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中国経済の大幅減速、犯人は国有企業の「逆襲」か ほころぶ中国企業の相互債務保証、デフォルト連鎖も
http://www.asyura2.com/17/china12/msg/813.html
投稿者 うまき 日時 2019 年 2 月 18 日 17:05:21: ufjzQf6660gRM gqSC3IKr
 

為替フォーラム2019年2月15日 / 16:37 / 20時間前更新
中国経済の大幅減速、犯人は国有企業の「逆襲」か
Christopher Beddor
3 分で読む

[香港 15日 ロイター BREAKINGVIEWS] - ブームは終わった。中国経済はハードランディングにこそ見舞われていないものの、大幅に減速しており、世界中の資本市場を揺るがしている。しかし、こうした状況の回避は可能だった。

グローバル金融危機を受けた中国の景気減速は、政策の不手際が原因だった──。ピーターソン国際戦略研究所のニコラス・ラ―ディー氏は新刊「ステート・ストライクス・バック(国有企業の逆襲):中国の経済改革は終わったのか」の中でそう分析している。

中国の成長率は金融危機前の4年間に年平均12%だったが、2015年以降は7%弱に落ち込んだ。ただ、減速には避けようがない面もあった。ラ―ディー氏によると、元安や高い貯蓄率、巨額の貿易黒字で加速した成長が、より持続可能な水準に戻ったことで、減速の半分は説明がつく。

この著作の核心は「回避可能だった」残り半分を解き明かしている点にあり、その大部分が国有企業の復活だ。

ラ―ディー氏によると、企業向け融資全体に占める国有企業の比率は2011年に28%だったが16年には80%余りに上昇。一方で民間企業向けの比率は半分強からわずか11%に低下した。

要するに資源の配分ミスが起きたのだ。

国有企業のROA(総資産利益率)は民間企業に劣っており、そのギャップは金融危機以降に広がった。ラ―ディー氏の試算によると、国有企業の経営効率が民間企業並みであれば、中国の2007─15年の平均年間成長率は最大で2%ポイント押し上げられていたはずだという。

さらに事態を悪化させたのは国有企業の負債の増加で、企業の借り入れの対国内総生産(GDP)比は2009年には120%前後だったが16年には170%近くに上昇した。国有企業の復活は企業幹部の間で信頼感の低下も招き、民間投資が落ち込んだ。

ラ―ディー氏の著作には明るいメッセージも含まれている。

発展途上国では通常、先進国並みを目指す急成長がいずれ勢いを失うものだが、中国はまだその段階に近づいていない、というのだ。日本や韓国、台湾、シンガポールはいずれも、1人当たりGDPで見て今の中国と同じ発展段階を踏み、さらに成長を続けた。

ラ―ディー氏によると、仮に中国政府が改革を再開すればさらに20年間にわたり8%以上の成長を続けることが可能だという。

この著作で最も考えさせられる部分は、何が起きたかということだけでなく、その理由を解明しようと試みて今後の改革の見通しにつなげている点だ。

ラ―ディー氏に言わせれば、根本的な障害は、「国有企業は成長の足を引っ張っているかもしれないが、共産党の立場や支配を維持するのには不可欠だ」という最高指導部の考え方にある。

つまり、中国の政治システムには、大胆な改革が不可能ではないとしても、その実行を困難とするような仕組みが内包しているのではないかという問題提起だ。これは、盛んに議論の対象となっている「民主主義と富」というテーマにもつながる。

一握りの小国を除けば独裁体制国家が富裕国に仲間入りした例はない。中国はこの法則をひっくり返しそうに見えたが、やはりだめなのだろうか。

政治的な側面は、中国内で変化が到来する気配を感じとっている向きもいるだけに、大変興味深い。金融危機以降、同国のビジネス界では「国進民退(国有企業が躍進し、民間企業は退潮する)」という言葉がささやき交わされていた。ラ―ディー氏は2014年の著作「マーケッツ・オーバー・マオ」でこのテーマを取り上げ、与信獲得で国有企業が民間企業を締め出しているという主張は全く間違いだと論じていた。

しかしデータに変化が生じ、数字に基づくラ―ディー氏の主張も変わった。それ自体は悪いことではないが、ここから読み取れるのは、中国政府のブラックボックスの内部をのぞき、将来を見通そうとする場合、いかに慎重にデータを分析しても限界があるということだ。

金融危機後に「国進民退」を口にしていた人々は、国有企業への資金の流れを注目していたのかもしれないし、風向きの変化を感じ取る政治的な第六感のような、もっと微妙なものがあったのかもしれない。

いずれにせよ中国の民間セクターは、統計に表れる何年も前に国有セクターがもはや退潮しておらず、逆襲に転じたことを直感していた。

 2月15日、中国経済はハードランディングには見舞われていないが大幅に減速し、今や世界中の資本市場を揺るがせている。春節を前に人影もまばらな北京の三里屯地区。4日撮影(2019年 ロイター/Thomas Peter)
*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
https://jp.reuters.com/article/china-economy-review-idJPKCN1Q40O7


トップニュース2019年2月16日 / 08:48 / 3時間前更新
焦点:ほころぶ中国企業の相互債務保証、デフォルト連鎖も
Shu Zhang
2 分で読む

[シンガポール 12日 ロイター] - 中国で民間企業が債務保証し合うことで資金調達してきた仕組みがほころび始めている。これによって金融システムに存在するさまざまなリスクが浮かび上がっており、減速基調が強まる経済に新たな悪影響を及ぼしかねない事態と言える。

既に警報が鳴り響いているのは、石油精製業と重工業の一大拠点である山東省東営市だ。ロイターが裁判所の記録を確認したところでは、少なくとも民間28社が債務再編を通じて経営破綻を回避しようとしており、そうなった主な原因は保証していた他の企業の債務が焦げ付いたことだった。

28社の中には、2018年に中国の優良経営企業ベスト500に選ばれた、山東大海集団や山東金茂紡織化工集団などが含まれている。

中国の民間企業が銀行から融資を受けようとする場合、特にそれが従来型の資本集約的な産業であれば、相当な担保を差し入れるか、別の企業に保証してもらう必要が出てくる。保証を請け負う企業自体も、また違う企業から債務保証をしてもらっている公算がかなり大きい。

東営市における民間セクターの混乱は、まさにこの相互債務保証が本来持つ危険性をはっきり示している。つまりいざ1件が不良債権化すると瞬く間にデフォルト(債務不履行)が連鎖し、地域の金融システムが損なわれて新規融資の動きに支障が生じる恐れがある。

心配なのは、民間企業の相互債務保証は中国全土で普及している以上、東営市のケースが氷山の一角にすぎないのではないかという点だ。

民間企業はどうしても資金調達面で制約を受ける。なぜなら銀行は非国有セクター向け融資に消極的だからだ、と話すのは北京に拠点を置くアジア金融協力協会のYang Zaiping事務局長だ。

同氏はロイターに「民間企業の中国経済に対する貢献度と資金調達額の間にはすさまじい不均衡が存在する」と指摘。民間セクターが税金の50%を負担し、国内総生産(GDP)の60%をもたらし、都市部雇用の80%、新規雇用の90%を生み出しているのに、実行された融資の25%しか受け取っていないと説明した。

また同氏は、民間企業が債務返済のための担保を持っていないとすれば、債務保証を受けるしかなく、そうなると調達コストが2─3%ポイント切り上がると付け加えた。

<過剰融資のつけ>

山東大海集団は、昨年6月末時点で14社の26億7000万元(3億9400万ドル)に上る債務に保証を与えていた。保証総額は、純資産の48%に相当する。そして14社のうち6社は資金的ないし法的な問題を抱え、2社は裁判所から「不誠実な借り手」としてブラックリストに掲載された。

中国第2の規模を誇る勝利油田がある東営市はかつては、国内有数の富裕な都市で、2017年には山東省で1人当たり所得が最も高かった。ところが好況時に地元企業に過剰な融資が実施され、企業がもうからない分野にまで事業の手を広げた結果、与信環境の悪化や政府による債務圧縮キャンペーンが始まるととともに、融資や社債のデフォルトが続いた。

このため東営市の2つの銀行は突然、不良債権が急増してしまった。広饒農村商業銀行の場合は、不良債権の95%に保証が付けられているとはいえ、保証している企業自体が借金まみれだったり、生産を停止しているケースもあり、ほとんど役に立っていない。

そうした中で東営市当局は、債務再編を推進して何とか民間企業を破綻の淵から救い出そうとしている、とある山東省当局者は打ち明けた。

<民間向け融資に及び腰>

中国銀行保険監督管理委員会の郭樹清主席は、銀行に3年間で民間企業向けの融資資金配分比率を25%から50%に倍増させたい考えだ。しかし景気循環セクターの民間企業のデフォルトリスクが増大していることや、これらの企業が株式担保や相互債務保証といったリスクの高い調達を行っている現状から、銀行は融資に及び腰になっている。

複数のバンカーはロイターに、10年前に政府が4兆元の景気刺激策を打ち出した尻馬に乗って過剰で危険の大きい融資に動いた失敗を繰り返したくないと述べた。

ある金融関係者の話では、人民銀行(中央銀行)は昨年1月以降、銀行の預金準備率を計5回も引き下げたが、銀行は浮いた資金を融資に回さず、「いかなる犠牲を払っても」債券を購入している。

業種を見ると民間企業は製造業と不動産に集中しており、これらのセクターの不良債権比率は全業界平均よりずっと高い。さらに昨年の経済成長率が28年ぶりの低さになったことで、民間の相互債務保証が中国の金融システムに不良債権危機をもたらすのではないかと懸念される。

先の山東省当局者は「成長が鈍化して経済への圧迫が強まるとともに、金融リスクはいとも簡単に波及性を持つようになる」と警戒感を示した。
https://jp.reuters.com/article/china-guarentee-tangle-idJPKCN1Q20CV  

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コメント
1. 2019年2月18日 20:50:46 : ZzavsvoOaU : Pa801KbHuOM[287] 報告
黄信号の中国経済(上) 投資バブル後の調整 不可避
津上俊哉 日本国際問題研究所客員研究員
経済教室 コラム(経済・政治)2019/2/13付 日本経済新聞 朝刊

ポイント
○地方政府のインフラ投資劣化に強い危惧
○国有利権にメスを入れる本気うかがえず
○資源配分の権限、党・政府から市場に移せ
最近「中国経済の減速」がよく話題となる。一見、米中貿易戦争が理由にみえるが、それは中国経済が直面する「三重苦」の一つでしかない。
◇   ◇
最も深刻な問題は、投資バブル後に経済が遭遇するバランスシート調整が始まったことだ。2008年のリーマン・ショック直後の「4兆元投資」を…

[ポイント
○地方政府のインフラ投資劣化に強い危惧
○国有利権にメスを入れる本気うかがえず
○資源配分の権限、党・政府から市場に移せ
最近「中国経済の減速」がよく話題となる。一見、米中貿易戦争が理由にみえるが、それは中国経済が直面する「三重苦」の一つでしかない。
◇   ◇
最も深刻な問題は、投資バブル後に経済が遭遇するバランスシート調整が始まったことだ。2008年のリーマン・ショック直後の「4兆元投資」を起点とする投資ブーム開始から10年となり、この間の固定資産投資額の合計は446兆元、為替換算すると約7200兆円にのぼる。
これだけ投資を重ねれば、優良な投資案件は底をつき、残るは不採算な案件ばかりになる。国内総生産(GDP)を1単位増やすのに何単位の投資が必要かを示す限界資本係数を計算すると、07年には2.9だったが、17年には6.8と、投資効率は10年で半分以下に低下した。
低効率な投資に投じられた借金は償還に時間がかかり、借り換えのために新たな借金が必要になる。そういう負債を積み重ねた結果、金融機関向けを除く負債残高のGDP比率は08年の141%から、18年3月には261%に急膨張した(国際決済銀行調べ)。その陰で国全体のバランスシートが劣化している。収益を生まない資産は額面ほどの値打ちがない。容易に返せない借金は潜在的な不良債務だ。
ざっと計算してみよう。現在の金融資産総残高は200兆元で、これに利息または配当が平均5%支払われるとすれば年間10兆元だ。しかしEBIT(利払い・税引き前利益)が金融費用に達しない企業を調べると、潜在的な不良債権が2割はあるといわれ、年間2兆元の利息・配当が本来受け取る資格のない不良資産に支払われている計算だ。最大の税目である増値税(付加価値税)の税収6兆元の3分の1に相当する大きさだ。不良債権を償却処理しない限り、この負担は半永久的に続く。しかも額は増大していく。
劣化が特に危惧されるのは地方政府のインフラ投資だ。これまで政府の「隠れた保証」のおかげで債務不履行や倒産は起きなかったが、最近金融機関は財政力が弱い地方政府の債券を購入したがらなくなっている。また経済成長を維持するために政府が公共投資を増発しても、「毒を飲んで渇きを癒やすだけ」と批評する識者が増えてきた。
https://www.nikkei.com/content/pic/20190213/96958A99889DE6E3E3E4E0E2E2E2E3E0E2E0E0E2E3EB9997EAE2E2E2-DSXKZO4116202012022019KE8000-PB1-4.jpg
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図は日米のバブル崩壊後の金利(国債利回り)の推移と中国の今を重ね合わせたものだ。企業がバブルで傷んだバランスシートの傷を癒やすため投資と借り入れを減らし、資金需要の減退により金利が低下する様子が分かる。10年ほどおとなしくしていると健康が戻ってくるというのが、バブルでバランスシートが劣化した後の回復パターンだ。
投資バブルの後には必ずバランスシート調整が起きる。政府の強大な経済力で金融リスクを抑えてきた中国にも、その時期が到来しつつある。
しかし「バブル崩壊で中国も崩壊か」と短絡的に反応する必要はない。日本の金融機関向けを除く負債残高のGDP比は370%近いが、日本経済が近く崩壊すると考える人はいない。純債権国として国債を国内で消化できる国が財政赤字を膨らませても簡単に崩壊しない。中国も今や世界3位の債権大国だ。負債保有は企業に偏っているといわれるが、大部分は国有企業の債務だから政府債務に近い。
◇   ◇
三重苦の2番目は民営企業の苦境だ。中国の民営企業は税収の5割、GDPの6割、都市雇用の8割と、経済フローの過半を占めるが、経済ストック(富)の分配面では対照的な不遇に甘んじている。
国が土地資源を握っていることは論をまたない。また上場企業時価総額の3分の2は約5千万ある株式取引口座のうち1万2千口座が保有している(15年6月)。一方、15年に上場企業2200社の負債総額の54%は負債額上位50社が占めた(鐘寧樺・同済大教授調べ)。いずれも中央直轄大企業など「官」に富や資源が集中していることを示唆する。要するに「官」が取りすぎであり、これでは民営企業は発展できない。
さらに中国では成長が頭打ちになる「中所得国のわな」問題に関心が集まっている。習近平(シー・ジンピン)政権もこのわなに落ちないために、供給サイド改革による生産性の向上を標榜する。それならば効率が高い民営セクターを伸ばし、生産性の低い国有セクターをダウンサイズすべきだが、他方で「国有企業を強く大きく優秀にする」として、国有利権にメスを入れる本気はうかがえない。
それどころか、18年に中国では「公有制堅持」「民営企業退場論」といった時代錯誤的な保守的言説が横行し、ただでさえ景気減速や融資難に苦しむ民営企業を一層不安がらせた。習政権は慌てて民営企業を励ましたが、官民格差が解消するめどは立たない。
中国政府が富を手にしすぎていることは様々なゆがみを生んでいる。公共投資の暴走が止まらないのも、産業育成に途方もない助成が与えられて他国の同業に悪影響を及ぼしているのも、それが一因だ。
◇   ◇
米中貿易戦争とそれがもたらす先行き不透明感は、中国のみならず世界経済の懸念材料となりつつある。だが18年末に米株価が急落したのをみて、トランプ米大統領も慎重になり始めた。米中とも交渉決裂を望まないのであれば、3月初めの期限に輸入拡大などまとめやすい内容で部分合意し、知財など難しい問題は継続交渉にする妥協が図られそうな期待も生まれてきた。
むしろ最近の気掛かりは、安全保障や諜報(ちょうほう)活動を重視する超党派の米国主流派が次世代通信規格「5G」通信網の整備などを巡り始めたハイテク冷戦だ。IT(情報技術)業界はグローバルサプライチェーン(国際供給網)が最も発達して自由貿易の旗手だったが、自由な取引ができなくなれば経済活動が萎縮する恐れがある。
世界のIT関連産業では既に業績が大きく落ち込み始めている。そうした折、この冷戦がIT産業をさらに痛撃して世界経済を巻き込む惨事に発展しないか懸念される。
中国経済の減速は今後も続く。特に18年10月ごろから、いわば「厳冬」の到来を予感して、家計は倹約を心がけ、企業は固定費の圧縮を急ぎ始めた。ぜいたく品にかかる消費税収の急落や、好調なはずのネット大企業の人員整理の動きがそれを暗示している。

つがみ・としや 57年生まれ。東京大法卒、旧通産省へ。専門は中国経済、日中関係
習政権は減税やさらなる公共投資で落ち込みを穴埋めしようとしており、崖から落ちるような景気後退が起きる可能性は低い。だがバブル後に無理して短期の成長を追い求めれば、バランスシートの劣化がさらに進行する。それは潜在的な財政負担を重くし中国の将来を先食いする。それでなくても中国の財政は、高齢化の急速な進行により今後年金債務が重くのし掛かる。
中国経済を中所得国のわなから救うには、改革開放を本気で再起動して、資源配分の権限を共産党や政府から市場に委ねるしかない。しかし習国家主席らの世代が支配する今の中国共産党に、その軌道修正を期待するのは難しそうだ。その意味で筆者は「短期楽観(大事には至らず)、長期悲観」と考える。
これまで世界経済は中国経済の高成長による利益を大いに享受してきたが、今後はギアが逆向きに入ることを覚悟すべきだ。同時に「中国の台頭で世界秩序が書き換えられる」といった大げさな警戒感が過剰な反応を生んでいることにも気付くべきである。

https://www.nikkei.com/article/DGXKZO41162000S9A210C1KE8000/

黄信号の中国経済(中) 軟着陸へ財政・金融政策カギ
露口洋介 帝京大学教授
経済教室コラム(経済・政治)2019/2/14付日本経済新聞 朝刊
ポイント
○内需主導の成長実現へ所得格差縮小必須
○過度の債務拡大抑制による景気減速意識
○人民銀は矢継ぎ早に金融緩和政策を発動
中国の実質成長率は2017年の6.8%から、直近の18年10〜12月期には6.4%に減速した。世界2位の国内総生産(GDP)規模に達した巨大な経済が10%を超える高成長を続けるのは難しく、減速は自然なことではある。
加えて16年末からの債務拡大抑制(デレバレッジ)に伴う金融引…

ポイント
○内需主導の成長実現へ所得格差縮小必須
○過度の債務拡大抑制による景気減速意識
○人民銀は矢継ぎ早に金融緩和政策を発動
中国の実質成長率は2017年の6.8%から、直近の18年10〜12月期には6.4%に減速した。世界2位の国内総生産(GDP)規模に達した巨大な経済が10%を超える高成長を続けるのは難しく、減速は自然なことではある。
加えて16年末からの債務拡大抑制(デレバレッジ)に伴う金融引き締めや、18年半ばから激しさを増している米中貿易摩擦の影響を受けた輸出や国内投資の低迷がさらなる減速をもたらしている。
米中貿易摩擦を巡っては、18年12月の米中首脳会談で新たな追加関税の90日間の猶予に合意し、通商協議が実施されることになった。しかし貿易摩擦で妥協が成立しても、米国の関心は知的財産権の保護や製造業の高度化を目指す政策「中国製造2025」に向けられており、米中間の確執は今後も長期にわたり継続するとみておくべきだろう。
◇   ◇
中国政府も中長期的に経済の減速に対応しようとしている。供給側では生産性の向上が重要だ。需要側では広域経済圏構想「一帯一路」で輸出市場を開拓しつつ、米国に依存しない消費を中心とした内需主導の成長モデルの確立が課題だ。政府の都市化計画の進展により、今後も農村から都市への人口移動で世帯数の増加が見込まれ、家電製品などの需要増大が期待できる。
18年3月の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の政府工作報告では18年の政府活動として、第1に供給側構造改革による製造強国づくり、第2に国家イノベーション(技術革新)体系の建設が挙げられた。また経済運営の基本方針を議論する18年12月の中央経済工作会議では19年の重点項目として、第1に製造業の高度化推進が示され、第2に強大な国内市場の促進として消費環境の改善や消費能力の増強が挙げられている。
中国のGDPに占める消費の比率は17年に53.6%と過去数年で大きく伸びたが、日米など先進国の6〜7割と比べると低めだ。消費を中心とした内需主導の成長モデルを確立するには、都市化する農民層の所得水準向上など所得格差の縮小が求められる。
所得の不平等を示すジニ係数(1に近づくほど不平等)は、15年に0.462まで低下していたが、その後拡大に転じ17年には0.467となった。所得格差の縮小には今後、相続税や固定資産税を全国的に導入し、所得再分配政策を拡充する必要がある。
これら供給側の構造改革や消費拡大政策が効果を表すには数年の時間が必要だろう。その間、財政・金融政策による経済安定化が求められる。
◇   ◇
財政政策については18年12月の中央経済工作会議で、従来の積極的財政政策の継続とさらなる強化を打ち出し、大規模な減税や行政費用引き下げを進めることが挙げられている。19年1月には個人所得税と小企業の法人税の減税が実施され、3月の全人代でさらに大規模な減税を含む財政政策が決定される見込みだ。

つゆぐち・ようすけ 57年生まれ。東京大法卒。日銀北京事務所長などを経て現職。専門は金融論
金融政策についてはより弾力的に運営されている。16年12月の中央経済工作会議で、「穏健な」金融政策から引き締め気味を意味する「穏健中性の」金融政策に転換した。17年には民間部門や地方政府のバブル的な債務膨張と不良債権発生という金融リスクの防止が大きな課題とされ、デレバレッジが必要とされた。
17年10月開催の共産党第19回全国代表大会で習近平(シー・ジンピン)総書記が「重大リスクの防止、貧困脱却、汚染対策の難関攻略」を今後の課題として挙げ、「金融システミックリスクを生じさせないことが最低ライン」と指摘した。18年3月の全人代での政府活動報告でも同じ内容が強調され、一方で小型・零細企業の資金調達難・調達コスト高の解決が求められた。
その後デレバレッジの行き過ぎによる景気減速が意識され始めた。中国人民銀行(中央銀行)の金融政策執行報告では、18年4月ごろには流動性供給目標を従来の「合理的安定」から「合理的に十分余裕のある」水準に変更し、事実上金融緩和方向に転換したことが示唆されている。
18年7月の国務院常務会議(閣議に相当)では「穏健中性」から「中性」を除いた「穏健な金融政策」という表現となった。この間、人民銀は18年1月に小型・零細企業などへの貸し出しが一定水準に達した銀行に限り、市中銀行から強制的に預かるお金の比率を示す「預金準備率」を0.5〜1.5%引き下げ、金融緩和と同時に小型・零細企業などの資金調達難への対応が図られた。4月、7月、10月には条件を付けずに累計2.5%引き下げ、大型商業銀行の預金準備率は14.5%となった。
また12月には人民銀の銀行向け資金供給手段の適用金利について、民営企業、小型・零細企業などへの貸し出しが一定水準に達した銀行に限り通常より0.15%引き下げ3.15%とする制度を創設した。
しかし18年12月まで人民銀は「穏健中性」の金融政策という表現を使い続けた。また4月と10月の預金準備率引き下げの際には、同時に満期を迎える銀行向け資金供給手段を回収し、預金準備率引き下げによる資金供給を一部相殺すると公表している。
ただし一部相殺されても、預金準備率引き下げによるネット(純額)の資金解放は市場金利を引き下げ、金融緩和効果を有する。人民銀は依然として金融リスク防止との両にらみで、金融緩和への転換を明確に示すことに慎重だった。一方、18年12月の中央経済工作会議では改めて「中性」を除いた「穏健な金融政策」が打ち出された。
19年に入ると人民銀は1月2日に、前述の小型・零細企業向けの貸し出しが多い銀行向けの預金準備率引き下げ措置について、小型・零細企業の範囲を拡大する措置を公表した。1月4日には15日と25日にそれぞれ0.5%ずつ預金準備率を引き下げることを公表した。人民銀の公表文でも「中性」が外れて、「穏健な金融政策」に表現が変更された。一方で「水をじゃぶじゃぶ注ぎ込む」ような緩和はしないとも指摘して、バブル的な債務拡大が生じないよう一定の配慮を示している。

https://www.nikkei.com/content/pic/20190214/96958A99889DE6E3E0E2EBEBE5E2E3E1E2E0E0E2E3EB9997EAE2E2E2-DSXKZO4120999013022019KE8000-PB1-5.jpg

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さらに1月23日には18年12月に創設された民営企業や小型・零細企業などに対する貸し出しの多い銀行向けの低金利の資金供給制度を発動し、2575億元の資金を供給した。19年に入り人民銀は金融リスクに配慮しつつも明確に金融緩和に重点を移し、矢継ぎ早に緩和政策を発動している。同時に民営企業や小型・零細企業などの資金調達難、調達コスト高という問題の解決も図ろうとしている。
こうした金融政策の推移は人民銀が重視する7日物銀行間取引金利の動きに表れている(図参照)。同金利は16年の2.3%程度から17年夏に2.9%程度まで上昇したが、18年3月には低下に転じ、最近では2.6%程度となっている。人民銀が17年に引き締め政策を実施した後、18年春には金融緩和政策に転じていたことが示されている。
◇   ◇
中国政府は金融リスクの防止に一定の配慮を残しながらも、デレバレッジの行き過ぎを修正し、財政・金融政策を発動しており、短期的な景気減速への対応に明らかに重点を移している。今後も必要なら財政政策を拡大することが可能だし、金融政策面でもさらに預金準備率や金利を引き下げる余地が十分存在する。供給側構造改革や所得格差是正が実現されるまで、財政・金融政策で持ちこたえられれば、当面安定した経済成長を続けることが可能となろう。

https://www.nikkei.com/article/DGXKZO41209970T10C19A2KE8000/


黄信号の中国経済(下) 目先の対応策、将来に禍根
伊藤宏之 ポートランド州立大学教授 2019/2/15付
ポイント
○中国企業のドル建て債務膨張に懸念強く
○政策総動員は可能で金融危機リスク低い
○効率的資源配分へ不振企業の延命避けよ
中国の2018年の国内総生産(GDP)伸び率は6.6%で、天安門事件の影響があった1990年以来28年ぶりの低水準となった。米国経済も一層減速する可能性があり、世界GDPの40%を占める1位、2位の経済大国の先行きが不透明になってきた。
中国の統計に対する信頼度はあまり高くな…

ポイント
○中国企業のドル建て債務膨張に懸念強く
○政策総動員は可能で金融危機リスク低い
○効率的資源配分へ不振企業の延命避けよ
中国の2018年の国内総生産(GDP)伸び率は6.6%で、天安門事件の影響があった1990年以来28年ぶりの低水準となった。米国経済も一層減速する可能性があり、世界GDPの40%を占める1位、2位の経済大国の先行きが不透明になってきた。
中国の統計に対する信頼度はあまり高くなく、市場の状況や政府の対応にも不透明な点が多い。実際は政府が発表する数字よりも悪いのではないかと不安感をあおられる。今後も米中貿易戦争の中国経済への影響や中国金融市場の動向などに世界の金融市場が敏感に反応することになる。
◇   ◇
米中貿易戦争とともに、中国経済の問題として挙げられるのは国全体が抱える巨額な負債だ。米ブルームバーグによると、17年の中国経済全体の負債額は32.5兆ドル(GDP比266%)を超え、10年間で4.4倍(GDP比で1.6倍)も膨れ上がった。国全体の総負債額のうち60%が企業負債であり同じく4倍以上膨らんでいる。足元では景気減速とともに企業倒産が記録的なレベルに達している。
国全体の負債はリーマン・ショック翌年の09年以降急速に拡大した。輸出の大幅な減少を受け、積極的な財政出動を進めるとともに、建設・不動産・インフラ関連業などへの融資も増やした結果、企業負債が膨らんだためだ。
マクロ刺激策に呼応し株式や不動産市場も活況だった。だが金融当局は市場が過熱した時は銀行の融資条件を厳格化したり、銀行を迂回した融資を手掛けるシャドーバンキングの規制を強めたりして介入する一方、市場が軟化した時には介入を緩めるなどして市場を安定化させてきた。
17年ごろから中国政府は企業負債の問題を懸念し、企業への与信や債務を抑制する政策をとり、18年中盤から効果が表れ始めていた。つまり政府の積極的な融資抑制により景気が軟化し、そこに貿易戦争が起きて製造業を中心として減速が強まったと言える。
企業部門の負債の中でもドル建て債務が11年ごろから急増し、17年第4四半期に450億ドル近くも膨らんだ(図参照)。企業部門の総負債からみれば比率的には大きくないが、国際金融と国内金融市場をつなぎ、中国の企業金融に大きな影響を与えている。

https://www.nikkei.com/content/pic/20190215/96958A99889DE6E3E0E4EBE0E3E2E3E6E2E0E0E2E3EB9997EAE2E2E2-DSXKZO4126923014022019KE8000-PB1-3.jpg
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中国に限らず、10年代に入り多くの新興国市場でドル建て債券が急増した。08年の世界金融危機以降、先進国が大幅な金融緩和をしたため、それまで欧米に流れていた大量の資金がより高いイールド(利回り)を求めて新興国市場に流れ込んだ。米国の低金利と自国通貨高により、新興国市場では多くの企業がドル建てで資金を調達し活発に投資した。中国でも人民元が強くなると、企業の間でドル建て対外債務が増加した。
しかし15年末に米連邦準備理事会(FRB)がゼロ金利政策をやめ金融引き締めが本格化すると、資金が新興国市場から米国へと流れ始めた。17〜18年にかけて引き締めペースが上がると、資金還流がさらに強まった。米金利上昇と米トランプ政権の大幅減税などの財政拡大政策もドル高に貢献し、新興国の通貨が下落基調となった。
その結果、ドルで調達した資金の返済負担が自国通貨換算で膨らみ、バランスシートが圧迫された。投資家は新興国市場から資金を引き揚げ、金融市場が下落した。
中国の人民元も同じ経過をたどった。元高時に拡大した債務の返済負担がその後の元安で企業に重くのしかかり、さらなる株式市場の不調と為替下落を引き起こしている。現時点で18年1月に比べ人民元は対ドルで6%程度、上海総合指数は2割以上下落している。この負のサイクルは実体経済にも影響を及ぼし、今後もドル高基調が続く限り中国にとって悩みの種となる。
中国当局としては景気減速を受け、積極的に財政出動し、金融面では融資基準を再度緩くしたり、停滞企業・産業に補助金を出したりするだろう。政府の国家債務は比較的大きくないことを考えると、金融機関の破綻や企業倒産が増えても、積極的なマクロ政策や金融機関の救済などを進めることは十分可能だ。
外貨準備高が3兆ドルほどあるが、対外債務が1.9兆ドルまで拡大していることを考えると、今までのように安泰とまではいかない。ただ金融当局は何としても金融不安を避けるための政策を総動員するので、金融危機のリスクは低いと考えられる。
◇   ◇
しかし当面の危機回避はそれなりのリスクを伴う。
まず景気安定化策が本来市場から退出すべき企業(いわゆるゾンビ企業)の延命につながり、かえって非効率な資源配分を引き起こし、中国経済の構造変化と長期的な成長を阻害しかねない。
17年にサービス業を中心とする第3次産業のGDP比率が51.6%となり、工業や建設業からなる第2次産業(40.5%)を初めて超えた。よって景気刺激策は新しい産業に資源を配分し構造転換を促すようにした方がよい。しかし政治的な判断に基づき生産性が比較的低い建設関連業や重厚長大産業、国際的な価格競争力が低下した低付加価値の製造業などに国有企業・銀行を通じて資源が配分される可能性が高い。
また仮に保護対象の産業の生産量が伸びても消費が追いつかないと、その分が安価な輸出として海外市場に流れ、特に米国との貿易摩擦を高める可能性も高い。特定の産業に対する融資基準緩和などもかえって将来の不良債権を増加させ、新たな金融不安の種をまくことになりかねない。
さらに今後国内の規制を避けるために、多くの中国企業がドル建て対外債務を拡大させるかもしれない。だがそれは中国経済が国際金融では米国経済の動向や政策により直接的な影響を受け続けるということを意味する。
現在のグローバル化した世界では、米国などの主要国により世界的な金融・資産市場の潮流が決まり、他の国々はそれに従うしかないとも言われる。しかし中国としては主要国、特に米国からのショックに常にさらされるのではなく、経済大国としての主体性を持ちながら国内経済を安定化したいと考えるだろう。
◇   ◇

いとう・ひろゆき 71年生まれ。UCサンタクルーズ校博士。専門は国際金融、金融政策
そのためには人民元を国際化することが不可欠となる。人民元が国際市場で自由に流通し利便性が上がれば、中国企業も人民元を使って海外からの資金調達が可能となり、ドルなどの海外通貨の動向に債務負担や経済全体が影響されにくくなる。
人民元は16年に国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)の構成通貨となり、形式的には国際通貨の一つだ。しかし実際には貿易や国際金融取引、中央銀行の保有する外貨準備をみても、人民元が主要な国際通貨になったとは言えない。そして株式や為替市場に国有企業・銀行を使い恣意的かつ不透明な介入をし続ける以上、人民元は投資家からの信頼も国際通貨としての信認も得られない。
中国経済当局は、短期的には景気後退や金融不安への対症療法をとるだけの資力はあり、今すぐに中国発の恐慌や金融不安が起きる可能性は低い。しかし対処を間違えると経済や金融システムにゆがみやストレスが蓄積され、将来の脆弱性を助長しかねない。そうした事態を回避できるかは、政策当局者が政治的な判断ではなく、長期的な中国経済の将来を見据えた政策を実行できるかにかかっている。

https://www.nikkei.com/article/DGXKZO41269210U9A210C1KE8000/


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新 ch政経
2019/02/24 に公開
https://www.youtube.com/watch?v=XgM_YJhfv78

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