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トランプが向き合う世界貿易の現実(WEDGE)
http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/109.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 12 月 22 日 13:16:21: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

トランプが向き合う世界貿易の現実
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/8467
2016年12月22日 岡崎研究所 WEDGE Infinity


 11月22日付の英フィナンシャル・タイムズ紙で、マーティン・ウルフ同紙主任経済コメンテーターは、トランプでも今日の貿易の現実を害するような無暗な挑戦は出来ないであろうと述べています。論説の要旨は次の通りです。

 トランプはTPPからの離脱を言明したのに対し、習近平はRCEPを推進することを表明した。しかし、世界貿易において中国が西側はもとより米国を代替することには限界がある。即ち、購買力の指標としてGDPのシェアを見ると、中国のシェアは2016年に15%、アジアは31%、米国とEUを合わせて47%である。同様に、輸入のシェアを見ると、中国のシェアは2015年に12%であるのに対して、アジアは36%、米国とEU(EU内の貿易は除く)を合わせて31%である。

 ジュネーブ高等研究所のリチャード・ボールドウィン教授は「The Great Convergence」という本で、第二のグローバリゼーションという今日の貿易の性格を解き明かしている。彼によれば、貿易は常に輸送とか通信という距離のコストによる制約を受けて来た。19世紀後半の第一のグローバリゼーションでは、貿易の急速な拡大は物品の輸送コストの低減によってもたらされた。しかし、この時代には製造プロセスを分解することは不可能であった。一国は全ての必要なスキルを習得せねばならなかった。その結果、製造と、これに伴う規模の経済と経験による学習とから得られる成果は高所得経済に集中することになった。そして、それなりの技能を有する労働者もこれらの成果を共有し、前例のない所得と政治的影響力を達成した。

 しかし、第二のグローバリゼーションでは通信コストが大幅に下落したために、製造プロセスを分解することが可能となり、部品の製造と最終組み立てが世界中に散らばることになった。殆どの途上国経済はこの機会に乗り遅れた。しかし、幾つかの国、特に中国はこの機会を利用することに成功した。

 トランプの勝利は、この新たな貿易の原動力が惹起した保護主義によるものである。政治的闘争は高所得経済の企業が開発したノウハウの恩恵を誰が得るのかにある。トランプは米国企業の所有者や経営者よりも米国の労働者を優先するのであろうか。TPPを拒否し、NAFTAを交渉し直し、中国を関税で脅すという振りをしながら、実は世界貿易は大方そのまま維持するのであろうか。実はトランプも世界貿易を中国の手に委ねることは米国の利益に反するとの結論に到りはしないか。トランプも生産の世界的な分解の状況にあって米国の役割を制約することで米国の企業が不利になり、その活動が流出することを怖れることになりはしないか。

 幸いにして、世界貿易を支持する力は依然として強い。トランプといえども貿易を動かす力にことごとく歯向かう能力や意思はないだろう。

出 典:Martin Wolf‘Donald Trump faces the reality of world trade’(Financial Times, November 22, 2016)
https://www.ft.com/content/064d51b0-aff4-11e6-9c37-5787335499a0

 この論説が紹介しているボールドウィン教授の分析は今日の貿易のよく知られた重要な側面を巧く整理したものと思います。そういう実態を知れば、トランプといえども現在の体制に無暗に挑戦は出来まいというのはその通りでしょう。その観点からは、NAFTAをどうするつもりかが注目されるでしょう。

■トランプの本気度

 しかし、そのことと、ルールに基づく更に自由で開放的な枠組み作りを目指すかどうかとは少し違うことのように思われます。トランプにはそういう意思はなく、その努力をぶち壊す能力はあるように思われます。リマのAPEC首脳会議でニュージーランドの首相は、Trump Pacific Partnershipと呼ぶことでも構わないと冗談で言いましたが、11月21日、トランプはDay OneにもTPPからの離脱を通告すると表明しました。

 代わりに、「雇用と産業を米国に取り戻す公正な二国間協定」を交渉するとトランプは述べましたが、本気なのかどうかは判りません。トランプは二国間協定の方が圧力をかけ易く、有利な条件を引き出せると踏んでいるのかもしれませんが、TPPには参加し得ても、米国との二国間協定には応じない国もあるでしょう。日本としても、TPPの批准を進めている状況にあって、その原則的立場をおいそれと放棄することにはならないでしょう。二国間協定の積み重ねでは成し得ず、多国間協定でしか出来ないこともあります。国際的なルールの構築と安全保障上の意味合いを持つ集団の形成ということであれば、それは多国間協定によるということでしょう。

 

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