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日本が「働き方後進国」を脱却するために必要なこと(Forbes JAPAN)
http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/190.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 12 月 26 日 08:52:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

日本が「働き方後進国」を脱却するために必要なこと
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161226-00014674-forbes-bus_all
Forbes JAPAN 12/26(月) 8:00配信


2016年ほど、「働き方」に世間の注目が集まった年はない。「人生100年時代」に適応するための未来図とはー。ベストセラー『ライフ・シフト』共著者に聞く。

長寿国家の日本は、本来ならいち早く「人生100年時代」に適応する取り組みを進めていなければなりません。それなのに、働き方のバリエーションが乏しく、100年時代に適応できていません。これが日本経済の低成長の理由でもあります。
 
日本は100年時代に必要な「無形資産」に着目するべきです。つまり、スキルや知識を身につけ、新ステージへ移行する意思と能力、つまり変身資産への投資です。日本は「教育→仕事→引退」という3ステージ型の人生に固執しすぎています。これは「人生70年時代」のスタイルであり、100年時代には通用しません。

日本政府はこの問題を解決しなければなりません。引退した人はもちろん、全ての年齢層において、労働者たちがもっとフレキシブルに働けるようにサポートする必要があります。また、女性の労働人口が増えるようなインセンティブや、個々人がライフタイムというスパンで物事を選択できるようにするなどの支援も求められています。
 
個人が行うべきなのは、与えられたキャリアの中でスキルや知識に対して投資し、それをアップデートしていくことです。さらに、精神的なフレキシビリティを持つことはもっと重要です。特に仕事をしている男性に顕著なのですが、年を取るに従って、同世代、似たタイプ、同じ興味を持つ者同士で集まり、交友範囲を狭めがちです。

このような狭いネットワークは新しいアイデアや情報、フレキシブルな考えや変化を供給してはくれません。人々はさらに長く働くことや、これまでの仕事とは異なることや職種を模索することが大切で、より順応性をもって、新しいアイデアを受け入れていかなければなりません。

■新しいステージに進むための変身資産投資

そして、最も変わらなくてはならないのは、長寿社会への変化に対応できていない企業です。企業はこれまで以上に、元気で健康になった年配の労働者の活用と、豊富な経験や新しいアイデアをもたらしてくれる異業種からの中途採用を積極的に考えなければいけません。仕事ばかりに一生を捧げるような人や、ずっと一つの企業にしがみつくような人の考え方を変える必要があるのです。

今後、個人はロングキャリアという視野を持ち、給与以上に必要なものを企業がどのようにサポートしてくれるかに興味を持っていくようになります。スキルの向上やワーク・ライフ・バランスをどのように仕事で支えていくのかが重要なのです。

そのためにも、無形資産をどのようにして構築していくかが大変重要になってきます。日本ではこれまで、男性は仕事に追われ、仕事にかかわるスキルだけに資産を求め、女性は家族や家にそれを求めてきました。このままでは男性は疲れ切り、そのスキルは長いキャリアの中で世の中に不適合なものになっていきます。これを避けるために、男性はネットワークを多様化させ、自分のスキルに再投資することが大切です。

■男女平等を減らす「変身資産投資」

一方、女性は長寿社会において、出産・子育て後に訪れる年月が増えることになりますが、これは男女不平等を減らすための大きなチャンスとなります。このチャンスを生かすためには、人生の途中で変化と新しいステージへの移行を成功させる意思と能力、つまり変身資産へ投資することを学ばなくてはなりません。
 
その際に重要なのは、ロールモデルとなる存在でしょう。それはメインストリーム以外のキャリアパスを形成していくことにもつながります。起業家などの世界にいる志高い人たちのネットワークやコミュニティを見つけることが重要です。

ロングキャリアの視点が必要になる一方で、人々から仕事を奪う可能性もあるAIやロボティクスなどのテクノロジーは、ますます台頭してくるでしょう。これらの脅威は非常に現実的な問題です。

しかし、飛行機の自動操縦が普及してもパイロットという仕事がなくなったわけではないように、労働者を取り巻く環境は多くの評論家の出す見通しより悲観的なものではないはずです。ただ言えることは、多くの伝統的な仕事は消え、それに代わる新たな機会が誕生するだろうということです。
 
では、私たちは個人として、こうしたテクノロジーの変化を前に自分たちをどのようにリ・クリエイトしていけばよいのでしょう? これにはふたつの大切なことがあります。ひとつは、自分のスキルや生産性資産について投資をするレジャータイムという時間をつくらなければならないことです。これがなければあなたのスキルは時代遅れになってしまいます。

ふたつ目は、広く多様的なネットワークに投資をすることです。自分を成長させる新しいアイデアや、変化を促す新しいコミュニティに触れることができるからです。

■ギグ・エコノミーが我々に恩恵を与える

テクノロジーによる変化に加えて、経済ビジネスモデルの転換も考えに入れる必要があります。私はその可能性を「ギグ・エコノミー」に見出しています。ギグ・エコノミーとは、ネット上で非正規の立場で単発の仕事を受発注することで、特に最近、若い世代でこの働き方を選ぶ人が増えています。
 
これにはふたつの背景があります。ひとつは、伝統的な手法によってキャリアパスを見つけるのが次第に難しくなってきていること。もうひとつは、長寿社会になって新たな行動様式が形成されてきたということです。21世紀は20代の行動から変化が生まれてくるのではないかと考えています。
 
また、100年時代にはオプションという概念が非常に重要になるでしょう。若者たちは将来、仕事や結婚、家や子供にコミットすることになりますが、こうした人生のそれぞれのステージに応じて働くには、ギグ・エコノミーが非常に適しています。仕事とレジャーのより良いバランスを得られるし、学びと経験の機会を十分に与えられるからです。

そしてこのギグ・エコノミーは、これまでとは違うワーク・ライフ・バランスを求めている年配の人たちにも恩恵を与えることになります。
 
次世代のテクノロジーの波は情報を与えるのであって、コンシャスネス=意識を与えるのではありません。情報は自由に手に入るようなっていきます。富とアイデアのソースは遊びやイノベーション、人の共感や理解の中から生まれることになるでしょう。

アンドリュー・スコット◎ロンドン・ビジネススクール経済学教授、前副学長。オックスフォード大学を構成するオール・ソウルズカレッジのフェローであり、かつ欧州の主要な研究機関CEPR(Centre for Economic Policy Research)のフェローも務める。2005年より、モーリシャス大統領の経済アドバイザー。財政政策、債務マネジメント、金融政策、資産市場とリスクシェアリング、開放経済、動学モデルなど、マクロ経済に主要な関心を持っている。

鈴木 裕也
 

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