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本名を変えてまで大企業に挑む! 「ユニクロ潜入ルポ」が話題のジャーナリストによる「アマゾン潜入ルポ」もすごい!(リテラ)
http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/770.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 12 月 16 日 16:45:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

                   横田増生『アマゾン・ドット・コムの光と影』(情報センター出版局)


本名を変えてまで大企業に挑む! 「ユニクロ潜入ルポ」が話題のジャーナリストによる「アマゾン潜入ルポ」もすごい!
http://lite-ra.com/2016/12/post-2776.html
2016.12.16. ユニクロ、アマゾン潜入ルポがすごい!  リテラ


 今年の新語・流行語大賞にもノミネートされた「文春砲」が、またしても話題になっている。だが、今回注目を集めているのは、有名人の華やかなスキャンダルではない。ジャーナリストである横田増生氏が国内アパレル最大手・ファーストリテイリングが手がけるブランド・ユニクロに約1年間も潜入した、渾身のルポルタージュだ。

 まず、横田氏は「週刊文春」(文藝春秋)12月8日号に第一弾となるルポを発表。すると、たちまちネット上で「1年も潜入取材するとかw」「体当たりとはこのことか」「これぞジャーナリストの鑑!」と大きな話題を集めることに。また、翌週15日号で「ユニクロ潜入記者 12月3日解雇されました」と題し、第一弾の記事を理由にユニクロを解雇された経緯を公表すると、今度は「まだ働いていたのか!」「根性ありすぎる」と驚嘆の声が広がった。

 昨日発売の22日号でも横田氏は第三弾としてユニクロの過酷な労働環境を告発しているが、そもそも、横田氏とユニクロには“因縁”があった。

 というのも、横田氏は2011年にユニクロのブラック企業ぶりや柳井正会長の実像に迫った『ユニクロ帝国の光と影』(文藝春秋)を出版したが、これに対しユニクロが2億2000万円という常識では考えられない高額の名誉毀損訴訟を起こしたのだ。裁判は最高裁までもち越されたが、結果は文藝春秋の全面勝訴だった。

 さらに横田氏は裁判中、ユニクロの決算会見への出入が禁止されていたが、裁判が終わったのちの15年4月に行われた中間決算会見の取材も拒否された。会見当日、横田氏が「週刊文春」で報じたカンボジア工場でのブラック告発記事が原因だった。同じころ、ユニクロの柳井社長はビジネス誌「プレジデント」(プレジデント社)でこんな話をしている。

「悪口を言っているのは僕と会ったことがない人がほとんど。(中略)社員やアルバイトとしてうちの会社で働いてもらって、どういう企業なのかをぜひ体験してもらいたいですね」

 この柳井発言を知った横田氏は、それを実行することに。そこで最初に横田氏がおこなったのが、“横田”の名前を変えることだった。

 偽名で働くことは潜入取材をするジャーナリストとしてできない、かといってユニクロにとって横田氏は訴訟沙汰までなった“憎き相手”。正体がバレれば解雇は必至だ。そのため横田氏は〈まず法律に則って名字を変え、「横田増生」をペンネームとした〉のだ。

 名前を捨ててでも現実を伝えたい──。横田氏のこの覚悟と度胸はまさにジャーナリストの鑑というべきものだが、じつは横田氏がこうした“潜入”取材をおこなうのは、今回が初めてではない。

 横田氏はかつて物流業界紙の編集長を務めた経歴から、アマゾン、佐川急便、ヤマト運輸などの物流会社にアルバイトとして潜入。それをルポ作品として世に出している。とくに世界的な巨大通販サイト・アマゾンに潜入した『アマゾン・ドット・コムの光と影』(情報センター出版局)は、アマゾンの雇用への姿勢、現在日本が直面する格差問題、そして旧来の出版流通や再販制度にまで踏み込み、多くの問題をあぶり出した作品だ。

 横田氏がアマゾンにアルバイトとして潜入したのは、いまから13年前。アマゾンが日本に上陸してから3年後の2003年11月から翌年3月までの約半年間だった。

 なぜ潜入という手法をとったのか。それはアマゾンという企業が、今回のユニクロ以上に閉鎖的で秘密主義ゆえに通常の取材が困難だったからだ。

 現場は、アマゾン社員をトップにした“カースト制度“によって、アルバイトの使い捨てがまかり通る、ユニクロ以上に管理が徹底された過酷なものだった。横田氏が働いた物流センターは1階と2階合わせて約1万5000平方メートルという広大な“職場”だ。そこで横田氏は本を探して抜き出すピッキングと呼ばれる作業をひたすらおこなった。ノルマは1分間で3冊。アルバイトの作業は厳重なコンピュータによる“監視”付きだった。

〈ここでは毎月個人の作業データを集計して“成績表”を作るのだという。データからはいつ誰がどんな作業をしていたのかがわかる。作業に間違いがあれば、さかのぼって“犯人”を探し出すこともできる。また、ノルマに達していないアルバイトには指導が行われ、それでも成績がよくならない場合は、二カ月ごとの契約更新時に、契約が打ち切られるという〉

 天井に設置された監視カメラ、ノルマと徹底した管理コストシステム──。本書ではこうした過酷な労働状況や出版流通の実情に迫っていくのだが、浮かび上がってくるのは、アマゾンの“実態”だけでは決してない。そこで働くさまざまな人々の“リアル”な姿だ。

 社員に怒鳴られてもうなだれるしかない30代の男性バイト。文句が出そうな場面でも不満の一つも口にしない多くのバイトたち。時給はどれだけ働いても900円で上がることはない。保険どころか、交通費も支給されない。そしてアマゾンで働くバイトは30代から50代が大半を占めていたという。

〈時折、茶髪にピアスといった若者が紛れ込んでくることもあったが、作業があまりに退屈なのか、一、二週間もするとたいていが姿が見えなくなる〉

 なかでも昭和40年生まれ独身アルバイトの“島崎さん”の存在は、長年アルバイトを渡り歩く人々の縮図、そのものだった。

〈島崎さんの一日は、朝、八枚切りのパンを二枚食べることからはじまる。昼は、残りのパンとカップラーメン。(略)毎日この繰り返しで、一回の食費を一〇〇円以下に抑えている。
 切り詰めているのは食費だけではない。送迎バスの乗り場まで電車に乗れば一駅のところを、三〇分かけて歩いてくる〉

 保険にも入っていないらしく歯が痛んでも正露丸を詰めている島崎さん。借金もあるという彼は、しかし、慣れない作業で疲労困憊の横田氏を見かね、声をかけてくれもする。そんな島崎さんと昼食をともにするようになり、その楽天的生き方にある種の潔さを感じ“朋友”とまで思った横田氏は、あるとき、思い切って飲みに誘う。

〈「年明けにでもどうですか」
「だめですよ」
 親指と人差し指で丸を作ってみせてこう言った。
「これがいっぱいいっぱい。家で焼酎を飲むのが精一杯です」〉

 仲間と酒を飲む余裕もないほど困窮したバイト生活を島崎さんは続けていた。そんな島田さんはその後4カ月ほどで突然バイトを辞め、横田氏の前から姿を消してしまう。横田氏は潜入取材ならではの苦悩とバイト仲間への思いをこう吐露している。

〈(飲みに)誘う前に悩んだのは、私の正体を明かすかどうかであった。物書きであるのを隠しているのは居心地が悪かった。その後も毎日のように島崎さんと顔を合わせながら、この居心地の悪さにどうやってけりをつけたものかと考えていた。しかしこの日、島崎さんの思いっきりのいい辞め方を知って思った。後腐れなくさばさばやるのは、アルバイト生活の流儀にかなっているのだろう、と〉 

 こうした人々との交流から垣間見える現実。トップエリートのアマゾン社員、流通の日通と子会社の日通東京配送社員と契約社員、その下にいる大勢のアルバイト──。買いたたかれた労働者たちが支えるアマゾンという企業は、社会の縮図そのものだ。それは現在、横田氏が「週刊文春」誌上で臨場感たっぷりに描くユニクロの有り様とも重なる。

 急成長する巨大企業のタブーに、潜入取材という手法で挑み続ける横田氏。ユニクロ潜入ルポは次号にも掲載される予定というが、今後、どんなユニクロの実態が飛び出すのか。最後まで目が離せない。

(伊勢崎馨)
 

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コメント
 
1. 2016年12月16日 17:20:35 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[3444]

>トップエリートのアマゾン社員、流通の日通と子会社の日通東京配送社員と契約社員、その下にいる大勢のアルバイト──。買いたたかれた労働者たちが支えるアマゾンという企業は、社会の縮図そのもの

そのトップエリートのアマゾン社員も、所詮は、単なるワーカーに過ぎないし

こうした合理的な労働管理システムを作り上げたamazonの成長を支えているのは

多くの大衆の我欲、つまり経済合理性ということだ


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