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加速する「脱内燃機関」の動きと「ハイブリッド車」の寿命(フォーサイト)
http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/230.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 11 月 28 日 14:38:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

加速する「脱内燃機関」の動きと「ハイブリッド車」の寿命
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161128-00010000-fsight-bus_all
新潮社 フォーサイト 11/28(月) 10:35配信


 まもなく訪れる2017年は、世界の自動車産業のありようが大きく変わる年になりそうだ。すでに欧州ではドイツなどが「脱内燃機関」に向けて動き出した。米国では電気自動車大手のテスラモーターズが300万円台の電気自動車を発売する。内燃機関時代に自動車産業を制した日本だが、早くもスタート・ダッシュで大きく出遅れている。


■自動車産業から消える「内燃機関」

 ドイツの連邦参議院は9月末、「2030年までに、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関を搭載した新車の販売禁止」を求める決議を採択した。

 ノルウェーでは、2025年から乗用車のガソリン車やディーゼル車の新車登録を禁止する法制化の動きがある。オランダでも2025年以降、ガソリン車とディーゼル車の新車販売を禁じる法案が議会に提出された。

 こうした動きを日本のメディアはほとんど報じていない。エレクトロニクス、ITで全く勝てなくなった日本経済にとって、自動車産業は「最後の砦」。その自動車産業で圧倒的な強さを持つトヨタ自動車は、少なくともあと数十年は「ハイブリッド車(Hybrid Vehicle=HV)で食っていこう」と考えている節がある。

 内燃機関であるガソリン車やハイブリッド車で圧倒的な競争力を持つ日本にとって、世界的な「脱内燃機関」の潮流は遅れれば遅れるほど都合がいい。だがそうは問屋が卸さない。欧州と米国は一気に脱内燃機関を進めることで、自動車産業の主導権を日本から奪い取ろうとしている。

 もちろん、世界中で走っているガソリン車やディーゼル車が一朝一夕で電気自動車に変わるわけではない。脱内燃機関は今のところ、「脱原発」と同様、理念先行の感がある。

 だが、こうした動きを過小評価すべきではない。「内燃機関が消える」という、恐らく世界の産業史上で後世に大きく記憶されるであろう革命は、想像をはるかに上回るスピードで実現しつつあるのだ。実際、欧州では環境派の市民活動家だけでなく、脱内燃機関に最も反対しそうな自動車メーカーまでもが、電気自動車(Electric Vehicle=EV)シフトを本気で考え始めている。


■日本メーカーの名前がない!

 独フォルクスワーゲン・グループのアウディは10月、ル・マン24時間レースを含めた「FIA(国際自動車連盟) 世界耐久選手権」(WEC)から2016年いっぱいで撤退すると発表した。今後はEVのレースシリーズ「フォーミュラE」に集中する。

 WECは2005年のレギュレーション変更で、ハイブリッド車のレースになった。「世界一速くて耐久性の高いハイブリッド車」を決めるこの選手権で、長く王者に君臨してきたのがアウディだ。

 市販のハイブリッド車で圧倒的なシェアを持つトヨタ自動車は、「世界一速いHV」の称号を手に入れるため、2012年、WECに再参戦した。2014年には、最も権威のあるル・マンの優勝こそ逃したが、年間のポイントではチャンピオンに輝いた。

 ル・マン制覇に執念を燃やすトヨタだが、最大のライバルであるアウディが、「お先に失礼」とばかりに「世界一速いEV」を決めるフォーミュラEに転向してしまうのだ。アウディのいないル・マンで勝っても世界のレースファンはおそらくトヨタを評価しないだろう。むしろアウディが去った後のWECは興行として成り立つかどうかが懸念される。

 一方、今年で3年目を迎えるフォーミュラEは未来感満点のレースである。先端の空力ボディをまとった電気自動車が、爆音も排気ガスも出さず、時速230キロでヒュン、ヒュンと市街地を疾走する。

 参戦しているのはアウディのほか、フランスのルノー、シトロエン、英国のジャガー。インドのマヒンドラ、中国のネクスト、テチータといったベンチャーも名を連ねる。独ダイムラーも来季から参戦の意思を表明している。だがそこに、日本メーカーの名前はない。


■「ポスト・スマホ」で電気自動車に

 フォーミュラEは電気自動車の実験場である。自動車メーカー以外にも、米半導体大手のクアルコムは、レースカーを先導するオフィシャルカー(独BMWが市販している電気自動車)向けに、無線充電装置を提供している。

 この装置を使えば、わざわざプラグを差し込まなくても、駐車場に止めておくだけで簡単に充電できる。「ショッピングセンターで買い物をしている間に駐車場で充電完了」という未来は、すぐそこまで来ている。スマートフォン向け半導体で世界を制したクアルコムは明らかに「ポスト・スマホ」で電気自動車に照準を合わせている。

 フォルクスワーゲンなどの欧州メーカーは、概ね2020年までに量産ベースでガソリン車並みの価格の電気自動車を投入する計画。ドイツ政府が打ち出した2030年までの脱内燃機関は、かなりアグレッシブな目標だが、決して絵に描いた餅ではない。


■強力に支援する米政府

 米国の脱内燃機関を牽引するのが、天才経営者イーロン・マスク率いるテスラだ。同社の現行モデルの価格は7万ドル(約700万円)超とかなり高いが、2017年中にもガソリン車に対抗できる3万5000ドルの「モデル3」を発売する。

 今年春に予約の受付を開始したところ、すでに50万台の申し込みがあった。テスラの場合、1000ドルの予約金を支払う必要があるので、発売前からテスラは500億円を超える資金を手にしたことになる。モデル3への期待感がいかに高いかが分かるだろう。

 モデル3の価格が下がるのは、電気自動車の中で最も高価部品である電池の値段が下がるからだ。テスラはパナソニックと共同で、総額5000億円を投じ米ネバダ州に「ギガファクトリー」と呼ぶ巨大電池工場を建設した。ここから安価で高性能な電池が供給されるのだ。

「温暖化を防ぐため、地球上からガソリン車を消し去る」と豪語するマスク氏はこのほど、米太陽光発電ベンチャーのソーラーシティを26億ドルで買収した。家庭やオフィスにソーラーパネルと蓄電池を行き渡らせ、「太陽光で作った電気で電気自動車を走らせる」というゼロ・エミッション(排出ガスゼロ)の車社会を構築すべく爆走している。

 マスク氏が先ごろ発表した「マスタープラン」には、今後数年間で電動のピックアップトラックや小型SUV(スポーツ用多目的車)、大型の長距離輸送用トラック、バス型車両を発売する計画も盛り込まれている。

 マスク氏が掲げる理想はとてつもなく高いが、株式市場は「実現可能」と見ている。テスラの株価が過去5年で5倍に跳ね上がっているのがその証拠だ。

 しかも、米政府はこうした動きを強力に支援している。米カリフォルニア州では来年からハイブリッド車が「エコカー」の分類から外され、これまで受けてきた手厚い税制面での優遇制度を受けられなくなる。

 逆に、その優遇を電気自動車などの「ゼロ・エミッション・ビークル(ZEV)」に振り向ける方針だ。結果として、消費者にとってはカリフォルニア州ではハイブリッド車の「プリウス」より電気自動車の「モデル3」の方が安く買える可能性が出てくる。


■「ガソリン需要は25%減る」

「石油生産者は予期せぬ技術進歩にさらされている」

 米欧では10月半ば、英格付け会社フィッチ・レーティングスが出したレポートが話題になった。産油国を脅かすのは電池の急激な技術革新だ。

 蓄電池の性能が飛躍的に上がることで、電気自動車が競争力を増し、ガソリン車を駆逐。石油需要が想定より早く落ち込むというのがフィッチの見立てである。フィッチは「欧州の新車販売の5割がEVという状況が10年続けば、域内ガソリン需要は25%減る」と試算する。

 米エネルギー省(DOE)によると、2015年までの7年間で、電池の価格は73%下落した。2022年までに、さらに半額になるという。根拠は、自動車向け電池の生産ラッシュにある。

 前述したテスラの巨大電池工場「ギガファクトリー」だけではない。韓国のLG化学はポーランドで2017年、サムスンSDIはハンガリーで2018年に、巨大電池工場を稼働させる。電気自動車の量産を始める欧州メーカーに供給するためだ。ダイムラーは自前の電池工場に着々と投資している。

 もちろん、米欧で電気自動車シフトのギアが上がる中、トヨタも手を拱いているわけではない。11月には「2020年をメドに電気自動車を量産する」と報じられた(11月7日付、日本経済新聞、朝日新聞など)。2015年10月に発表した長期的ビジョン「トヨタ環境チャレンジ2050」では、2050年に、2010年比で二酸化炭素(CO2)排出量を90%削減する方針を打ち出している。

 だが、このビジョンに示された、ガソリン車からハイブリッド、プラグインハイブリッド(家庭用コンセントから充電できるハイブリッド車)、電気自動車、そしてエコカーの最終形と言われる燃料電池車へと、35年をかけて徐々に切り替えていくというロードマップには、「できるだけ長くぎりぎりまでハイブリッド車を売り続け、その後、燃料電池車にシフトしたい」というトヨタの本音が透けて見える。

 水素を燃料とする燃料電池車は、究極のエコカーと言える。しかし水素の量産や水素ステーションの整備には莫大な投資と時間がかかる。その間に電池の性能は日進月歩でどんどん向上し、米欧では充電スタンドが整備されていく。

 2020年の東京オリンピック――。電気自動車が珍しくなくなっているであろう海外から来た人々は、その時点でもまだハイブリッド車と軽自動車が幅を利かせている日本を見てなんと思うだろうか。

ジャーナリスト・大西康之
 

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コメント
 
1. 2016年11月29日 00:43:57 : C4nhwMcfAc : pXB8iz5IT_Y[113]
阿修羅経済板で「電気自動車」の情報が【百花繚乱】(ひゃっかりょうらん)である。当方も時間が少ないので、コメントしたくてもできない記事がたくさんある。三菱アイ・ミーブのユーザーとして、コメントさせていただきます。

日本メーカーは、電気自動車の量産に踏み切ったのは早い方だ。三菱アイ・ミーブは、世界初の「量産型電気自動車」だし、それに続いた日産リーフもパイオニアだと言える。だが、その後が続かない。次が出ないうちに、欧米勢に先を越されている。どうして先を越されてしまったのか。

これについては、日本最大の自動車メーカーのトヨタが、電気自動車に極めて消極的であるため、他のメーカーが続かないためと思われる。トヨタは日本の自動車産業のリーダーである。トヨタの動向が、日本の自動車メーカー全体の動きを左右するのだ。

そのトヨタの自動車に対する姿勢は、「超保守派」であるということだ。革新的な技術は、世界の趨勢が決まってから参入し、そこから一挙に資金と人員を投入して市場を制圧する。それがトヨタのやり方である。

トヨタが電気自動車に参入することが報道されるが、彼らの姿勢から見て「渋々、参入する」のであろう。かつて豊田英二氏が自動車雑誌で公言されていたように、自動車の動力はガソリンが最も適していると考えている。そのガソリンエンジンを絶やさないために、ハイブリッドカーを開発し、それを主力車種にしたのだと思う。

日本国内にもトヨタに対抗する自動車メーカーとして、三菱自動車と日産自動車が、トヨタの手がけるハイブリッドカーではない車種として、電気自動車に参入した。ところが売れているのは輸出先ばかり。日本国内では、さっぱりである。どうして買わないのか聞いてみると、やはり航続距離の問題があると言う。これなど、トヨタに洗脳された結果じゃないのか。長距離を走れないと、いざと言うときに役に立たないなどと、思わされている。

日本国内では、トヨタのマーケティングは絶対的である。トヨタが宣伝したとおりに日本国民は動く。まるで自分の意見を持たない、ロボットのようなものだ。戦前に日本軍国主義を支持し、戦後に自民党を支持した国民性は、自分で考え意見を述べることがない。もしやったら、排斥される。当方は自分の意見を主張したから、日本から追い出されたけど。

●日本国内で電気自動車が売れない理由だが、これと言うのがあった。電気代だ。外国では電気代が安い。そのため、ガソリン車やディーゼル車から乗り換えるだけで、安い維持費の恩恵を受けられる。

ところが日本は、世界一、電気代が高い。原因は原子力発電である。総括原価方式により、原子力発電にかかるコストを電気代に転嫁している。だから国際的に見て、異常に高い電気代になっているのである。

このことから、日本では電気自動車に乗り換えても、全然維持費が安くならない。メリットがないのである。

三菱アイ・ミーブや日産リーフが売れているのは、欧米諸国だ。それらの国々は、冬は寒い。寒いけど、それでも乗るのは、ズバリ電気自動車に乗り換えたら維持費が安くなるからだ。環境とか言うけれども、やはり具体的に誰でも分かるメリットがなくちゃ、電気自動車は普及しませんよ。

北欧でも売っている三菱アイ・ミーブと日産リーフ。彼らは暖房が効かない電気自動車に、防寒着を着て乗っている。寒くても、メリットがあるから買うのである。

聞くところによると、トヨタも「原子力ムラ」の一員らしいな。だとすれば、電気自動車に消極的なのも分かる気がする。


2. 2016年11月29日 20:17:53 : kLlPBXVtuY : x9RBJHhuBfs[48]
電気自動車は自然エネルギー発電電力(水力・風力・太陽光などの発電電力)のみを使用することを条件にしないと意味がない。

更にバッテリー大量廃棄による環境汚染防止技術(若しくはリサイクル技術)を確立しておかないとまた痛い目にあうだろう。


3. 2016年11月29日 22:04:22 : EOXZRDSzLM : uypfXXFTIns[21]
問題は電池でその性能向上は早く価格も値下がり続けている現状では
メーカーとして静観するのが吉でしょ、電池改革が早いのに
新型電気自動車出した時にはもう旧式性能じゃやってられないからね。

4. 2016年11月30日 00:12:44 : jFmz3NrZK6 : aOGe5GTyOXY[1]
テスラの家庭用蓄電池は70万程度とお安いが、日本の電気代・ソーラーパネル設置代が高すぎて導入見送りが出ているらしい。

5. 2016年12月01日 03:45:24 : fpt8itpB5Q : zW@YYVl31Kw[1102]
電気自動車で暖房が効かないとか電池が勿体無いというのは
寒冷地では万一の場合にも問題だろう
別途、車用の石油ヒーターを開発する必要があるんじゃないか

6. 2016年12月02日 08:32:16 : q931E3NW4E : Xao0gDyXwoc[444]
むかしむかし「童夢」って車があった。かっこよかった。あれはなんだったんだと今思う。

7. 2016年12月03日 01:39:41 : Q5BaLPcAwQ : AJ8_efk5tuI[11]
電気自動車の問題点はまだまったく解決していない。日産リーフは多額の補助金をつけても価格は高くそんなに売れていない。航続距離が短かすぎる。充電に時間がかかりすぎる。充電する施設の普及は進んでいない。それどころかエンジンで動力を作ってそれで電気を起こしてE-powerと称する日産ノートを出してきた。こちらはすでにかなり売れ始めている。しかし厳密にはこれは電気自動車とは呼べない。

将来のことを断定するわけにはいかないが、日本は肝心の電力料金は原子力に固執するあまり断トツの高コストになっている。電気が公害を出さないと宣伝しても発電の過程ではセシウムは出す。排気ガスは出すわで何らクリーンエネルギーではない。

もちろんコントロールしやすい、音が静かというメリットはあるが。電池の技術革新が待たれるのはそのとおりだが。


8. 2016年12月03日 05:26:16 : bC7BzPnf9Y : IhosJKwkKQY[84]
「水素を燃料とする燃料電池車は、究極のエコカーと言える。」

↑ 間違いです。水素をつくるのに膨大なエネルギーを必要とする。電気と違って家庭で充填できない?


9. 2016年12月04日 09:52:06 : OvawBmpI2s : W31KyoAA0FQ[3]
> 脱内燃機関は今のところ、「脱原発」と同様、理念先行の感がある。

これで、新潮社 フォーサイト も この著者も信用できなくなった。


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