほど単純ではないかもしれない。

米商品先物取引委員会(CFTC)が公表したデータによると、16日までの週に投機筋が売り建てたシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ・インデックス(VIX)先物は11万4088枚で、今月初めに付けた過去最高水準からそれほど減っていない。

これを額面通りに受け止めれば、投機筋は、現在過去最低近辺にあるVIXが今後も落ち着いて推移すると想定していることになる。

しかしバークレイズの株式デリバティブ戦略責任者、マニーシュ・デシュパンデ氏は「そうした見立てが何もかも正しいわけではない」と述べた。

デシュパンデ氏や他のデリバティブ市場専門家の説明では、投機筋によるVIX先物の売りはかなりの部分が、VIX関連の上場投資商品(ETP)を提供している業者が迫られている買いに対応したものだ。

例えば代表的なロング目的のVIX関連ETPであるiパスS&P500VIX短期先物ETN(VXX.P)への資金流入額は、リッパーのデータに基づくとここ3年間で最も大きい。これがVIX先物の着実な需要を生み出し、ヘッジファンドとしては喜んで売り向かう形になっている。

ドイツ銀行の株式デリバティブ・ストラテジスト、ロッキー・フィッシュマン氏は「ロング目的のVIX関連ETPへの力強い資金流入は、これらの商品提供者がVIX先物を買わなければならないことを意味する」と指摘した。

というわけで、投機筋がVIX先物の売りポジションを積み上げているのは、自分たちの予想で取引しているのではなく、流動性の供給者として強い需要に対応している結果といえる。

ボラティリティ増大で儲かる仕組みのロング目的のVIX関連ETPは過去1カ月間で投資家のポジションが膨らんでおり、ドイツ銀のフィッシュマン氏によると7月初め以降では約17億3000万ドルもの資金が流れ込んだ。

これは投資家が最近の株高で得た利益のヘッジを狙っているのか、それとも株式市場のボラティリティがあまりにも下がり過ぎたのでVIXはそろそろ反転上昇すると単純に考えている表れかもしれない。

VIXは19日まで13営業日連続で13を下回ったが、これほど低い水準が持続したケースは過去2年間で見当たらない。

米大統領選まで3カ月をきった中で政治リスクが意識されれば、株価はこの先下落し、ボラティリティが跳ね上がる可能性もある。

ボラティリティの上昇スピードがあまりに速いとVIX先物を売り建てている投機筋は痛手を被る恐れがある。ただしアナリストによると、売りポジションの大部分はヘッジされているという。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの米国株デリバティブ調査責任者、ニティン・サクセナ氏は「投機筋は期近の1つか2つの限月を売りながら、ヘッジとして(より期先の)限月を買っている。あるいはS&P総合500種や短期のVIX先物を同時にショートにしている。懸念されるほどボラティリティ上昇に影響を受けない」と話した。

それでもVIX先物を売り建てている投機筋がヘッジポジションを換金できないほどあっという間にボラティリティが高まるリスクは残っている。

(Saqib Iqbal Ahmed記者)
http://jp.reuters.com/article/usa-stocks-volatility-idJPKCN10X09B


 

欧州大手投資銀の「レベル3」資産、10兆円超える−資本懸念浮き彫り
Nicholas Comfort
2016年8月22日 14:41 JST
ドイツ銀とクレディ・スイス、バークレイズの6月末時点の保有
資本水準からすればレベル3の資産規模は大変大きい−チェスター氏
世界的な金融危機から8年を経た今、欧州最大級の投資銀行が抱える非流動性資産は株主資本の半分を超える規模に膨らんでおり、資本をめぐる懸念を浮き彫りにする。
  ドイツ銀行とクレディ・スイス・グループ、バークレイズは、最も価値評価の難しい「レベル3」として知られる証券の6月末時点の保有が合わせて1025億ドル(約10兆3300億円)相当だと発表。これらの投資には危機時に批判されたカスタムメードの信用デリバティブ(金融派生商品)や住宅ローン担保証券も含まれている。
  アメリカン・センチュリー・インベストメント・マネジメントで固定利付き証券390億ドル相当の運用に携わるサイモン・チェスター氏(ロンドン在勤)は、「3行の資本水準からすると、レベル3の資産規模は大変大きい」と指摘し、価値評価に大きな間違いや計算ミスがあれば問題となる可能性があると述べた。
  これらの投資銀をめぐる懸念はこうした資産だけではない。金融危機前の行き過ぎた取引や不適切な行為などに関連する制裁金や訴訟決着に向けた支払いがまだ続いている。トレーディング収入が減少する中で、マイナス金利が融資の利益率や投資リターンを圧迫。ユニオン・インベストメントで資産運用に関与するオラフ・シュトルックマイヤー氏(フランクフルト在勤)は「最も複雑な証券とデリバティブの圧縮進展を望んでいる」と話した。
原題:European Investment Banks’ Opaque Assets Fuel Capital Concerns(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-08-22/OCANN36JIJUQ01

 
新興市場株:続落、年内の米利上げ観測で−香港H株や台湾株下げる
Jung Park、Choong En Han
2016年8月22日 16:29 JST

22日の新興市場株は続落。米金融当局者のタカ派的発言を受け、年内に米利上げが実施されるとの観測が強まった。
  MSCI新興市場指数はロンドン時間午前7時10分(日本時間午後3時10分)現在、前週末比0.7%安。10業種全てが値下がりしている。
  香港市場では中国本土株から成るハンセン中国企業株(H株)指数がこのままいけばここ2週間余りで最大の下げとなる。中国本土市場の上海総合指数も下落。台湾の加権指数は5週間ぶり安値で終了。韓国総合株価指数は0.7%安。
原題:Emerging Assets Fall for Second Day After Hawkish Fed Comments(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-08-22/OCAV386K50YB01

 

ディストレスト債ヘッジファンドへの関心高まる−モルガンS
Nishant Kumar、Luca Casiraghi
2016年8月22日 14:48 JST
投資家の間でディストレスト債に投資するヘッジファンドへの関心が高まっている。米モルガン・スタンレーによると、経済成長軟化によりさらなる投資機会が生み出されているためだ。
  ジョン・シュレーゲル、アン・マクナニー、バシレイオス・プラサスのアナリスト3氏がまとめたリポートによると、モルガン・スタンレーのプライムブローカレッジ部門が投資家を対象に実施した調査では、ほぼ半数が向こう半年−1年間にディストレスト債ヘッジファンドに関するデューデリジェンスを開始する可能性があると回答した。リポートによると、最も関心を集めているのはクレジット戦略。同行の担当者はこのリポートに関するコメントを控えた。
  業界調査会社ヘッジファンド・リサーチによれば、ディストレスト資産と債務の再編に投資するヘッジファンドの今年のリターンはプラス6.2%と、より広範囲をカバーするHFRIファンド・ウェイテッド・コンポジット指数のリターンの2倍余りとなっている。
  世界最大のディストレスト債ファンド、オークツリー・キャピタル・グループの資産運用者アーメン・パノシアン氏は7月のリポートで、同社が「ディストレスのかがり火」に備えていると説明。ハルシオン・キャピタル・マネジメントやCVCキャピタル・パートナーズなどのファンドも欧州でディストレスト債を購入する準備を進めている。英国民投票での欧州連合(EU)離脱選択でボラティリティ(変動性)と誤った価格設定が増えると予想しているためだ。
原題:Distressed Credit Draws Hedge Fund Clients, Morgan Stanley Says(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-08-22/OCAOJW6TTDS601

ディストレス債権、ディストレス証券
ディストレス(distressed)は、直訳で困窮した、行き詰まったという意味になります。
経営破たんや経営不振による財務危機に陥り、行き詰っている企業に対する債権を「ディストレス債権」といい、その企業が発行した株式や債券を「ディストレス証券」といいます。

投資家は、財務危機に陥った企業の株式や債券などディストレス証券に投資することで、当該企業の経営再建が成功した際には、大きな収益を得ることが可能です。しかし経営再建が失敗した場合、投資資金の回収が難しく、大きな損失が生じてしまいます。そのため、ディストレス証券への投資は、ハイリスク・ハイリターンの投資といえます。

投資にあたって、ディストレス証券の発行企業の価値を見極めることは難しく、通常の投資とは異なる知識や経験が必要となります。そのため、一般投資家が参加しづらく、ディストレス証券への投資は、これを専門とするヘッジファンドが主に行なっています。

企業価値の見極めが難しく、一般投資家の参加が限られているディストレス証券は、実際の企業価値に比べて割安に評価されている可能性があるといえます。一方、ディストレス証券の価値は経営再建の成否の可能性に左右されやすいため、当該企業固有の理由による影響から、更なる価値の減少につながることもあります。

(関連項目:格付け、ジャンク債)
http://www.daiwa-am.co.jp/guide/term/ta/disuto_1.html

 

ショックに強い日本株ファンド、「泣きそう」な相場でもAIぶれず
伊藤小巻、Kathleen Chu
2016年8月22日 00:01 JST 更新日時 2016年8月22日 11:58 JST

英国民投票開票の6月24日も売り持ちで3.43%の収益確保
人工知能が過去平均値との相場かい離幅や方向性を総合判断

欧州連合(EU)残留か離脱かを問う英国民投票。緊迫ムードの中で開票状況が刻々と伝えられた6月24日の東京株式市場は、朝方買い先行で始まった。人工知能(AI)で事前に相場を予測するファンドの運用責任者、野村至紀氏(43)は売り持ちポジションを取っていたため、同僚から「大丈夫か」と声を掛けられた。泣きそうな顔をして「どうしようか」と思ったという。
  しかし、次第にEU離脱票の優勢が伝えられ始めると、相場は午前10時ごろから下落に転じ、予想外の離脱決定が報じられた午後は下げ幅が大きく拡大した。AIの相場予想は当たり、東証株価指数(TOPIX)は7.3%急落。この日だけで3.43%のリターンを確保した。「この相場は人間では無理。だいたいコンピューターの方が正しかったりする」と言う。
  運用会社シンプレクス・アセット・マネジメントがAIでTOPIX先物を予測して運用するファンドは、ショックに強いのが特徴だ。4月の設定以来、英国民投票のほか、7月29日には日本銀行の追加緩和など大きなイベントに直面したが、いずれも収益を上げている。同社運用本部ディレクターの野村氏は、AIプログラムについて「負けないわけではない」としているが、まれにしか起こらない「テールリスクが非常に小さいのが特徴」と説明する。
野村至紀氏
野村至紀氏 Photographer: Takaaki Iwabu/Bloomberg
  かといってAIは投票結果を予測したわけではない。安定的にリターンを出せる秘訣は、過去の相場の動きから方向性を予測する独自のプログラムにある。相場の方向性が上昇傾向を示している時でも、現在の相場が過去の平均値を大きく上回っていれば上げ余地は少ない場合がある。野村氏によると方向性と、過去一定期間の平均値との乖離(かいり)幅の2指標から、AIが買い持ちと売り持ちの比率を決める。
ベストアンサー
   野村氏は、方向性の測定で使う移動平均日数について「どのくらいの期間で見るのが正しいか結論を出している人はいないが、このプログラムではその答えを出せる」と話す。AIプログラムは、過去の一定期間のデータを学習し、移動平均や平均回帰の周期などでどの程度の期間で見るのが有効かを判断し、将来を予想する。約140兆通りの組み合わせがあるというが、「人工知能の技術を使うことで6万通りに絞り込み、ベストアンサーが出せる」という。
  同ファンドが発足した4月8日から直近までのリターンは1.9%。野村氏は「時間をかけてトレードしていけば徐々に勝っていく」と話し、年率で7%(リスクは9%)を目指す。現在の運用額は35億円で、年内に倍増を目指す。世界的に金利が低下し、債券運用での利回り獲得が難しい中、安定的な投資機会として銀行や生命保険などからの受託を見込む。
  仮に同じ運用手法を用いた場合の運用成績をシミュレーションしたところ、過去25年4カ月間に同ファンドは5%以上の損失が出たと考えられる月は2回しかないという。一方、月次で利益が出る確率は6割あり、リターンは2%程度。損失の場合は1%程度にとどまった。リーマンショックが起きた2008年9月当時はTOPIXがマイナス13.3%だったのに対し、AIプログラムなら7.7%の収益を出せたはずだとしている。
負けたら笑いもの
  英国民投票の日は、事前から市場は下落方向性が強いとAIが判断して、ポジションを売り持ちに傾けたという。同僚から「負けたら笑いものになるが、もしかしたらヒーローになる」と言われた野村氏は、株価予想(ベット)で勝った。
  7月29日の日銀の追加金融緩和に際しても、前日ぐらいから「相場に上昇の方向性が強く出始めて、買い持ちポジションを取るようシグナルが出ていた」と話す。緩和策への評価が定まらず株価が乱高下する中、AIファンドは同日、1.1%の収益を出した。
  英国民投票を契機に「市場は裏切られて神経質になり、何をどう判断したらいいか分からなくなっている」と話すが、「相場に聞け」の格言を地で行くプログラムが今のところ奏功している。
規制上の問題
  マイナス金利下で運用難の中、ヘッジファンド投資を始めるゆうちょ銀行の宇根尚秀執行役員審議役は、AIやビックデータを使った運用に「関心があり研究を続けている」という。統計的な手法を使うクオンツ運用に対し、AIファンドはテキストデータ、株価、経済指標などのビックデータをコンピューターに処理させ、売りや買いのシグナルで運用する。
  東京大学大学院工業系研究科の和泉潔教授によると、AIは過去の似たような市場を運用するのは得意だが、「英国民投票時のような過去にない相場の場合は損失を出すことが多い」と指摘。ただ「勝てないけど、負けるからトレードをしないという判断はできる」という。
  AIの投資・運用への活用には課題もある。大和総研金融調査部の横山淳氏は、今後の課題として「人間の手を離れたAIの判断が暴走し出したらどうするのか」と話す。例えば相場操縦は現状では取引を誘因する目的などが犯罪の構成要素とみなされるが、横山氏は「AIにそういう目的があると言えるのか難しい」と規制上の問題点などを指摘している。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-08-21/OB99PG6S972E01


 

野村HD:米州に再び熱視線、バンカー採用で投資銀行業務拡大へ
日向貴彦
2016年8月22日 05:00 JST 更新日時 2016年8月22日 11:05 JST
野村ホールディングスの尾ア哲最高執行責任者(COO)はブルームバーグの取材に応じ、米州で投資銀行業務を拡大する方針を明らかにした。同社は4月、欧州を中心に赤字が続く海外で7億ドルのリストラに着手、コスト削減効果が出始める中、収益拡大を目指して経営資源を再配置する。
  野村は米国のテクノロジー、消費・小売り、ヘルスケアなど複数の産業分野で、企業の合併・買収(M&A)案件などを発掘するカバレッジバンカーを外部から積極的に採用していく考えだ。具体的な人数や時期については言及しなかったが、20人規模でも受け入れる余地があるという。
  野村HDの第1四半期(4月ー6月)決算では、赤字続きだった海外拠点がこれまでになく存在感を示した。トレーディング業務が好調だったことやリストラ効果で過去7年間で四半期ベースでは最大の税前利益を計上、大きく落ち込んだリテールなど国内ビジネスの不振を補うなど、これまで存在意義さえ問われていた海外ビジネスの重要性が顕在化した。
  4月にグループCOOに就任した尾ア氏(58)は15日のブルームバーグとのインタビューで、「アメリカは世界最大のマーケット。非常に多くのビジネスオポテュニティーがある」と述べた上で、「ドルという基軸通貨と先進国の中でも数少ない意味のある金利をまだ持っている国で、M&Aでも投資先という点でも日本を含むアジアから熱い視線が注がれている」と語った。
  尾アCOOは長崎県出身。東京大学経済学部を卒業後、1982年に野村証券に入社。東京とロンドンで18年間債券業務に従事した。04年に執行役としてグローバル・エクイティを担当、その後経営企画や企業金融など経て、12年に野村証の副社長に就任した。
「大きなミッション」
  野村は4月、欧州の投資銀行業務の共同責任者だった武村努氏を米州地域の共同責任者として送り込んだ。尾アCOOによれば、武村氏は入社年次ベースでは同社の最年少執行役員で、インベストメントバンキング業務で優秀な人材を確保することが「大きなミッション」だという。
  また、同社は米州部門のデイビッド・フィンドレーCEOに、保証していた報酬パッケージの一部である500万ドル(約5億円)を支払ったことが複数の関係者への取材で明らかになっている。野村HDの永井浩二最高経営責任者(CEO)の昨年度の報酬の合計は、基本給や変動報酬を含め2億4400万円で、同社がいかに米国でのトップライン増強に期待を寄せているかが分かる。
  尾アCOOは時価総額で100億ドル以下のアメリカ企業関連のM&Aや公募増資などの案件に加え、買収の際の為替ヘッジなどのサービスを強化していく考えだ。日本企業やアジア企業による米国での買収やジョイントベンチャーの設立ニーズが高まってきているという。テクノロジーや消費・小売り、ヘルスケア産業などは「活況」だという。
企業情報部、大幅増員
  また、尾アCOOは、日本でクロスボーダーのM&A案件をより多く助言するため、企業情報部のバンカーの人数を4月から8月にかけて10−15%程度増やしたことを明らかにした。アメリカでは投資銀行業務で昨年6人のバンカーを起用、30人以上の若手もニューヨークで採用した。14年にはシニアバンカーを15人程度外部から採用している。
  「アメリカはM&Aという意味でも、投資先の通貨、金利という意味でも多くの視線が再び集まってきている。これから5年から10年もっと強くなっていくだろう」と尾アCOOは見通している。
潮目の変化
  同社は昨年まで米国の投資銀行業務でシニアな人材を他社から積極的に採用していく考えを示していたが、永井CEOは今年2月のブルームバーグの取材に対し、経営環境が「暴風雨」にさらされているとの認識を示し、目標に掲げていた海外での黒字化の達成を見送ることを明らかにした。2016年3月期決算は海外では6年連続の通期赤字になり、第4四半期は11年以来の連結赤字を計上した。
  こうした潮目の変化により、野村はヨーロッパでの欧州株のリサーチやリサーチ営業、デリバティブ、引き受け業務など中核ビジネスを閉鎖、アメリカでは米国株の企業調査や投資銀行業務を一部縮小、大規模な人員削減を実施した。しかしその後、損益分岐点の引き下げが奏功し、第1四半期には海外で169億円の税前利益を計上、コスト削減が喫緊の課題だった野村は現在、どのように経営資源を活かし、収益を上げるかに焦点が移りつつある。
「飽くなき改善」
  ブルームバーグのデータによれば、16年6月末までの半年間の日本企業絡みのM&A助言ランキングで、野村HDは3位だった。12年以降首位に就いたことはなく、日本と米国との間のクロスボーダー案件で三菱UFJモルガン・スタンレー証券などの競合他社に後塵を拝していることが主な要因だ。日本と海外の国際間取引では同社は14位と振るわない。
 
  「リーグテーブルは長期的には信頼の証、常に意識している、日本のM&Aに関しては特に」と尾アCOO。そしてこう続けた。「お客様の満足度を上げるため、飽くなき改善をやり続けるしかない」ー。
英文記事:Nomura Back in Hiring Mode for U.S. Bankers After Cutting Costs
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-08-21/OC3KB86JTSF401


 アジアのドル建て債、利回り低下が「新パラダイム」−ブラックロック
Denise Wee、Lianting Tu
2016年8月22日 15:03 JST

世界の国債の30%がマイナス利回り、70%は利回りが1%未満
アジアのドル建て社債の上乗せ利回り、2007年以来の低水準
アジアでドル建て債券の利回りは既に約10年ぶりの低水準にあるが、この低利回り環境は続くと資産運用会社ブラックロックはみている。
  同社のアジア・クレジット・チームの責任者、ニーラジ・セト氏(シンガポール在勤)は「長期化する世界的金融緩和を背景に、世界の国債の30%がマイナス利回りとなり、70%は利回りが1%未満となっている」と指摘。「利回りが従来より低い状態が長期間続くという新たな投資パラダイムの局面にある」と付け加えた。
  アジアでは米ドル建て社債の米国債に対する上乗せ利回りが8月に入ってから26ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)縮小し199と、2007年以来の小ささとなっている。バンク・オブ・アメリカ(BofA)メリルリンチの指数が示した。
  インベスコ香港でアジア太平洋債券の最高投資責任者(CIO)を務める胡嘉林氏は、欧州中央銀行(ECB)やイングランド銀行(英中銀)による社債購入に加え、日本銀行による「量的緩和拡大の公算」がアジアのドル建て債の需要を押し上げていると話す。
  また、野村ホールディングスで日本除くアジアのクレジットフロー分析責任者を務めるアニサ・リー氏によると、債券は今やマイナス利回りが「新たな標準」となってしまったため、投資家はバリュエーションがタイトでもアジアのドル建て債に注目する。
原題:BlackRock Sees ‘New Paradigm’ of Yields Being Lower for Longer(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-08-22/OCAQ7Q6JTSEC01

インド中銀の次期総裁、不安定な相場に直面か−上昇局面転換の兆し
Rajhkumar K Shaaw、Nupur Acharya
2016年8月22日 15:48 JST

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野村HD:米州に再び熱視線、バンカー採用で投資銀行業務拡大へ

タカ派的とされるパテル氏の指名で利下げ観測が後退
ラジャン総裁の退任表明後、債券・株式相場は上昇

インド市場ではこのところ債券・株式相場が共に上昇していたが、インド準備銀行(中央銀行)の次期総裁にウルジット・パテル副総裁が指名されたことで市場に神経質さが芽生えつつある。
 
  インド中銀のラジャン現総裁は6月18日に再任を目指さないと表明。それから今月19日までに指標の10年物国債利回りは7年ぶり低水準まで下げ、S&P・BSEセンセックスは5%値を上げた。パテル氏の指名が週末に公表されたことを受け、現地時間22日午前10時51分(日本時間午後2時21分)時点でルピーは0.2%安、株価指標は0.4%下落している。

  ここ数週間にわたるインド債券・株式相場の上昇は、世界的な流動性の高まりに加え、次期総裁は現総裁より政策金利の引き下げに積極的で、銀行資産の審査実施にはそれほど厳格でないかもしれないとの観測が背景にあった。ところが、インフレ目標導入を推進するパテル氏の姿勢はラジャン総裁と一致しており、今のところ明確な見解を何ら打ち出していない。野村ホールディングスは21日のリポートで、パテル氏は恐らく前任者の政策を踏襲すると予想している。

  ムンバイに拠点を置く証券会社インディア・インフォラインのエグゼクティブバイスプレジデント、サンジブ・バシン氏は「パテル氏はインフレについてタカ派的のため、債券利回りが上昇する可能性がある」と予想。市場は「かなりのフロス(小さな泡)状態」となっており、「バリュエーション(株価評価)は行き過ぎているようだ」と分析し、向こう数週間の株価下落を予想した。
  アウエルバッハ・グレイソンでアジア株担当シニアバイスプレジデントを務めるニキル・バトナガー氏(ニューヨーク在勤)は、ラジャン総裁の後任にパテル氏が選ばれたことはやや期待外れだったと発言。「パテル氏は非常に優秀だが、ラジャン氏の路線が続くことになるのではないだろうか。インドでは向こう5年にわたって金融政策の動きが財政政策と確実に歩調を合わせることがどうしても必要だ」と述べた。バトナガー氏は以前、政府が「成長重視派の総裁」を選ぶことを期待していると話していた。
原題:India’s New Central Banker Faces Nervy Markets After Rajan Rally(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-08-22/OCARAW6TTDSS01


 
コラム:ウーバー自動運転車進出、機械と人の「仕事争奪戦」に

Kevin Allison

[シカゴ 18日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 配車サービス米ウーバー・テクノロジーズの自動運転車分野への進出で、機械と人間が仕事を奪い合う時代が到来しそうだ。ウーバーは18日、自動運転トラックを開発する新興企業のオットーを買収し、ピッツバーグで自動運転車による配車サービスに乗り出すと発表した。

人間に代わりコンピューターが自動車を操縦すれば安全性は高まるが、米国内で数百万人相当分の運転手の仕事が自動化される。米国のセーフティーネット(安全網)はこれほど大規模な雇用の破壊に対応する用意が整っていない。

ウーバーのトラビス・カラニック最高経営責任者(CEO)は自動運転化社会実現の野望を露わにしている。さらに自動運転車を目指しているのはウーバーだけではない。自動運転技術は自動車やトラックのメーカーに加えて、電気自動車大手(EV)テスラ・モーターズ(TSLA.O)、アップル(AAPL.O)、アルファベット(GOOGL.O)などハイテク系企業も参入に前向きで、十数社が開発にしのぎを削っている。

ボストン・コンサルティング・グループの試算によると、自動車の運転が完全に自動化されると貴重な時間の節約になる上、交通事故が90%以上減少する可能性がある。米国では交通事故で年間に3万人以上が死亡し、けがや車体の破損、事故に伴う生産性の低下などで数千億ドル規模の損失が発生しているが、完全自動化でこうした問題が解消する。

一方で運転自動化は負の部分も大きい。大型トラックの運転手は米国全体で200万人近くに上る。米労働省によると大型トラック運転手の給与は中央値が4万ドル強で、タクシーやリムジンの運転手の約2倍。ウーバーはタクシーやリムジンなどの業界にも照準を合わせている。

もちろん自動運転車の導入で運転関連の雇用が完全に消滅することはない。自動ブレーキや走行レーン補正機能といった今日の限定的な自動運転機能から完全な自動運転への移行は技術面で大きな課題を抱えており、これをクリアするには何年もかかりそうだ。政治面でも強い抵抗が起きるだろう。また、たとえ完全自動化に移行しても、運送業者や整備業者は車両運行のために引き続きメカニックやITの専門家が欠かせないだろう。

しかし恐ろしい事態が潜んでいるのも事実だ。米国の社会保障制度はお粗末で、労働者の再教育プログラムでは技能の刷新は難しい。つまり既に過去20年間で500万人分以上もの職を失ったブルーカラー層への圧力が一段と強まるということだ。

ウーバーの新たな提携は自動運転車への移行が加速しつつあることを示す最新の動きであり、政策当局者や政治家は心すべきだ。

●背景となるニュース

*ウーバーは18日、自動運転トラックの開発を手掛ける新興企業オットーの買収を発表した。また自動運転車の開発で中国・吉利汽車傘下のボルボ・カー・グループ(VOLVb.ST)と提携したことも明らかにした。投資規模は3億ドル。

*ブルームバーグは、ウーバーがこうした提携の一環として今月末からピッツバーグで自動運転車の配車サービスを実施すると報じた。当面はコンピューターの誤作動に備えてドライバーが乗車する。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
http://jp.reuters.com/article/uber-column-idJPKCN10U0AV  

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