容疑者の「引き渡し」条例が改正されようと、改正されまいと２０４７年には中国となるのです。中国本土の法律が適応されるのです。それが英国政府と中国政府の約束です。５０年後には返還されるのです。

昔々、沖縄は米軍支配下にありました。お札もＢ札だかＡ札だか知りませんが、日本本土とは異なるお金が流通していたのです。道路交通法も同じ。車は右側通行だったのです。それが日本に施政権が移った後、左側通行になったのです。香港も同じ。歯舞・色丹島ではどちら側通行でしょう?????モスコーと同じでしょうか。合法的にロシア領となったクリミアはどうでしょうか。住民の投票の９０％近くでロシア領となったのです。お金もルーブルに変わったのです。

２０４７年香港は中国の領土となります。容疑者の「引き渡し」条例はそのとき消滅し、中国の法律が適用されます。

要するに容疑者の「引き渡し」条例とは、中国国内の中国人が密かにマカオとか香港に抜け出して住んでいた場合、中国政府が香港政府にその人物を引き渡し請求ができるという意味です。
たとえば大量に金を持ち出して外国の居住権をとったり、パナマに金を預けたり、外国に家を買ったりした場合、あるいはカジノでたくさん金を儲けたりした場合、それらは犯罪ですから、香港にいる容疑者を中国本土に引き渡しなさいという条例又は法律なのでしょう。
日本の旅行者が香港に旅行して中国政府に引き渡されるということはありません。そういう場合には日本政府が「引き渡し」を要求できるでしょう。しかし香港のデモシスト周庭（かわいい女子学生）は日本記者クラブであやまった条例改正を主張したのです。
しかも「逃亡犯条例」と日本では翻訳されていたようです。逃亡犯なのに日本人旅行者が引き渡されるという話はありそうもありません。

Ｅｘｔｒａｐｅｄｉｔｉｏｎ。これは本国送還、または引き渡しと翻訳されるものです。香港のデモでも"No. Extrapedition" というプラカードを見かけました。「引き渡し反対」という意味です。

本国送還は中国人だけに適用されます。例えばファフェイの孟晩舟ＣＦＯ氏がカナダ政府に逮捕されました。米国の要求で逮捕されたわけですから中国政府が「引き渡し」を要求したのは自然です。孟氏が米国にとって好ましからざることをした容疑者であるのでしょう。イラン制裁に反したと米国政府は言っています。したがって米国がカナダに「引き渡し」条例を適用しようとしたのです。中国はカナダに「引き渡し（本国送還）」を要求したわけです。

同様のことが、ウィキリークのジュリアン・アサンジ氏の場合にも起こりました。イギリスのエクアドル大使館にイギリス警官が入り込みアサンジ氏を逮捕したのです。米国がイギリスに命じたのです。エクアドル前大統領はアサンジ氏の亡命を認めていました。しかし新大統領は彼を亡命者とは認めない判断をしたのです。米国の要請によるそうしたのです。整理すると、米国がイギリスにアサンジ引き渡しを要求しています。彼の母国はオーストラリアで米国ではありません。したがって「本国送還」ではありません。

以上まとめると、次のようになるでしょう。
　中国　　⇒　　香　港　　　犯罪容疑者
　米国　　⇒　　カナダ　　　孟　晩舟容疑者
　中国　　⇒　　カナダ　　　孟　晩舟中国旅券所有者
　米国　　⇒　　英　国　　　アサンジ氏（情報を漏らして国家を危険に陥れた？）

米国の憲法修正第一条は表現の自由を保障しています。第一条が表現の自由というのですから我が国と雲泥の差です。しかし最高裁はこれを無効にしているのです。まああそれはともかく、引き渡し「Ｅｘｔｒａｐｅｄｉｔｉｏｎ」の構図は以上のとおりです。

そこでＮＨＫの映像を観るとどうなるのか。それは皆さんの５０です。御自由です。日本国憲法は「まだ」日本人の表現の自由を保障しています。

堅い話で御免なさい。仁王像様。之で間違いないですね。

　詳しい説明でした。知らないことがたくさんあります。

　なお、wikiによると香港返還は、1997年7月1日とあります。

　貴殿の文中「２０４７年には中国となる」の意味は、下の記事によると「香港の『一国二制度』は返還から５０年間、つまり２０４７年までしか適用されない。それ以降は共産中国に完全に飲み込まれる」の意味のようです。

・産経ニュース／2019.6.18
　https://news.infoseek.co.jp/article/sankein_wor1906180004/