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二股外交の失敗が加速する「韓国の核」  プーチン政権「お友達」化、旧ソ連政治再来 「腹心」を相次ぎ更迭 強権人事の深意
http://www.asyura2.com/16/kokusai15/msg/143.html
投稿者 軽毛 日時 2016 年 8 月 26 日 21:28:36: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

二股外交の失敗が加速する「韓国の核」
早読み 深読み 朝鮮半島
孤独を癒すにも最終兵器が要る
2016年8月26日(金)
鈴置 高史

THAAD配備決定に抗議して断髪する星州の市民たち。韓国の国論分裂が進む(写真:Abaca/アフロ)
(前回から読む)
 「核武装宣言」に向け準備を進める韓国。二股外交の失敗がそれを加速する。
孤立無援の韓国
前回は「韓国が核武装の下準備を着々と進めている」との話でした。
鈴置:注目すべきは朴槿恵(パク・クンヘ)政権の外交的な失敗が核武装を加速しそうなことです。韓国は「米中双方から見捨てられる」と焦り始めました。孤独に悩む韓国に、核武装の誘惑が忍び寄っているのです。
 最近の韓国紙を見ると「孤立無援」「四面楚歌」と卑下する記事が目立ちます。米中の間を泳ぎ回って両方から利を得る――という朴槿恵政権の二股外交が完全に裏目に出たのです。
 地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD=サード)の在韓米軍配備を韓国は認めました。すると中国から「報復するぞ」と露骨に脅され、国中が大騒ぎになりました(「韓国は『唐と戦った新羅』になれるのか」参照)。
 一方、「米国に捨てられるのではないか」との恐怖も高まりました。「THAADの怒り」を解こうと韓国が、南シナ海問題では事実上、中国側に立ったからです(「THAADを逆手に取る中国、韓国を金縛りに」参照)。
大統領の傲慢
 韓国の現状を「孤立無援」と書いたのは東亜日報のホ・ムンミョン論説委員。記事は「米国か中国か」(8月12日、韓国語版)です。以下が状況認識を披歴した部分です。
• 今、我々はTHAAD配備を巡り、米国か中国かの二者択一を迫られる。政府の外交政策全般にわたる乱脈をさらけ出したのだ。
• 米国、日本とはすきま風が吹く。中国からは後頭部を殴られる。北朝鮮に対して使えるカードは何もない。孤立無援である。
• これは「自分一人ですべてできる」という大統領の傲慢と情勢分析の失敗、戦略不在のイエスマンばかりで構成された外交安保チームの無能による複合的な作品だ。
手厳しいですね。
鈴置:私も驚きました。「外交乱脈」「大統領の傲慢」「無能」――。表現が激しい韓国紙にしても、異様な大統領批判です。朴槿恵外交の全否定と言っていい。「孤立無援」に韓国人が危機感を深めている証拠です。
米中間でフリーズ
「米国か中国かの二者択一」とのくだり。違和感を持つ日本人もいると思います。
鈴置:朴槿恵政権がTHAAD配備を正式に容認したので、日本では「韓国は海洋勢力側に戻った」と思っている人が多い。でも、それは誤解です。依然として、韓国は二股外交を続けています。
 「米中星取表」をご覧下さい。韓国が米国側に戻ったというのなら、南シナ海など重要案件で米国側に立つはずではありませんか。現実にはTHAAD問題以外では、韓国はますます中国側に引きずりこまれているのです。
案件 米国 中国 状況
日本の集団的自衛権
の行使容認 ● ○ 2014年7月の会談で朴大統領は習近平主席と「各国が憂慮」で意見が一致
米国主導の
MDへの参加 ● ○ 中国の威嚇に屈し参加せず。代わりに「韓国型MD(ミサイル防衛)」を採用へ
在韓米軍への
THAAD配備 △ ▼ 韓国は「要請もなく協議もしておらず決定もしていない(3NO)」と拒否していたが、北朝鮮の4回目の核実験でようやく受け入れた
日韓軍事情報保護協定
(GSOMIA) ▼ △ 2012年6月、中国の圧力もあり韓国が署名直前に拒否。米も入り「北朝鮮の核・ミサイル」に限定したうえ覚書に格下げして合意
米韓合同軍事演習
の中断 ○ ● 中国が公式の場で中断を要求したが、予定通り実施
CICAへの
正式参加(注1) ● ○ 正式会員として上海会議に参加。朴大統領は習主席に「成功をお祝い」
CICAでの
反米宣言支持 ○ ● 2014年の上海会議では賛同せず。米国の圧力の結果か
AIIBへの
加盟 (注2) ● ○ 米国の反対で2014年7月の中韓首脳会談では表明を見送ったものの、英国などの参加を見て2015年3月に正式に参加表明
FTAAP (注3) ● ○ 2014年のAPECで朴大統領「積極的に支持」
中国の
南シナ海埋め立て ● ○ 米国の「明確な対中批判要請」を韓国は無視
抗日戦勝
70周年記念式典 ● ○ 米国の反対にもかかわらず韓国は参加
米中星取表〜「米中対立案件」で韓国はどちらの要求をのんだか
(○は要求をのませた国、―はまだ勝負がつかない案件、△は現時点での優勢を示す。2016年8月25日現在)
(注1)中国はCICA(アジア信頼醸成措置会議)を、米国をアジアから締め出す組織として活用。
(注2)中国はAIIB(アジアインフラ投資銀行)設立をテコに、米国主導の戦後の国際金融体制に揺さぶりをかける。
(注3)米国が主導するTPP(環太平洋経済連携協定)を牽制するため、中国が掲げる。
 神戸大学大学院の木村幹教授のよく使う「フリーズした」との表現が、米中間で身動きが取れなくなった韓国の現状を見事に言い当てています。米国に怒られTHAADで顔だけ海側に向けた。しかし、片足はちゃんと大陸に残しているのです。
なぜ、日本では「韓国が海洋勢力側に戻った」との誤解が蔓延しているのでしょうか。
鈴置:外交関係者が「韓国を屈服させ、こちら側に引き戻した」と宣伝しているためでしょう。木村幹教授もそう分析しています(「米中の狭間で『フリーズ』する韓国」参照)。
 日本の一部メディアが嫌韓ムードに迎合し「中国寄り外交に失敗した韓国が日本に頭を下げてくる」といったニュアンスで報じていることもあります。
恥知らずの中央日報
THAAD配備も白紙化する可能性があるということですか。
鈴置:あり得ます。配備予定地では「THAADの強力なレーダーが人体に影響を及ぼす」と激しい反対運動が繰り広げられています。このため韓国政府は他の場所を探し始めましたが、そこでも反対運動が起きています。
一般の国民はどう見ているのですか?
鈴置:韓国ギャラップが8月9−11日に「THAAD配備」に対する賛否を聞いています。「デイリー・オピニオン 第223号(2016年8月第2週)」(韓国語)によると「賛成」が56%、「反対」が31%でした。
 この時点では「賛成」する人が2倍近くいたことになります。ただ、中国が韓国への報復に本腰を入れたら、「反対」が急速に増えると思われます。
 7月8日の配備正式容認の後、ハンギョレなど左派系紙に加え、保守系紙の中央日報も連日のように、反対派の寄稿を載せました。
 ナショナリストの趙甲済(チョ・カプチェ)氏が中央日報を読んで「だったらTHAADの代案はあるのか。北朝鮮の核ミサイルから国民を守る方法を示せ」と激怒したほどです。
 趙甲済氏は自らが主宰するネットメディアに「中央日報の空想」(7月26日、韓国語)を載せ、厳しく批判しました。前文を訳します。
• 自主国防ができる経済力を持ちながら、勇気や責任感がなく、外国に国防を依存する国家や国民、そしてメディアはどんなことでもする。恥を知らないからだ。中央日報がその証拠である。
「反米」と「恐中」の共闘
これまた激しい批判ですね。
鈴置:日本の安保不感症のメディアは、趙甲済氏が韓国人で幸いでした。この人が日本人だったら「恥知らず」と毎日、断罪されていたでしょう。
 趙甲済氏がこれほど中央日報を手厳しく批判したのも、THAAD配備がいつひっくり返るか分からない状況だからです。
 THAADに反対するのが反米色の濃い左派だけなら話はまだ簡単です。しかし保守勢力の中核をなすはずの経済界も、THAAD配備に否定的です。中国が報復の1つに経済制裁を挙げているからです(「環球時報が中国政府に建議した5つの対韓制裁」参照)。
■環球時報が中国政府に建議した「5つの対韓制裁」
(1)THAAD関連企業の製品の輸入禁止
(2)配備に賛成した政治家の入国禁止と、そのファミリービジネスの中国展開の禁止
(3)THAADにミサイルの照準を合わせるなどの軍事的対応
(4)対北朝鮮制裁の再検討
(5)ロシアとの共同の反撃
注)環球時報の英語版「Global Times」では「China can Counter THAAD Deployment」(7月9日)で読める。
 中央日報はサムスングループの創業者が設立した新聞で、経済界の利益を重視します。このため親中的で――はっきり言えば制裁を恐れる「恐中派」です。左派のハンギョレとTHAAD反対で歩調を合わせる結果となっています。
 現在はTHAAD配備に賛成している保守系紙の朝鮮日報や東亜日報も、中国からもう少し脅されたら、腰くだけになる可能性があります。政府が配備を正式に決めたので追従した側面が強い。それまで明確な姿勢を打ち出さないか、あるいは主張が揺れてきたのです(「『中国に立ち向かう役は日本にやらせよう』」参照)。
 仮に、中国の脅しに抗して朴槿恵大統領が「配備」の所信を貫徹できたとしても、賛成派の政治家が次の大統領になるのは難しい。
 中国が「賛成した政治家は入国禁止にする」と威嚇しているからです(「習近平の『シカト』に朴槿恵は耐えられるか」参照)。
米国に捨てられ、中国に隷属
韓国を「四面楚歌」と評した記事もあるとのことですが。
鈴置:保守派の大御所、朝鮮日報の金大中(キム・デジュン)顧問が書いた「大韓民国の選択」(8月2日、韓国語版)です。以下が書きだしです。
• 大韓民国はいよいよもって四面楚歌である。
 こう続きました。
• 中国の戦略は単に軍事、外交には留まらず、韓国ののど元である経済的な利害関係まで露骨に絡めるものだ。我々に手を差し伸べてくれるはずの米国も、もはや気を配ってくれるわけではなく、時には自らに都合よく変貌する。
• つまり我々は、西から押し寄せる中国の覇権主義と、東で頭をもたげる米国の新たな保護主義の間で進退両難の境遇にある。
• もし韓国がTHAAD配備に失敗し、アジア諸国が中国の南シナ海の掌握にはっきりとした態度を取らないと、米国は最終的には防衛ラインを日本列島に後退させ、アジアを中国に差し出すしかなくなる。すなわち、韓国を放棄することを意味する。
• 我々が米国か中国かという岐路で中国を選ぶ素振りを見せれば、その瞬間から我々は独立した存在とはなり得ず、中国に隷属する結果を呼ぶ。
 「こんなことをやっていると、米国から見捨てられるぞ」との悲痛な訴えです。
青瓦台は無知なのか
恐ろしいほどの孤独感ですね。
鈴置:これまで「天才的な朴槿恵外交により、我が国は米中双方と史上最高の関係にある」と韓国人は信じてきました。それが一気に逆転したのです。孤独感はひとしおでしょう。もともとさみしがり屋の国民ですしね。
「進退両難」などと悩まずに、二股外交をやめてさっさと米国側に戻ればいいのではないでしょうか。
鈴置:ええ、朴槿恵政権がそうしないから問題だ、と金大中顧問は怒っています。以下をご覧下さい。
• 青瓦台(大統領府)は、米国か中国かの問題に本心を見せない「曖昧戦術」を可能な限り取るつもりのようだ。何を隠そうとしているのか、無知ゆえにそうするのか、自信がないのか、敢えてそうするのか――それさえも分からない。
 朴槿恵政権は米中の間で身動きが取れなくなってしまった。決断を下せないので「曖昧戦術」という言葉を使って誤魔化しているのだ、と金大中顧問は怒ったのです。
 先に引用した東亜日報のホ・ムンミョン論説委員も「曖昧戦術」をやり玉に挙げました。その部分を訳します。
• 国軍からは「戦略的曖昧さ」という外交用語が出始めた。「戦略的曖昧さ」とは現状維持が必要な時に使う政策であり、THAAD配備には合致しない。
 もっとも、朴槿恵大統領とすれば「ここで完全に米国側に戻ったら、中国に手ひどくイジメられるのは確実だ。国民はそれに耐えられるのか」と反論したいところでしょう。
国論分裂を防げ
結局、韓国はどうすればいい、と韓国のシニア記者たちは主張しているのでしょうか。
鈴置:ホ・ムンミョン論説委員の結論は以下です。
• 親米派、親中派に分かれ、我々の内部が引き裂かれるようなことがあってはいけない。感情的な、反射神経的な対応を慎み、泰山のように重々しく対処すべきだ。
 「国論分裂を防げ」との叫びです。韓国人は「我々は国難のたびに国論が割れ、存亡の危機に直面した」と自戒の念を持っています(「韓国は『唐と戦った新羅』になれるのか」参照)。
 それだけに「また内部分裂して、国が滅びるのか」との恐怖感が頭をもたげているのです。金大中顧問の結論部分も同様でした。
• 国の存亡に関わる重大問題を直接国民に問い、コンセンサスを築くという指導者の姿を見せることが今、大統領に求められている。
 大統領がリーダーシップを発揮して国論をまとめよ、との主張です。しかし、その国論が簡単にまとまらないから大統領も困っているのです。
 金大中顧問もそれは分かっているでしょう。興味深いことに、このコラムにはさりげなく核武装の主張が盛り込まれているのです。
核さえ持てば全て解決
外交的な孤立を核武装で打破しよう、ということですね。
鈴置:その通りです。核を持てば、米国から捨てられても北朝鮮や日本に対抗できる。中国も核武装国へのイジメは、少しは手加減するかもしれない――との思惑でしょう。以下、「核武装」部分を訳出します。
• 米国の著名な政治学者、ブレジンスキー(Zbigniew Brzezinski)博士は著書『戦略的ビジョン(Strategic Vision)』の中で、米国が中国によってアジアから追い出された場合の韓国の生き残る道を3つに要約した。
• 1つは中国への従属、2つ目は核兵器の保有、3つ目は日本と協力し中国に対抗することだ。
• 核武装は国際社会によって阻止される。日本との協力は常に中国を選好してきた歴史的な経験から考えて不可能だ。だとすれば、我々の選択は中国の属国になることだ。
「中国の属国になる」ですか?
鈴置:それは読者を挑発するために書いているだけで、本音はもちろん異なるでしょう。また金大中顧問は「日本との協力」を推薦しているわけでもない。
 ブレジンスキー博士は「日韓協力による中国への対抗」が難しい理由として「歴史的経緯」だけではなく「米国のバックアップが期待できないこと」を挙げています。原文(93ページ)を引用します。
• Japan’s inclination to stand up to China without strong US baking is problematical at best.
 いくら日韓が協力しても米国の軍事力の支援――核の傘がなければ中国に対抗できない――というわけです。
 金大中顧問は3択のうち中国への隷属も、日本との共闘もダメというのですから「韓国は核武装するしかない」と訴えていることになります。
もう、大国の命令は聞かない
でも、「核武装は国際社会に阻止される」と金大中顧問は書いています。
鈴置:そう書いて見せているだけでしょう。朝鮮日報は今年2月から露骨な核武装の主張を控えました。社説もシニア記者もある日を期してピタリと書かなくなった。国益に関する何らかの配慮からと見られます。
 金大中顧問は北朝鮮の3回目の核実験の直前、2013年2月5日に「北の核実験、見学するだけなのか」(韓国語版)を書きました。そこで核武装を韓国の選択肢の1つに挙げました。
 そして「国際社会」つまり、核を保有する大国に対しては、以下のように猛烈に反発しました(「核武装して“奴隷根性”を捨てよう」参照)。
• 強大国の優越意識丸出しの思考に異議を唱えたい。弱小国や途上国が核を持とうとすると、強大国は「危険性」とともに「核の効率的管理の不在」を指摘した。自分たちにはできるが、私たちには難しいとの指摘だ。
 韓国保守の大御所は、いざとなれば「韓国の核武装に対する国際社会の阻止」などケリ飛ばす覚悟と思います。こうなってくると、朝鮮半島から目が離せません。
 冷戦終結で孤立した北朝鮮が核武装に乗り出した。こりゃ大変、と見ていたら、今度は冷戦で勝ったはずの韓国が独りよがりの外交を展開して失敗。孤立したあげく核武装の下準備を始めた。
 日本は今や、太平洋の覇権を狙う中国と、2カ所で核武装の進む朝鮮半島の双方に同時に対応していかねばならないのです。
(次回に続く)
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『米中抗争の「捨て駒」にされる韓国』

米国と中国を相手に華麗な二股外交を展開し、両大国を後ろ盾に、日本と北朝鮮を叩く――。朴槿恵政権が目論んだ戦略は破綻した。
「北の核」と「南シナ海」をどうするか。米中が本腰を入れ、手持ちの駒でせめぎ合う。その狭間で右往左往する韓国は「離米従中」路線を暴走してきた末に「核武装」「米軍撤退」論で迷走を始めた。その先に待つのは「捨て駒」にされる運命だ。
日本も他人事ではない。「オバマ後」の米国がアジアから遠ざかれば、極東の覇権を狙う中国と、きな臭い半島と、直接に対峙することになる。岐路に立つ日本が自ら道を開くには、必死に手筋を読み、打つべき手を打つしかない。
『中国に立ち向かう日本、つき従う韓国』『中国という蟻地獄に落ちた韓国』『「踏み絵」迫る米国 「逆切れ」する韓国』『日本と韓国は「米中代理戦争」を闘う』 『「三面楚歌」にようやく気づいた韓国』『「独り相撲」で転げ落ちた韓国』『「中国の尻馬」にしがみつく韓国』に続く待望のシリーズ第8弾。6月13日発行。


このコラムについて
早読み 深読み 朝鮮半島
朝鮮半島情勢を軸に、アジアのこれからを読み解いていくコラム。著者は日本経済新聞の編集委員。朝鮮半島の将来を予測したシナリオ的小説『朝鮮半島201Z年』を刊行している。その中で登場人物に「しかし今、韓国研究は面白いでしょう。中国が軸となってモノゴトが動くようになったので、皆、中国をカバーしたがる。だけど、日本の風上にある韓国を観察することで“中国台風”の進路や強さ、被害をいち早く予想できる」と語らせている。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/226331/082200064/ 

コラム:「お友達」化するプーチン政権、旧ソ連政治の再来か

 8月22日、ロシアでは、プーチン体制を築いてきた人々が退場しつつあり、体制内の人々に置き換えられつつある。写真は、プーチン大統領(左)と解任されたイワノフ大統領府長官(右)。モスクワで2013年6月撮影(2016年 ロイター/Sergei Karpukhin/File Photo)

William E. Pomeranz

[22日 ロイター] - ロシアは国際的な影響力を強め、敬意を集めようとしているが、この夏、その努力は失敗を重ねた。リオ五輪への参加はドーピング問題で悲惨な状況に陥った。ハッキング疑惑のために米国大統領選でもロシアがやり玉に挙がった。ウクライナとシリアをめぐる軍事的緊張についても心強い兆候は1つもない。

こうした騒動や対立が、9月18日に迫っているロシアの下院選挙に影を落としている。だが、これこそまさにプーチン大統領が望んでいる状況なのかもしれない。5年前の選挙では、不正行為をめぐる前例のない規模の抗議が発生。プーチン氏は一方的に大統領復帰を決定した。同氏はその後、反体制派の弾圧を続けている。

だが、選挙運動があいかわらず厳しく締め付けられているにもかかわらず、エリート層内部での競争はますますあからさまに展開されている。ロシアでは「政権交代」が進行している。もっともその政権交代は、選挙を通じてではなく、プーチン氏が発する大統領令によって進められている。こうした不透明なプロセスは、さまざまな陰謀や憶測を呼んでいる。そこに欠落しているのは、有権者にとっての現実的な政治的選択であり、本当の意味での変革のチャンスである。

ロシアの将来については、数多くの予測が取り沙汰されている。だが、さまざまな動きはあるものの、いくつかのトレンドが明確になりつつある。最も顕著なのは、プーチン体制を築いてきた人々が退場しつつあり、体制内の人々に置き換えられつつあるという点だ。

わずかな違いかもしれないが、これは決定的に重要である。旧世代が併せ持つ、情報力と都会的な狡猾(こうかつ)さ、そして強靭(きょうじん)さは、競争が激しく、往々にして混沌(こんとん)とした旧ソ連崩壊後の環境で生き残るには不可欠な要素だった。

対照的に、これに代わろうとしている人々は、相対的に安定していたプーチン時代しか知らず、危機的な時期における能力という点では未知数である。彼らの経験不足が表面化するのはこれからかもしれない。

プーチン氏自身は、これまでも政権運営のなかで派手な人事を行ってきた。その集大成とも言えるのが、8月12日のイワノフ大統領府長官の解任である。とはいえ、イワノフ長官は面目をひどく損なうことなく退くことができた。ロシア連邦安全保障会議のポストは維持したからである。

だが、イワノフ長官ほど幸運ではなかった人物もいる。たとえば、ベリヤニノフ連邦税関庁長官は、約90万ドルの現金資産を警察に摘発され、辞任を余儀なくされた。

こうした解任に加え、それ以外の長年の腹心たちに対してもプーチン氏は距離を置きつつある。国営石油大手ロスネフチ社のイーゴリ・セチン最高経営責任者(CEO)は、同業のバシネフチ社民営化に対する入札を行うことはできないと何度も告げられている。

だがセチン氏は、この程度のことで諦めはしない。バシネフチ民営化は、主として政治的対立を理由として先日キャンセルされたばかりだ。だがロシア政府は歳入不足にあえいでいるため、政府が保有するロスネフチ株の一部売却についての協議が再開された。セチン氏が断固として反対している案である。

もう1人、プーチン氏にとって長年の盟友であるクドリン前財務相は、数年にわたって自ら政界から遠ざかっていたが、先日復帰し、ロシア政府のための新経済戦略を起草した。だが、彼の当初案が完成するかしないかのうちに、プーチン氏は代替案を委嘱することを発表。クドリン氏はまた脇役の座に追いやられてしまったのである。

こうして旧世代が、ある者は「自発的に」、別の者は屈辱にまみれて退場していくなかで、プーチン氏は彼らの代役として、もっと忠誠心の強い若手官僚を登用している。治安機関出身者が多いが、自分の側近から抜擢する場合もある。カリーニングラード州知事代理とトゥーラ州知事代理は、かつてプーチン氏の身辺警護に当たっていた。新任の大統領府長官であるアントン・ワイノ氏は、プーチン氏の儀典官出身である。

こうした政権内部の人事抗争のかたわら、ロシアの警察当局と治安機関との公然たる対立がある。ロシア連邦保安局(FSB)は先日、著名な犯罪捜査官を汚職の容疑で逮捕した。これは非常に挑発的な行為である。また、捜査官と検察も、ある有力な企業人の拘留に関して公然と対立している。いわば、米国の中央情報局(CIA)と連邦捜査局(FBI)、それに司法省がニューヨーク・タイムズ紙の1面で故意にお互いをけなし合っているようなものだ。

こうした複雑な関係は、ロシア政治の研究者にとっては夢のような題材かもしれないが、そこで浮き彫りになっているのは、ロシアにおける国民的な議論には、「本来の政治」というものが驚くほど欠落しているということだ。下院選に向けた運動が続くなかで、その一環として経済政策、政府人事、汚職対策といった問題が議論されるべきなのに、まったく取り上げられない。自由な政治論議というものは、プーチン政権とその取り巻きたちにとって、あまりにも危険なのである。

さらに、プーチン氏の新たな官僚集団は、プーチン大統領の権力に絶対的に依存している。こうした孤立した集団では、同じような意見が反復されるだけで、率直な議論は生まれない可能性がある。プーチン氏に悪いニュースを伝える人物は、果たして政権内に残っているのだろうか。

官僚集団から経済プログラム案はいくらでも出てくるだろうが、責任者には、改革を遂行するという明確な使命感が欠けている。改革遂行に必要な大義名分は、大統領からの直接の命令か、選挙の結果から得るしかない。これまでのところ、プーチン氏はそのどちらの道も示していない。

プーチン氏が登用しているのは自身に忠実な能吏ではあるが、改革者やビジョンの持ち主ではない。クドリン氏の提案に対する冷淡な扱いは、提案を競い合わせたりはするが本質的な構造改革を追求する意欲には欠ける政権を象徴している。

こうした傾向からは、ロシア政治の停滞が今後も続くことがうかがわれる。そしてそれは恐らく、ロシア経済とプーチン体制にとっては最善のシナリオなのだ。今回の下院選は2011年のように意外な結果をもたらす可能性もまだ残されているが、その見込みはいよいよ薄くなっているようである。

25年前のソ連崩壊は、「エリート同士の競争は、本当の意味での政治の代わりにはならない」という教訓を決定的に思い知らせたと多くの人は考えている。だが恐らく、ロシアはそれを改めて学ばなければならないのだろう。

*筆者は外交政策の米シンクタンク、ウィルソン・センター・ケナン研究所の副所長。

*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。(翻訳:エァクレーレン)
http://jp.reuters.com/article/column-putin-soviet-idJPKCN1100DD

「腹心」を相次ぎ更迭…プーチン強権人事の深意
解析ロシア
最大の標的は最大手国営石油会社「ロスネフチ」社長か
2016年8月26日(金)
池田 元博
 プーチン大統領が断行している一連の人事が臆測を呼んでいる。大統領の出身母体である旧ソ連国家保安委員会(KGB)人脈を中心に、これまで政権を支えてきた「腹心」を次々と更迭しているからだ。その狙いはどこにあるのか。

8月12日、プーチン大統領(中央)とワイノ新大統領府長官(右)、イワノフ前大統領府長官がクレムリンで会談を行った。(写真:ロイター/アフロ)
 ロシアで最近、プーチン大統領が断行した人事が臆測を呼んでいる。クレムリンの中枢である大統領府を率いるセルゲイ・イワノフ長官(63)を解任したことだ。
 後任の大統領府長官には、若手のテクノクラートであるアントン・ワイノ副長官(44)が昇格した。イワノフ氏は自然保護活動と環境・輸送問題を担当する大統領特別代表に任命され、大統領府の安全保障会議のメンバーにも残る。
 一連の人事は8月12日に発令された。その直前、プーチン大統領はイワノフ、ワイノ両氏を執務室に呼んで3人で会談している。大統領府によれば、要約するとだいたい以下のような会話が交わされた。
プーチン大統領(イワノフ氏に対して)「我々は長い間ともに働き、首尾良く働いてきた。大統領府長官の職務は4年以上に及んでおり、別の職に就きたいという貴兄の要望は理解できる」
プーチン大統領(ワイノ氏に対して)「セルゲイ・ボリソビッチ(イワノフ氏のこと)が後任の大統領府長官にあなたを推薦した。この仕事を引き受けてもらいたい。これまでと同様、大統領府の仕事が効果的で高い専門性を持ち、できるだけ不毛な官僚主義を排し、具体的な成果に満ち、課題を解決する能力をもつようにしてほしい」
イワノフ氏「まずは17年間に及ぶ私の仕事を高く評価して頂いたことに感謝します。大統領府の創設から25年がたちました。私は11代目の長官でしたが、長官在職期間は4年8カ月に及び、歴代で最長となりました」
ワイノ氏「信頼に感謝します。大統領府の主要な任務は、大統領としてのあなたの活動を万全の態勢で支えることだと認識しております」
 会談の発言を素直に受け止めれば、イワノフ氏はかねて激務である長官職の辞職を求め、プーチン大統領が同氏の要望や後任候補の推薦をそのまま聞き入れる形で、今回の人事が発令されたことになる。
対日外交重視との解釈もあるが…
 確かにイワノフ氏をめぐっては2年前の2014年11月、ロシア開発対外経済銀行の副総裁だった長男のアレクサンドル・イワノフ氏が保養先のアラブ首長国連邦(UAE)の海岸で溺死≠オ、その悲劇から立ち直れない状況が続いていたともいわれる。ちなみにこの長男は05年、モスクワで車を運転中に年金生活者をはねて死亡させる事件を起こしている。ただ、刑事事件にはならずに不問に付された。当時は国防相だった父親が裏で画策したとの噂も流れた。
 年齢や健康上の問題、こうした家族の事情なども踏まえれば、順当な人事といえないこともないわけだが、臆測を呼んでいるのはやはりイワノフ氏がプーチン大統領の長年の「腹心」の一人だからだ。
 両氏は1970年代、旧ソ連国家保安委員会(KGB)のレニングラード(現在のサンクトペテルブルク)支部で共に勤務して以来の盟友だ。プーチン政権下では国防相、副首相などを歴任した。2008年の大統領選挙では、当選したメドベージェフ氏とともに、プーチン氏が推す有力な後継候補と目されていた。
 それだけに、「腹心」の切り捨てともいえる今回の人事に、関心が集まっているわけだ。しかも、後任の大統領府長官となったワイノ氏はエストニアのタリン生まれで、外交官の出身だ。大統領とはもともと、地域的なつながりも職場のつながりもなかった。ただ、プーチン政権の1期目から大統領の下で働き、プーチン氏が首相時代には首相府、大統領時代には大統領府で主に儀典部門を担ってきた。いわば大統領に忠誠を尽くす実務型の部下といえるだろう。
 ちなみにワイノ氏は、外交官時代に在日ロシア大使館の勤務経験を持つ日本通でもある。このためプーチン大統領が対日外交を重視して大統領府長官に据えたと期待する向きもあるが、その役割はワイノ氏自身が認識しているように、あくまでも大統領の活動を「下支え」する裏方だ。対日関係とは全く関係がないとみるべきだろう。
支持率低下の中、イメージ刷新が狙いか
 話を戻そう。内情はともかく、大統領は全幅の信頼を置く秘書役ともいえる大統領府長官を大幅に若返りさせ、「一家言がある腹心」から「忠誠を尽くす部下」に交代させたのは確かだ。大統領のフリーハンドが高まることは間違いない。
 周知のようにプーチン大統領は従来、自らの出身母体のKGBと、出身地のサンクトペテルブルク人脈の盟友らを相次ぎ要職に登用し、政権基盤を固めてきた。故エリツィン元大統領に後継指名され、2000年に初めて大統領に就任した当時はまだ知名度も低く、信頼できる人脈も限られていたためだ。
 しかも、こうした腹心らの意見に真摯に耳を傾けたうえで政策を断行するのが、プーチン氏の真骨頂だったとされる。いまでこそ、「強権」「独裁」といった呼称を添えられることが多いが、側近グループと共に築き上げた「集団統治」がプーチン政権の元来の強みともいえた。大統領も腹心の人事にはことさら配慮し、転職させる場合もそれなりの要職を準備するのが常だった。
 ところが、今回のイワノフ氏の人事はどうみても降格だ。そこで浮上しているのが、大統領は18年の次期大統領選の再選に向け、斬新な印象を国民に植え付けようと、腹心の切り捨てに徐々に動きだしたのではないかという観測だ。プーチン大統領は依然、80%を超える高い支持率を誇っているが、14年春にウクライナ領だったクリミア半島を併合した直後に比べると、徐々に低下しつつあるのも現実だ。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/040400028/082400013/graph.JPG?
 腹心や旧友を重用してきた弊害として、とくに旧KGB出身者らが国家資産を流用し、私腹を肥やしているのではないかとの疑念は国内で根強い。原油安やウクライナ危機に伴う欧米の経済制裁で国内経済が停滞するなか、腹心の汚職疑惑は次期大統領選の障害になりかねない。そこで人事政策で疑惑の芽をあらかじめ摘み取り、プーチン政権のイメージを刷新しようとしているのではないかというわけだ。
最大の標的はロシア最大手国営石油会社「ロスネフチ」社長
 理由はさておき、旧KGB人脈を中心に、プーチン大統領の旧友や腹心の更迭がここに来て相次いでいるのは事実だ。ロシア鉄道を長年率いてきたウラジミル・ヤクーニン氏が昨年、社長職を解任されたのを皮切りに、今年に入ってからもヴィクトル・イワノフ連邦麻薬流通監督局長官、コンスタンチン・ロモダノフスキー連邦移民局長官、エフゲニー・ムロフ連邦警護局長官、アンドレイ・ベリャニノフ連邦税関局長官が相次ぎ更迭された。
 とくにベリャニノフ長官の解任に際しては事前に、自宅への家宅捜索で“発見”された多額のドル、ユーロ、ルーブル紙幣の札束が机上に並べられた映像や写真が大々的に公開された。同氏も旧KGB出身で、プーチン氏とはともにKGB職員として旧東独に勤務していた時代に知り合ったとされる。そんな旧友も「汚職まみれの高官」として見せ物にされたわけだ。
 プーチン大統領が次期大統領選を視野に、腹心の切り捨てで政権の抜本的な刷新に乗り出したのだとすれば、最大の標的になるとみられるのが、ロシア最大手の国営石油会社「ロスネフチ」を率いるイーゴリ・セチン社長だろう。プーチン氏をサンクトペテルブルク第1副市長時代から支え、大統領の「側近中の側近」といわれる大物だからだ。
 セチン氏については最近、連邦政府が財源不足の穴埋めに計画する有力石油会社「バシネフチ」の民営化問題をめぐって、政権との確執も伝えられる。政権側が民間企業への株式売却を想定しているのに対し、国営企業のロスネフチも入札に参加させるべきだと強硬に主張しているからだ。
 さらに反政府系の週刊紙「ノーバヤ・ガゼタ」は最近、最低でも1億ドル以上と推定される世界でも有数の超豪華ヨットを、セチン氏の妻が頻繁に利用しているとして、同氏がこのヨットの所有者ではないかとの疑惑を報じた。汚職疑惑まで取り沙汰されたセチン氏は、引き続き大統領の腹心として中枢に残るのかどうか。同氏の去就は今後のプーチン政権の行方を占う試金石となりそうだ。


このコラムについて
解析ロシア
世界で今、もっとも影響力のある政治家は誰か。米フォーブス誌の評価もさることながら、真っ先に浮かぶのはやはりプーチン大統領だろう。2000年に大統領に就任して以降、「プーチンのロシア」は大きな存在感を内外に示している。だが、その権威主義的な体制ゆえに、ロシアの実態は逆に見えにくくなったとの指摘もある。日本経済新聞の編集委員がロシアにまつわる様々な出来事を大胆に深読みし、解析していく。

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