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コラム:NATOはプーチン大統領をどう苛立たせたか
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投稿者 軽毛 日時 2016 年 6 月 12 日 13:46:55: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

コラム:NATOはプーチン大統領をどう苛立たせたか

 6月6日、ポーランドで始まった過去10年以上で最大となる「アナコンダ16」軍事演習には、20カ国以上から約3万1000人の兵士が参加。大規模演習は、ロシアが敵対的な諸国に包囲されているというロシア政府の主張にさらに油を注ぐ結果になるだろう。写真はロシアのプーチン大統領。サンクトペテルブルグで4月代表撮影(2016年 ロイター)
Lucian Kim

[6日 ロイター] - ポーランドで始まった過去10年以上で最大となる「アナコンダ16」軍事演習には、20カ国以上から約3万1000人の兵士が参加。1カ月後に予定するワルシャワでの北大西洋条約機構(NATO)サミット前に、同機構の団結と迅速さを誇示する狙いだ。

ドイツに駐留する米機甲部隊がロシア攻撃を受けたバルト諸国を救援する作戦を想定するなど、米軍が重要な役割を果たすことになる。

米国が東欧で配備する2つのミサイル防衛施設のうちの1つが数週間前に始動した。米国防総省は来年、欧州における軍事費を34億ドル(約3630億円)と4倍に増額し、東欧で1個機甲旅団をローテーション展開する計画だ。ポーランドとバルト諸国に追加配備されるNATO軍に加わる格好となる。

「アナコンダ16」に対するロシアの反応は想像できる。プーチン大統領はすでに、米国のミサイル防衛網に参加するルーマニアを脅している。大規模演習は、ロシアが敵対的な諸国に包囲されているというクレムリンの主張にさらに油を注ぐ結果になるだろう。欧州の平和運動家も、米国が好戦好きだという証拠を遠くまで探す必要がなくなる。

エスカレートする対立は「鶏が先か、卵が先か」という謎かけと似ている。NATO側は「封じ込めと抑止」戦略への回帰は、2014年のロシアによるウクライナ侵攻という残念な出来事の帰結だと主張している。一方、ロシアとその擁護者は、米主導の同盟軍による容赦のない東方侵略を食い止めるために介入が必要だったと反論する。すべてのウクライナ紛争に関する議論は、NATOの役割に終始する。

ウクライナの場合、NATOは煙幕だ。この旧ソ連構成共和国のNATO参加は、決して真剣に議論されたことはなかった。また、ロシア侵攻前に行われた世論調査では、ウクライナ人の5人に1人しかNATO加盟を支持していなかった。

2008年にウクライナとジョージアのNATO加盟への道筋をドイツとフランスが阻んだとき、NATOは事実上、ロシアに屈服した。その数カ月後、ロシアは、ジョージアの2つの分離独立地域を占拠。後のクリミア併合と、東ウクライナでの2つの傀儡(かいらい)政権誕生に向けての前哨戦とした。NATO加盟が認められるためには、申請国はいかなる領土紛争問題も抱えてはいけないことになっている。

1991年のソ連崩壊後、NATO拡大を推進したのが統一ドイツだったことは忘れがちだ。悪魔のようなペンタゴンの陰謀論とはまったく異なり、この問題は大西洋の両側で熱く議論された。冷戦後の西側の勝ち誇った態度に失望しながら、当時のゴルバチョフ旧ソ連大統領は、西側がNATOを拡大しないと約束したことを「神話」と呼んだ。

40年以上も冷戦の前線に位置していたドイツは、できる限り東側へNATOの安全保障バブルを拡大したがっていた。西側は、東欧で誕生した独立国家が安定的で豊かな民主主義体制に移行することについて、ロシアも共通の関心があるとの甘い想定で動いていた。実際のところ、プーチン大統領が登場する以前から、西側に組み入れられたり、ロシアの手本となる可能性のない、弱体化して分裂した腐敗国家による緩衝地帯をロシア政府は好んでいた。

「拡大」はNATOの趨勢を表現するのに最適な言葉ではない。なぜなら、それは1999年以降加盟した東欧12カ国が、多少なりとも受身的に関わったとも受けとれるからだ。第2次世界大戦後、ソ連の影響下にとらわれながら、ポーランドとリトアニア、チェコ、ハンガリーは自らの最良の保険契約を選んだ。結局、NATO加盟という決断は、自国を自力で守ることができず、中立も選択肢にない民主的な主権国家によって下されたものだ。

ロシア政府は西側との対立を運命づけられていたわけではない。ロシアは西欧諸国と2世紀以上も同盟関係にあった。2000年、初めての大統領選に立候補したプーチン大統領は、NATOを敵とみなしたり、同等の立場からNATOに加盟する可能性を排除したりしないと述べた。「同等の立場から」という言葉は今日、プーチン氏の怒りを理解するためのカギとなる。

ロシア政府からすれば、好敵手とみなされるよりも無視される方がはるかに問題だ。不幸にも、プーチン氏の台頭は、敵味方双方の感情を完全に無視するジョージ・W・ブッシュ政権時代と重なっている。プーチン氏の働き掛けは拒絶された。ブッシュ政権の軍事一国主義に対して、国連安全保障理事会の理事国、主要8カ国(G8)、NATOロシア理事会のメンバーとしてのロシアの地位は、役に立たないことが分かった。

当時のブッシュ政権の東欧に対する関心はおもに、イラク戦争での「有志連合」に参加した国々に対し、NATOへの加盟を認めたり、中東から飛んでくるミサイルの迎撃システムの一部配備の約束をしたりして、見返りを与えることにあった。

オバマ大統領が2009年に就任した当初は、ブッシュ前政権時に築かれた破滅的な外交政策のがれきから、自らを掘り出さなければならなかった。オバマ大統領は、ロシアとの関係を「リセット」すると宣言。米ロ対立の火種となっていた東欧におけるミサイル防衛計画の凍結を発表した。

最終的には、東欧同盟諸国が関与する計画を破棄するのは政治的に難しいとの理由で、オバマ大統領はミサイル防衛網の簡易版を承認している。ロシアの戦略核兵器をターゲットとすることは禁じられているものの、ロシアにとってはNATO封じ込め策の一例として役立っている。

オバマ大統領は当初、共通の関心事についてはプーチン大統領と協力し、他の事柄については可能な限り無視し続けることを望んでいた。同大統領は、ロシアを今も苦しめているポスト帝国主義の幻肢痛を理解できなかった。

オバマ大統領が「核なき未来」について語った時、ロシアの唯一信頼できる抑止力について、はく奪されるべきだと発言するのをプーチン大統領は耳にした。米政権がアジアに軸足を動かし、米軍の最後の戦車が2013年にドイツを後にした時には、ロシア政府は、米国の欧州へのコミットメント低下と受け止めた。

プーチン大統領による電光石火のクリミア占領と東ウクライナでの武装反乱はNATOを驚かせた。東欧諸国がロシア政府の意図を依然警戒しているとしても、他のNATO加盟国はロシアをこそこそした敵とみるよりも、気難しい隣人とみなすようになってきた。

米軍やドイツ軍のローテーション配備という東欧諸国を安心させるNATOの試みは、欧州の均衡を回復させるための重大な一歩となる。しかし、ミサイル防衛は、ロシアに何らの真の脅威を与えることのない政争の具だ。東欧諸国が米軍配備を得るためにそれを利用する一方、ロシアは、封じ込めというお化けだと申し立てることができる。

米国は、無知や傲慢、怠慢さを通じて、プーチン大統領を苛立たせてきたかもしれないが、好戦性を通じてではない。そのせいで、NATOはこれほどまで狂ったようにして追いつこうとしているのだ。

*筆者は1996年以降、ドイツや東欧、旧ソ連諸国からリポートを続け、コソボやアフガニスタン、ジョージアやウクライナの紛争を取材。ブルームバーグのモスクワ支局やクリスチャン・サイエンス・モニター紙のベルリン支局で特派員を務めた経歴を持つ。
http://jp.reuters.com/article/nato-russia-idJPKCN0YW0CQ  

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