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川島博之 都市戸籍を持つ4億人を農村戸籍を持つ9億人が支えるいびつな国家 中国
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/306.html
投稿者 中川隆 日時 2017 年 11 月 17 日 16:28:14: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: 中国が尖閣・沖縄を乗っ取ろうとする理由 投稿者 中川隆 日時 2017 年 8 月 23 日 09:53:39)

中国生活「モノ」がたり〜速写中国制造

「ケ小平は今の習体制をボロクソに言うかも」
山田 泰司 東京大学大学院農学生命科学研究科准教授・川島博之氏を迎えて(1)2017年11月15日
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/258513/111400054/

 10月に開催された第19回中国共産党全国代表大会を経て、2期目をスタートさせた習近平(シー・ジンピン)国家主席。トランプ大統領の訪中においてはその外交術によって大きな不利なく交渉を終わらせ、またその後のアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議では、多国間の自由貿易を支持すると述べ大きな賛同を得た。習主席の手腕により、盤石な体制が築かれつつあると感じている向きも多いのではないだろうか。

 その一方で、経済成長も緩やかになる中、中国は問題も抱えている。その中でも最も大きいと考えられるのが、この連載でも幾度となく取り上げてきた国民の中で大きくなる“格差”であろう。先日の「独身の日」にはアリババ集団だけの取引額が1600億元(2兆7000億円)を突破するなど、消費が盛り上がっているのも事実。ただ一方で、そのような繁栄には取り残され貧困にあえぐ人たちが大勢いる。主に消費を盛り上げているのは、都市に戸籍を持つ都会人。農村に戸籍を持つ農民は中国の発展を支えた功労者でありながら、豊かにはなれない。

 都市戸籍を持つ4億人を農村戸籍を持つ9億人が支えるいびつな国家である中国。その実態を紹介した書籍

『戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊』(川島博之著、2017年、講談社)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4062915065/ref=as_li_qf_sp_asin_il_tl?ie=UTF8&tag=n094asyuracom-22&camp=247&creative=1211&linkCode=as2&creativeASIN=4062915065&linkId=d8cf9d4bb2d1cb7a8a5a8a325ee361de


は近著

『3億人の中国農民工 食いつめものブルース』
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4822258556/ref=as_li_qf_sp_asin_il_tl?ie=UTF8&tag=n094asyuracom-22&camp=247&creative=1211&linkCode=as2&creativeASIN=4822258556&linkId=8a01f7910faf7d6b27fba64ed992ed86


と通ずるところが多くある。今回から3回にわたって、川島博之・東京大学大学院農学生命科学研究科准教授をお招きして中国の近未来について語ってもらった様子を紹介する。

川島博之
東京大学大学院農学生命科学研究科准教授
1953年、東京都に生まれる。東京大学工学博士。専門は、環境経済学、開発経済学。2011年には、行政刷新会議ワーキンググループ(提言型政策仕分け)の評価者を務める。1977年、東京水産大学卒業。1983年、東京大学大学院工学系研究科博士課程単位取得のうえ退学。東京大学生産技術研究所助手、農林水産省農業環境技術研究所主任研究官、ロンドン大学客員研究員などを歴任。(写真=深澤明、以下同)


山田:本日はよろしくお願いいたします。

 先生ちょっとご覧になっていただきたいものがあるんです。これは先生が執筆された書籍

『農民国家・中国の限界』(2010年、東洋経済新報社)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4492443673/ref=as_li_qf_sp_asin_il_tl?ie=UTF8&tag=n094asyuracom-22&camp=247&creative=1211&linkCode=as2&creativeASIN=4492443673&linkId=b613f8e8c27c77bd9fe06fd5fa85b3fc

です。その当時買って、このように付せんをいっぱい付けて読んでいたんです。まさか先生と対談するようなことになると思っていませんでした。非常に光栄です。

川島:そうですか。ありがとうございます。

山田:私、仕事柄、中国関連の書籍をいろいろ読むのですが、この10年間で読んだ書籍の中で、こちらの本には大変感銘を受けました。

 中国にいると、中国にいなくてもそうかもしれないですが、疑問に感じることがあります。多くの中国人はそんなに収入がない。例えば給料の明細上は3000元(約5万1000円)しか収入がない。そういう人たちがどうして銀座とかで買い物がばんばんできるんだと。説明のつかないことがたくさんあります。

川島:そうですね。

山田:ただし、それについて中国専門家の人が書いたものでちゃんと答を書いてくれているものが本当にないですね。

川島:ないですね。


山田:一番不思議なのはお金の出所なんですよ。なおかつ私は個人的に地方から出稼ぎに来ている農民工の人たちに興味を持っていろいろ話をしている中で、そういう疑問みたいなものがだんだん膨らんできた。そうした中で先生の本を読んだら、土地の開発公社、それとその周辺の人間が土地を転がして大変な富を生み出していると書いてありました。そういったことを統計を読み解いていろいろ教えていただき、本当に目からうろこでした。先生は農業のご専門ですよね。

川島:そうです。

山田:誤解を恐れずに言うと、中国がご専門ではないですよね。

川島:違いますね。アジアの農業と開発が専門です。

山田:だから、かえってそういう大きい視点でご覧になっているから、中国をお分かりになるんじゃないのかなと思ったのです。とにかく日本人は、特にバブルが崩壊してからこの20年、中国のことを冷静に見られなくなっているように思います。1つはやっかみから見られなくなっているという気もします。

川島:私もそう思います。


山田泰司

山田:そうですよね。そのころから例えば反中、嫌中の本がものすごく売れるようになった。だから本当に中国を冷静に見て書かれた、しかも平易に書いている本というのがなかなかなくて。そういう中でこの本に出合って非常に印象に残っていました。

川島:私も中国の農村を度々訪ねていて、実際に見ているんですよ。山田さんも見ているんですよ。ただ、中国関連の書籍を書いている人って、ホテルに泊まって向こうの学者と話しているだけの人が多いんだよね。

 日本の学者の中でそれなりの地位を築くと、日本の科学研究費などで中国と共同研究をやろうと。今は中国もお金を持っているので。中国と10年、20年一緒に仲良くやっていくと、ちょっと悪い言い方だけど向こうのペースに乗せられちゃう。向こうのことをおもんぱかると、実態とか書けないんですよね。

山田:そうですね。

川島:それは私は、不幸だと思うし。私は中国や文科省からはお金はもらっていないし、一番ある意味で冷静なことを書ける。中国に遠慮することないし。そんなことで、最近では『戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊』を出版しました。

習主席と安倍首相は1歳違い

山田:世代的にいうと、先生は安倍晋三首相と同じ世代ですよね。

川島:同じです。安倍首相は私の1つ下。

山田:そうですよね。安倍首相と習近平国家主席も1歳違いですよね。

川島:だから、私は習主席と同じ歳です。習主席が文化大革命(1966〜1976年)の時期に反動学生として下放されていた時代、私も高校から大学の時期に当たるんです。だから、習主席にはものすごく親近感があるというわけではないけど、長い目で習主席がどうなるかを見てみたいと思います。悲観的に見ているんですけど。

山田:私は、安倍首相と習主席が1歳違いでほぼ同世代ということに非常に関心があります。ほぼ同時期に、同じ時代にあの2人が中国と日本で台頭してきたということに、共通する背景がないのかなと。ただ、それを政治家に直接取材するわけにいかないので、同じ年代の市井の人たちをインタビューすることで何か浮かび上がってくるのではないかと考えていて、次の仕事にしようとも思っているんです。

川島:今の64歳ね。

山田:先生は同じ世代としてどのようにお考えですか。

 

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コメント
 
1. 中川隆[-5877] koaQ7Jey 2017年11月17日 16:33:02 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

東京大学大学院農学生命科学研究科准教授・川島博之氏を迎えて(3)
山田 泰司 2017年11月17日(金)
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/258513/111600056/


 絶望的な状況に置かれた中国の農民の姿を描いた書籍『戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊』を執筆した川島博之・東京大学大学院農学生命科学研究科准教授との対談も今回で最終回。都市戸籍を持つ4億人が農民戸籍を持つ9億人から搾取するといういびつな構造を持つ中国。今後、農民たちは希望を持って生活することができるのか。

山田:中国がそろそろ限界なのは間違いないと思います。では、どうしていくかなんですけど。

川島:日本では、バブルの象徴ともいえる、ジュリアナ東京がなくなったのが1994年だったけど、中国はまだその前ぐらいの感じじゃないかなと思います。日本でもそのころは、バブルがはじけるとは感じていなかった。日本はお尻に火がついたのは1997年です。山一証券がつぶれた。ただ、中国だったら山一証券をつぶしませんから。公的資金で救済するような形でいくから。

 だから今は1992年、1993年くらいだと思うね。ちょっとやばいかな、でも政府が何とか、やってくれるよねと。大学生も、だからまだ朝まで踊れていた。そんな感じで。中国の場合、そういう意味では国にはかなりの余剰があるので、そこを使って陰で支えていけば、日本のバブルの崩壊みたいなのは防げると。だらだらだらだらバブルの崩壊しない状態が続くと私は思っていますね。

山田:金融政策と財政出動ですね。

川島:今の習近平(シー・ジンピン)国家主席の最初のときからそうなんですよね。何もしなかったら山一証券や日本長期信用銀行がつぶれたような日本みたいに、大変なことになる。ところがそこでうまくやっちゃうから。いつの間にかホワイトナイトが現れたと言って収まっていくというのは、そこはつぶさない技術です。

 だけど、これは私だけじゃなくて多くの人が言っているんだけど、もう成長しない状態で変な金融政策によりずるずる延ばしていっても、病が重くなるだけだ。やめると痛いからやめないんだけど、じゃあ、永遠にできるのといったら永遠でもない。でも明日には壊れないし、明後日も大丈夫そう。そういうことだよね、今、やっているのは。

山田:だから私の友達なんかでも、事業を始める人は結構いるんです。だけど全然もうかってないんですよね。もうかってないんだけど、出資する人はいっぱい出てくるんですよ。

川島:貸自転車がそうだよね。もうかってないんだもん。

山田:本当にそうなんです。それで全くうまくいってないのに、そろそろエンジェル投資家が出てくるころですと、みんなそんなことばっかり言っているんですよ。実態がないのにお金だけはどこからか出てきて動いているという不思議な状態が。

温和な顔になった中国の指導者

川島:1993年くらいの日本はみんなそう。何とかなるよ、最後は日銀、大蔵が何とかしてくれるよみたいな。

 さっきから言っているように、共産党はこの事態によく気が付いていて、締めなきゃだめと考えた。だから民間企業の中にも共産党支部をつくって、共産党の指令によって全部を動かす。例えばここを売りたいとか、ここを閉めたいとかも勝手にはできないんだよね。じゃあ、営業を続けられませんと言っても、そうしたらこっちの銀行に声を掛けるからといって、担保もないのに銀行から金を借りられちゃう。だから奇妙なゾンビ経済が続いているんだと思う。


山田 泰司

山田:本当にそうですね。

川島:ゾンビ経済において、私は学生の顔つきとかを見ていると、もう今の若者たちは中国の経済を支えていくことはできないと思う。柔和な顔になっているし、頑張るのは嫌いだし。

山田:柔和な顔ということで思い出しましたが、最近の中国の指導者の顔は柔和になりました。昔は人間というよりは妖怪みたいな感じの方もいました。とにかく中国を回していくためには、あのぐらいのカリスマじゃないとだめ。本当に人間離れしてないとだめだなと。

 それがやっぱり胡錦濤前国家主席になってくると、優秀なテクノクラート、優秀な公務員の顔になってきましたよね。平和な時代の指導者。習主席も、仏頂面だし表情は出さないけど、明らかに妖怪ではない。

川島:李克強首相もそうだよね。

山田:そうですね。

川島:普通の秀才の顔だよね。ちょっとこのごろだと、おどおどしている秀才の顔だよね。よくいるよね。次、先生に指されると困る。「習主席からは指されないように、目を合わせないように」みたいな感じになっているよね。


農民工はどこに行くのか?

山田:先生がおっしゃるように、習主席は今の経済のことが全部分かっている。とにかく都会に農民工を抱える余裕がなくなってきているんです。

川島:そういうことですね。

山田:だから一生懸命彼らを国に帰そうとしているんだけど、やっぱり戻ってきちゃうんです。それでさまよい始めているんですけど、彼らは一体、どこに行くんでしょうね。非常に私は怖いんです。

川島:だから中国当局は、押さえ付けでしかないんだよね。

山田:押さえ付けるか。

川島:胡錦濤は、彼らにあめ玉をなめさせていけば何とかなると考えていた。和諧社会と言っていたんだけど。今はどうもあめ玉がなくなったんだよね。あめ玉をやっていたらチャイナ・プラス・ワンになっちゃうので、習主席が決めたのはあめ玉はやらないこと。でも彼らは、不満を持っている。どうしたらいいか。警察国家ですよね。今明らかにそちらに進んでいる。

山田:地方の都市をハイテクの町にして、雇用をつくりましょうみたいな報道もちらほらあるんですけど、あれじゃ追い付かないんでしょうか。

川島:一番の例は深センをそうしたいと言っていますよね。深センには確かに優秀な人たちが集まってきていて、中国のシリコンバレーにしようとしている。でも、所詮1000万人ですから。中国は13億人、明らかに数が小さい。

 それからそこがいくら発展しても、本質的には9億人の農民の底上げをどうするかという問題なんです。それに対しての答えにはならないですよ。ほとんどが中卒か高卒なんですよね。

山田:そうですね。「農村はみんなこんなもんだ」と言って、子供を高校に進ませずに働かせる親がいまだにとても多いです。

川島:勉強してないから農民なんです。農民の中でも、すごく優秀なら都市戸籍になれるんです。農民でもチャンスがあるんですよ。小学校で1番、中学校で1番。勝ち抜いてトップになれば、農民でも北京大学とかに入れて、そして都市戸籍を取れるんです。

 だから中国人の中には、貧困は自己責任という感情があるように思います。日本からだとそう見えるんです。私は大学にいて、そういうのを見ているから。だから彼らの心の中では、小さいときに勉強しなかったやつらを、対等に扱うことはできないとなるんです。私はあのときに一生懸命勉強したけど、そのときにいつも遊んでいたんだから、農民だと。徹底した学歴社会です。

山田:中卒で働きに出て、1万元ぐらい稼いでいる内装屋さんが知り合いにいます。まだ20代前半。背中に一面の入れ墨を入れてるんです。彼は中卒で重慶から出てきて、北京にまず行ったらしいんです。そこにしばらくいたんだけど仕事を辞めて、その後、海南島に流れていった。僕は海南島で知り合ったのですが、その彼は北京を離れるときに背中に入れ墨を入れました。要は、ものすごい差別をされたらしい。

川島:ああ、そういうことね。

山田:自分の中で、とにかく生き抜いてやるというしるしですね。背中に入れ墨を入れようが何しようが、根性を出してやるしかない。彼も農民です。


川島:そういう社会ですよね。だから仕事でもとにかく頑張るしかない。

山田:ただ、上海に出てきて住んでいる人たちなんか、とにかく取り壊しが決まって廃墟みたいな格安のところに住んでいる。トイレもなければ、何もない。そういうところでみんなやっているわけです。

 彼ら僕と同世代ぐらいで、自分は小学校を出たかどうか分からない。ただ、自分の子供は大学にやろうと思って一生懸命やっているんです。でも最終的には、田舎の農民はみんなこんなものだからと言ってあきらめちゃう。そういうのを見ているから、もっと頑張らなきゃだめじゃないかとは、とてもじゃないけど言えない。もう十分頑張っている。くじけるのは当たり前だと思います。

反日デモも農民のせい?

川島:都会人と接していると軍人もすごくばかにしているんです。軍人って農民ですから。彼らは軍人にはまずならないですよね。幹部学校には行く人もいると言っていたけど。

 だから武装警官をすごく怖がりますね。あいつら農民だから、頭の中がどうなっているか分からないという感じで怖がる。やっぱりすごい強い差別意識を感じますよ。学生は皆さん都市戸籍で、親は向こうのエリートさんだから。

 それから大規模な反日デモが起きたときがあったじゃないですか。例えば2012年だったか、日系のスーパーなどが被害を受けた。壊したのは、みんな農民工だと言うんだよね。都市戸籍の人は日本なんか襲わないよと。彼らの言い訳かなと思って聞いてたんだけど。

山田:そうですよね。何かそういうことがあると農民工のせいにする。

 あれは2005年に反日デモが盛んに行われたときでした。私は上海の日本総領事公邸やアメリカ大使館のそばに住んでいたんです。軍用のトラックが20台ぐらい私の家の前の道路に集結して、荷台に武装警官をギュー詰めにして市内に散っていったというのを毎日見ていました。話に聞くとあのときは、大学の寮で人が集められる。今日はデモへ行きますからこの寮から何人、この寮から何人といった形で集合をかけられたそうです。

 だから、全くの官製デモですよね。その中に農民工はいませんよ、本当に。

川島:非常に強い偏見を感じるよね。

山田:EXILEって、男性ユニット。彼らのようなEXILE系の男、真っ黒でマッチョでちょびひげな男は中国では人気ないんですよ。色白、ぽっちゃりの方が中国ではいいんです。EXILEって、中国名は「放浪兄弟」という名前があるんですけど、ネットなんかで言われているのは「民工団」。容姿が農民工に似ているから。

 また、バドミントンで林丹(りんたん)という選手がいて、北京五輪、ロンドン五輪と2大会連続で金メダルを獲得した。国民的英雄だったんですが、不倫が見つかってすごく叩かれた。彼もやっぱりEXILE系なんですが、叩かれた途端に、何かこいつ農民工みたいだとバカにされる。そういうところで形を変えて農民工が出てくるんです。


中国経済は20年はこのまま、でもその先は……

川島:非常に強い差別意識だよね。

 でも私は結論に近いけど、農民戸籍の9億人を豊かにすることはできないと思っています。繰り返すけど都市戸籍の4億人は9億人を踏み台にして豊かになった。それが中国の特殊な社会主義。この踏み台を外してみんなで一緒になったら自分たちも貧しくなっちゃう。そのことはすごくよく分かっているんだと思う。

 差別意識もあって、9億人はもう仕方のない人という見方をしている。4億人経済が動いているし、4億人の部分はかなりの部分リッチになった。山田さんがおっしゃるようにすごくグレーなマネーが動いていて、日本に爆買いに来られるようになっちゃっている人たちがいるんだけど、そのマネーは絶対下の方には行かないんですよ。

 でも、農民の人を救おうと思えば、簡単なんですよ。都市戸籍の人の多くの財産というのは都市の不動産に変わっています。中国では固定資産税と相続税がかからない。税率にもよるけど、固定資産税と相続税がかかるようにすれば、今の体系は一遍で変わるよね。そこから出てきた税金で、例えば農民の小学校を建てるなどに回せばいいんだから。全部そこに富をため込んでいるんだから。

 私は、過去30年くらい研究してきて、アジアの発展の中で農地の転用がすごく大きい発展の原動力になっていることを感じています。日本の場合でいえば、農民自身が大きな金を得たケースが多くあります。農民の人が駅前ビルのオーナーになっているとか、駐車場のオーナーになっているとかあるよね。

 そういうところで非常に分散していったんだけど、中国は農民ではなくて、国営公社が取っていっちゃった。アジアでいえば、ベトナムが中国とほぼ同じ構造で動いているんです。中国は農民たちが農地の所有権を持ってなかったというのが決定的にうまくいかないですよね。

 山田さんには悪いけど、アイデアってないでしょう。どうやって彼らを豊かにしていいか。彼らに「どうしたら先生、いいですか」と聞かれるんだけど、今は答はないと言っている。と言っても、このシステムは止められない。

山田:25〜26年前からの知り合いが、今は中国の国家税務総局にいるんです。彼が税金の問題についてはずっと言っていますね。90年代から言っていますが、何の進展もしていない。

川島:中国はほとんどの税金が日本で言うところの付加価値税なんですよね。それで税金の多くの部分を所得税じゃなくて企業から取っているんですよ。多くの部分を払っているのは国営企業なのね。

 中国で大きな税金を払っているのって、水道局とか、ガスとか電気とか、そして今一番大きいのは通信機器業者。普通の庶民が電気代を払う、ガス代を払う、それから携帯を使う。そうすると自動的に税金を取られちゃっているんです、国営企業を通じて。だから中国の貧しい人たちは、税金を取られたと思ってなくても、税金は取られている。スマホを使えば税金を取られる。中国は頭いいよ。

山田:そういうことですね。

川島:そういったところは共産党が胸先三寸でやっている。だから絶対国営企業は文句を言わない。中国の財政ってすごく健全なんです。中国の政府って人民をどう飼いならしていくかみたいなのをよく知っている人たちだよね。

 私は日本人だから農民に同情を寄せるけど、彼らに明日はない。だけど限界が来ているのも事実だから、中国には明日がない、中国崩壊となっていく。都市戸籍の4億人だけでやっているこんな状態はいつまでも続かない。ではどういうシステムにするのかといったら答がない。ただ、前にも述べましたが、少なくとも20年ぐらいはこの状態が続くと思います。

山田:党大会の後に、習近平独裁体制がいよいよ強まりました、みたいな報道があふれる中、中国の抱えている問題が、改めて分かりました。本日はどうもありがとうございました。


2. 中川隆[-5876] koaQ7Jey 2017年11月17日 16:36:33 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

今の中国って「ジュリアナ消滅直前」の感じかな
東京大学大学院農学生命科学研究科准教授・川島博之氏を迎えて(3)
山田 泰司 2017年11月17日
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/258513/111600056/?P=1


 絶望的な状況に置かれた中国の農民の姿を描いた書籍『戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊』を執筆した川島博之・東京大学大学院農学生命科学研究科准教授との対談も今回で最終回。都市戸籍を持つ4億人が農民戸籍を持つ9億人から搾取するといういびつな構造を持つ中国。今後、農民たちは希望を持って生活することができるのか。

山田:中国がそろそろ限界なのは間違いないと思います。では、どうしていくかなんですけど。

川島:日本では、バブルの象徴ともいえる、ジュリアナ東京がなくなったのが1994年だったけど、中国はまだその前ぐらいの感じじゃないかなと思います。日本でもそのころは、バブルがはじけるとは感じていなかった。日本はお尻に火がついたのは1997年です。山一証券がつぶれた。ただ、中国だったら山一証券をつぶしませんから。公的資金で救済するような形でいくから。

 だから今は1992年、1993年くらいだと思うね。ちょっとやばいかな、でも政府が何とか、やってくれるよねと。大学生も、だからまだ朝まで踊れていた。そんな感じで。中国の場合、そういう意味では国にはかなりの余剰があるので、そこを使って陰で支えていけば、日本のバブルの崩壊みたいなのは防げると。だらだらだらだらバブルの崩壊しない状態が続くと私は思っていますね。

山田:金融政策と財政出動ですね。

川島:今の習近平(シー・ジンピン)国家主席の最初のときからそうなんですよね。何もしなかったら山一証券や日本長期信用銀行がつぶれたような日本みたいに、大変なことになる。ところがそこでうまくやっちゃうから。いつの間にかホワイトナイトが現れたと言って収まっていくというのは、そこはつぶさない技術です。

 だけど、これは私だけじゃなくて多くの人が言っているんだけど、もう成長しない状態で変な金融政策によりずるずる延ばしていっても、病が重くなるだけだ。やめると痛いからやめないんだけど、じゃあ、永遠にできるのといったら永遠でもない。でも明日には壊れないし、明後日も大丈夫そう。そういうことだよね、今、やっているのは。

山田:だから私の友達なんかでも、事業を始める人は結構いるんです。だけど全然もうかってないんですよね。もうかってないんだけど、出資する人はいっぱい出てくるんですよ。

川島:貸自転車がそうだよね。もうかってないんだもん。

山田:本当にそうなんです。それで全くうまくいってないのに、そろそろエンジェル投資家が出てくるころですと、みんなそんなことばっかり言っているんですよ。実態がないのにお金だけはどこからか出てきて動いているという不思議な状態が。

温和な顔になった中国の指導者

川島:1993年くらいの日本はみんなそう。何とかなるよ、最後は日銀、大蔵が何とかしてくれるよみたいな。

 さっきから言っているように、共産党はこの事態によく気が付いていて、締めなきゃだめと考えた。だから民間企業の中にも共産党支部をつくって、共産党の指令によって全部を動かす。例えばここを売りたいとか、ここを閉めたいとかも勝手にはできないんだよね。じゃあ、営業を続けられませんと言っても、そうしたらこっちの銀行に声を掛けるからといって、担保もないのに銀行から金を借りられちゃう。だから奇妙なゾンビ経済が続いているんだと思う。


山田 泰司

山田:本当にそうですね。

川島:ゾンビ経済において、私は学生の顔つきとかを見ていると、もう今の若者たちは中国の経済を支えていくことはできないと思う。柔和な顔になっているし、頑張るのは嫌いだし。

山田:柔和な顔ということで思い出しましたが、最近の中国の指導者の顔は柔和になりました。昔は人間というよりは妖怪みたいな感じの方もいました。とにかく中国を回していくためには、あのぐらいのカリスマじゃないとだめ。本当に人間離れしてないとだめだなと。

 それがやっぱり胡錦濤前国家主席になってくると、優秀なテクノクラート、優秀な公務員の顔になってきましたよね。平和な時代の指導者。習主席も、仏頂面だし表情は出さないけど、明らかに妖怪ではない。

川島:李克強首相もそうだよね。

山田:そうですね。

川島:普通の秀才の顔だよね。ちょっとこのごろだと、おどおどしている秀才の顔だよね。よくいるよね。次、先生に指されると困る。「習主席からは指されないように、目を合わせないように」みたいな感じになっているよね。

農民工はどこに行くのか?

山田:先生がおっしゃるように、習主席は今の経済のことが全部分かっている。とにかく都会に農民工を抱える余裕がなくなってきているんです。

川島:そういうことですね。

山田:だから一生懸命彼らを国に帰そうとしているんだけど、やっぱり戻ってきちゃうんです。それでさまよい始めているんですけど、彼らは一体、どこに行くんでしょうね。非常に私は怖いんです。

川島:だから中国当局は、押さえ付けでしかないんだよね。

山田:押さえ付けるか。

川島:胡錦濤は、彼らにあめ玉をなめさせていけば何とかなると考えていた。和諧社会と言っていたんだけど。今はどうもあめ玉がなくなったんだよね。あめ玉をやっていたらチャイナ・プラス・ワンになっちゃうので、習主席が決めたのはあめ玉はやらないこと。でも彼らは、不満を持っている。どうしたらいいか。警察国家ですよね。今明らかにそちらに進んでいる。

山田:地方の都市をハイテクの町にして、雇用をつくりましょうみたいな報道もちらほらあるんですけど、あれじゃ追い付かないんでしょうか。

川島:一番の例は深センをそうしたいと言っていますよね。深センには確かに優秀な人たちが集まってきていて、中国のシリコンバレーにしようとしている。でも、所詮1000万人ですから。中国は13億人、明らかに数が小さい。

 それからそこがいくら発展しても、本質的には9億人の農民の底上げをどうするかという問題なんです。それに対しての答えにはならないですよ。ほとんどが中卒か高卒なんですよね。

山田:そうですね。「農村はみんなこんなもんだ」と言って、子供を高校に進ませずに働かせる親がいまだにとても多いです。

川島:勉強してないから農民なんです。農民の中でも、すごく優秀なら都市戸籍になれるんです。農民でもチャンスがあるんですよ。小学校で1番、中学校で1番。勝ち抜いてトップになれば、農民でも北京大学とかに入れて、そして都市戸籍を取れるんです。

 だから中国人の中には、貧困は自己責任という感情があるように思います。日本からだとそう見えるんです。私は大学にいて、そういうのを見ているから。だから彼らの心の中では、小さいときに勉強しなかったやつらを、対等に扱うことはできないとなるんです。私はあのときに一生懸命勉強したけど、そのときにいつも遊んでいたんだから、農民だと。徹底した学歴社会です。

山田:中卒で働きに出て、1万元ぐらい稼いでいる内装屋さんが知り合いにいます。まだ20代前半。背中に一面の入れ墨を入れてるんです。彼は中卒で重慶から出てきて、北京にまず行ったらしいんです。そこにしばらくいたんだけど仕事を辞めて、その後、海南島に流れていった。僕は海南島で知り合ったのですが、その彼は北京を離れるときに背中に入れ墨を入れました。要は、ものすごい差別をされたらしい。

川島:ああ、そういうことね。

山田:自分の中で、とにかく生き抜いてやるというしるしですね。背中に入れ墨を入れようが何しようが、根性を出してやるしかない。彼も農民です。


川島:そういう社会ですよね。だから仕事でもとにかく頑張るしかない。

山田:ただ、上海に出てきて住んでいる人たちなんか、とにかく取り壊しが決まって廃墟みたいな格安のところに住んでいる。トイレもなければ、何もない。そういうところでみんなやっているわけです。

 彼ら僕と同世代ぐらいで、自分は小学校を出たかどうか分からない。ただ、自分の子供は大学にやろうと思って一生懸命やっているんです。でも最終的には、田舎の農民はみんなこんなものだからと言ってあきらめちゃう。そういうのを見ているから、もっと頑張らなきゃだめじゃないかとは、とてもじゃないけど言えない。もう十分頑張っている。くじけるのは当たり前だと思います。

反日デモも農民のせい?

川島:都会人と接していると軍人もすごくばかにしているんです。軍人って農民ですから。彼らは軍人にはまずならないですよね。幹部学校には行く人もいると言っていたけど。

 だから武装警官をすごく怖がりますね。あいつら農民だから、頭の中がどうなっているか分からないという感じで怖がる。やっぱりすごい強い差別意識を感じますよ。学生は皆さん都市戸籍で、親は向こうのエリートさんだから。

 それから大規模な反日デモが起きたときがあったじゃないですか。例えば2012年だったか、日系のスーパーなどが被害を受けた。壊したのは、みんな農民工だと言うんだよね。都市戸籍の人は日本なんか襲わないよと。彼らの言い訳かなと思って聞いてたんだけど。

山田:そうですよね。何かそういうことがあると農民工のせいにする。

 あれは2005年に反日デモが盛んに行われたときでした。私は上海の日本総領事公邸やアメリカ大使館のそばに住んでいたんです。軍用のトラックが20台ぐらい私の家の前の道路に集結して、荷台に武装警官をギュー詰めにして市内に散っていったというのを毎日見ていました。話に聞くとあのときは、大学の寮で人が集められる。今日はデモへ行きますからこの寮から何人、この寮から何人といった形で集合をかけられたそうです。

 だから、全くの官製デモですよね。その中に農民工はいませんよ、本当に。

川島:非常に強い偏見を感じるよね。

山田:EXILEって、男性ユニット。彼らのようなEXILE系の男、真っ黒でマッチョでちょびひげな男は中国では人気ないんですよ。色白、ぽっちゃりの方が中国ではいいんです。EXILEって、中国名は「放浪兄弟」という名前があるんですけど、ネットなんかで言われているのは「民工団」。容姿が農民工に似ているから。

 また、バドミントンで林丹(りんたん)という選手がいて、北京五輪、ロンドン五輪と2大会連続で金メダルを獲得した。国民的英雄だったんですが、不倫が見つかってすごく叩かれた。彼もやっぱりEXILE系なんですが、叩かれた途端に、何かこいつ農民工みたいだとバカにされる。そういうところで形を変えて農民工が出てくるんです。

中国経済は20年はこのまま、でもその先は……

川島:非常に強い差別意識だよね。

 でも私は結論に近いけど、農民戸籍の9億人を豊かにすることはできないと思っています。繰り返すけど都市戸籍の4億人は9億人を踏み台にして豊かになった。それが中国の特殊な社会主義。この踏み台を外してみんなで一緒になったら自分たちも貧しくなっちゃう。そのことはすごくよく分かっているんだと思う。

 差別意識もあって、9億人はもう仕方のない人という見方をしている。4億人経済が動いているし、4億人の部分はかなりの部分リッチになった。山田さんがおっしゃるようにすごくグレーなマネーが動いていて、日本に爆買いに来られるようになっちゃっている人たちがいるんだけど、そのマネーは絶対下の方には行かないんですよ。

 でも、農民の人を救おうと思えば、簡単なんですよ。都市戸籍の人の多くの財産というのは都市の不動産に変わっています。中国では固定資産税と相続税がかからない。税率にもよるけど、固定資産税と相続税がかかるようにすれば、今の体系は一遍で変わるよね。そこから出てきた税金で、例えば農民の小学校を建てるなどに回せばいいんだから。全部そこに富をため込んでいるんだから。

 私は、過去30年くらい研究してきて、アジアの発展の中で農地の転用がすごく大きい発展の原動力になっていることを感じています。日本の場合でいえば、農民自身が大きな金を得たケースが多くあります。農民の人が駅前ビルのオーナーになっているとか、駐車場のオーナーになっているとかあるよね。

 そういうところで非常に分散していったんだけど、中国は農民ではなくて、国営公社が取っていっちゃった。アジアでいえば、ベトナムが中国とほぼ同じ構造で動いているんです。中国は農民たちが農地の所有権を持ってなかったというのが決定的にうまくいかないですよね。

 山田さんには悪いけど、アイデアってないでしょう。どうやって彼らを豊かにしていいか。彼らに「どうしたら先生、いいですか」と聞かれるんだけど、今は答はないと言っている。と言っても、このシステムは止められない。

山田:25〜26年前からの知り合いが、今は中国の国家税務総局にいるんです。彼が税金の問題についてはずっと言っていますね。90年代から言っていますが、何の進展もしていない。

川島:中国はほとんどの税金が日本で言うところの付加価値税なんですよね。それで税金の多くの部分を所得税じゃなくて企業から取っているんですよ。多くの部分を払っているのは国営企業なのね。

 中国で大きな税金を払っているのって、水道局とか、ガスとか電気とか、そして今一番大きいのは通信機器業者。普通の庶民が電気代を払う、ガス代を払う、それから携帯を使う。そうすると自動的に税金を取られちゃっているんです、国営企業を通じて。だから中国の貧しい人たちは、税金を取られたと思ってなくても、税金は取られている。スマホを使えば税金を取られる。中国は頭いいよ。

山田:そういうことですね。

川島:そういったところは共産党が胸先三寸でやっている。だから絶対国営企業は文句を言わない。中国の財政ってすごく健全なんです。中国の政府って人民をどう飼いならしていくかみたいなのをよく知っている人たちだよね。

 私は日本人だから農民に同情を寄せるけど、彼らに明日はない。だけど限界が来ているのも事実だから、中国には明日がない、中国崩壊となっていく。都市戸籍の4億人だけでやっているこんな状態はいつまでも続かない。ではどういうシステムにするのかといったら答がない。ただ、前にも述べましたが、少なくとも20年ぐらいはこの状態が続くと思います。

山田:党大会の後に、習近平独裁体制がいよいよ強まりました、みたいな報道があふれる中、中国の抱えている問題が、改めて分かりました。本日はどうもありがとうございました。



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