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"I'm So Bored With The U.S.A."は、クラッシュのファーストアルバム(原題はTHE CLASH、邦題は『白い暴動』1977年)の中の一曲。
現在は『反アメリカ』という題でWikipediaに掲載されているが、昔は歌詞カードに『反米愛国』と書いてあったと思う。
『反米愛国』ってすごいでしょ?大手レコード会社から販売されてるアルバムに、そう書いてあったんですよ。
ただし、歌詞の内容はそこまで過激ではない。
個人的には『反アメリカ』も『反米愛国』もタイトルとしてピンと来ないので、邦題を『U.S.A.にはもううんざり』にしようかと思ったが、どうも締まらないので、『反アメリカ』で行きます。
The Clash - I'm so bored with the U.S.A. (lyrics)
よく編集されたビデオ。
I'm So Bored With The U.S.A.
『反アメリカ』歌詞と和訳
Yankee soldier
ヤンキーの兵隊
He wanna shoot some skag
彼はヘロインを打ちたい
He met it in Cambodia
彼はカンボジアでそれ(ヘロイン)に会ったけど
But now he can't afford a bag
今じゃ一袋も買えないぜ
Yankee dollar talk
ヤンキー・ダラー(ドル)は
To the dictators of the world
世界中の独裁者たちに話しかける
In fact it's giving orders
事実、それは命令さ
An' they can't afford to miss a word
そして彼らは一言も聞き逃すわけにはいかないんだ
I'm so bored with the U...S...A...
U.S.A.にはもううんざりだ
I'm so bored with the U...S...A...
U.S.A.にはもう飽き飽きだ
But what can I do?
だけど俺に何ができる?
Yankee detectives
ヤンキーの探偵どもは
Are always on the TV
いつだってテレビに出てる
'Cos killers in America
アメリカの殺人者たちは
Work seven days a week
週に七日働いてるからな
Never mind the stars and stripes
星条旗なんか気にするな
Let's print the Watergate Tapes
ウォーターゲートのテープをプリントしようぜ
I'll salute the New Wave
俺はNew Waveに敬礼するよ
And I hope nobody escapes
そして誰も逃げないことを願うね
I'm so bored with the U...S...A...
U.S.A.にはもううんざりだ
I'm so bored with the U...S...A...
U.S.A.にはもう飽き飽きだ
But what can I do?
だけど俺に何ができる?
Move up Starsky
進め スタースキー
For the C.I.A.
C.I.Aのために
Suck on Kojak
しゃぶれよコジャック
For the U.S.A.
アメリカのために
(和訳 樹里亜)
※注1.「ウォーターゲートのテープをプリントしようぜ」
星条旗にウォーターゲート事件の録音テープを印刷しておけ、という意味なのだが、
テープそのものの写真をプリントなのか、録音の中の一節を文字に起こして印刷なのかはちょっとわからない
(クラッシュ的にはどちらもありだと思う)。
※注2.New Waveはパンクの直後に出て来た、体制迎合ではないが、パンクよりはやや軟弱なバンド群を指す。
「New Waveに敬意は払うけどね、お前ら逃げるなよ」と言っている(と、私は思う)。
※スタスキーは『刑事スタスキー&ハッチ』のスタスキー刑事のこと、
コジャックは『刑事コジャック』、どちらも70年代のアメリカの人気ドラマ。
歌詞の最後の「しゃぶれよコジャック」は、コジャック刑事がいつもキャンディをしゃぶっていたからだそうで、
これはブログ『華氏65度の冬』さんを読むまで知らなかった。
参照URL http://nagi1995.hatenablog.com/entry/2017/09/19/221213
※訳詞の無断転載はご遠慮下さい
The Clash - I'm So Bored With The U.S.A./Train In Vain (live
(このライブビデオでは、ジョーは歌の順番を間違えて歌っている)。
(余談)
他の人の和訳をざっと見たら、「アメリカにうんざりという意味ではないとのことなので、アメリカに慣れたと訳します」と書いている人がいた。
(は?なんじゃそりゃ?)と思ったら、日本語Wikipwdiaにこんな記述があった。
※この曲は、最初はミック・ジョーンズが書いた「I'm So Bored With You (お前にはうんざりだ)」というタイトルのラブソングだった。
※「ジョーが "I'm So Bored With You" を "I'm So Bored With The USA" と聞き間違えたんだ。そして「いいじゃないか、演ろうぜ」って言った。
ただ、誤解ばかりされるけど、この曲はアメリカに対するうんざりさを歌ったものじゃないんだ。
これはイギリスがアメリカナイズされていくことへ向けたものだし、それが俺たちの言いたかったことだ。
アメリカにツアーに行くたびにこの誤解から「『アメリカにうんざり』ってどういうことなんだ」と聞かれたけど、そんな意味のわけ無いだろ。— ミック・ジョーンズがMTVで」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%8D%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB_(%E6%9B%B2)
ははーん。しかし、それは無いでしょ、ミッちゃん(ミック)。実に苦しい言い訳にしか聞こえない。
クラッシュを辞めた後のミックの立場はよくわかるけど、ジョーが「俺はアメリカに慣れちまったよ」と歌ってたわけがないのは、私でもわかる。
アメリカの大群衆の前で凄いアジテーションをやったり(あれもミックがジョーについて行きたくなくなった原因の一つではないかと私は思っている)、
アメリカによる戦火でボロボロになった子供たちの写真をステージの大スクリーンに映し出したり、
『Charlie Don't Surf(ナパーム弾の星)』を歌ったジョーは、明らかに「アメリカにはもううんざりだ」の意味で歌ってたと思いますよ。
イギリスにアメリカ文化(刑事ドラマとか)が流入してくることにも、もちろん抵抗があっただろうけどね(アメリカへの反発を持っているイギリス人は多かった)。
ジョーとミックの方向性が違うことは、途中で明らかになったわけだけど、これを「俺はアメリカに慣れた」とか「アメリカは退屈だ」と訳したら、
クラッシュがクラッシュでなくなってしまう。
ミックはコンポーザーとして優秀で、良い曲をいっぱい書いているが、実はラブソングや友情の歌が好きで、
政治的にはジョーにつきあってたふしがある。
ジョーは社会主義者で、どちらかと言えば曲よりも詩の才能に優れていたし、本を沢山読んでいて、
主にジョーの政治的見解がクラッシュの政治的見解でもあったことは、後進のファンのために書いておきたい。
ザ・クラッシュ(Wikipediaより)
セックス・ピストルズと並んで、最も成功したパンクバンドの一つであり、また時代を象徴するロックバンドでもある。
1stアルバムは典型的なパンクだったが、徐々にレゲエやダブ、ゴスペル、フォーク、R&B、ロカビリー、ジャズ、スカ、カリプソといった様々な音楽的要素を取り入れ、
3rdアルバム『ロンドン・コーリング』では独自の個性を確立、シーンに大きな影響を与えた。また、ステージ上での激しいパフォーマンスも人々に記憶されている。
「ローリング・ストーン誌の選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティスト」において第28位。
(以下、追記)
何度かのメンバーチャンジが行なわれているが、「これぞクラッシュ」とファンが思うのは以下の四人(冒頭の写真もこのメンバー)。
・ジョー・ストラマー – ボーカル、リズム・ギター
・ミック・ジョーンズ – リード・ギター、ボーカル
・ポール・シムノン – ベース
・トッパー・ヒードン – ドラムス
そして、「歴史上最も偉大な100組の28位」は順位があまりに低過ぎるというのが、私の個人的見解。
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