シリア ＩＳが世界遺産都市パルミラを再び制圧／nhk
12月12日 6時04分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161212/k10010803491000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_010

シリアでアサド政権と反政府勢力の攻防が続く中、過激派組織ＩＳ＝イスラミックステートが、一度は撤退した中部の世界遺産都市パルミラを再び制圧し、国際的なＩＳ包囲網で劣勢に立たされながらも一定の勢力を保っていることがうかがえます。

内戦が続くシリアでは、アサド政権の政府軍が、北部の主要都市アレッポの完全制圧に向けて、反政府勢力に攻勢をかけています。その一方で、アサド政権がことし３月に過激派組織ＩＳから奪還した中部の世界遺産都市パルミラでは、ＩＳが再び市内に侵攻し、ＩＳとつながりのあるメディアは１１日、パルミラを制圧したと伝えました。

シリアの国営ラジオも政府軍の撤退を認め、政権側の地元知事は短期間のうちに取り戻すと強調しました。ＩＳは去年５月にパルミラを制圧したあと、ことし３月に撤退するまでイスラム教の極端な解釈に基づいて神殿や墓などを次々に破壊しており、今回、ＩＳが再び制圧したことで、貴重な文化遺産の破壊が繰り返されないか懸念されます。

ＩＳは国際的な包囲網によって劣勢に立たされていますが、北部の都市アレッポをめぐる政府軍と反政府勢力の攻防の隙をついてパルミラを再び制圧した形で、一定の勢力を保っていることがうかがえます。

ロシア空爆で一時撃退 その後再制圧

パルミラでの攻防をめぐってロシア国防省は１１日、ロシア軍が一晩で６０回を超す空爆を行った結果、いったんはアサド政権の政府軍がＩＳを撃退したとして、世界遺産都市をＩＳの手から守ったと強調して見せました。

しかし、その後、ＩＳの戦闘員４０００人以上が再び市内に入り、ロシア軍が住宅地への空爆を避けている間に再び制圧される結果になったとしています。
　

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