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米国はプーチンとよりを戻すべき?(WEDGE)
http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/592.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 12 月 05 日 13:55:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

米国はプーチンとよりを戻すべき?
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/8374
2016年12月5日 岡崎研究所 WEDGE Infinity


 10月27日付英フィナンシャル・タイムズ紙で、スティーブンス同紙コラムニストは、プーチンとの関係を再構築するには、決意・一貫性・関与・尊敬の4つを持ってあたるべきだと述べています。その要旨は以下の通りです。

 プーチンが最も傷ついたのは、2年前にオバマ大統領が言ったことである。オバマは、ロシアはもはや「地域大国」に過ぎず、ウクライナへの介入は強さではなく弱さを示すもので、ロシアの行動は最大の脅威ではないと述べた。

 こうしたオバマの評価は、正しいが、同時に間違っている。経済、人口動態、社会、技術といったほぼ全ての面で、ロシアは衰退に直面している。しかしオバマは、ロシアは軍事力行使に躊躇しないということを見誤った。オバマの「リセット」はクリミア併合、東部ウクライナ占領、アレッポ空爆でダメになった。

 ウクライナとシリアへの介入が、ロシアの広範な戦略であることは誰の目にも明らかだ。体制の生き残りと西側への敵意は表裏一体である。プーチンの攻撃目標はリベラルな国際秩序である。近隣国への保護権を持ち、世界の問題に意味を持つ大国であることを欲している。

 西側には簡単にとりうる対策がない。だが、冷戦から有益な教訓を学ぶことはできる。尤もロシアはソ連ではない。米国と同盟国に有益なのは、現実に基づくリセットのための枠組み原則を決めることである。決意、一貫性、関与、尊敬から始めるべきである。

 最も重要なのは決意である。プーチンは機会主義者であり、相手の弱点を見つけだし、試すことをしてきた指導者である。これまでの西側の間違いは、ロシアを抑止する行動が挑発と受け取られるのではないかと心配したことである。決意を見せることに失敗したために、緊張を取り除くどころか高めてしまった。東欧へのNATOの前方展開は、一定程度民衆に安心を供与することに繋がっている。しかし、米国はシリアと欧州で、一線を越えれば重大な結果を招くとの明確なメッセージを発するべきである。

 2つ目の要素は一貫性である。プーチンは、分裂と躊躇いにつけ込むことに長けている。欧州諸国はロシアに対し、お互いの違いを脇に置くことができることを示すべきである。EUの対露経済制裁を数ヶ月毎に更新するのは、ロシアに工作の機会を与えるだけであるから、無期限制裁を宣言すべきである。制裁解除は、ロシアが行動を変えたときだけとすべきである。一貫性を維持するには、敵対行動に対して段階的対応をとる必要がある。ロシアはサイバー攻撃が旅行制限や制裁の強化などの反応を呼び起こすことを知るべきである。

 関与については、相手との関係を強い意志をもってマネージすることである。対テロや核不拡散など双方にとって有益で協力できる分野では、共同行動のためのイニシアチブを西側は発揮すべきである。

 最後の単語は尊敬である。ロシアは、ほとんどの側面で弱いのは明らかであるが、米国大統領が不都合な真実を口にして、傷つきやすいプーチンと対峙するのは賢いとは言えない。尊敬するふりをすることは外交では必要である。悲しいことに、プーチンがロシアは大国であると装い続けていると、ロシアは最終的には大国ではなくなっていくだろう。

出 典:Philip Stephens‘Four rules for a realistic reset with Vladimir Putin’(Financial Times, October 27, 2016)
https://www.ft.com/content/e7db344c-9aca-11e6-b8c6-568a43813464

 上記論説は、西側は、決意、一貫性、関与、尊敬の4つのキーワードに基づいて、今後の対ロ関係を進めるべきであるという政策提言です。そのそれぞれについて筆者が何を考えているのかは論説で説明されています。

 決意、一貫性、関与で述べられていることには賛成です。

■プーチンを傷つけたオバマ

 ただ、尊敬については、オバマ大統領のようにあからさまにプーチンを傷つけるような発言をすることはありませんが、プーチンの国際法違反行為をとがめることと、プーチンに敬意を示すことを両立させることは難しいのではないかと思われます。外交では尊敬しているふりをすることも必要ですが、大きな原則問題があるときには、それを優先して論じるべきでしょう。

 上記の提言には大筋で賛成ですが、国際法規範の尊重のような重要な論点が抜けています。プーチンの性格や西側とロシアの作用、反作用に注意を向けた論説ですが、どちらかというと、戦術的観点に重点をおいた論説です。もっとロシアの行動を戦略的視点からとらえた議論が必要であるように思われます。

 ロシアの衰退については、これを大げさに言うことはありませんが、今のままではロシアの将来は極めて暗いと考えられます。人口は減っています。自然減のほかに、有能な若者が政治的な抑圧、劣悪な教育、劣悪な医療、所得格差、社会的不公正に愛想をつかし国外に出ています。石油・ガス頼りの経済成長は石油価格がシェール革命で構造的に抑えられているので、もう望めず、資源依存経済脱却はうまくいっていません。サウジのほうが大胆に取り組んでいます。

 再度ペレストロイカをしないとどうしようもありませんが、プーチンの政権はその基盤がそれを行うようにはなっていません。民主化し、自由化し、才能あるロシア国民の活力を引き出すのがロシア再興の道ですが、ロシアの指導層は自分に利益を与える現在のシステムを維持することに熱心で、ロシアの問題は外部が作り出しているなど、恨み言ばかり言っており、これでは衰退は止められないでしょう。もうすでにロシアのGDPは中国の10分の1くらいです。

 

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