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“東京の夜景”の被害者を二度と出さないために 長時間労働は解消に向かうのか…このままでは「ノー」だ  「韓国の見捨て方」
http://www.asyura2.com/16/senkyo218/msg/622.html
投稿者 軽毛 日時 2017 年 1 月 05 日 22:41:43: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学

“東京の夜景”の被害者を二度と出さないために


長時間労働は解消に向かうのか…このままでは「ノー」だ

2017年1月1日(日)
河合 薫
お正月限定企画として、日経ビジネスの人気連載陣に、専門分野について2017年の吉凶を占ってもらいました。
今年はどんな年になるのでしょう。

(お正月企画の記事一覧はこちらから)


 「深夜の仕事が、東京の夜景をつくる」―――。
 広告大手「電通」の社員で、2015年12月25日に過労自殺した高橋まつりさんは、生前母親にそう話していたそうだ。
 安倍首相が「最大のチャレンジ」と位置づける働き方改革。政府は2017年度予算案に前年度比3割増の2100億円規模を投じることとなった。安倍首相の本気度がかなり伝わる数字だ。
 だが、これで本当に長時間労働の解消は進むのだろうか? 
 結論から述べる。
 答えは「ノー」。残念だがノーだ。
 経営者が変わらない限り難しい、というか……無理。
 だって、日本は「現場一流、経営者三流」だから。
 どんなに「勤務間インターバル規制」(勤務終了時からその後の始業時までに、一定時間のインターバルの確保を義務付ける)を導入する中小企業に助成金制度を創設し(予算4億円)、どんなに労働基準監督官を増員しようとも、どんなに「22時以降は消灯」と宣言して会社の電源を落とそうとも、
「形のうえで制度を作っても、人間の“心”が変わらなければ改革は実行できません」(まつりさんの母親が命日に公開した手記より)。
 日本の経営者の“心”が三流である限り、長時間労働はなくならない。
 新年早々、少々辛辣な物言いに口を尖らせている方もいるに違いない。「心が三流」とは挑発的すぎやしないか?と。 
 ええ、そうなんです。挑発的です。でも、長時間労働がもたらす悲劇を考えれば、至極当然のこと。いったい何人の犠牲者を出せば、経営者は変わるのか。
 それに経営者の“心”とは「考え方、意識、理解」を意味し(私の解釈です)、それが三流といっているだけで、経営能力を根こそぎ否定しているわけではない。
 奇しくもまつりさんの母親が手記を公表した3日前の昨年12月22日。エイベックス・グループ・ホールディングスの松浦勝人社長が、長時間労働と残業代未払いなどに対する「(労基署からの)是正勧告を真摯に受け止め対応している」としながら、以下のようにブログで反論した。
「僕らの仕事は自己実現や社会貢献みたいな目標を持って好きで働いている人が多い。だから本人は意識してなくても世の中から見ると忙しく働いている人がいるのは事実。だからこそ会社の中にすぐ利用できる病院を作ったり、定期的にメンタルチェックをしたり、時間に限らない社員の労働環境をそれなりに考えてきたつもりだ。でも法律に違反していると言われればそれまで。僕らのやってきた事おかまいなしに一気にブラック企業扱いだ」(ブログより一部抜粋)
 氏の言いたいことが、わからないわけではない。だが、これもやはり経営者の「心」の問題と言わざるを得ない。電通の「鬼十則」も全く同じだ。
 そもそも「なぜ、長時間労働になるのか?」という根本的な理由を、どれだけの経営者が理解し、抜本的な対策を講じているのだろうか?
「人手不足」を作っているのは経営者である
 長時間労働の原因が「業務量の多さ」であることを否定する労働者はいないはずだ。
 ところが、これがひとたび「人手不足」という言葉に置き換わった途端、少子高齢化などの「人口構造」の問題のようなイメージになる。
 でも、違うと思いますよ。この「人手不足」を作っているのは明らかに経営者。そう。経営者の問題である。
 順を追って説明しよう。
 まずはこちらのグラフをご覧いただきたい。これは所定外労働の経験がある労働者に「残業が発生する理由」を聞いた結果だ。(「労働時間管理と効率的な働き方に関する調査」結果および「労働時間や働き方のニーズに関する調査」結果)
所定労働時間を超えて働く理由

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/200475/122700085/g1.JPG

 ご覧の通りトップは「業務の繁閑が激しいから、突発的な業務が生じやすい」で58.5%。次いで、「人手不足だから(一人当たり業務量が多いから)」が続いている(38.2%)。
 で、この回答を「労働時間の長さ」との関連で分析すると、残業の多い人ほど「人手不足」や「仕事の性格や顧客の都合上、所定外でないとできない仕事があるから」と回答する比率が高まり、週実労働時間が60時間以上の労働者では、57.4%が「人手不足」を、55.2%が「業務の繁閑」 を、さらには35.4%が「仕事の性格」を挙げた。
 本来「人手不足」とは「業務量」との比較で語られる言葉だ。しかも、「業務量」や「仕事の性格」は、経営者自身の責任でコントロールすべきもの。にも関わらず、「人手不足で長時間労働が解消できない」とはいかがなものか?
 このコラムで何度も書いていることだが、長時間労働が「悪」である理由は、過労死の直接的な原因になり得るうえ、過労自殺のトリガーとなるからに他ならない。
 何度でも繰り返すが、長時間労働はそれだけで「凶器」なのだ。
 先と同じ調査で、「強い疲労感やストレスを感じたことがありますか?」と質問したところ、「ほとんど毎日・しばしばあった」人の割合が3割を超え、週実労働時間が60時間以上の人を対象に分析すると、その割合は半数を超えた。
 さらに「(自分の)現在の働き方で健康に不安を感じる(健康不安)」とした人は実に7割に達し、 4人に1人が自らの「能力を充分、発揮できていない」としたのである。なんとなくサラリと読めてしまう結果だが、ここにこそ長時間労働の真の問題が潜んでいる。
「人手不足」なのに人員確保に取り組んでいない不思議
 「健康不安」は一般的にはなじみのない概念かもしれない。だが、健康社会学では数値としての「長時間労働」以上に危険とされている。
 健康不安は“overwork”。すなわち「自分の能力的、精神的許容量を超えた業務がある自覚」と言い換えられる(「若者を過労自殺に追い込む「平成の悪しき産物」」参照)。
 過労自殺には、
「長時間労働」⇒「overwork」⇒「精神障害」⇒「過労自殺」
という流れが存在し、“凶器”を凶器たらしめる危険かつ重大な役目を、健康不安(overwork)は担っている。
 健康不安の重大さを知らずとも、これだけ長時間労働が社会問題になっているので、企業だって指をくわえて見ているわけではない。先の調査では、92.6%の企業が「残業削減に向けで取り組んでいる」と回答。結構な割合である。
 ところが、である。
 取り組みの結果、所定外労働時間の長さが実際に「短縮された」割合は、その半数。たったの52.8%だ。
 「半数も効果あったんならいいじゃん」と反論する人もいるだろうけど、これは「半数しか」と捉えるべき。
 なぜなら、取り組みの結果が出ていないのは有給休暇も同じだから。労働者にとって唯一の「休む権利」といえる年次有給休暇の取得促進に向けて取り組んでいる企業は72.0%もあるのに対し、実際の取得日数が「増えた」割合は、わずか35.1%しかないのある。
 先のデータで「所定外労働の原因」に「業務の繁閑」「仕事の性格や顧客の都合上、所定外でないとできない仕事があるから」とした人にとっては、有給休暇は心身の回復を促す大きな「権利」だ。なのに、その権利さえ十分に行使できないなんて、やはり「半数“しか”」でしかない(ややこしくてすいません)。
 さらに呆れるのが、所定外労働の削減に取り組みながらも「効果が実感できない理由」だ。
 半数以上(50.9%)の企業が、長時間労働が発生している原因に「人手不足」を挙げながら、実際に「適正な人員確保」に取り組んでいる割合はわずか19.9%(全企業ベース)。人員不足を理由に挙げた企業に限ってみても、たった39.0%しか取り組んでいない。
 これって……「ウケる〜〜」。女子高生のこの言葉がいちばんしっくりくるくらい、「ええ〜〜〜っ!!???????」って事実が存在しているのだ。
 つまり、上記をまとめると次のようになる。
【労働者視点】
人手不足→長時間労働→パフォーマンスの低下→メンタル低下→離職(あるいは休職)→さらなる人手不足
【企業視点】
人手不足→長時間労働→パフォーマンスの低下→プレゼンティズムによる損失→生産性の低下→コスト増につながる雇用の抑制→さらなる人手不足
といった「魔の長時間労働スパイラル」に、今の日本ははまっているのである。
 ちなみに「プレゼンティズム(Presenteeism)」とは、出勤しているものの心身の不調などによりパフォーマンスが低下する状態を指す。
 プレゼンティズムは、欠席や休職を指す「アブセンティズム(Absenteeism)」より深刻な状況で、企業側の損失も大きい。
 大企業が負担する従業員の健康関連コストのうち、7割超がプレゼンティズムによるもので、15%が医療費、残りがアブセンティズムと労災と分析するデータもある。また、同僚などへのマイナスの影響も、アブセンティズムより高いと考えられている。
長時間労働した人ほど、出世が早い
 以上のことからわかるとおり、人手不足を解消する以外、長時間労働はなくならない。
 では、人手不足がなぜ生じているのか?不必要な会議など無駄な業務の存在、生産性の向上ではなく業務量の増大で売り上げをカバーしようとする経営方針……。
 長時間労働の原因や、そのデメリット、恐ろしさに対する「考え方、意識、理解」。絶対に解消するという「心」を経営者が持てるか、どうか。これですべてが決まる。
 ところが、実はここでも気になる数字が明らかになっている。
 なんと長時間労働した人ほど、出世が早い。限りなく黒に近いグレーが「はい、黒でしたよ〜」という結果が先の調査で示された。
 課長代理クラス以上の昇進のスピードと「残業」との関連を調べてみたところ、
・同時期入社等と比較して昇進が「早い」人は、「普通」ないし「遅い」人より1週間の実際の労働時間がやや長い。
・「1ケ月の所定外労働時間」が 45 時間を超えた人で分析すると、昇進が「早い」人は 51.4% と、「普通」(42.2%)あるいは「遅い」(39.2%)人を上回る
といったことが明らかになったのである。
 オーマイゴッド!これでは「何?長時間労働?そんなの当たり前でしょ。さすがに月100時間超えたときは、心臓がバクバクしてビビったけど、人手不足なんだから仕方ないよ」なんてことを、彼らがトップになったときに言いかねない。
 まさしく三流の心。人の「心」に大きな影響を及ぼす「経験」がこれでは、悲観的にならざるをえない。
 恐い。マジで恐い。実に恐ろしいことだ。
 働き方改革は一億総活躍社会実現に向けた「最大のチャレンジ」だと言うのなら、「取り組んだら助成金」だなんて生ぬるい飴で釣るのではなく、「違反したら罰金」と厳しいルールを設けなきゃダメ。
 長時間労働をさせられないように、インターバル規制と有休取得率向上を罰則付きで徹底して、「働けない」状況を作るしかない。
 そして、違反した企業は徹底的に公表すべし。そのときはメディアも是非とも「働く人」側に立って報じて欲しい。
 だって、長時間労働は「健康」とセットで考えなきゃならない問題なのだよ。過労死や過労自殺という“東京の夜景”の被害者を二度と出さないためにも。
「現場一流、経営者三流」と私が言う理由
 最後に、「現場一流、経営者三流」の理由を述べておきたい。
 これは経済協力開発機構(OECD)の「国際成人力調査(Programme for the International Assessment of Adult Competencies : PIAAC)」の結果で、ご覧のとおり日本の「労働者の質」は世界トップレベルであることがわかる。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/200475/122700085/g2.JPG

 PIAACは「経済のグローバル化や知識基盤社会への移行」に伴い、雇用を確保し経済成長を促すために、国民のスキルを高める必要があるとの認識から行われている。読解力、数的思考力、ITを活用した問題解決能力の3分野のスキルの調査と、年齢や性別、学歴、職業などに関する背景調査を併せて実施したものだ。
 この数値は「労働者の質の高さ」と、個人的には理解している。
 さらに、「技術者の質」を日米で比較すると
・米国では自動車製造業に従事している働く人たちのうち技術者が占める割合は10.1%。一方、日本では約半分の5.4%(=日本の現場労働者の技能の高さを示している)
・技術者の質(技術者1000人当たりの生産性)を、特許数を指標に日米で比較すると、1990年代中盤以降も日本の特許数は着実に上昇を続け、米国の水準を遥かに凌駕する高さを誇っている
・技術力の高さが経済価値の創出につながっているかを、GDP10億ドル当たりの延出願数(世界各地の国で出願・審査が完了し、登録された数)で見ると、日本の特許は米国の5分の1〜6分の1の経済価値しか生み出していない低さ
といった事実が明らかになっている(「日本の技術者──技術者を取り巻く環境にどの様な変化が起こり、その中で彼らはどの様に変わったのか」より)。
 つまり、日本の経営者は現場の「力」を生かし切れていない。
 「生産性を上げて人材不足を解消する」という仕事をしない経営者が、世界に誇る質を持つ労働者を「高齢化だし〜、女性たちもやめちゃうし〜、人材不足だから仕方がないよね〜」と、長時間労働させているのだ。
 念のため繰り返すが、これは「経営者の心」の問題である。
 だからこそ、希望がまったくないわけではない。
 旧態依然とした「考え方」を変え、「長時間労働がなぜ、悪なのか?」を常に意識し、「長時間労働が生まれるロジック」をきちんと理解すれば、変わると信じている。
 2017年は、そんな変化が始まる1年になってほしい。そして、冒頭で書いた私の予想が外れる1年になってほしい。
 心の底から、そう願っている。


このコラムについて
河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学
上司と部下が、職場でいい人間関係を築けるかどうか。それは、日常のコミュニケーションにかかっている。このコラムでは、上司の立場、部下の立場をふまえて、真のリーダーとは何かについて考えてみたい。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/200475/122700085/


 


2017年、日本が問われる「韓国の見捨て方」
早読み 深読み 朝鮮半島
反米・反日の加速は「凶」だが、「中吉」への努力惜しむな
2017年1月1日(日)
鈴置 高史
お正月限定企画として、日経ビジネスの人気連載陣に、専門分野について2017年の吉凶を占ってもらいました。
今年はどんな年になるでしょう。
(お正月企画の記事一覧はこちらから)


トランプ次期大統領とフリン次期国家安全保障問題担当補佐官。彼らが示す「対韓政策」はどうなるのか。中国はどう出るのか。米中の動向を先読みするところから、日本が韓国に対して打つべき手が見えてくる(写真:ロイター/アフロ)
(前回から読む)
 2017年の日韓関係を占えば「凶」だ。韓国で反米・反日政権が誕生する可能性が高いからだ。ただ、「韓国の見捨て方」次第では「中吉」に持って行けるかもしれない。
左派政権登場へ
 韓国の憲法裁判所は朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の弾劾訴追を審理中だ。2016年12月9日に国会が同案を可決したことを受けた(「韓国国会、朴槿恵弾劾案を可決」参照)。
 憲法裁判所は2017年6月上旬までに、弾劾を認めるか否かの結論を出す。もし弾劾を認めれば朴大統領は罷免され、60日以内に選挙が実施される。
 弾劾が棄却されれば論理的には朴政権は続く。ただ、下野を求める声が高まって、罷免されなくとも辞任に追い込まれるかもしれない。仮に大統領の座に「居座って」も、2017年12月には5年間の任期満了に伴う大統領選挙が実施される。
 いずれにせよ2017年中に行われる選挙では、左派の候補が当選する可能性が高い。弾劾の原因となった「国政壟断事件」により、保守への不信感が高まっているからだ。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/226331/122000084/kouho2.PNG

 事件の余波で保守の「セヌリ党」は分裂した。大統領選挙をまともに戦えるか疑問視されている。そもそも、同党は当選できそうな自前の候補者を持たない。
 国連事務総長を2016年末に引退したばかりの潘基文(バン・キムン)氏を担ぎたいところだが、潘氏が乗るかは不明だ。
 強硬保守には、弾劾可決に伴い大統領権限を代行している黄教安(ファン・ギョアン)首相を推す向きもある。検察の出身で、潘氏同様に選挙の洗礼を受けたことはない。
 朴大統領が首相に指名した人でもあり、出馬すれば強い反発が起きるのは間違いない。そんな黄首相に期待せざるをえないほど、保守は人材不足なのだ。
極め付きの「反米・反日」
 今年中に誕生するであろう左派政権は極め付きの「反米・反日」政権となりそうだ。「国政壟断事件」を契機に「韓国の国のかたちを正すべきだ」との声が高まっているからだ。
 保守政党、検察、財閥から保守系紙に至るまで「既得権集団」は朴大統領に連座する形で「世直し」の対象である(「『ロシア革命』に変容する『名誉革命』」参照)。
 「既存路線を否定する」動きは、外交政策にも及ぶ。ほとんどの大統領レース参加者は、THAAD(地上配備型ミサイル防衛システム)配備容認と、日本とのGSOMIA(軍事情報包括保護協定)締結・慰安婦合意――の3点セットを、朴政権の悪行中の悪行と非難する(「『キューバ革命』に突き進む韓国」参照)。
 2016年12月28日、野党第1党「共に民主党」の禹相虎(ウ・サンホ)院内代表は党の幹部会議で「政権交代後、必ず合意を無効化するよう努力する」と述べた。世論調査では同党の文在寅(ムン・ジェイン)前代表が次期大統領として1番人気になることが多い。
 釜山市東区がいったんは排除した日本総領事館前の慰安婦像の設置を12月30日に認めた。朝鮮日報の社説「東海と西海の向こうの不吉な兆し」(12月31日、韓国語版)は「文・前代表が東区役所を『親日』と非難したうえ『釜山市民らの像設置こそはまさしく独立宣言』と述べたからだ」と書いた。
 こうした動きを見て小躍りしたのが中国だ。左派政治家たちの反米・反日政策を後押しし始めた。THAADの配備中断が当面の狙いだが、在韓米軍撤収や米韓同盟の廃棄も射程に収める(「中国が操る韓国大統領レース」参照)。
韓国を「損切り」
 2017年1月20日には米国にトランプ(Donald Trump)政権が誕生する。発足前から中国に対する強腰の姿勢を見せる同政権は、朝鮮半島でも「白黒をはっきりさせる政策」を打ち出すと見られる。
 朴政権は「米中二股外交」を採用した。中国が台頭し米国からアジアの覇権を奪う時に備えた。オバマ(Barack Obama)政権は韓国の露骨な動きに苦笑しながらも、忍耐強く自分の側に引き戻そうとした。
 しかし辣腕の実業家、トランプ氏はそんな穏健な手は使わないだろう。韓国が米中を天秤にかけた瞬間に「どうぞ、中国側にお行き下さい」と言いかねない。
 トランプ政権で国家安全保障問題担当補佐官に就任する予定のフリン(Michael Flynn)元陸軍中将は2016年12月、訪米した韓国の外交部と国防部の高官に「米軍とTHAADの(韓国への)配備は、韓米同盟次元の正しい決定であり、韓米同盟の堅固さを象徴するものだ」と語った(「中国が操る韓国大統領レース」参照)。
 「韓国がTHAADなど拒否するなら、いつでも同盟を打ち切るぞ」との威嚇である。「朝鮮戦争を共に戦った血盟関係にある米国はわがままを聞いてくれる」という甘えは、もう通用しない。
 太平洋戦争が終わった時、米国にとって韓国は防衛線の外側の国だった。朝鮮戦争でたまたま面倒を見ることになった地域に過ぎない。というのに韓国は甘え続けてきた。優れたビジネスマンが「損切り」に出ても決して不思議ではない。
奇襲か妥協か
 トランプ政権は北朝鮮の核問題の解決に早急に動く気配だ。5回目の核実験(2016年9月9日)以降、米国の安保専門家は大声で「北の核・ミサイル施設への奇襲攻撃」を語り始めた(「米国が北朝鮮を先制攻撃する日、韓国と日本は?」参照)。
●北朝鮮の核実験
回数 実施日 規模
1回目 2006年10月9日 M4.2
2回目 2009年5月25日 M4.7
3回目 2013年2月12日 M5.1
4回目 2016年1月6日 M5.1
5回目 2016年9月9日 M5.3
(注)数字は実験によって起きた地震の規模。米地質研究所の発表による。
 奇襲攻撃により北朝鮮の核が除去された場合、韓国の左派政権は米韓同盟の破棄に動く可能性がある。主敵の脅威が減じた以上、中国との関係を悪化させる米韓同盟は邪魔になるからだ。
 一方、米国が電撃的に北朝鮮と妥協すると予測する向きもある。北が核・ミサイル開発を凍結すれば、見返りに平和条約を結ぶ、との構想だ。在韓米軍の撤収――さらには米韓同盟廃棄の呼び水となる。韓国に左派政権が誕生すれば、その可能性がぐんと増す。
 米韓同盟が消滅すれば日本は盾を失い、直接、大陸と向き合うことになる。日本にとって「凶」だ。
「離米」すれば中国側に
 日本はどう動くか。「トランプの米国」が韓国を見捨てるのを食い止めるのは難しい。結局、「韓国の見捨て方」の中で「日本にとって最も有利な形」へと誘導することになろう。まず、国際関係の激変を利用して、北朝鮮から拉致被害者を取り返す必要がある。
 もし日本に戦略家がいるなら、朝鮮半島全体の法的な中立化を目指すに違いない。放っておけば、米国から離れた韓国が中国に引き寄せられるのは確実だ。経済的な依存と軍事上の位置、そして長らく中国大陸の王朝に冊封していた歴史からである。
 米国から離れた韓国の港湾は中国海軍の根拠地となり、日本の安全を脅かすことになる。北朝鮮の港を含め朝鮮半島にはどこの国の軍艦も出入りできないようにするなど、歯止めが必要だ。
 もちろん「法的な中立化」が長続きするかは分からない。朝鮮半島の内部は常に不安定だ。そこに住む人々は周辺大国の力を借りて身内の敵に勝とうとしてきた。「法的な中立化」は一時しのぎの「中吉」に終わるかもしれない。ただ、半島全体が完全に中国化する「凶」よりはまだましなのだ。
※近未来小説『朝鮮半島201Z年』(2010年刊)は韓国の「離米従中」と朝鮮半島の中立化を予想した。
大好評シリーズ最新刊 好評発売中!
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『孤立する韓国、「核武装」に走る』

■「朝鮮半島の2つの核」に備えよ
北朝鮮の強引な核開発に危機感を募らせる韓国。
米国が求め続けた「THAAD配備」をようやく受け入れたが、中国の強硬な反対が続く中、実現に至るか予断を許さない。
もはや「二股外交」の失敗が明らかとなった韓国は米中の狭間で孤立感を深める。
「北の核」が現実化する中、目論むのは「自前の核」だ。
目前の朝鮮半島に「2つの核」が生じようとする今、日本にはその覚悟と具体的な対応が求められている。
◆本書オリジナル「朝鮮半島を巡る各国の動き」年表を収録
『中国に立ち向かう日本、つき従う韓国』『中国という蟻地獄に落ちた韓国』『「踏み絵」迫る米国 「逆切れ」する韓国』『日本と韓国は「米中代理戦争」を闘う』 『「三面楚歌」にようやく気づいた韓国』『「独り相撲」で転げ落ちた韓国』『「中国の尻馬」にしがみつく韓国』『米中抗争の「捨て駒」にされる韓国』 に続く待望のシリーズ第9弾。10月25日発行。


このコラムについて
早読み 深読み 朝鮮半島
朝鮮半島情勢を軸に、アジアのこれからを読み解いていくコラム。著者は日本経済新聞の編集委員。朝鮮半島の将来を予測したシナリオ的小説『朝鮮半島201Z年』を刊行している。その中で登場人物に「しかし今、韓国研究は面白いでしょう。中国が軸となってモノゴトが動くようになったので、皆、中国をカバーしたがる。だけど、日本の風上にある韓国を観察することで“中国台風”の進路や強さ、被害をいち早く予想できる」と語らせている。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/226331/122000084

 

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コメント
 
1. 2017年1月06日 21:31:07 : 2LiKY8ftgY : PTfAaIrqs6s[873]
過労死で 煙幕を張る 強かに

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