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米債券ETF、インフレ懸念で記録的解約
ブラックロックの社債ETFは先週、記録的解約に見舞われた
By CHRIS DIETERICH
2016 年 11 月 2 日 16:22 JST
10月の債券相場の下落を受け、いくつかの人気の高い上場投資信託（ETF）が記録的な解約に見舞われた。投資家の目下のインフレ懸念を裏付けている。
資産運用最大手の米ブラックロックによると、10月27日にiシェアーズiBoxxハイイールド社債ETF（HYG）から9億9800万ドル（約1030億円）の資金が流出した。この最古で最大のジャンク債ETFにとって、1日としては過去最大の解約となった。先週はiシェアーズiBoxxドル建て投資適格社債ETF（LQD）からも17億ドルもの資金が流出した。週間ベースでは2002年のファンド設定以来最大となった。
世界的に国債相場が下落し、10年物米国債の利回りが5月末以来の高水準をつける中、債券ETFが解約された。債券投資家は米連邦準備制度理事会（FRB）の利上げに身構え、米国や世界中でのインフレ上昇の兆しを警戒している。
圧力を受けたのはブラックロックのファンドだけではなかった。市場調査会社XTFによると、結局先週はジャンク債ETFから22億ドルもの資金が流出した。これは6週間ぶりの高水準。
今年はこれまで、社債価格の急伸を背景に債券ファンドは今年に入って大幅に上昇していた。モーニングスターによると、10月31日までの年初来収益率は、HYGが11.3%、LQDが8.8％。一方、S＆P500種指数の配当込みの収益率は5.9％だ。
サガ・アドバイザリー・サービシズの課税債券運用部門責任者、トーマス・ウラノ氏は「市場は利回り追求の誘惑に駆られている。こうした状況に至ったのは中央銀行の政策によるところが大きい」とした上で、「投資家は利回りを追求するあまり、ファンダメンタルズ（経済の基礎的諸条件）の面で何が起きているのか見えなくなっている。投資家は利益を確定するのが賢明なように思える」と述べた。
ファンド投資家が社債に殺到する中、一部の市場関係者はファンド絡みの売りが重なると相場の振れが増幅しかねないと心配している。UBSグループのストラテジスト、スティーブン・カプリオ氏とマシュー・ミッシュ氏によると、ハイイールド債の場合、市場の70％に相当する9220億ドルをミューチュアル・ファンドやSMA（投資一任口座の一つ）が保有している。米投資適格社債では、ファンドやSMAが市場の約46％に当たる2兆7000億ドルを保有している。
一方、ビル・グロス氏やカール・アイカーン氏をはじめとする有力投資家は、売買しやすいETFと取引が難しい社債との間で流動性に食い違いが生じる可能性を声高に懸念している。
銀行などの従来の債券ディーラーは、債券の在庫を抱えて売買の仲介をしても採算がとれないとの思いを強めている。こうした中、ファンド運用会社はかねて、ETFが債券市場に高い流動性を生み出すと考え続けている。
RBCキャピタル・マーケッツの米ETF販売部門責任者、クリス・ジョンソン氏は最近の大規模な資金流出について、中央銀行の政策を巡る不透明感の高まりを背景に投資家が資金を引き揚げている兆候だとみている。今年初めに社債ETFから資金が流出した際にはヘッジ取引を伴っていたが、このところの解約はそれとは異なり、「大口のリアルマネー（運用資金）がこの資産クラスの転換点が到来したのではないかと考え、持ち高を解消したり減らしたりしているしるし」だと語った。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiL38Dm6InQAhVCObwKHUIhCuEQFggdMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10200540860194693704004582411641007516340&usg=AFQjCNFiCioS8n1Nz3jNz-XSw7xTAdZ2UA
新興市場株、約３週間ぶり大幅安−米大統領選めぐる懸念で
Lilian Karunungan、Nguyen Kieu Giang
2016年11月2日 16:52 JST
２日の新興市場株は続落。このままいけば約３週間ぶりの大幅安で引ける。米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏が支持率で民主党候補ヒラリー・クリントン氏をリードしたとの世論調査を受け、高利回り資産への需要が後退した。
トランプ氏が大統領になれば貿易協定を破棄し、海外で製品を生産している米企業を罰するとの懸念が広がっている。韓国株は下落。友人の民間人女性による国政介入疑惑が浮上している朴槿恵大統領は首相と企画財政相を交代させる人事を決め、事態の収拾を図った。フィリピン株は８営業日続落となり、７月のピークから10％余り下げている。台湾株も下落。
ＭＳＣＩ新興市場指数はロンドン時間午前７時６分（日本時間午後４時６分）現在、前日比１％安と、10月13日以来の大きな値下がり。９月に付けた今年の高値から約４％下げている。
原題：Emerging Stocks Slide Most in Three Weeks as Trump Leads in Poll（抜粋）
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-11-02/OG07IP6JIJVD01
マクロファンドが巻き返す、国債利回り上昇で
キャクストン・アソシエーツのアンドルー・ローCEOは先ごろ、中央銀行の非従来型政策がもたらした市場の「著しいゆがみ」が解消されるのは時間の問題との考えを示した
By LAURENCE FLETCHER
2016 年 11 月 2 日 17:24 JST
ニューヨークに拠点を置くヘッジファンドのキャクストン・アソシエーツは10月、国債利回りの上昇で利益を上げたヘッジファンドの先頭を走った。投資家によると、アンドルー・ロー最高経営責任者（CEO）が率いるこのファンドは、このところ債券相場が下落したおかげで、先月26日までの運用成績がプラス5.1％となった。月間ベースでは約3年ぶりの好成績で、これまでマイナスだった年初来の収益率がプラス2.3％に転じた。
ロンドンを本拠とするルビコン・ファンド・マネジメントも10月に大きな利益を上げた。数字を確認した関係者によると、債券や円を含む為替の持ち高で稼いだ。このファンドの10月の運用成績はプラス7.8％程度で、年初来の損失が13％程度まで縮小しているという。
こうした債券や株式、為替を運用対象とするマクロファンドは、中央銀行の債券買い入れが牛耳る近年の市場で苦戦を強いられている。ヘッジファンド・リサーチ（HFR）によると、過去4年のうち3年は損失を出している。今年これまでは米連邦準備制度理事会（FRB）の利上げを見込んだ運用が報われず、ファンドの多くは窮地に追い込まれた。むしろ債券利回りは低下（価格は上昇）し続けた。
だがこれらのファンドにとって、10月は順風だった。インフレや金融緩和策の限界に対する懸念で、債券利回りが押し上げられたためだ。例えば、10年物米国債利回りは夏場に数十年ぶりの水準まで下ったが、1カ月前の1.60％から1.82％に跳ね上がっている。同じ年限の英国債利回りも0.65％から上昇し1.14％に達している。
アバディーン・アセット・マネジメントの上席投資担当者、スティーブン・コルトマン氏によると、FRBが12月の利上げに向かう中、短期債利回りの低下と長期債利回りの上昇を見据えた持ち高をとっているファンドが多い。
キャクストンのローCEOは先ごろ投資家に宛てて、中央銀行の非従来型の金融政策が多くの市場に「著しいゆがみ」をもたらたが、「こうしたゆがみの全てではないとしても大半は今後どこかで覆されざるを得ない」とし、「問題はその可能性ではなく、いつそうなるかだと思う」と述べた。
マクロファンドの回復と対照的なのが、市場のトレンドやパターンに沿ったコンピュータ処理に基づいて運用するヘッジファンドだ。CTA（商品投資顧問）と呼ばれるこのファンドは近年、国債利回りの着実な低下に大きく賭けて利益を上げてきたが、市場の反転に伴い打撃を受けた。HFRによれば、CTAの先月28日までの運用成績はマイナス3.5％。
その一つが、英マン・グループ傘下のAHLダイバーシファイド・ファンドで、10月の運用成績はマイナス3.2％、年初来の損失が9％まで広がっている。
GAMホールディングの運用担当者、アンソニー・ローラー氏は、コンピュータ運用型や一任勘定型のファンドの一部にとって「債券が売られ、年初来の大きな上げ相場が一部反転した10月は、試練の月だった」と語った。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjVuvnf6InQAhXExbwKHUNIDncQFggdMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10200540860194693704004582411721682203522&usg=AFQjCNE_l4fNSX6kUhYrxzHRixgojpgzJw
ＦＦ金利先物が示す年内の米利上げ確率、約70％−チャート
Yun Li
2016年11月2日 16:32 JST
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米フェデラルファンド（ＦＦ）金利先物は２日に終了する米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）での利上げ確率を約16％しか織り込んでいないが、これが年内の利上げ確率となると約70％と、６月以来の高水準近くに跳ね上がる。12月13、14両日開催の会合が今年最後のＦＯＭＣとなる。
原題：December Fed Rate-Hike Odds Hover Near 70% Ahead of FOMC: Chart (抜粋）
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-11-02/OG07EO6TTDSI01
ドイツ：10月の失業率６％、統一後の最低に−失業者は１万3000人減
Carolynn Look
2016年11月2日 18:56 JST
ドイツの失業者数は10月にエコノミスト予想を大きく上回る減少となり、失業率は旧東西ドイツ統一以降の最低を更新した。
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独連邦雇用庁が２日発表した10月の雇用統計によると、失業者数は季節調整済みで前月比１万3000人減の266万2000人となった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査では1000人減が見込まれていた。失業率は６％に低下した。
連邦雇用庁のワイゼ長官は発表文で、「雇用市場の10月の展開は良好だった」とし、「秋季の回復で失業者数は大きく減った。雇用は再び増加し、新規労働者への需要も引き続き高まった」と説明した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-11-02/OG0BV36JIJYL01
10月の英住宅価格は前月比横ばい、値上がり止まる−ネーションワイド
Fergal O'Brien
2016年11月2日 17:50 JST
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英国で住宅価格が10月、１年４カ月ぶりに前月比横ばいとなり、右肩上がりの流れが途絶えた。前年同月比では年初来で最小の値上がりにとどまった。英住宅金融のネーションワイド・ビルディング・ソサエティーが２日データを公表した。
英住宅価格は９月まで15カ月連続で前月を上回っていた。10月は前年同月比では4.6％上昇と、９月の5.3％から伸びが鈍化。ネーションワイドは、住宅市場は「かなり不活発」な状態にあり、売買件数は前年と比べて約10％減ったと説明した。
住宅ローン承認件数は今年に入ってから減少傾向にあり、英国銀行協会（ＢＢＡ）は先月、英不動産市場は「引き続き基調的な弱さを示している」と指摘した。経済ビジネスリサーチセンター（ＣＥＢＲ）は、欧州連合（ＥＵ）離脱選択が英住宅市況に悪影響を及ぼし、価格上昇率は来年2.6％と、今年見込まれる6.9％から減速するとの見通しを示した。
原題：U.K. House Prices Stagnate for First Time in 16 Months（抜粋）
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-11-02/OG0A3U6JIJWP01
原題：German Joblessness Falls to Record Low as Economy Ploughs On (1)（抜粋）
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-11-02/OG0BV36JIJYL01
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