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景況感改善でも動かぬ米国の家計と企業のおカネ(会社四季報オンライン)
http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/373.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 1 月 27 日 16:33:45: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

景況感改善でも動かぬ米国の家計と企業のおカネ
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170127-00155249-shikiho-bus_all
会社四季報オンライン 1/27(金) 15:41配信


 1月末から2月初めにかけて米国で重要な景気指標発表が相次ぐ。消費者信頼感指数(発表はコンファレンスボード発表指数の1月分が1月31日、ミシガン大指数の2月分が2月10日)、ISM景気指数(発表は1月分製造業が2月1日、非製造業が同月3日)、雇用統計(1月分発表は同月3日)などだ。1月31日、2月1日の両日開かれるFOMC(連邦公開市場委員会)も気になるイベントの一つ。政策変更はないとみられるが、米金利の動きを通じて為替相場の動きを左右する。

 トランプ新政権の誕生で一部の米景気指標が良くなり、それとともに株価も上昇した。色分けすると、景気指標で目立って良くなったのは、アンケートなどで調べた景況感を示す指標、いわゆるソフトデータだ。これに対して、実際の取引金額などを集計して作った統計、いわゆるハードデータの多くには目立った改善が見られない。

 トランプ大統領の提示した減税やインフラ投資計画を受けて、企業や家計部門に「景気が良くなるのではないか」という「期待」が強まったようだ。ただ、「期待」はあっても、安心しておカネを使おう段階には至っていない。小売売り上げや消費金額が目立って増えているわけではなく、生産や設備投資などを増やそうという計画が定まっているわけでもない。

 家計部門の景況感と実際の消費の動きをみてみよう。図1は、消費マインドの動きを示すミシガン大消費者信頼感指数と実際の消費動向である実質小売売上高(消費者物価指数で実質化)の前年比の推移を示したものだ。消費者信頼感指数は2016年12月が98.2、17年1月は98.1と15年1月(98.1)以来の水準に上昇した。

 一方、実質小売売上高は低迷したままだ。前年比伸び率は16年の大統領選前の10月に2.5%と高まった後、11月2.2%、12月2.0%と逆に鈍化している。乗用車販売などが比較的好調なうえ、ガソリン価格上昇でスタンドの売り上げも増えているが、全体的に消費は伸び悩んだままだ。

 企業部門の景況感と実際の生産の動きはどうか。大企業・製造業の景況感を示すISM製造業景気指数を見ると、15年12月の48を底に上昇に転じ、16年12月には54.7と景気判断の分岐点である50のラインを4カ月連続で越え、14年12月以来の水準に高まった(図2参照)。

 しかし、実際の生産活動は高まっていない。製造業設備稼働率は14年11月をピークに低下し続け、16年12月も74.8と低迷が続く。設備稼働率は80%を超えると設備不足を意味し、新規の増産投資が増えてくるとされるが、現在のレベルは設備がまだ過剰であることを示しており、新たな増産投資が増える水準ではない。

■ 期待はあくまでも「期待」

 雇用は順調に増加しているが、トランプ新政権の見込む4%成長を見越して企業が雇用を一段と積極化させている気配は感じられない。雇用統計によれば、16年12月の非農業雇用者数は前月比15.6万人増となり、11月の20.4万人増に比べて増加幅が鈍化した。

 米国の多国籍企業にはトランプ新政権の保護主義的な姿勢で国際的な貿易取引も規制されてしまうのではないかと不安視する向きも多い。これに対し、国内取引中心の中小企業には減税やインフラ投資への期待がかなり大きいだろう。

 中小企業の景況感を示す全米独立企業連盟(NFIB)の中小企業楽観指数は全米の中小企業約800社を対象に、雇用・投資計画、売り上げ・利益増加期待や一般的な景気の先行き見通しなどの10項目を調査した結果を指数化したものだ。大企業を調査対象とするISM景気指数などに比べるとリーマンショック以降、中小企業の景況感は低迷したままだったが、同指数は16年11月、同12月と2カ月連続で急上昇した(図3参照)。

 ただ、この数字を大きく押し上げたのは調査項目10項目のうち、売り上げ増加期待や、一般的な景気の先行き見通しなどの「期待」だ。売上高増加を「予想」する企業の構成比(増加を予想する企業の割合から減少を予想する企業の割合を差し引いたもの)は16年10月までほぼゼロ近辺で推移していたが、同月の1%から同11月には11%、同12月も31%とハネ上がった。

 だが、それに応じて実際に設備投資を計画している企業が多くなっているかと言えば、そうでもない。投資を計画する企業の割合はいくぶん高まったが14年以降、22〜29%の範囲内で推移。16年11月は24%、同12月も29%にとどまった。中小企業の間では「なんとなく今までより良くなりそうだ」という期待は高まっていても、実際には様子見姿勢が強いということなのだろう。2月14日発表予定の次回1月の同指数の動きもチェックしたい。

 これらを踏まえると、当面の米国の景気指標を見る際に注目すべきは、消費者信頼感指数やISM景気指数などソフトデータが示すような期待の高まりに伴って売り上げ・生産・投資金額などのハードデータが上向いていくのか、あるいはハードデータが低迷したままであることを見て、いったん高まった期待がしぼんでいくのか、という点である。

 ソフトデータの多くは集計が容易であるため速報性がある。集計に時間のかかるハードデータにもソフトデータと同様、景気上向きの動きが反映されることも期待できる。だが、期待はあくまでも「期待」止まりで、一次的なものにとどまることもないわけではない。今回はその可能性がむしろ高いとみられる。

■ 3月利上げの確率は3割程度

 株価も「期待」に左右される面が大きい。ソフトデータの好調とともに、米国株中心に世界の株価は上昇したが、期待がしぼむようなことがあれば要注意だろう。そうした意味で、今回発表されるミシガン大消費者信頼感指数やISM景気指数が、これまでの上向きの動きを維持できるかが世界の株価の値動きを左右することになりそうだ。下振れリスクには要注意である。

 今回のFOMCについては冒頭で指摘した通り、金融政策変更もないとみられるうえ、経済・金利見通し発表やイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見などもないため、注目度は低い。ただ、FOMCのメンバーは今年中の利上げ回数が3回とみており、早ければ次回3月14〜15日のFOMCでの利上げもないわけではない。市場は3月の利上げ確率を3割程度とみている。

 利上げの重要な判断要素になるのは、景気指標よりもむしろ賃金・物価指標だ。16年12月の雇用統計によれば、同月の時間当たり賃金(全従業員ベース)は前年比2.9%と09年6月以来の水準に加速した。一方、直接的なFRBの物価目標であるコアPCEデフレータは16年11月に前年比1.6%と同10月(1.8%)に比べて伸びが鈍化した。労働需給の逼迫を背景に賃金の伸びは加速しているが、企業はその賃金コストを物価に転嫁できていないというわけだ。

 30日発表の16年12月分のコアPCEデフレータ、3日発表の雇用統計の1月分時間当たり賃金の動きは、3月以降のFOMCの利上げ判断に影響し、ドル相場の動きにも影響をおよぼすだろう。

 (次ページに2017年1月29日〜2月12日の注目スケジュール)

 新見未来(にいみ・みらい)/大手シンクタンクに在籍する気鋭のエコノミスト。マクロ経済のわかりやすい解説には定評がある。今後2週間の注目スケジュールと、重要な経済指標の活用法を隔週金曜日にお届けする。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

新見 未来
 

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