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骨の老化防止「牛乳を飲むだけでいい」は間違いだった!
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投稿者 軽毛 日時 2017 年 3 月 08 日 11:11:43: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

【第7回】 2017年3月8日 阿保義久 [北青山Dクリニック院長]
骨の老化防止「牛乳を飲むだけでいい」は間違いだった!

高齢化社会では、姿勢の保持や移動がままならなくなる老化現象に悩む人が急増しています。ここで注目される「骨と筋肉」は体を支える骨格器、身体を動かす運動器という役割にとどまらず、生きた器官として全身の臓器と密接に関わっていることが最近注目されています。さらに、心臓・血管・脳と同様に骨や筋肉の老化も40代からゆっくりと進行していくことがわかってきました。
今回から2回連続で「骨と筋肉」を取り上げ、骨と筋肉の若々しさを保つことが全身のアンチエイジングにおいていかに重要なのか、また、その方法について解説します。(北青山Dクリニック院長 阿保義久)

40代から骨と筋肉の老化現象が始まる


骨量と質の改善は、同時に全身の健康管理にも繋がります
 内臓脂肪の蓄積により糖尿病、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病が誘発されるメタボリックシンドローム(メタボ)は皆さんよくご存じでしょう。

 対して、「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」と呼ばれる加齢による運動機能の低下を表す言葉はあまり馴染みがないのではないでしょうか。また、ロコモの状況が悪化し、筋力低下と抑うつや認知機能の低下により社会生活を営めなくなる現象を表す「フレイル(虚弱)」という概念や、加齢に伴い筋肉量の低下を表す「サルコペニア」という用語もあまり知られていないと思います。

 これら、「ロコモ」、「フレイル」、「サルコペニア」は骨や筋肉の老化を象徴するキーワードになります。

 ロコモ、フレイル、サルコペニアは、加齢に伴う骨や筋肉の老化によって引き起こされる状態をそれぞれ異なる視点から捉えたものです。いずれも40代から徐々に進行し、徐々に健康で快適な生活を送れなくなるばかりか、社会性も喪失して要介護の状態に陥ってしまいます。こうした人が年々増えていることから、これらの言葉はしばしば注目されるようになってきました。

 骨や筋肉の老化を阻止するためには、40代から正しい知識を身につけて老化を予防する生活習慣を心がけることが大切です。今回は、骨の仕組みをご説明し、骨の強化方法をお伝えします。

骨の役割は体を支えるだけではない
全身とネットワークでつながっている

 骨には、姿勢を維持し内臓を守る役割があります。しかし、骨の重要な役割はこれだけではありません。

 まず、全身を巡っている「血液をつくる」ことが骨の大切な仕事の一つです。骨の中心部にある骨髄には血液の生産を司る造血幹細胞が豊富にあって、赤血球、白血球、血小板はここで作られます。赤血球は全身の細胞に酸素を運ぶ機能、血小板は止血機能、白血球は異物や外敵を除去する機能があります。すなわち、骨(骨髄)がしっかりと働かなければ、全身の細胞は生きていけず、出血は止まらず、また自己を守る免疫も働かないことになります。

 さらに、カルシウムを主とした「ミネラルを貯蔵しその出し入れをコントロールする」ことも骨の重要な役割です。骨は、生命活動を営むのに極めて大切なカルシウムを管理しています。

 体内にあるカルシウムの99%が骨や歯に存在し、残りの1%が血液や体液に含まれますが、血液中のカルシウムの量を常にほぼ一定の濃度に保つために骨が重要な役割を果たしています。

 血液中のカルシウムは筋肉の収縮や弛緩をコントロールしたり、生命活動の情報を伝達したり、血液や体液のpH(酸・アルカリバランス)を調節しています。これが不足するとカルシウムが骨から血液に溶け出し、必要がないカルシウムは血液から骨に取り込まれて、血液中の濃度が一定になるよう巧みに調節されています。その調節に関わるのがカルシウムの貯蔵庫たる骨なのです。

 他にも骨の細胞は、心臓血管、膵臓や胸腺などの臓器の代謝にも影響を与え、肥満・糖尿病・脂質代謝異常・動脈硬化などにも関係することがわかっています。骨が全身の代謝調節に重要な役割を担っているのです。

 骨は体を支え内臓を守るだけではなく、それ自体が一つの臓器として全身の各臓器とネットワークを構築していることになります。ですので、骨の老化は全身に影響を及ぼしてしまいます。

骨量だけではなく質が大切
「糖化」は大敵

 骨の老化現象を表すのに、骨密度や骨量という概念がしばしば用いられます。骨密度が低下すると骨粗鬆症という骨がもろく折れやすくなる病気に罹ることが知られています。

 骨密度を増やすには、骨の主原料であるカルシウムの摂取が重要なのは言うまでもありません。しかし、単にカルシウムを大量に摂取しても骨の中にカルシウムは蓄積されません。

 既に触れたように、カルシウムは骨と血液・体液の間を行き来しているのですが、その出し入れを巧みに調節しているのがマグネシウムです。マグネシウムがなければ骨の中に十分なカルシウムが取り込まれません。骨粗鬆症を防ぐにはカルシウムの摂取に加えて十分なマグネシウムの摂取が必要です。

 骨密度は、骨の形成に必要なこれらカルシウムやマグネシウムなどのミネラルの量を測定しているのですが、骨の健康状態や若々しさを評価するためには骨の密度や量だけではなく、その質が大切であるということが注目されています。

 骨の質を決める要素として最も重要なのはコラーゲンです。コラーゲンはカルシウムやマグネシウムなど骨を構成するミネラルを結ぎ合わせる働きがあります。骨内にコラーゲンがしっかりと行きわたっていなければ、例えカルシウムやミネラルが豊富(骨量が豊富)でも、もろく折れやすい骨になります。

 そして、骨の質を決めているコラーゲンの質も重要です。コラーゲンの質は、タンパク質と体内の余分な糖が結びつくことによっておこる「糖化」によって悪化します。糖化は代表的なタンパクの一つであるコラーゲンを悪化させるのみではなく、あらゆるタンパク質を変性・劣化させます。そして、身体のほとんどはタンパク質でできているので、糖化はコラーゲンの質すなわち骨の質の悪化のみではなく、体中のあらゆる臓器、特に脳や血管を侵すことも知られています。糖化を防ぐことが、骨や体のアンチエイジングの重要なポイントと言えます。

「牛乳を飲むだけでいい」は間違い
骨の量を増やし、骨質を良くする食材・栄養分

 骨の量と質を改善するために食事の工夫が有効です。積極的に摂りたいビタミンと、悪影響を及ぼす「糖質」について挙げておきます。

(1)マグネシウム

 骨の量、密度を決める主原料はカルシウムですが、カルシウムの吸収や体内での適切な分布をサポートしている重要な成分がマグネシウムで、カルシウムだけではなく同時に十分なマグネシウムの摂取が大切です。

 カルシウム不足を補うために有効と知られる乳製品には、実はマグネシウムがあまり含まれていません。カルシウム摂取を心掛けて牛乳などを積極的に摂っている人でも、マグネシウムが不足していることが指摘されています。カルシウムとマグネシウムを合わせてしっかりと摂取するためには、大豆製品や海藻類、キャベツ・ブロッコリーなどを食するのが望ましいようです。

(2)ビタミンD

 また、ビタミンDは、骨を作るビタミンとも呼ばれ、血液中のカルシウム濃度を一定に保つ働きがあります。ビタミンDは、イワシ、鮭、サンマなどの魚やキノコ類に豊富に含まれます。また、日光刺激により皮膚で体内のビタミンDが活性化されるので、過度の紫外線刺激は避けつつも適度に太陽光にあたることも大切です。

(3)ビタミンK

 ビタミンKは、骨に含まれるオステオカルシンというタンパクを活性化させてカルシウムとの結合を促し骨の形成を進めます。ビタミンKの摂取源としては、レタス、納豆、青菜、海苔、ニラなどが挙げられます。

(4)ビタミンC

 代表的なビタミンであるビタミンCは、骨密度を高めることが以前から知られており、骨の質を決めるコラーゲンの合成にも不可欠です。骨の量、質、両方の改善にビタミンCは有効です。

(5)「糖質」に注意

 一方で、コラーゲンの質を悪化させるのが、ホモシステインという物質と前述の糖化です。ホモシステインはビタミンB群や葉酸が不足すると増加してしまいます。豚肉、牛レバー、菜の花、枝豆などの摂取で、ビタミンB群や葉酸は補充できます。糖化は、急激な高血糖によって誘発されます。糖質の摂り過ぎと運動不足は厳禁です。ホモシステインや糖化は、血管の老化現象である動脈硬化の危険因子でもあります。

 興味深いのは、骨の健康のために必要な栄養管理は、同時に全身の健康管理にも繋がることです。ビタミンDには抗がん作用や免疫力増強効果があり、ビタミンCは抗酸化作用など様々な疾患の予防に関わり、ホモシステインや糖化を管理することは、血管の老化を防ぐことにもなるのです。全身とネットワークでつながっている骨の特徴がこの点でも示されていると言えます。

 次回は「筋肉」について詳しく取り上げたいと思います。
http://diamond.jp/articles/-/120409  

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