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実は「安定、勝ち組」だった派遣社員という働き方 消費税増税で実質GDPは増! 株式まだ下がる 役員年収高すぎと感じる理由
http://www.asyura2.com/16/hasan113/msg/172.html
投稿者 軽毛 日時 2016 年 9 月 12 日 19:16:13: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

2016年9月12日 flier
実は「安定、勝ち組」だった派遣社員という働き方

要約者レビュー


『やりたいことを仕事にするなら、派遣社員をやりなさい!』
総合法令出版 大崎玄長
264ページ 1300円(税込み)
「派遣社員」として働くということに、どのようなイメージをお持ちだろうか?

「正社員にならないと人生終わり」「派遣の立場は弱くてかわいそう」などのネガティブなイメージがあるなら、ぜひ本書でその誤解を解いていただきたい。

 本書『やりたいことを仕事にするなら、派遣社員をやりなさい!』(大崎玄長著)は、派遣会社を経営している著者が、働きかたに悩んでいる人に向けて「派遣社員」として働くことを通して悩みを解決する突破口を伝えている。なぜ今派遣を選ぶのか、なぜ派遣だと働くことに関する悩みが解決されるのか、派遣のメリットとは何なのか、これから派遣で働くことの可能性を理解することができる。正社員と変わらない社会保険や福利厚生が受けられる、日本の企業全体の80%以上が派遣会社を活用している、など派遣で働く実情を知らない人には新鮮な内容である。加えて、派遣のしくみ、キャリアアップのコツなど派遣で働くことを検討する時に役立つ情報が豊富に紹介されている。

 派遣社員は決して不安定な働きかたではない。これからは派遣社員で働くことが、ワークライフバランスを保てたり、理想とする仕事に出合えたり、未経験でも希望する業界に挑戦できるチャンスにつながる。「派遣」や「非正規」という言葉の先入観にとらわれずに、自分の都合や希望に合わせて働くことができる新しい働きかたを、今一度正しく見つめなおしてはいかがだろうか。 (山下 あすみ)

著者情報

大崎 玄長(おおさき もとなが)
株式会社エヌエフエー代表取締役。1973年大阪府生まれ。中央大学卒業後、大手経営コンサルティング会社勤務、独立コンサルタントを経て、2006年東京都大田区にて地域密着型派遣会社 株式会社エヌエフエーを設立。設立以来、400社を超える取引企業と累計1万人を超える応募者や派遣社員のサポートに従事する中、派遣の魅力と無限の可能性に気づき、派遣社員こそ安定した働きかたでこれからの勝ち組であることを確信する。近年は「失業ゼロ社会の実現」を目指して「地元のお仕事紹介サイト『ハロ!わくおさん』を運営しつつ、「雇用不安なき成長社会の実現」を目指した新しい働きかたの仕組み「日本版PEO(Professional Employer Organization習熟人材雇用組織)」の確立に努めている。

評点(5点満点)


*評点基準について
本書の要点

・派遣で働くメリットのひとつは、仕事内容を自分で決めることができることである。複数の業界で働き自分の仕事上の適性を確認することや、自分の働きたい業界での足がかりを作ることができる。
・2015年には新しい労働者派遣法も施行され、いまでは一部を除いたほとんどの職種で派遣社員として安定して働くことが可能になっている。
・これからは自分のライフステージに合わせて、働きかたを選ぶ時代である。生活手段としての仕事以外に、何か集中してやりたいことがある人にとっては、派遣社員として働く選択肢がある。

要約本文

【必読ポイント!】
■夢をかなえられる「派遣」という働きかた
◇仕事内容を自分で決められる

 派遣で働くことのメリットはいくつかあるが、一番のメリットは会社本位ではなく、仕事本位で働けるという点ではないだろうか。正社員や契約社員で会社に雇用されると、自分がしたい仕事があっても、その希望が通るとは限らない。会社の業務の中で自分の希望しない業務に従事する可能性がある。

 派遣ならさまざまな仕事の中から「自分はこんな仕事がしたい」という選択ができる。派遣会社に登録に行った場合、どんな仕事を、どのような条件でしたいのかという希望を出し、派遣会社とこれからのキャリアプランを含めた相談をしながら仕事を選べる点が派遣で働く大きなメリットである。

 多くの人が、世間体がいい会社に就職するということを重視して、「自分が取り組みたい仕事を選ぶ」ことを疎かにしている。その結果、短期間で就職した会社をやめる人もいる。また、入社する時点で自分がどんな仕事をしたいのか、どんな仕事に向いているのかわからない人もたくさんいる。

 派遣の場合、まず自分で仕事を選んでその仕事についてみて、合わないと思えばそこから、いつでも軌道修正ができる。さまざまな仕事を紹介してもらえ、自分の知らなかった仕事に出合えることもある。また、複数の会社を経験したからこそ、自分にはどんな環境でどんな仕事が向いているのかを見極めることもでき、いわゆる天職に出合える可能性も増える。

◇「働きかた」を自分で決められる

 派遣の仕事は、多くは2ヵ月あるいは3ヵ月単位の契約になる。契約期間を終了しても、派遣先企業と派遣社員の双方の合意があれば契約を更新して仕事を続けていける。こうした派遣のスタイルを活用して独自のライフスタイルを築いていくことが可能となる。海外で数ヵ月間生活したい人、勉強に専念したい人、叶えたい夢がある人など、生活手段としての仕事以外に、何か集中してやりたいことがある人にとっては、自分のやりたいことを中心にスケジュールを立てることができるので、好都合な働き方といえる。

 一方、日本の会社はこれまで終身雇用、年功序列をもとにしていたため、ライフステージに応じて、仕事をペースダウンすることや、ブランクを作ることは、会社からの評価を下げる原因になっていた。最近はワークライフバランスを重視する風潮があるものの、まだ完全に定着していない。会社の仕組みを根底から作り変えるのは難しく、介護や育児のサポート制度ができても、十分に機能していない状況もある。派遣はこうしたライフイベントにも対応した、柔軟な働きかたができ、例え短時間しか働けなくても、キャリアを継続することができる。

◇未経験でも「自分が働きたい業界」で働く

 自分が希望する業界で働きたいと考えたとき、たいてい壁になるのは「未経験である」ということだ。中途採用において、経験やスキルを持たず未経験で入社するのは難しい。しかし、派遣の仕事ならアシスタント業務であれば未経験OKの仕事もあり、未経験でも自分の勤めたい業界で働ける。一度その業界で実務につけば、それは立派な経験となり、将来その業界のプロフェッショナルを目指しキャリアを積んでいくための足がかりになる。

 ある調査では、日本企業全体の80%以上が派遣社員を活用したことがあると言われている。あなたの働きたい業界の仕事の有無は派遣会社に直接確認するのが手早く、さまざまな業界の情報をもつ派遣会社との相談は、今後のキャリアプランを立てるのにも役立つだろう。

■実は「安定、勝ち組」の派遣社員
◇あまり知られていない派遣労働のしくみ

 派遣の仕事は「労働者派遣法」によって保護されている。派遣の仕事に関わるのは、働く人である「派遣社員」と、その人を派遣する「派遣会社」、そしてその人が実際に仕事をする「派遣先企業」の三者だ。正社員や契約社員は勤務先企業と直接雇用契約を結ぶが、派遣社員は派遣会社と雇用契約を結び、働く先は派遣先企業となる。業務の指揮・命令などは派遣先企業から直接派遣社員に下されるが、給与の支払い、福利厚生や教育研修制度の適用などは派遣会社から受けることになる。

 法律で定められている派遣の契約期間は1ヵ月〜3年で、3年以内であれば派遣社員と派遣先企業双方の合意の上、契約を更新できる。3年を超えても双方が働き続けることを希望した場合、3年経った時点で派遣社員本人と派遣先企業が直接雇用契約を結び正社員や契約社員になるか、あるいは派遣会社の正社員や無期雇用社員になれば、同じ職場・職種で働き続けることもできる。

◇安定的になった派遣の仕事

 2015年に新しい派遣法が施行され、派遣社員はより安定的に仕事ができるようになった。

 1つ目のポイントは、今までは派遣でできる仕事に制限があったが、現在はほとんどの仕事をできるようになったことだ。それゆえ、どんな人も天職に出合うチャンスがある。港湾運送業務、建設業務、警備業務、病院における医療関連業務や、弁護士、司法書士等のいわゆる「士」業務は現在も禁じられているが、これらの仕事を除けば派遣社員も、正社員や契約社員も、仕事内容に目立った違いがなくなってきている。職場によってはマネジメントを任されたり責任の重い仕事についたり、派遣社員だからといって仕事のチャンスが狭められているわけでは決してない。

 2つ目は、派遣社員が同じ職場に1年以上派遣される見込みがある場合などに、派遣会社に対して派遣先への直接雇用の依頼や新たな就業機会など、「雇用安定措置」と呼ばれる派遣社員の雇用を継続させるための措置を講じるよう求めていることだ。

 3つ目は、派遣社員のキャリアアップを図るため、教育訓練やキャリア・コンサルティングを派遣会社に義務付けたことだ。

◇派遣社員も正社員と同じように扱われる

 法律で定められ正社員に適用されることは、派遣社員にも同じように適用される。社会保険もしっかり適用され、労災保険についても派遣会社は保険料の全額を負担することが定められている。健康保険と厚生年金については概ね2ヵ月以上の雇用期間など制限があるものの、ある程度まとまった期間継続して仕事をすれば派遣社員にも社会保険のすべてが適用される。

 6ヵ月以上継続して勤務し、労働日の8割以上出勤していれば休暇も取れるし、産前産後休暇、育児休暇、介護休暇ももちろん取得でき、最近はワーキングマザーとして仕事に復帰する人が増えている。クレジットカードの申請やローンの組成も正社員と同様に、一定以上の期間仕事をして、一定以上の収入があることが認められれば問題はなく、派遣社員を理由に断られることはない。

◇正社員がいいとは一概には言えない時代

 総務省の統計では、非正規雇用者の8割以上が「自分の都合のいい時間に働きたいから」などのポジティブな理由で、自ら望んで非正規雇用という働きかたを選んでいるという。誰もが同じようにフルタイムで週5日働きたいわけでも、会社本位で働きたいわけでもない。どのような働きかたが良いか、決めるのは働く人それぞれである。

 派遣社員は、便利で安定した働きかたである。正社員や派遣社員という言葉だけで画一的なイメージを抱き、自分に合わない仕事を無理に続け、ストレスを溜め込む時代はもう終わったのだ。これからは、人生に何を求めるか、その中で仕事はどうあるべきかを考え、働きかたを選ぶ時代である。

■派遣で成功する方法
◇派遣で働くサイクル

 派遣社員として一つの仕事が、契約期間満了で終了するまでにはいくつかの段階がある。

 まず、派遣会社の募集広告に対し電話かメールで登録予約を行う。その後、派遣会社に行き、面談や所定手続きを経て派遣社員登録が完了する。仕事の案内は登録の際に派遣会社から仕事の案内をされることもあれば、後日電話やメールで案内されることもある。そして、派遣社員と派遣会社の双方の合意を得てから仕事が決定し、仕事開始となる。

 就業中は、派遣先企業の指揮・命令を受けて仕事をするが、何か悩みや疑問があるときは派遣会社に相談できる。契約期間満了がきたら、いったん仕事は終了するが、契約を更新し仕事を継続する場合もあるし、この仕事を終了しても派遣会社から次の仕事を案内されることもある。その場合、仕事の案内からまた同じプロセスを繰り返す。正社員として就職が決まったり、独立・起業したり、目標達成のめどがたったときは、契約期間満了のタイミングで派遣社員は卒業となる。

◇派遣会社の選びかた

 派遣会社は資本系と独立系に分かれている。

 資本系とは大手の銀行、商社、メーカー等の出資により設立された派遣会社のことで、その出資企業やグループ会社で働きたいと思うなら登録してみるといいだろう。

 独立系とはさまざまな業界の仕事を扱っている派遣会社である。独立系の大手派遣会社は仕事の数はとても多いが、派遣社員の数も多いため、マッチングやフォローが画一的になりがちである。一方、独立系中小の派遣会社は仕事の数は多くないが、特定の領域の仕事が豊富な場合がある。またマッチングやフォローがきめ細かなので、親身に世話を焼いてもらうのが性に合っている人に適している。

◇高評価、キャリアアップをする方法

「特Aランク」、「Sランク」が派遣社員としては最高ランクの評価である。このランクづけはワードやエクセル、英語の翻訳などのスキルの高さに加え、「職場を明るくできる人」といった人間性なども加味して、総合的に評価される。特別な技能がなくても、「笑顔の対応ができる」や、「電話の対応で相手を安心させる」などの要素を持っていると、派遣先企業の満足度も高い結果となる。

 派遣の仕事では、最初は誰でも、頼まれた仕事を機械的にこなすことが中心となる。キャリアアップをしていくためには、「主体的」になり、できることを増やして職域を広げて、メンバーをまとめたり、リードしたりするような役割まで担うことが有効だろう。オンタイムだけでなく、オフタイムも有効活用して、派遣会社の研修等を利用してスキルアップを怠らないようにすることが重要である。キャリアアップを実現し、職場で頼られる存在になると、やりがいの大きい仕事も任せられるようになる。

一読のすすめ

 著者は派遣社員を「非正規雇用」という分類に入れるのは間違いだと主張する。自分に適した仕事を見つけ、ワークライフバランスを保ち、自分の都合にあったペースで仕事をできるのは、良いことに違いなく、「非正規雇用」という分類は無用な先入観を生んでいる可能性がある。本書で派遣社員の働きかたについて、理解を深めてほしい。
http://diamond.jp/articles/-/101503


 

「消費税増税で実は実質GDPは増えていた!」
統計が違えば結果はまったく違ってしまう
[橘玲の日々刻々]
 2014年4月に消費税を8%に引き上げたあと、14年度の実質GDPは前年度比0.9%減のマイナス成長に陥りました。リフレ派はこれをもとに、「増税すればアベノミクスがだいなしになる」と大合唱し、安倍首相は消費税の10%への引き上げを2度にわたって延期しました。

 しかしこの数字には、当時から疑問の声が漏れていました。第二次安倍政権が発足して以来、日銀の大胆な金融緩和によって為替は1ドル=80円から14年末に119円まで下落し、大手企業の収益改善で日経平均株価も1万円から1万7500円まで上昇していたからです。市場の実感は「景気はよくなっている」というもので、だからこそ実質GDPのマイナスは大きな衝撃だったのです。

 ところがここにきて、驚くべき数字が出てきました。日銀の調査統計局長が、日銀職員による個人論文と断ったうえで、14年度の実質GDPは2.4%増、名目GDPは30兆円も多い519兆円だったと述べたのです。

 これほど大きなちがいが生じたのは、内閣府が政府の公式統計などをもとにGDPを算出しているのに対し、日銀の論文は住民税や法人税などの納付状況から経済活動を推計しているからです。専門家のあいだでは日銀の方式がより正確との意見が多いようですが、だとしたら消費税増税をめぐるあの大騒ぎはなんだったのでしょうか。増税しても景気が回復しているのなら、「経済学博士」の肩書きを持ついい年をした大人が罵詈雑言を浴びせあう見苦しい姿を見る必要もなかったはずです。

 同様の混乱は小泉政権時代にも起こりました。2006年にOECD(経済協力開発機構)が発表した「対日経済審査報告書」で、日本の相対的貧困率はアメリカと並んで高いと指摘されたのです。これによって「一億総中流」の常識は覆され、「ネオリベ(新自由主義)のせいで経済格差が拡大した」との批判に火がつきました。

 しかしこの統計に対しても、「深刻な人種問題を抱えるアメリカと同じなんて、いくらなんでもおかしい」との疑問が囁かれていました。

 手品の種明かしは、じつは単純でした。人生にはいいこともあれば悪いこともありますから、その他の条件がまったく同じでも、高齢化によって自然に経済格差は大きくなっていくのです。

 その後、専門家によって「高齢化の影響を調整すれば、日本の経済格差が拡大しているとはいえない」との反論が続々と出てきますが、「ネオリベ批判」に血道をあげるひとたちはこの不都合なデータに耳を貸そうとはしませんでした。ところが実際には、家計調査データで「貧しさのために生活必需品を買えなかった」割合を調べると、日本は国際的にもっとも経済格差が小さな国であるばかりか、小泉改革で格差が縮小していることがわかったのです。ここでも、あの大騒ぎはなんだったのか、徒労感を覚えるのは私だけではないでしょう。

 でもこれは、小泉改革で日本がよくなったという話ではありません。データによれば、日本企業のリストラによって年功賃金のカーブがゆるやかになった(中高年に高い給与を払わなくなった)ため、所得が下の層にさやよせされて、より「平等」な社会になったのです。

参考:本川裕『統計データが語る 日本人の大きな誤解』
『週刊プレイボーイ』2016年9月5日発売号に掲載

橘 玲(たちばな あきら)

作家。2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ヒット。著書に『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』(ダイヤモンド社)など。中国人の考え方、反日、歴史問題、不動産バブルなど「中国という大問題」に切り込んだ『橘玲の中国私論』が絶賛発売中。近刊『「言ってはいけない 残酷すぎる真実』(新潮新書)が30万部のベストセラーに。

●橘玲『世の中の仕組みと人生のデザイン』を毎週木曜日に配信中!(20日間無料体験中)

http://diamond.jp/articles/-/101762

 

【第435回】 2016年9月12日 広瀬 隆雄
投資家のシナリオになかった「金利の上昇」で
株式市場はまだまだ下がる可能性が大きい!
2016年10月半ばまでの投資家の注意点とは?
 先週は月曜日がレイバー・デーだったため4日間の立会でしたが、週間ベースでのパフォーマンスはダウ工業株価平均指数が−2.4%、S&P500指数が−2.39%、ナスダック総合指数が−2.4%でした。

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 三指数ともに先週金曜日の出来高は6月末の英国のEU離脱をめぐる国民投票以来の高水準でした。

 このように出来高を伴って全ての指数が急落したことから、市場の落勢は強く、まだまだマーケットは下げる危険性があると思われます。

 S&P500指数の当面の下値メドは6月27日のザラバ安値、1991.68になります。

 9月は経験則的に1年で最も米国株が下げやすい月であり、下げは一週間程度では収まりません。従って我々が避けなければいけないことは、せっかちにバーゲン・ハンティングすることです。

 すくなくとも10月半ばまでは何もせず、ポートフォリオのキャッシュを最大限に高めたままで静観した方が良いでしょう。

「金利の上昇」という想定外のシナリオ
強気相場の基礎が揺らぎ株式市場が下落

 さて、先週の下げの原因ですが、債券市場の変調が引き金になったと思います。

 9月8日(木)に欧州中央銀行(ECB)の政策金利会合があり、新しい事は何も出ませんでした。

 市場参加者はドラギ総裁がもう一段、踏み込んだ緩和策を打ち出すことを期待していたので、それが裏切られたわけです。

 これを受けて7月以来マイナス利回りとなっていたドイツ10年債の利回りが0.00%という心理的な節目を超えてプラス圏へ戻りました。利回りが上昇しているということは、債券価格は売られているということを意味します。

 この、時ならぬ債券市場の変調が、玉突き的な連鎖反応を起こしています。

 つまりこれまでの投資家の発想は「欧州や日本がマイナス金利だから、少しでも利回り面で有利な米国財務省証券を買おう」というものだったのです。

 しかしドイツ10年債のマイナス金利が解消したのであれば、上のような発想から来る買い需要が、逆流する懸念が生じます。

 市中金利が安定して、極めて低い状態に保たれている……この大前提が、こんにちの株高の根幹を成す認識なので、ここへきて強気相場の基礎がグラグラ揺らぎ始めたというわけです。

 これは根の深い問題です。

 世界の投資家は金利の上昇というシナリオを「それは、ありえない」として切り捨ててしまっています。その想定外のシナリオが起こり始めたので、全然準備が出来ていないわけです。

 その一例として普段から値動きがマイルドで、債券の代用品としての魅力で投資家に人気のあるAT&T(ティッカーシンボル:T)が、先週の金曜日は−3.59%というこっぴどい売られ方をし、投資家を慌てさせました。

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FRBが「後手に回る」リスクが高まっている
いまは安心して株を買える状況ではない

 債券が一斉に売られているということは(景気は、それほど弱くない)ということを意味し、さらに言えば(次に心配しなければいけないのはデフレではなく、インフレだ)ということを債券価格が先取りしているということです。

 つまり本来なら、もうとっくに利上げをはじめていなければいけないところを、手をこまねいているうちにマーケットの方が先に次に起こることを織り込み始めているということです。

 それは連邦準備制度理事会(FRB)が「後手に回った」ことを意味し、それはとても危険な状態です。

 9月は1年のうちで最も危険な月であり、今年も案の定、不穏な展開になっています。強気相場の基礎となっていた債券市場がグラグラしているので、とても安心して株を買えるような環境ではありません。

 いまはすべての投資をストップし、現金にして、少なくとも1カ月くらいはマーケットから離れて下さい。
http://diamond.jp/articles/-/101710


 

【第50回】 2016年9月12日 秋山進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]
会社役員の年収が高すぎると感じる理由

役員報酬1億円は高い?それとも安い?
 1億円以上の報酬を得ている上場企業の役員は、有価証券報告書でその事実を開示する義務があり、現在、その数は約500人と言われている。下世話なことだが、報酬の話は社員の間でもっとも盛り上がる話題となる。

「え〜、あの人が1億円???」「なぜそんなにもらえるの?」「社長におべんちゃらを言ってお手盛りしてもらっているのではないの?」などといったものだ。

 しかし、優良といわれる上場企業の役員の報酬の算出方式は、会社ごとにだいたい決まっている。固定部分が多い企業もあれば、利益額とのリンクで支払われるボーナスが多い企業もある。現金主体の会社もあれば、株式報酬の比率が高い会社もある。最近は、報酬の透明性を高めるための報酬委員会の設置も一般化してきた。

 ところで1億円の報酬というのは、高いのだろうか。はたまた安いのだろうか。上場企業であれば、普通の管理職でも年収1000万円に達することもあるから、その約10倍である。それだけ払う価値はあるのだろうか?

報酬額を決める「職責」と「能力」
“能力”を見るから1億に納得できない

 報酬の決定方法には、大きく2つパターンがある。1つは「職責の重さ」に応じて。もう1つは、その人の「能力」に応じて支払われる方法だ。一般社員の給与も、職務のグレード(職務等級)か職能資格に応じて支払われるから、それに準じて考えればイメージしやすいかもしれない。

「職責」で役員報酬を見ると、1億円は高くないと感じるのではないだろうか。例えば、それなりに大きい上場企業の専務や常務クラスになると、部下が1000人、2000人いるのも当たり前。その人がGOと言うかNGと言うかの意思決定が会社の業績に与える影響や責任は大きい。

 また、未来への方向付けを正しく行えるかどうかは極めて重要だ。スピーチ一つにしても、巧みに行うか、下手かで社員数千人のやる気に影響を与える。ステイクホルダーとの関係性を上手に保ち、支援を取りつけられるかも重要だ。こうした数々の仕事の職責や影響力の大きさを考えれば、普通の管理職が抱えている職責の10倍などというものではないだろう。そう考えれば1億円が高いとはいえない。

 一方、「能力」で報酬を払うケースを考えてみよう。役員として仕事をまっとうできる職務遂行能力を並べてみると、戦略構築力から遂行力、リーダーシップや人を巻き込む力、グローバルな視野の広さと人的ネットワーク力などが該当する。

 こういう項目を満たす人というのはいるが、その多くはそのような能力が獲得できるような業務(企画部長や海外現地法人社長など)を如才なく担当してきた人である。すなわち、業務として経験してきたから能力があることになっているものの、他の人ならもっと良い結果だったかもしれないし、誰がやっても大して変わらなかったかもしれない。大企業のように部下たちのサポートが十分であれば、周りのおぜん立てに乗りさえすれば、それなりの人なら誰でもそこそこの結果が残せるのだ。

 では、その人でなければ成し遂げられない「卓越した能力」がある場合はどうか。その人がいるから、M&Aや事業アイデアなどの重要な話が“最初に”持ち込まれる。その人がいるから、価値のある研究者やアーティストが“逃げずに活き活きと”に貢献してくれる。その人でなければ考えつかないような“戦略を生み出す“ことができる。その人がいるから、社会や産業界から“信頼”される。そんな人であれば、「卓越した能力」の持ち主として高額の報酬をもらっていても誰もが納得するだろう。だが、そんな立派な人が自社の役員連中かというと疑問符がつく場合も多い。

 上記のような「卓越した能力」がある人は、10人中1人いるだろうか。ほとんどの人は会社の役員を務めている間は、スゴイことをしているように見えても、辞めてみると誰にも振り向かれない「普通の人」なのである。

 つまり、「職責」をみれば年収1億円越えも納得できるが、「個人としての能力」をみてしまうと、本能的に役員の年収1億円を「高すぎる!」と思ってしまうのである。

「結果」に応じて報酬を決める
この方法がかなり茶番な理由

 もう1つ、報酬を「結果(利益等)」に応じて支払う方法もある。実のところ、これはかなりの茶番になる可能性がある。課長レベルの事業範囲なら、今日手をつけたことが3ヵ月後に実を結ぶこともあるから、今年の結果と来年の報酬のリンケージにも合理性がある。しかしながら、大企業の役員レベルであれば、指し手が業績に反映するまでタイムラグがある。研究開発などの種まきと育成という蓄積があって初めて花開くものであるから、結果が出るのには早くて3年はかかる。今期の業績は、前任者の成果がようやく花開いたに過ぎない。

 巧みな役員は企業会計に精通しており、合法的に費用を資産に振り替え、取引先との契約条件を自社に有利なものに変更し、広告宣伝費や研究開発費などのうちからPLインパクトの大きい出費を大幅に削減する。それらの施策で利益額を高めることで株価を高め、企業買収で成長性をアピールする。これらの方法を通じて、短期的な利益額を高めて自分の報酬を高め、長期的な企業成長のアピールにも成功する。

 中には、数年後、企業買収はPMI(買収後の統合)がうまくいかず大幅な特損を計上し、広告宣伝費や研究開発費の低下は競争力を失わせ、取引先へのコストダウンは品質低下につながり市場での立場を低下させるものもある。しかし、そうなったときには今の役員は別のことをしている(社長だったりする!)。過去のことには知らん顔をして、「俺がやっていたときはうまく行っていたのだが」とうそぶく。

 業績連動で役員に報酬を払うのが茶番になる、というのはこうした状況がうまれる蓋然性が高いからである。

報酬額に見合った
“卓越した能力”のある役員を育てよう


本連載の著者・秋山進さんの著書『「一体感」が会社を潰す 異質と一流を排除する<子ども病>の正体』が好評発売中!
 現在、役員を務める人は、個人が卓越した能力を持つことを否定され、組織の一員としての役割をまっとうすることこそが大事だといわれてきた時代に育った。多くの会社は特別の才能を持つ個人はいらないと公言してきたし、実際に、少し前までは、役員の報酬も普通の社員と比べて際立って高くはなかったのである。

 ところが、この10年ほどの間に急速に株主主権が強調され、経営者に主権者の代理人として機能することを誘導する米国的慣行の一部が日本の経営にも取り入れられるようになってきたのである。その中で、取りたてて特別な能力を持っていないにもかかわらず、報酬額だけが大幅に増加した“棚ぼた”の人たちを、我々は現在目の前にしているのである。

 個人的な見解としては、役員が1億円もらうことを高いとは思えない。一方で、「大したことのない人が1億円もらっている」という批判があるのも理解できる。だからこそ、その間を埋めなければならない。あの人はもっともらうべきだよねと思われる人を役員に就ける。そのためには、多様な修羅場を何度も乗り越えた百戦錬磨で「卓越した能力のある人材」を養成しなくてはならない。

 そうして職責の大きさと個人の能力が見合うようになれば、1億円の報酬を非難する人はいなくなるだろう。日本の大企業の場合、米国企業役員の巨額の報酬との差を云々する以前に、まずは職責と能力の整合性を作ることのほうが急務なのである。

※なお、本記事は守秘義務の観点から事案の内容や設定の一部を改変させていただいているところがあります。
http://diamond.jp/articles/-/101519  

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コメント
 
1. ダイビング[82] g1@DQ4Nyg5ODTw 2016年9月12日 19:54:51 : GLUiH1o95U : z_48yBWfvSI[89]

大崎玄長著は、派遣会社を経営しているおサルさん

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