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<エビデンスのない話@医者の喜び>
http://www.asyura2.com/16/health18/msg/450.html
投稿者 SHO 日時 2017 年 3 月 31 日 11:33:39: cVuKYKDVsuOXM gnKCZ4Ju
 

■外科医の盲点
医者の喜びとは患者が治ることである。即ち目の前の患者が笑顔で医者のもとを去っていくことだ。これは専門科を問わず、あるいは勤務医、開業医の別なく、何ら変わることがない。その喜びを得るため、これまで整形外科領域においても数多くの目覚しい業績があげられてきた。学術集会では幾多の有益な報告が行われてきたし、今後もそうであるだろう。それらの蓄積が整形外科の発展を通じて大勢の患者の健康に寄与することは全く疑いのないことだ。しかしながら、その集会は、あくまでメスを握る外科医の集いであり、そこで行われる報告も外科医の目線を中心としているため、そこにはいくばくかの盲点がある。

■原因と結果
何事であれ物事には原因と結果がある。当然、病気に関しても原因と結果があり、個々の過程がある。人間の肉体は自然治癒力と呼ばれる神聖な力の働きによって病から立ち直ることができるが、その力の働きが何らかの理由で損なわれたとき、病は重症化し、医者の手助けを必要とするようになる。それが胸腹部疾患の場合、内科と外科、それぞれ専門領域が分かれてはいるものの、それは病気自体が別ものというわけではなく、それを診る病期と治療のアプローチが各々異なるだけである。同じ病気であっても、その初期であれば、内科医が適切にコントロールするだけで病は快方に向かう。そして、内科的なコントロールが困難と判断されたとき、外科医の手が必要になるだけだ。胃潰瘍という病気がその好例である。潰瘍が初期であれば内服薬による治療が可能だが、穿孔してしまえば外科医の治療が必要になるという具合だ。

■整形内科医の不在
この意味では、わが国の場合、整形外科医は外科医であると同時に内科医でもあるわけだ。しかし、一般病院に勤務する整形外科医は多忙を極め、外来で行われるその主な仕事は手術その他の侵襲的治療を要する症例と、そうでない症例との峻別で、専ら外科医として機能することが優先される。そのため、患者は症状の軽重で分別され、治療の対象としても、また研究の対象としても、軽症患者が切り捨てられるという現象が生まれている。開業してメスを握ることのなくなった医者こそが整形内科医といえるかもしれないが、多くの開業医は、もはや学会発表への意欲を失っており、整形内科領域を追究してのける医者は外科手術領域に比較して、はなはだ少ないのが現状である。

■病期の相違
しかしながら、先にも述べた通り、外科医の扱う病と内科医の扱うそれとの違いは病期の違いだけである。つまり、軽症患者の訴えの中にこそ、病状の主たる要因が潜んでいるのであり、そこで適切な治療を施すことができさえすれば、多くの患者は侵襲的治療である手術を必要とせずに済むのである。外科医の本能として、治療が手術中心に傾くのは仕方のないことであるとしても、患者本人は誰であれ、はじめから手術を希望しているわけではない。手術以外の治療に絶望せざるを得ないから手術を選択するだけの話である。ところが、軽症患者が軽んぜられた結果、整形外科領域は、起こってしまった結果の評価方法と、その治療に関しては発展を遂げたが、原因に関する考察においては放置されてしまった感が否めない。ゆえに、侵襲的治療にいたる以前の慢性疾患患者を救うことができないばかりか、患者の「何故そうなったか」という疑問に対しても、せいぜい、歳のせいだとか、使い過ぎだとかいった、まことに非科学的な説明でお茶を濁すことしかできず、余り深くは顧みられないのである。

■外反母趾という難病
実際、外来における軽症患者の原因は、よくわからないことが多い。その最たるものが外反母趾だ。ありふれているにもかかわらず、はっきりとした原因を示すことができない。正書には先細りの靴を履くことが原因であるかのごとく記載されているが、実際には靴を変えてみても病状の進行を止められない場合が多い。手術までは必要でないが、さりとて病状が進行しつつあるのは間違いない症例に対し、専門家であるはずの整形外科医が本当に有用な助言を行うことができずにいるのである。

■決め手にならないエビデンス
さて、西洋からもたらされた科学においては、その見解がどのようであれ相応のエビデンスが求められる。エビデンスとは科学的根拠であり、しかるべき手続きを踏襲した上でもたらされた学術報告である。そこに要求されるのは客観性であり、統計学的なデータである。ところが、統計には作為的な要素の入り込む余地もはなはだ多く、結論に関しては妥当性を欠く場合も少なくない。実際、科学のもたらす見解は、よくよく見れば、五年十年を待つことなくコロコロとその主張を変えており、エビデンスがあるからといって、その見解が真実であるとも限らないし、エビデンスがないからといって、その見解が間違っているという証にもならない。
ここでは、これまで顧みられることの乏しかった整形“内科”領域の代表的な慢性疾患に関する病因について、エビデンスには乏しくとも、町医者の素朴な実感に基づいた得手勝手な考察を試みることにする。それが医者の喜びに寄与することを期待しつつ。
 

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