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2017年中国経済のリスク、外資系投資銀行8社はこう読む(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/479.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 1 月 05 日 11:50:30: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

2017年中国経済のリスク、外資系投資銀行8社はこう読む
http://diamond.jp/articles/-/112760
2017年1月5日 陳言 [在北京ジャーナリスト] ダイヤモンド・オンライン


2017年の中国経済には、米国トランプ政権の発足と共産党指導部の改選というビッグイベントが控える。有力な外資系投資銀行の見方を概観しながら、新年の中国経済の行方を考察してみよう。(在北京ジャーナリスト 陳言)

年早々の1月20日には、米国で中国との貿易に厳しい姿勢を見せるトランンプ新政権が発足する。秋には5年に一度の中国共産党の全国代表者会議が開催され、首脳陣の改選が行われる。その意味で、世界第2の経済大国である中国経済の行方には大きな注目が集まる。

 果たして、2017年の中国経済はどう動くのか。昨年末に出た著名な外資系投資銀行8社が発表した2017年の展望レポートや、その研究部門の高級幹部が発表した評論などは偶然とも思われるほど一致している。ここではそのレポートで語られた17年の中国経済に関する見解を総括したい。

 多くの専門家は17年における中国のGDP(国内総生産)成長率は、16年よりもう少し下がり、6.5%程度で安定していくだろうと見込んでいる。中国では16年に1000万人の新規雇用が生み出され、失業はあまり問題になっていない。

 16年12月14〜16日、17年の経済政策を討議する中央経済活動会議が開かれた。国家発展改革委員会の学術委員会の張燕生事務局長によると、「経済発展の新常態について重大な判断を下し、いままでの規模や発展速度の追求から品質や効率への追求にシフトしていく。それに供給サイドの改革を断行して、さらにイノベーションによって経済発展のモデルを変えていく」と語り、安定の維持が大きな特徴となっている。

 それでは外資系投資銀行の予測を概観してみよう。

■共産党指導部改選もあり
中国経済は安定維持が通認識

 マクロ経済の側面からすると、中国経済の成長は市場予想を上回っている。各大手投資銀行は次々に中国のGDP成長率に対する予測を上方修正している。

 数字から見れば、米国のメリルリンチが最も楽観視しており、17年における中国のGDP成長率を約6.7%と予測している。これに対して、クレディ・スイスは比較的慎重な見方を示しており、中国の年間GDP成長率を6.3%と予測している。これより前には、同行は中国の17年のGDP成長率を6.0%と予測していた。

 現在の市場における共通認識とは、「中国経済の構造が今後も引き続き投資から消費にシフトし、17年は中国の指導部が改選される年だが、改選を控えた中国経済は安定を維持する」というものだ。

 メリルリンチの取締役兼グレートチャイナ・チーフエコノミストの喬虹氏は香港で開かれた経済展望会で、16年の中国経済の情勢を「驚くべきもの」と表現し、「GDP成長率が力強いインフラ整備と不動産投資のニーズを背景に2015年夏の不調から上昇に転じているとともに、金融緩和政策が明らかに投資を刺激する働きを見せている」と指摘している。

 さらに「17年、中国経済の成長は引き続き安定に向かい、不動産市場政策の引き締めおよびインフラ整備投資の減少が進むにつれて、来年の経済成長の原動力は投資から消費にシフトし、消費およびサービスがGDPに占める割合は引き続き高まる」と、喬虹氏は語った。

 クレディ・スイスは12月初めに発表した展望レポートの中で、「中国経済はこの6年間で成長が著しく減速したが、ついに安定する兆しが見られるようになった」と指摘している。「17年、中国国内経済とりわけ消費の分野において喜ばしい状況が訪れると予測している。同時に、世界で大口商品(石炭、石油など)の価格が回復することによって関連業界の利潤が回復し、続いて労働市場と消費支出を支えるだろう。不動産業界もまた活況を維持し、在庫の減少と固定資産投資の回復が見られるだろう」。

 ゴールドマン・サックスは、「中国指導部の改選などの政治的要素が17年の中国経済の周期的成長に安定をもたらす条件となる」と指摘する。

 しかし、モルガン・スタンレーは、「政府指導部の改選を前に経済成長の安定を政策の主旋律にするとしても、このような融資によってけん引された成長は経済の質にマイナスの影響を及ぼすだけでなく、国家主導の過剰生産能力の削減および勢いが鈍化した国有企業改革の遅れもまた、経済効率の犠牲を代償としている」と考えている。

■深刻化する外部リスク
米中貿易戦争は起こるか

 中国国内のマクロ環境と比較して、17年には中国が直面する外部リスクはさらに顕著なものになるだろう。その最大のリスクの一つは米国大統領選でトランプ氏が勝利したことで、中米関係の不確実性が大いに高まっていることだ。中米間で貿易戦争が勃発するか否かに関しては、各投資銀行の間で意見が分かれている。

「全体的に見れば、外部リスクは内部リスクよりも大きいと我々は見ている」とシティグループのアジア首席エコノミストである蔡真真氏は語っており、さらに「中米間で貿易戦争は起こらない。なぜなら貿易面で関係する範囲があまりに広すぎるからだ。しかし、1980年代に米国が日本を目の敵にしたように、中米両国間で貿易協定を妥結することは困難になるという状況が起こらないとは断言できない」と続けた。

 これに対して、野村総合研究所は異なった見方をしている。「トランプ氏はホワイトハウスで政権を担うようになった後、特定のアジア製品に対して課している輸入割当や関税を引き上げ、また為替レートのミスアラインメント(均衡相場からの乖離)を輸入制限の口実とし、貿易戦争を仕掛けてくる」と同社は見ている。その影響を真っ先に受けるのは中国で、その後、アジアの他の国々にもたちまち広がることだろう。「アジアの国々の大多数は中国向け部品の大口サプライヤーであり、また世界で最もオープンな経済体でもある」からだ。

 ソシエテ・ジェネラルは見方が比較的中立的だ。「トランプ氏が発言した事柄の実現性に関して、我々は懐疑的だ。なぜならそうした政策が米国議会を通過するとも限らないからである。貿易の分野において、トランプ氏が希望しているTPP(環太平洋経済連携協定)の撤回がまだ議会を通過していない以上、現状維持となるだろう」。

 ゴールドマン・サックスは、「選挙時にトランプ氏が取り上げて物議を醸した多くの議題において、今のところ移民問題やオバマ医療改革、メキシコとの関係などに対する彼の態度は和らぎつつあり、また彼は中国を為替操作国として非難しているが、中国がその条件を満たしていない以上、実現は不可能だ。しかし、懸念すべき点は、中国最大の貿易相手国は米国であり、現在、中国の貿易輸出全体の18%が米国に対するものであることだ。それゆえ、いかなる貿易引き締め策も中国経済の展望に影響を及ぼすことになる」という見解を示している。

 モルガン・スタンレーの首席中国エコノミストである〓自強氏(〓は「刑」のつくりが阝)も似たような見方を持っており、次のように語っている。「米国は中国最大の輸出相手国である。輸出の大幅な減少が人民元の下落を加速させ、国内需要の増加を後押しするように、中国政府がより思い切った緩和政策を取ることになる引き金となる恐れがある」。

■為替相場の変動がもたらす
資本流出というリスク

 このほかに、人民元の変動が中国経済にもたらすリスクもある。中でもゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーは、人民元相場に対して最も悲観的な見方を示している。「2017年末までに人民元はドルに対して7.3元まで下落する」(1月1日現在1ドル=6.944元)と両社は予測している。

 JPモルガンは展望レポートで、「強さを維持しつづけているドルとドル金利の上昇は中国の資本流出を促し、17年も比較的に高い水準を維持する」と指摘し、「17年第1四半期に中国の外貨準備高は3兆ドル以下に落ち込み、同時に1人当たり5万ドルという中国国内におけるドルへの両替上限金額も来年1月に更新されるため、今年の同時期に発生したような人民元資本の大量流出が生じる可能性がある」と述べている。

 資本流出によって国内の投資がますます少なくなり、元安しても商品の輸出が増えず、輸入する原燃料の価格が高くなり、中国経済はより厳しい局面に遭遇してしまう。

「今後数カ月以内に、資本流出をさらに抑制するための措置が講じられ、個人による資産の海外移転を厳しく取り締まるのはもっともなことだ」と、JPモルガン中国首席エコノミストの朱海斌氏は語っている。

 ただ、メリルリンチの喬虹氏は、「中国経済の調整とドルが強さを増しているという背景の下で、中国人民銀行(中央銀行)による為替管理などの管理手段も加えて、たとえ近い将来に中国の外貨準備高が3兆ドル以下に落ち込むとしても過剰に心配する必要はなく、平常心を持って臨んでいけばよい」と強調している。

 シティグループの蔡真真氏は、「17年に中国のA株がMSCI(株価指数)に加えられ、また中国債券市場が多くの世界的な債券指数に組み込まれることによって、中国資本の流出が是正される可能性がある」と考えている。シティグループは、「17年末までにドルに対する人民元のレートが7.05元になる」と予測している。

 中国で公表された外資系投資銀行のレポートは、いずれも17年の中国経済をそれほど悲観しておらず、また中国国内でも経済が失速する恐れがあるという報道もほとんど見かけない。結局、この安定成長を乱すものがあるとすれば、それはやはり中米経済関係、世界経済を非常に不確実性を持たせるトランプ・リスクだろう。
 

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