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競輪がまさかの「無観客レース」で復活したワケ 「三菱自動車のゴーン会長」、誕生の必然 日産の「リバイバルプラン」が蘇生
http://www.asyura2.com/16/hasan114/msg/557.html
投稿者 軽毛 日時 2016 年 10 月 20 日 00:59:27: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

競輪がまさかの「無観客レース」で復活したワケ

トレンド・ウォッチ from日経トレンディ

ネットに特化して新たなファン獲得
2016年10月20日(木)
日経トレンディ
 長期低落傾向にあった公営競技の「競輪」に、ちょっとした異変が起きている。ファンの高齢化や娯楽の多様化などで20年以上減収が続いていたが、2014年度(2015年3月期)と2015年度(2016年3月期)の2年連続で増収に転換。その理由の一つが、観客を競技場に入れない「無観客レース」だという。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/030800018/101400186/thumb_400_02_px400.jpg

 競輪は競馬などと同じ公営競技の一つで、7〜9人の選手が競輪場のバンクでスピードを競う。観客はその順位を予想して車券を購入し、的中すれば払い戻しが得られる。車券の売り上げは少ない場合でも1レースで数百万円、大きなレースになると数十億円単位にのぼる。売り上げのうち75%が的中者への払い戻し、25%が選手への賞金や運営費、運営元を通じた社会貢献事業などに充てられる仕組みだ。全国43の競輪場で、通常は1日10〜12個のレースを3〜4日セットにした単位で行われている。

 公営競技はいずれも売り上げの長期低落傾向が続いている。状況を打開するために各競技の運営団体は、馬券や車券の販売チャネルの多様化を進めてきた。レースが行われている競技場でなくても購入できるようにしてきたのである。その一つが90年代末から始まったインターネット経由での販売だ。今ではどの公営競技も自宅からブラウザーやスマホ上でレース観戦やオッズ(倍率)の確認、馬券や車券の決済などが可能になっており、ネットでの売り上げを年々拡大している。


競輪の車券売り上げと入場者数の推移。1991年度以来前年割れが続いていたが、売り上げは2014年度に23年ぶりに増加
 そうした取り組みの効果からか、競馬や競艇については2010年前後から底を打った傾向が表れているが、競輪については止まることがなかった。売り上げは20年以上前年割れが続き、ピーク時の1991年度の3分の1以下にまで落ち込んでいる。その競輪が2014年度に突如増収に転じた要因とされるのが、「無観客レース」の存在だ。

「無観客」にすれば実現できる


ミッドナイト競輪はスタンドに観客を入れない「無観客」状態で行われる
「今この時間、これ(携帯電話)で車券買えるようにしたら、売れるんじゃない?」

 無観客レースのアイデアは、競輪を統括する公益財団法人JKAの職員同士の夕食の場でふと出てきたものという。時は21時過ぎ。競輪を含めて公営競技が全て終了している時間帯だった。

 競輪にはレースが昼間に行われるものと、夕方から行われるナイターがあるが、ナイターでも20時半頃には全レースが終了する。競輪場を訪れる観客はともかく、一般のインターネットユーザーにとっては宵の口だ。多くのユーザーが帰宅後くつろぎながらネットにアクセスする時間帯に合わせてレースを始めれば、今まで競輪と縁のなかった層にもレースを見てもらうことができ、新規のファン開拓と車券販売拡大が見込めるのではないか。そこから、通常のナイターよりも遅い時間に始める「ミッドナイト競輪」の検討が始まった。

 しかし実現には大きな障害があった。最大の問題は周辺環境への影響だ。ただでさえ公営競技はギャンブラーの集まる荒々しい場所というイメージがある。それが夜遅く行われるというのであれば、地域の理解は容易に得られるはずもない。風営法上も問題がある。

 だがミッドナイト競輪の目的がネットでの露出拡大にあるのならば、競輪場での車券販売などネット以外の販売チャネルにこだわる必要はない。競輪場に観客を入れる必要がないなら周辺環境の問題は解消できる。そこで、なんと「無観客」とすることにしたのだ。

 JKAでこのアイデアがまとまったのは2010年のこと。実際にそのミッドナイト競輪を開催する競輪場として白羽の矢が立ったのが、北九州市の小倉競輪場だった。小倉競輪場は競輪発祥の地として全国43の競輪場の中で最大の売り上げがあることに加え、ドーム型の屋内競輪場で音や光が外に漏れにくい構造ということがその理由だった。

 ただ屋内でも本当に周辺環境に影響を与えることはないのか、実地であらゆる検証を行う必要がある。レースがラスト1周の際に鳴らす鐘の音が外に漏れないか、競輪場の屋外で音を測定したり、深夜にレースを終えて車で帰宅する選手や職員の動線を組み直したり、観客エリアの照明を落としても競技に影響がないかチェックしたりしたという。

 関係者への調整も必要だった。特に選手は重要な利害関係者だ。競技成績が自分の生活を左右する選手にとって、ミッドナイト競輪に出場の時だけ違う生活リズムを強いられるのは厳しい。また従来からのコアなファンからは、観戦や車券購入がネットに限定されることに反発もあったという。

 しかし20年も減収が続くなかで何も手を打たないわけにはいかない。その危機感から小倉競輪場のスタッフは関係者の説得を続け、2011年1月、第1レースが21時すぎ、最終レースが23時すぎというミッドナイト競輪の初めての開催にこぎつけた。

 本当にネットだけで成り立つのか、関係者の不安の中で始まったミッドナイト競輪だったが、フタを開けてみれば売り上げは昼間の開催と同規模の1日あたり約8000万円にのぼった。昼間の開催よりレースの本数も出場選手数も少ないにもかかわらず、売り上げは昼間と変わらなかったのだ。しかも無観客のため、接客や警備の係員なども不要でコストは抑えられ、収益の改善にも貢献した。

 その後もミッドナイト競輪は安定した収益を上げるとともに、新しい利用者の獲得も進んだ。2012年からは小倉以外にもミッドナイト競輪を開催するところが出始め、それに比例する形でネット経由の車券販売も拡大。現在では年間の延べ開催日数のうち1割以上が無観客スタイルのミッドナイト競輪で、ネットを中心とした車券販売の「電話投票」も、2010年度の1315億円から2015年度は1526億円に拡大し、車券販売全チャネルの約4分の1を占めるまでに至った。それが全体の売り上げを押し上げ、2014年度の23年ぶりの増収という結果に表れたのだ。

決定が1分遅れると100万円の損失

 不安の中で始まったミッドナイト競輪が軌道に乗ったのは、ネット特化で21時以降という公営競技未開拓の時間帯とファン層を切り開いたからだけではない。ネットでの車券販売に合わせてレースの運営改善も進めてきたことも大きな要因だ。

 「競輪は着順決定が1分遅れれば売り上げが100万円減る傾向にあります。短時間で開催するミッドナイト競輪では、着順決定のスピードアップが不可欠でした」とJKAの小倉競輪運営事務局の武藤秀彰事務局長は言う。


着順決定を担う審判員室。秒単位の改善を積み重ねて着順決定の迅速化を進め、車券購入時間の短いミッドナイト競輪をより買いやすいものにした
 競輪は選手がゴールすると、審判が着順を決定して当選者への払戻金が決まる。観客は自分の車券がいくら的中したか、それとも外れたかをもとに、次のレースへの賭け方を考える。観客が考える時間をより多く確保するためには、迅速な着順決定と払戻金確定が必要だ。

 しかしミッドナイト競輪は昼間より短時間で開催するため、もともとレース間隔が短い。またネット経由での車券販売は通信の遅延に備えるために、競輪場での車券販売より3〜4分早く締め切られる。ネットでの販売に100%依存するミッドナイト競輪では特に影響が大きい。

 着順決定と払戻金確定の迅速化は従来からどの競輪場も行ってきたが、小倉競輪場はミッドナイト競輪開催にあたってさらに「秒単位」の短縮に取り組んだ。ミスが許されないために何重もの確認作業をとっていた着順決定のフローを、一つひとつほぐしてチェックし、省略しても影響がないか、作業を複線化できるところはないかなどを検証。選手発走前のファンファーレまで短縮するなど、まるで工場の作業改善のような細かい時間短縮を重ね、観客が車券を買いやすい環境を作っていった。

 そのほかにも、初心者が車券的中の楽しさを実感しやすいように、オッズは低くても当たりやすい番組(選手の組み合わせ)を構成したり、「ニコ生(ニコニコ生放送)」での中継など娯楽要素をレース中継に盛り込んだりなど、新規のファンが入りやすいレースを企画。開催時間以外にもさまざまな工夫を施したことが、ミッドナイト競輪の成功の要因になっているのだ。

リアルの競輪場に足を向かわせる

 もっともJKAは、ミッドナイト競輪の拡大による売り上げ増をゴールとしているわけではない。「ミッドナイト競輪は新しいファンを呼び込むためのツール。それをきっかけに競輪場に足を向けてもらえるようにしなくてはなりません」(武藤事務局長)。

 実際、ミッドナイト競輪の効果で売り上げは増加に転じたものの、リアルの競輪場の来場者数は減少に歯止めがかかっていない。ミッドナイト競輪で初めて競輪に触れたファンを定着させるためには、実際のレースを生で見てもらう必要があると考えているわけだ。

 またミッドナイト競輪は新規のライトなファンが多いためか、一人当たりの車券購入額、すなわち“客単価”はリアルの競輪場で車券を購入するファンに比べて少なく、そのままでは売り上げの大きな伸びは期待しにくい。ミッドナイト競輪の開催日数も2016年度は年間300日を超える予定で、さらに増やす余地も小さいという事情もある。

 JKAが2016年度に掲げたキャッチコピーは「LIVE! LIVE! LIVE! いざ競輪場へ。」。ネットに特化した無観客レースで獲得した新たなファン層を、リアルの競輪場に向かわせて定着させることができるかどうか。ミッドナイト競輪の成否はその点にかかっている。


ミッドナイト競輪では観戦や車券購入が全てインターネット上で行われる
(文/赤鉛筆=ライター 編集/日経トレンディネット)


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トレンド・ウォッチ from日経トレンディ
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「三菱自動車のゴーン会長」、誕生の必然

ニュースを斬る

日産の「リバイバルプラン」がよみがえる
2016年10月20日(木)
池松 由香、寺岡 篤志、熊野 信一郎
 2016年10月19日、日産自動車のカルロス・ゴーン社長が三菱自動車の会長に就任することが分かった。10月中にも日産による出資を受け入れ、会長や社長などの首脳人事は12月に開く三菱自動車の株主総会で正式に決定する見込みだ。

 ゴーン氏は三菱自動車の益子修・会長兼社長に社長として留任することを要請しているとされる。社長留任となれば、本来なら一連の不正問題についての経営責任をとるはずだった人物がそのまま改革の陣頭指揮を執る「異例の事態」となる。


三菱自動車の会長就任が濃厚になった日産自動車のカルロス・ゴーン社長(右)。左は三菱自動車の益子修会長兼社長(写真:Bloomberg/Getty Images)
 「白地(浩三)副社長が社長に昇格する線は消えたようだ」(関係者)

 ここ数カ月、三菱自動車社内にこんな噂が広がっていた。白地氏は益子氏と同じ三菱商事出身で、商事時代から益子氏の後を追うように自動車事業を中心に出世街道を歩んできた。

 4月に燃費不正問題が発覚する前から、益子氏の会長退任後には白地氏が社長に就任し、CEO(最高経営責任者)職も受け継ぐと言われてきた。その白地氏の社長就任の可能性が薄れ、「ゴーン・益子体制」説が社内外で浮上していた。

 なぜこんな事態になったのか。一つは、三菱自動車の社内に「風土変革」という大仕事を果たせそうな人材が残っていないことにある。

 きっかけは、2000年と2004年の2回のリコール隠しだ。資本提携を結んだ独ダイムラークライスラー(当時)からは見限られ、以来、三菱重工業、三菱商事、三菱東京UFJ銀行のグループ3社が経営の実権を握ってきた。

 三菱自動車生え抜きの相川哲郎社長(当時)が誕生したのは、その10年後の2014年。三菱自動車の社員から「希望の星」と期待されたが、今回の燃費不正問題で2016年6月、開発部門トップだった中尾龍吾副社長と共に引責辞任した。ちなみに相川社長在任時もCEO職は益子氏の手にあった。

 長い間、経営幹部の多くが三菱グループ各社の出身者や出向者で占められ、度重なる不祥事で開発などの現場の人材も流出した。もはや今の三菱自動車に大役を果たせる人材はほとんどいないのが実情だ。

 
日産の「リバイバルプラン」、再び

 もう一つの理由が、日産の想定以上に三菱自動車社内の腐敗が進行していたことにある。2016年8月30日、一連の燃費不正を受け、社内で正しい燃費データを測定する時にも「不正な行為があった」(国土交通省)ことが発覚した。本来であれば複数の試験結果のうち中央値に近いデータ3つを採用するところ、自社に都合の良いデータ3つを選んでいたという。

 「今の三菱自動車は以前の日産に似ている」

 日産関係者はこう打ち明ける。リコール隠しや燃費不正のような不祥事はなかったものの、1990年代の販売不振とバブル崩壊後の環境変化に対応しきれず、日産は98年には約2兆円の有利子負債を抱える経営危機に陥った。99年、仏ルノーから日産に乗り込んだゴーン氏が発表した「リバイバルプラン」では、調達先の集約や工場閉鎖などの大胆なコスト削減策を打ち出し、業績のV字回復を成し遂げた。ゴーン氏の経営者としての手腕を世界に広く知らしめた「原点」でもある。

 ゴーン氏の会長就任が明らかになった19日、三菱自動車は2017年3月期の業績予想の下方修正を発表した。営業損益は従来予想の250億円の黒字から280億円の赤字へ、最終損益も同1450億円の赤字から2400億円の赤字へと引き下げた。燃費不正に伴うユーザーなどへの補償費用や軽自動車を生産する水島製作所の減損額の見直しに加え、新興国市場での販売台数の減少、足元の円高の影響を織り込んだ。

 膿を一気に出し切り、業績を急回復させるのがゴーン流の企業再建だ。不正の検証でさらに不正を上塗りする今の三菱自動車には、全ての常識を180度転換させるくらいインパクトのある改革が不可欠だ。「それを実施できるのは自分しかいない」。ゴーン氏がこう考えたとしても不思議ではない。

 そして、日産、ルノーに加えて経営の「3足のわらじ」を履くことになり、海外に滞在する期間の長いゴーン氏が、自分と三菱自動車の現場をつなぐ「通訳」として益子氏の残留を望んだのだろう。ゴーン氏は益子氏を「マスコサン」と親しみを込めて呼ぶ。今回の資本提携で益子氏は、自らフランスに出向いてゴーン氏と会い、直接交渉をしたとされる。

 
 10月13日、三菱自動車は日産と5月に締結した提携に関する契約内容の変更を発表している。日産が三菱自動車株を第三者に譲渡しない期間を「3年間」から「10年間」に伸ばしたのだ。三菱自動車の再建に本腰を入れようとする意志の表れとも言える。

 舞台を三菱自動車に移し、ゴーン流改革の第2幕が始まろうとしている。


このコラムについて

ニュースを斬る
日々、生み出される膨大なニュース。その本質と意味するところは何か。そこから何を学び取るべきなのか――。本コラムでは、日経ビジネス編集部が選んだ注目のニュースを、その道のプロフェッショナルである執筆陣が独自の視点で鋭く解説。ニュースの裏側に潜む意外な事実、一歩踏み込んだ読み筋を引き出します。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/101900465/
 

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