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手数料にメス 見えない負担:住宅ローン低い金利でも…諸費用に潜む落とし穴:不動産仲介に群がる銀行売買「二重取り」の甘い蜜
http://www.asyura2.com/16/hasan115/msg/372.html
投稿者 あっしら 日時 2016 年 11 月 06 日 02:41:33: Mo7ApAlflbQ6s gqCCwYK1guc
 


手数料にメス 見えない負担
(上) 住宅ローン低い金利でも…諸費用に潜む落とし穴

 東京都の40代男性会社員は5年前、半年ごとに金利を見直す「変動型」で年利0.775%の住宅ローンを借りた。「もう下がらない」と考えたが最近、当初10年固定のタイプで0.45%という驚くべき水準の金利が出て、飛びついた。

付随コスト複雑

 だが、すぐカベにぶち当たった。借換時に銀行に払う事務手数料だ。残高に対し2%。残高は約4500万円なのでざっと90万円。これだけ払う心理的負担は重く、諸費用を足すと実質的な借り換えメリットはほぼない。結局、決めたのは「現状維持」だった。

 完済手数料、事務手数料、保証料、免許登録税、印紙代……。マイナス金利によるローン金利低下の恩恵は確かに大きいが、利用者は表面金利だけ見ても損得がよくわからない。重要なのは付随経費を入れた「諸費用込みの総支払額」だ。

 だが手数料は複雑で積算根拠はブラックボックス。残額や返済期間も人それぞれでインターネットの比較サイトで読み解くのは至難の業だ。こうした情報格差を埋めようという企業も出てきた。例えば住宅ローンのフィンテック企業、MFS(東京・千代田)だ。

 「支払総額はウソをつかない」と話す中山田明最高経営責任者は「モゲチェック」というサービスを始めた。1千本以上の住宅ローンから諸費用込みの総支払額で最適な借換先を提示する。借り換えても諸費用で相殺され「メリットなし」となる人も少なくない。


銀行の戦略次第

 金利を低く見せて手数料など諸費用で稼ぐか、手数料を抑えて金利で稼ぐかは各銀行の営業戦略だ。一般に表面金利に0.2%程度を上乗せする「保証料」が不要とうたう一方、同額相当の事務手数料がかかれば実質的な利用者負担は変わらない。保証料なら前倒し返済で一部が戻る例もあるが、還元率などもまちまち。あえて分かりにくい商売をしているようにも映る。

 超低金利下でも銀行が住宅ローン獲得に血道を上げるのは、住宅ローンの貸倒率が0.2%前後と低いうえ、抵当権の設定で回収できない懸念が小さいからだ。手数料などはマイナス金利下で“隠れ収益源”としての重要性が増している。

 ホームローンドクター(東京・中央)の淡河範明社長は「金利低下で手数料のウエートは高まっている。諸費用の実態を慎重に見極めてほしい」と注意を促す。抵当権設定登記を代行する司法書士への報酬でも10万円ほどかかる。金融庁幹部も「手数料の透明性向上は投資商品に限らない」と指摘。マイナス金利で光が当たりやすくなった住宅ローン関連の手数料も「検討項目だ」と断言する。


[日経新聞11月1日朝刊P.5]

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(下) 不動産仲介に群がる銀行 売買「二重取り」の甘い蜜

 三井住友銀行の子会社であるSMBC信託銀行が10月、名古屋市内の拠点でひっそり始めた業務がある。不動産の売り手と買い手をつなぐ仲介ビジネスだ。


 中小不動産会社などに配慮するため、同行は3月に全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)と「合意書」を締結。仲介取扱店の拡大に際し事前に全宅連に相談し、取引相手は富裕層や大企業などの大口に絞るといった内容だ。そこまでしてやる狙いは、手数料だ。

一貫し解禁要求

 「売買価格の3%+6万円」。400万円超の不動産の仲介手数料はこう相場が決まっている。根拠は1970年に出された建設省(現国土交通省)告示。本来は「上限」という位置づけだが、土地総合研究所によると8割以上の不動産会社が上限いっぱいの手数料を取っている。不動産売買を何度も経験する人は少なく、理不尽に思っても受け入れてしまうことが多い。

 銀行にとって不動産手数料は魅力的だ。地方銀行が毎年、金融庁に規制緩和を求めている「ほぼ唯一のテーマ」(同庁幹部)も不動産仲介解禁だ。信託銀行と異なり、地銀などの普通銀行に認めるには法改正がいる。不動産業界の反発が強くハードルは高いが、地銀側は「空き家対策などで積極的に貢献できる」と解禁の働きかけを強めている。


顧客の不利益に

 不動産市場では仲介手数料の実入りをさらに大きくする手法も広まっている。通常、物件の売り手と買い手がそれぞれ別の不動産会社に仲介を依頼し、取引が成立すれば双方に「3%+6万円」の手数料が入る。

 同じ不動産会社が売り方と買い方をつなげば双方の仲介役となり、2倍の「6%+12万円」が転がり込む。「両手取引」と呼ばれる手法だ。1件当たりの不動産仲介で平均3%を超す手数料を得ている会社は全体の7割を占め、「両手」の多さがうかがい知れる。

 取引自体は違法ではないが、行き過ぎの弊害は無視できない。例えば、売り物件を抱えた不動産会社が自社で両手を狙って情報開示を制限する「囲い込み」と呼ぶ行為だ。買い手を探すまでの間、別の不動産会社から物件照会を受けても「他の顧客と交渉中」などと偽ってまともに取り合わず、部外者を排除する。

 「業界では常態化している」と信託銀関係者は証言。民進党は旧民主党だった2009年の政策集に「両手取引の原則禁止」を明記したが不動産業界の猛反発にあい、政権の座についても実現しなかった。不動産会社の利益を優先しすぎるような市場はとても健全とはいえない。仲介の甘い蜜は、顧客に不利益をもたらす危険とも背中合わせだ。

[日経新聞11月2日朝刊P.5]

 

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