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トランプ次期大統領を待ち受ける不穏な世界 ロシアとトルコ絆強める大使殺害事件 オマバに残された仕事、対ロ「さよなら」作戦
http://www.asyura2.com/16/warb19/msg/365.html
投稿者 軽毛 日時 2016 年 12 月 21 日 14:02:11: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

トランプ次期大統領を待ち受ける不穏な世界
ロシア大使射殺とベルリン襲撃が浮き彫りにしたものとは?


By CAROL E. LEE AND DAMIAN PALETTA
2016 年 12 月 21 日 10:30 JST 更新

 今週に相次いで起きたロシアの駐トルコ大使射殺と、独ベルリンでのトラックを使った襲撃。両事件はドナルド・トランプ次期米大統領が数週間後に直面する国際情勢が一触即発の状態であることを浮き彫りにした。また、一連の事件に対する同氏の最初の反応は、次期米政権がこうした不測の事態に、オバマ大統領とはかなり異なる対応を取るであろうことをうかがわせる。

 この2つの事件の数時間後にトランプ氏が出した声明は、ホワイトハウスの声明とは好対照を示した。トランプ氏はアンカラでのロシア大使射殺に関し、犯人の動機についてトルコ当局が結論を下していないうちに、「イスラム過激派テロリスト」による犯行だと決めつけた。一方、オバマ大統領は「テロと断固対峙する決意である」と強調する声明を出しただけだった。

悲しみに暮れる独ベルリン トラック突入事件

 19日にクリスマス市場の群衆にトラックが突入する事件が発生したドイツの首都ベルリン中心部では、犠牲者を悼む人々が現場近くのカイザーウィルヘルム記念教会前に花束を手向けた。この事件では少なくとも12人が死亡、約50人が負傷した。

Firefighters walk past ambulances.
A view of the truck on Tuesday that crashed into a Christmas market in Berlin. German police said they were treating the incident as “a probable terrorist attack.”
A police officer positions concrete blocks that will be used in new security measures at the entrance to the Striezelmarkt Christmas market in Dresden, eastern Germany.
People gather to lay down flowers outside the Gedaechniskirche near the area where a truck plowed into the crowded Christmas market.
Police officers inspect the crime scene.
A police officer puts a suspect into a police van in Berlin.
Authorities inspect the truck.
Medics attend to an injured person after the truck crashed.
Firefighters walk past ambulances.
A view of the truck on Tuesday that crashed into a Christmas market in Berlin. German police said they were treating the incident as “a probable terrorist attack.”
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Firefighters walk past ambulances. MICHAEL SOHN/ASSOCIATED PRESS A view of the truck on Tuesday that crashed into a Christmas ... A police officer positions concrete blocks that will be used in new security measures at the entrance to the Striezelmarkt Christmas market in Dresden, eastern Germany. ARNO BURGI/EUROPEAN PRESSPHOTO AGENCY People gather to lay down flowers outside the Gedaechniskirche near the area where a truck plowed into the crowded Christmas market. PAWEL KOPCZYNSKI/REUTERS Police officers inspect the crime scene. MARKUS SCHREIBER/ASSOCIATED PRESS A police officer puts a suspect into a police van in Berlin. TVNEWSKONTOR/ASSOCIATED PRESS Authorities inspect the truck. ODD ANDERSEN/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES Medics attend to an injured person after the truck crashed. ODD ANDERSEN/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES Firefighters walk past ambulances. MICHAEL SOHN/ASSOCIATED PRESS A view of the truck on Tuesday that crashed into a Christmas market in Berlin. German police said they were treating the incident as “a probable terrorist attack.” TOBIAS SCHWARZ/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES

 トランプ氏は、ベルリンでのトラック突入に関しても「おそろしいテロ攻撃」と断じたのに対し、ホワイトハウスは「テロ攻撃とみられる恐ろしい事件」と評した。

 中東専門家のジェームズ・ジェフリー氏は、オバマ氏がイスラム教と過激主義とを結び付けない姿勢を一貫してとってきたのに対し、トランプ氏が今回の2つの事件を直ちに「イスラム教徒の」テロと断定したことについて、トランプ氏が大統領選中にしばしばオバマ氏を批判するのに利用してきた手法だと分析する。オバマ政権下でイラク大使を務め、現在はワシントン近東政策研究所の客員研究員であるジェフリー氏は、「オバマ氏は思慮深いが、なかなか決断しない。オバマ氏は怒らないし、短気を起こさない。だが、指導者にはそうした面は必要だと思う」と語る。

 トランプ氏は、中東や欧州、アジアの外交政策上の多くの課題について方針を明確に示していない一方で、ロシアに対して融和的な姿勢を見せており、米国の同盟国や議会に懸念を生んでいる。

 トランプ氏の側近らは、どのような情報に基づきベルリンとアンカラでの事件に関する声明を出したのかとの質問に回答していない。ホワイトハウス当局者は両事件について、トランプ氏がオバマ氏とは違う情報や、より具体的な情報を得ているのかどうか分からないと述べている。

<これまでになく複雑なテロの脅威>

 トランプ氏が11月8日の大統領選に勝利して以降、中国による米軍の潜水機奪取という挑発行為や、ロシアが米大統領選でサイバー攻撃を仕掛けたとする米情報機関の結論をめぐるロシアとの対立激化など、さまざまな外交問題が浮上している。トランプ氏は、中国による潜水機奪取についてツイッターで「前代未聞の行為」と非難。一方で、ロシアによるサイバー攻撃疑惑に関しては情報機関の評価に疑問を呈した。

 戦略国際問題研究所(CSIS)のジョン・オルターマン副所長(中東プログラム責任者)は、大統領たる者はさまざまな脅威をすべて同時に比較検討できなければならないと指摘する。「核によるアルマゲドンを食い止めようとしているのか。敵対国が同盟国を攻撃するのをやめさせようとしているのか。国内でのテロ発生を未然に防ごうとしているのか。大統領はそうした異なる問題のすべてに対処する必要がある」

 また、国土安全保障省の元テロ対策調整官だったラトガース大学のジョン・コーエン教授は、米欧がこれまでになく複雑なテロの脅威に直面し、それらの脅威を単純化することは適切ではなさそうな状況にある時に、トランプ氏は大統領に就任すると指摘。「『イスラム過激派』といった言葉を使って、事態をあまりに単純化してとらえようとする向きがあるが、現在生まれている脅威はテロ対策機関がこれまで対応してきたものとはまったく違う」とくぎを刺す。

 トランプ氏は、外交政策チームの重要ポストである安全保障担当補佐官や国防長官、国土安全保障長官に退役将官を起用。国務長官には、国際経験はあるものの、他国の内戦に介入したり、人道上の危機に対処したりする必要のなかった民間企業のトップを登用した。外交専門家らは、トランプ氏が異例の陣容で、大統領就任後直ちにこうした試練に立ち向かうことになると語っている。

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Column | 2016年 12月 21日 12:25 JST 関連トピックス: トップニュース
コラム:
ロシアとトルコの絆強める大使殺害事件

Sarah Hurst

[ロンドン 20日 ロイター BREAKINGVIEWS] - トルコの首都アンカラで19日、ロシア大使が射殺された事件は、両国の関係に深い傷を負わせなかったのかもしれない。それどころか、共通の仮想敵の存在は、両国の独裁的指導者を一層強く結びつける可能性がある。

2015年11月にトルコ軍がロシア軍機を撃墜した事件はロシアを怒らせ、同国はトルコ製品の輸入を禁止した。しかしトルコのエルドアン大統領はその後謝罪し、制裁は解除された。大統領は最近、トルコ軍がシリアでロシアが支援するアサド大統領の打倒を狙っていると発言したが、この発言も撤回している。

アンドレイ・カルロフ駐トルコ大使の射殺に対する両国の反応は、驚くほど足並みがそろっていた。両国の政治家はすぐさま、銃撃の狙いは両国関係の分断だと非難。トルコ・メディアは犯人について、7月15日のエルドアン大統領に対するクーデター未遂事件後に失職した警察官だと伝えている。犯人もその場で射殺された。クーデターの際には、米国に事実上亡命しているトルコのイスラム指導者ギュレン師(75)を支持したとして数万人のトルコ人が拘束あるいは更迭されている。トルコ側は今回の銃撃犯を「ギュレニスト」と呼んだ。これは犯人が西洋諸国の後ろ盾を得ていたことをあからさまに示唆するものだ。トルコ国営メディアは既に米中央情報局(CIA)の関与を指摘している。

強い経済関係で結ばれるトルコとロシアにとって、外部の犯人は好都合だ。ロシアはトルコから食品や消費財を輸入し、トルコ人の建設労働者に多くを頼っている。ロシア人にとって、トルコは人気の旅行先だ。ロシアの天然ガスを黒海経由でトルコに供給するパイプライン「ターキッシュ・ストリーム」建設計画の再開も視野に入っている。

その上、両国はともに経済に問題を抱えている。産油国のロシアは石油安と国際制裁に直面。トルコリラは7月のクーデター未遂以来、対ドルで20%超下落し、エルドアン大統領は市民に外貨をリラに両替するよう促している。トルコの国内総生産(GDP)は算出方法の変更により最近20%も増えたように見えるが、第3・四半期は前年同期比で1.8%減少し、7年ぶりのマイナス成長となった。

ロシア、トルコ、イランの外相は20日、モスクワでシリア和平について協議した。ロシアとイランの支援を受けたアサド政権軍によるアレッポ制圧を、トルコは渋々ながら受け入れた。欧州連合(EU)など西側の意図に反し、ロシアとトルコの絆は強まる公算が大きい。

●背景となるニュース

*トルコの首都アンカラで19日、ロシアのアンドレイ・カルロフ駐トルコ大使が銃撃され死亡した。犯人は警察に射殺される前、銃撃はアレッポを巡るロシアの行動に対する報復だと叫んでいた。

*トルコのエルドアン大統領は同日、プーチン・ロシア大統領と電話会談した後、「これは挑発行為であるとの認識でプーチン氏と一致した」と述べ、「連帯を強化することで合意した」と付言した。

*プーチン大統領は政府高官らとの会談で「殺人犯をだれが操っていたのか突き止める必要がある」と発言。アンカラに捜査員を送り、トルコ当局と協力させる意向を示した。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

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Column | 2016年 12月 21日 11:25 JST 関連トピックス: トップニュース
コラム:

オマバ氏に残された仕事、対ロ「さよなら」作戦

Tim Weiner

[18日 ロイター] - 判決は全員一致である。オバマ米大統領も、米国のあらゆる情報機関関係者も、ロシアのプーチン大統領が高度な諜報作戦を実行し、米国の民主主義を混乱させ、ドナルド・トランプ氏を次期大統領に当選させたことで見解が一致している。

反対意見は1人だけ。トランプ氏本人だ。

オバマ大統領は、米国は自らの選択する時期と方法によって対応する、と宣言している。本稿執筆時点で、反撃のために彼に与えられた時間は1カ月だ。刻限は迫っている。

ホワイトハウス、国防総省、中央情報局(CIA)には、厳格に隔離された部屋にしまいこまれた緊急対応計画が用意されている(理論的には、「ロシアから」隔離されているわけだが、最近はどうだろうか)。

こうした計画が発動されれば、ロシア政府首脳、情報機関、新興財閥(オリガルヒ)の痛いところを突けるはずだ。米国は、彼らのコンピューター基板やオフショア口座に預託された資金を攻撃できる。プーチン大統領配下のスパイネットワーク内に、多機能なマルウエアを仕込むこともできる。政治機構をまひさせることも可能だ。

オバマ氏が冷戦期の記録をひもとけば、大統領任期の最後を締めくくるにふさわしい大規模な諜報作戦のお手本が見つかるだろう。作戦のコードネームもぴったりだ。「フェアウェル(さよならの意)」である。

1975年(プーチン氏がソ連の諜報部員になった年だ)の時点で、モスクワでは「ラインX」と呼ばれる諜報部隊が活動しており、国家保安委員会(KGB)の科学技術局、軍事諜報活動を専門とするソ連参謀本部情報総局(GRU)、そして東欧各国の情報機関と協力関係にあった。その使命は、西側から軍用・民生用の別を問わず、最先端のソフトウエア、ハードウエアを盗み出すことである。ソ連は科学技術の点で米国より10年は遅れていた。追いつかなければ、いずれ崩壊してしまう。

1981年、オタワで開かれた経済サミットの場で、米国のレーガン大統領は、フランスのミッテラン大統領と会談した。彼らは英仏2カ国語を話せる情報機関当局者を通訳として言葉を交わした。ミッテラン氏は生涯にわたる社会主義者だったが、頑固な資本主義者であるレーガン氏のために、ソ連に対抗する最終兵器になり得る貴重なプレゼントを用意していた。

フランスは、KGB内部に内通者を確保していた。ウラジミール・ベトロフ大佐である。「フェアウェル」とは、ベトロフ大佐を指すコードネームだった。ベトロフ大佐は「ラインX」の活動を詳細に記した4000件もの文書を提供していた。そこに記載されていたのは、航空機用レーダーシステムのソフトウエア、軍用機および弾道ミサイル防衛の設計、スペースシャトルからエネルギープラントに至るまで、ありとあらゆる用途のコンピューターシステム、つまり米国の軍産複合体の精華を盗むことを狙った、多年にわたる諜報作戦だった。

ウィリアム・J・ケイシーCIA長官と、元CIA長官であるジョージ・H・W・ブッシュ副大統領は、「フェアウェル文書」の要旨を読み、リチャード・V・アレン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)にもこの情報を伝えた。アレン補佐官は、ソ連側への対抗策として、長期にわたるスローペースで分かりにくくはあるが、破壊的な効果をもたらす反撃作戦を考案すべく、政権スタッフだったガス・ワイス氏の支援を求めた。ワイス氏が1996年にCIA向けにまとめた事後報告は、CIAのウェブサイトで閲覧することができる。

20年後、アレン氏は口述史編纂用のインタビューのなかで「それは素晴らしいプランだった」と語っている。「われわれはまず、ソ連に質の低いテクノロジーを流すことから始めた。出来の悪いコンピューター技術、役立たずの石油掘削技術などだ。そのようなテクノロジーを大量に流した。彼らが喜ぶようなガラクタを好きに盗ませた」

腐敗した防衛産業関係者を演じたのは米連邦捜査局(FBI)の捜査員だった。愚かなソ連のスパイに、彼らが求めている以上のものを提供した。次世代兵器用の半導体、化学プラントの設計図、最新鋭のタービンなどだ。いずれも分かりにくく、致命的な欠陥を抱えていた。こうした「トロイの木馬」の群れは、じきに暴れ始め、ロシアという熊に噛みつくようになった。

そのうえで、米国は真の一撃を食らわせることを決意したのである。

ソ連は、当時建設中だったシベリア─東欧間の大規模な天然ガス輸送パイプラインに必須の圧力計とバルブを制御するための高度なコンピューターシステムを必要としていた。CIAとFBIは、密かにソ連の「ラインX」担当者をあるカナダ企業へと誘導した。彼が盗んでくるよう命じられたソフトウエアそのものを保有している企業だった。ソ連政府は大いに満足した。そのソフトウエアと半導体は1982年にシベリア横断パイプラインに組み込まれた。数カ月が経過した後、ゆっくりとではあるが、圧力は小刻みに高まっていった。そして、ツンドラの凍土のなかで大爆発が起きた。

もちろん、逆の立場からすれば、これをテロ行為と見ることもできよう。だが、死者は1人も出ていない。冷戦という背景のもとでは、これはフェアプレーだった。CIAはジョン・マクマホン副長官を西欧諸国に派遣することで、「フェアウェル」作戦の最後の仕上げをした。彼は、「ラインX」の担当者と海外諜報員200人の氏名を記したリストを携えていた。彼はそれを北大西洋条約機構(NATO)諸国の情報機関に提供したのである。

米国は、CIA、FBI、国防総省、国家安全保障会議の協調による反撃として、諜報作戦用のさまざまな武器を駆使した。政治戦、サイバー攻撃、戦略的欺瞞(ぎまん)、経済的妨害行為などである。今日、ロシアによるグローバルかつ高度な諜報作戦に対する適切な対応として、「フェアウェル」作戦の教訓をどのように生かせるだろうか。

オバマ氏は、ロシアによるハッキングに関する情報を収集し、大統領の座を離れる前に徹底的な報告を発表する程度の対応にとどめたいと考えているかもしれない。だが、彼がプーチン大統領を罰したいと考える可能性もある。

これから行われる攻撃は、最初のうちは米国民の目には触れないかもしれないが、プーチン氏にとっては歴然たる影響を感じられるようなものでなければならない。ロシアが使ったようなサイバー兵器が、逆にロシア政府に対して使われる可能性もある。ロシア首脳や新興財閥の最も脆弱(ぜいじゃく)な部分を攻撃する、つまり彼らの政治的・人格的・金銭的な秘密を暴露・公表することもできる。ちょうど、プーチン氏が民主党の秘密を盗み、ヒラリー・クリントン氏を傷つける武器に転化させたように。

米国の政治システムに対するプーチン氏の攻撃から何か学ぶべき点があるとすれば、それは昔ながらの重要な教訓、「情報は力である」ということだ。プーチン氏が自ら提供した良薬の苦さを気に入るかどうか、われわれにもじきに分かるかもしれない。

*筆者はピュリツァー賞を受賞した著述家。著書に “Legacy of Ashes: The History of the CIA”(「CIA秘録─その誕生から今日まで」)など。

*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。(翻訳:エァクレーレン)
 

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メルケル首相、ベルリン襲撃で一層厳しい局面に
議論の中心は難民政策の是非に移っている
ベルリンのクリスマス市で起きたトラック襲撃事件の犠牲者を追悼するメルケル首相ら ENLARGE
ベルリンのクリスマス市で起きたトラック襲撃事件の犠牲者を追悼するメルケル首相ら PHOTO: HANNIBAL HANSCHKE/REUTERS
By ANTON TROIANOVSKI
2016 年 12 月 21 日 09:08 JST 更新

【ベルリン】ドイツの首都ベルリンのクリスマス市で19日発生したトラックでの襲撃事件。事件の全容は依然として明らかになっていないが、既に明確になったことが1つある。それはメルケル首相にとって状況が転換点に達したということだ。

 市民ら12人が死亡したトラック襲撃から1時間後、ある有力ナショナリスト政治家は、犠牲者たちを「メルケルのせいで死んだ人々」と呼んだ。翌20日朝までに、メルケル氏にとって最も大切な保守派の同志であるキリスト教社会同盟(CSU)のホルスト・ゼーホーファー党首(バイエルン州首相)は、メルケル氏の移民政策を再考する時期だと述べた。また同日正午までに、メルケル氏自身、襲撃の政治的な影響を認識していると発言した。そして、早期の兆候からみると亡命希望者が襲撃の背後にいた可能性があり、そうであるならば「卑劣だ」と述べた。

悲しみに暮れる独ベルリン トラック突入事件
 19日にクリスマス市場の群衆にトラックが突入する事件が発生したドイツの首都ベルリン中心部では、犠牲者を悼む人々が現場近くのカイザーウィルヘルム記念教会前に花束を手向けた。この事件では少なくとも12人が死亡、約50人が負傷した。

Firefighters walk past ambulances.
A view of the truck on Tuesday that crashed into a Christmas market in Berlin. German police said they were treating the incident as “a probable terrorist attack.”
A police officer positions concrete blocks that will be used in new security measures at the entrance to the Striezelmarkt Christmas market in Dresden, eastern Germany.
People gather to lay down flowers outside the Gedaechniskirche near the area where a truck plowed into the crowded Christmas market.
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A police officer puts a suspect into a police van in Berlin.
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Medics attend to an injured person after the truck crashed.
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Firefighters walk past ambulances. MICHAEL SOHN/ASSOCIATED PRESS A view of the truck on Tuesday that crashed into a Christmas market in Berlin. German police said they were treating the incident as “a ... A police officer positions concrete blocks that will be used in new security measures at the entrance to the Striezelmarkt Christmas market in Dresden, eastern Germany. ARNO BURGI/EUROPEAN PRESSPHOTO AGENCY People gather to lay down flowers outside the Gedaechniskirche near the area where a truck plowed into the crowded Christmas market. PAWEL KOPCZYNSKI/REUTERS Police officers inspect the crime scene. MARKUS SCHREIBER/ASSOCIATED PRESS A police officer puts a suspect into a police van in Berlin. TVNEWSKONTOR/ASSOCIATED PRESS Authorities inspect the truck. ODD ANDERSEN/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES Medics attend to an injured person after the truck crashed. ODD ANDERSEN/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES Firefighters walk past ambulances. MICHAEL SOHN/ASSOCIATED PRESS A view of the truck on Tuesday that crashed into a Christmas market in Berlin. German police said they were treating the incident as “a probable terrorist attack.” TOBIAS SCHWARZ/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES


 メルケル氏が発言した数時間後、警察当局は拘束した容疑者を証拠不十分として釈放。この容疑者はパキスタン人男性で、昨年大みそかに難民としてドイツに入国していた。しかし、事件発生からすぐに議論の中心はメルケル氏の難民政策の是非に移っており、それは、来年9月の連邦議会選挙(総選挙)で再選を目指す同氏が57%という支持率であるにもかかわらず、いかに立場が不安定かを浮き彫りにしている。

 ベルリン自由大学の政治学者オスカー・ニーダーマイヤー氏は「ドイツの有権者は投票行動で、以前よりもはるかに柔軟になっている」とし、「その結果、このような引き金になる出来事が状況を変化させる可能性が十分にある」と語った。

 ドイツでは、難民危機に対するメルケル首相の対応をめぐって世論が割れており、その結果、政治状況は近年で最も不透明になっている。メルケル首相率いる中道右派政党のキリスト教民主同盟(CDU)が最近の州議会選挙で支持者を失い、新興極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」に票を奪われている。

 そうしたなかでメルケル首相は過去数カ月間、当初はリベラルだった難民政策を厳しくした。例えば、亡命申請を拒否された申請者について、国外送還の迅速化と、新たな流入の阻止を約束した。しかしこうしたシフトは最近、メルケル氏支持率を押し上げたものの、同氏に批判的な人々をなだめるまでには至っていない。

 20日、ベルリン中心部のジャンダルメンマルクト広場を散策していたクリスチャン・フーグラーさんは「われわれはナイーブ(甘い考え)だった」とし、メルケル首相が国境閉鎖を拒否していたことがトラック襲撃の原因になったと述べた。フーグラーさんは「今後は状況がさらに悪化するだけだろう。難民や移民が来れば来るほど、ドイツ社会は構造的に緊張の度を増すのだ」と語った。

<盟友の厳しい言葉>

 バイエルン州アンスバッハで今年7月に自爆テロが発生し、15人が負傷した事件の際、メルケル首相は直ちに記者会見を行わなかった。昨年大みそかにケルンで発生した性的暴行事件の際もそうだった。しかし今回は、事件発生の数時間後にカメラの前に立ち、現場も視察した。

‘犠牲者たち、被害を受けた人々、そして国民全体に対し、移民・治安政策全体を再考し、調整する義務がある’
—ゼーホーファーCSU党首
 さらにメルケル首相は、襲撃の背後に移民がいるとの報道にも言及。ベルリンの首相府で記者団に対し、「この行為を犯した人物がドイツで保護と亡命を求めていたことが確認されたら、われわれすべてにとってとりわけ耐えがたいことになる」と述べた。

 通常、あらゆる事実を把握するまでは事件についてコメントを避けるメルケル氏としては異例の対応だ。

 メルケル氏の政治的盟友であるゼーホーファーCSU党首はミュンヘンで、「われわれは犠牲者たち、被害を受けた人々、そして国民全体に対し、移民・治安政策全体を再考し、調整する義務がある」と語った。

 この厳しい言葉は、選挙が来年に迫っているとはいえ、ゼーホーファー氏がメルケル首相に戦いを仕掛けることも辞さない姿勢を示唆したものだ。

 過去数カ月間、ドイツ政治家たちの間では、メルケル氏は来年の総選挙で勝利して4期目に入るだろうが、テロ攻撃が発生すれば潮目は変わるとの声が出ていた。極右政党のAfDがメルケル氏の保守政党CDUの票を食ってしまい、左派連立勢力が政権を握る道を開く可能性もあるというのだ。

 前出の政治学者ニーダーマイヤー氏は「それが多くの人々の恐れるシナリオだろう」と述べた。

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コメント
 
1. 2016年12月21日 23:25:59 : vMJ0yuir6o : Hn@Xd@O@XTo[8]
トランプがシリアの悪夢から逃れるのは簡単である。シリアでの負けを認めてアメリカがこの地域から引き揚げればいいのである。

それでこそアメリカファーストだ。


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