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アマゾンの「買い忘れ防止ボタン」は何がスゴイ 日米欧の物価指数比較、もたつく日本・ユーロ圏 デフレ脱却は脱却は実現せず
http://www.asyura2.com/17/hasan119/msg/569.html
投稿者 軽毛 日時 2017 年 2 月 28 日 00:08:40: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

アマゾンの「買い忘れ防止ボタン」は何がスゴイ

トレンド・ウォッチ from日経トレンディ

日用品を買うわずらわしさを排除
2017年2月28日(火)
日経トレンディ

 アマゾンはまた日本の消費スタイルを変えてしまうのだろうか?

 2016年12月5日、アマゾンは日本で「Amazon Dash Button(アマゾンダッシュボタン、以下ダッシュボタン)」サービスを開始した。ダッシュボタンは冷蔵庫や棚に貼り付けて、洗剤や水、ヘアケア用品、食品、ペットフードなどの日用品をボタン一発で注文できる、新スタイルのIoT(インターネット オブ シングス)デバイスだ。プライム会員がこのサービスを利用できる。

 2017年2月時点では「アタック」「ジレット」「ファブリーズ」「レノア」「リステリン」「ネスカフェ」「フルグラ」「エビアン」など、40以上の有名ブランドの商品をダッシュボタンで注文できる。デバイス自体は500円だが、初回注文時にその商品の価格から500円引かれるため、実質無料といっていいだろう。


ダッシュボタンは裏に接着テープが貼ってあり、買いたい日用品のそばに設置できる

40以上のブランドのダッシュボタンが用意されている
 ダッシュボタンを取り寄せて実際に使ってみると、サービスの簡便さに驚く。スマホアプリと自宅のWi-Fiネットワークの設定はあるものの、初期設定は数分で終わる。商品の注文は本当にボタンを1回押すだけで終了。注文履歴はスマホアプリの通知で確認でき、また何度ボタンを押しても一度しか注文を取らない。発送状況を参照しており、初期設定では、商品が届くまで次の商品はオーダーできない仕組みになっている。また発送前ならアプリなどから注文をキャンセルできるため、誤って押してしまった際も安心だ。よくできているサービスの仕組みだと感心した。

 ただ、最初にWi-Fiネットワークの設定が必要なのが、ITに詳しくない一般ユーザーにはハードルが高いように感じた。また筆者の場合、注文した洗剤が大きいサイズだったので、次の注文はずいぶん先になりそう。次にまたダッシュボタンを使うのか、それとも実店舗で買ってしまうのかは、まだ判断がつかない状態だ。


スマホアプリがあれば設定は簡単。ただWi-Fiネットワークの設定があるため、ある程度のITリテラシーは必要だ

ボタンを誤って押した場合でも、前回注文した商品が配送中であれば、注文は有効にならない。こうした仕組みはよくできている

自宅の洗濯機置き場にダッシュボタンを貼ってみた。ただ場所を選んで、何度も貼り替えていたせいで、ダッシュボタンの接着テープが弱くなり、下に落ちてしまった。貼る場所は事前に考えておいたほうがいい。また、ダッシュボタンはフックに掛けることもできる
 ダッシュボタンは、便利さだけでなく、サービスの先進性やビジネスモデルにも注目が集まっている。2017年1月中旬にはダッシュボタンについて論じたブログがネット上で大きな話題となり、Twitterのその日のトレンドに「Amazon Dash Button」が入るほど拡散した。

 実際のところ、ダッシュボタンの狙いや日本での状況はどうなっているのだろうか。アマゾンジャパンのAmazon デバイス プロダクトマネジメント本部 シニアプロダクトマネージャーの橋本肇氏に聞いた。

ダッシュボタンの電池持ちは?

一般ユーザーにとって、ダッシュボタンのメリットはどんなところにあるのでしょうか?

橋本肇氏(以下、橋本):ダッシュボタンは「日用品を補充するわずらわしさを最大限排除する」という狙いで開発されました。スマホで商品を検索・注文する手間すら省き、「足りないな、買おうかな」と思った瞬間に、何も悩まなくてもワンボタンで注文できる仕組みになっています。これによって日用品の買い忘れや買いだめを防げるでしょう。

 アマゾンにはもうひとつ、日用品を自宅に定期的に届ける「定期おトク便」サービスがあります。おトク便は毎月同じ量だけ使う商品の買い回りに向いていますが、ダッシュボタンは月によって消費量に違いがある商品の注文に向いています。ユーザーのちょっとした消費スタイルの違いに応じて、サービスを選べるようになっています。


Amazon デバイス プロダクトマネジメント本部 シニアプロダクトマネージャーの橋本肇氏
ネットでは「ダッシュボタンの電池持ちは1年」というウワサが流れていますが、実際のところはどうなんでしょうか?

橋本:ダッシュボタンの電池持ちは、ボタンを1000回押しても大丈夫な仕様になっています。月に2回、注文のために押したとしても、優に10年以上は持つ計算です。実際は部品の耐久年数があるので10年は無理ですが、それでも2〜3年は使い続けられます。

充電することなく、数年間使い続けられるんですね。

橋本:ダッシュボタンはこれ自体でインターネットに接続するIoTデバイスですが、待機状態ではほとんど電池を食いません。ボタンが押されると、そのつどシステムが数秒で起動してWi-Fiに接続し直し、アマゾンに注文を送る仕組みになっています。だから電池持ちが良いのです。

 こうした電源管理技術を備えたことで、「冷蔵庫やパントリーのなかに貼っておき、日用品が足りなくなったらワンボタンで注文する」というサービスが可能になりました。技術の進歩によって、そこに技術があることを感じさせないほどのシンプルな端末ができた。これがダッシュボタンの特徴だと考えています。

ただ、初期設定で自宅のWi-Fiネットワークにつなぐための設定が必要な点が、ITに詳しくないユーザーにはハードルが高いように思えました。Bluetoothを使ってスマホに接続するほうがよいように思ったのですが……。

橋本:初期設定ではスマホが必要ですが、その後はスマホを持っていなくてもワンボタンで注文できるよう、ダッシュッボタンはWi-Fiに接続する仕組みになっています。スマホがなくても独立して動くようになっているのです。

ダッシュボタンでよく売れるのは?

ダッシュボタンはまず、米国で2015年に始まったサービスですね。米国ではどんな展開になっているのでしょうか。

橋本:米国では当初18ブランドでサービスが始まりましたが、成功を収めたため、現在では250以上のブランドでダッシュボタンが使えるようになっています。

 例えばコーヒーの「Peet's Coffee」では、アマゾンで注文されるうちの半分以上がダッシュボタン経由になっているほどです。また米国では子供用ねんどなどの玩具商品もダッシュボタンから注文できるようになっています。


米国では、注文の50%以上がダッシュボタンでの注文になっている商品もあるという
日本では2016年12月にスタートしたばかりですが、現状を教えてください。

橋本:日本では洗剤や水、コーヒー、ペットフードをはじめ、41ブランド700以上の商品を買える状態でスタートしました。始まったばかりのサービスなので、売れ行きの状況はまだ様子を見ている状態ですが、P&Gや花王が複数ブランドで参加しているなど日用品メーカーにも注目されています。

日本では、どんな商品がダッシュボタン経由で注文されていますか?

橋本:「サントリーの天然水」「ウィルキンソン」のようなミネラルウォーター・炭酸水が非常に売れています。こうした商品は実店舗で購入すると持ち運びに苦労しますし、毎日飲んでいるとすぐに無くなりますからね。またペットフードや洗剤もよく注文されています。

日用品メーカーにとって、ダッシュボタンを採用するメリットはどんなところにあるのでしょうか。

橋本:ダッシュボタンには各ブランドのロゴが付いています。これらが自宅の冷蔵庫や洗濯機の横に貼られるということで、ブランドの認知度が非常にアップすることをメリットに感じてもらっています。もちろん、先ほどの米国のコーヒーブランドの事例にもあるように、ダッシュボタンを導入した家ではそのブランドの商品を購入する可能性が高まる効果も期待できます。

それでは、アマゾンは各メーカーからある種の広告料金をもらっているのでしょうか?

橋本:申し訳ありません、各メーカーさんとの契約内容は非公表とさせていただいています。

ちなみに橋本さんご自身も、自宅にダッシュボタンを導入していますか?

橋本:わが家では「フルグラ」「サントリーの天然水」「レノア」のダッシュボタンを置いています。

 実は、私自身は仕事に忙しくてこうした日用品を買い回ったことはなかったのですが、ダッシュボタンを実際に設置してみると「家族はこういった商品を1カ月に何度も買っているんだな」とわかりました(笑)。

米国ではさらに進化していた

日本の今後の展開は?

橋本:現時点でも、生活に密着するカテゴリーの商品をある程度カバーしていますが、今後はダッシュボタンで注文できる商品ジャンルを増やしつつ、そのジャンルのなかでも注文できるブランドを増やしていきます。アマゾン全体の戦略と同じで「ユーザーの選択肢を増やしていく」という方針です。

例えばダッシュボタンを押すとき、2回押すと設定とは別のサイズが選べるなど、ボタンの押し方によっていろんな商品が選べるといいな、と感じました。

橋本:ユーザーとして買う商品を選びたい気持ちもあるかと思いますが、ここはダッシュボタンの「大いなるトレードオフ」でもあります。買う商品を最初に一回選択してしまえば、何も考えずにワンボタンで注文できるのが、ダッシュボタンが究極的にシンプルな理由です。こういう使い方にぴったり合致するお客さまには、最高のサービスになるのではないかなと考えています。

ネット上では「ユーザーが、自分の好きな商品を注文できるダッシュボタンがあると便利」という意見もありました。

橋本:実は、米国では「バーチャルダッシュボタン」という新サービスがこの1月に始まりました(注:日本での導入は未定)。こちらはアマゾンのトップページに、自分がよく買う商品の「仮想ダッシュボタン」を置けるというものです。これによって、プライム会員が選べる商品なら、ほとんどすべてワンタッチで買えるようになっています。


米国で始まった「バーチャルダッシュボタン」サービス
こんなサービスも始まったということは、ダッシュボタンは米国ではかなり生活に浸透しているのですね。

橋本:米国では、ダッシュボタンを3〜4つ使う人も大勢いるなど、ユーザーの生活に根付いています。「いつも買うものを分かりやすく表示する」ということを表すのにダッシュボタンというのは良いメタファーだと思います。

 日本でもダッシュボタンを導入した人が、実際にボタンを押して商品を注文する確率は高いです。日本でも今後、生活に根付いていくのではないか、と考えています。

(文/荒井 優)

[日経トレンディネット 2017年2月13日付の記事を転載]


このコラムについて

トレンド・ウォッチ from日経トレンディ
日経トレンディから、ビジネスパーソン必読のヒットコンテンツを紹介します。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/030800018/021400265

 

日米欧の物価指数比較、もたつく日本・ユーロ圏
上野泰也のエコノミック・ソナー
日本経済のデフレからの脱却は実現せず
2017年2月28日(火)
上野 泰也

日米欧それぞれの「サービス」の物価指数から、経済の先行きを考えてみよう。
「サービス」の動向から分析する、物価のベースライン
 日本の全国消費者物価指数(全国CPI)、米国の消費者物価指数(CPI)、ユーロ圏の統合ベース消費者物価指数(HICP)の前年同月比を、財とサービスの別にチェックする作業を行ってみよう。筆者は以前から次のような主張をしている。
 それぞれの国・地域の消費者レベルの物価指数において基調(ベースライン)となるのは、賃金の増減を最大のドライバーとする「サービス」の動向である。原油など国際商品市況や為替相場の動きに左右されやすい「財」の動向(前年同月比)は、時に大きな波を形作るものの、ベースラインにならないのが常である。
 そうした認識を踏まえた上で、それぞれの直近の推移についてコメントすると、以下のようになる。
日本の物価は今なお「ゼロインフレ」
@日本<■図1>
■図1:日本 全国CPI(総合) 財、サービス別

(出所)総務省
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/248790/022300083/zu01.jpg

 「アベノミクス」の下でも、全国CPIのうちサービスの前年同月比が0%近辺という状況には、変化が起こっていない。2014年4月から1年ほどの上方への出っ張りは、消費税率が5%から8%に引き上げられたことによる一時的でテクニカルなものにすぎない。
 要するに、日本の物価のベースラインは今なお「ゼロインフレ」である。そして、民間最終消費支出デフレーターの前年同期比は全国CPIのそれよりも低い数字になるので、結局のところ、日本経済のデフレからの脱却はいっこうに実現していないと言える。
 2月6日には2016年の毎月勤労統計調査速報が発表され、実質賃金が0.7%という小さな幅ながらも5年ぶりに増加したことが大きく報じられた(22日発表の確報も同じ数字)。
賃金や物価の動向は、政府や日銀の思い通りにならず
 だが、実質賃金の季節調整済指数の水準は、2010年の水準から5%ほど切り下がったままである。物価調整前の名目賃金(現金給与総額)を見ても、ボックス圏を脱して大きく上向いていく兆しはない。むしろ、働き方改革の中で法律により残業規制が強化されることが、所定内給与の減少を通じて個人消費の押し下げ要因になることが警戒されている。
 日銀は物価安定の目標2%の実現を目指しており、政府とともに春闘での積極的な賃金引き上げを企業に促している。だが、賃金や物価の動向は、彼らの思い通りになっていない。したがって、長期金利ターゲット(ゼロ%程度)の引き上げやマイナス金利解除などの金融引き締め措置が近い将来に行われる可能性はほとんどないと、筆者はみている。
米国のサービス、+2%ラインから緩やかに上方へ
A米国<■図2>
■図2:米国 CPI(総合) 財、サービス別

(出所)米労働省
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/248790/022300083/zu02.jpg

 ドル高による物価下落圧力を反映して、財の前年同月比は水面下に沈んでいた。だが、原油価格が反発したことをうけて、直近では持ち上がってきている。
 一方、サービスの前年同月比は、+2%ラインから緩やかに上方に動いてきている。FRB(連邦準備理事会)が利上げをこれまでに2回行ったことと整合的な物価動向ではある。
「人口増加社会」という米国経済の強みが反映
 サービス価格の上昇には、雇用情勢が緩やかに改善して賃金が増加していることのほか、賃貸住宅の需給がひっ迫して家賃が上昇を続けていることが寄与しており、「人口増加社会」という米国経済の強みが反映されていると言うこともできるだろう。もっとも、家賃の上昇には中古・新築の住宅販売価格が上昇しすぎたことから賃貸へのシフトが起こっているという、米国の住宅市場の歪みも反映されている。
 また、サービスの前年同月比が「リーマンショック」前には恒常的に+3〜4%台であったことと比べると、ようやく+3%台に乗せてきた足元の数字は色あせる(雇用統計に含まれている時間当たり賃金の増加率の状況とパラレルである)。
 さらに、米国の2%というインフレ目標の対象となっている物価指標は、CPIよりも上昇率が低いPCE(個人消費支出)デフレーターという別の物価指標であることにも、十分留意する必要がある。
ユーロ圏は+1%前後に張り付き、上向きの動きは今のところなし
Bユーロ圏<■図3>
■図3:ユーロ圏 HICP(総合) 財、サービス別

(出所)ユーロスタット
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/248790/022300083/zu03.jpg

 労働組合の組織力・賃金交渉力が日本や米国よりも強いはずのユーロ圏だが、賃金動向を反映するサービスの価格は、前年同月比+1%前後に張り付いたままである。ユーロ圏の景気が足元ではっきり復調しているにもかかわらず、上向きの動きはまだ出てきていない。
 したがって、年内といった早い段階での金融緩和縮小論や金融引き締め論から、ECB(欧州中央銀行)の首脳陣は明確に距離を置いているようである。
「納得のいく上昇トレンドの兆候は見られない」
 ドラギ総裁は1月19日の定例理事会終了後の記者会見で、「基調的なインフレが納得のいくような上昇トレンドにある兆候は見られない」「総合インフレ率は短期的に主にエネルギー価格の前年比での動きを反映して一段と上昇する公算が大きいが、基調インフレ率は中期的に一段と緩やかに上昇すると想定している」と発言。
 2月2日にはプラート理事が、「インフレ率が中期的に2%に近い水準で推移する状態に向けた持続的な調整軌道には、現在は達していない」「インフレがわれわれの物価安定目標に沿う水準近辺で安定するまでには時間がかかる」「ECBはインフレの過渡的変化は重視せず、基調的なインフレの力学に焦点をあて続ける」と述べた。
「反グローバル化」のうねりは続く
 その上、今年は重要な国政選挙がオランダ、フランス、ドイツ、そしておそらくイタリアでも行われるほか、英国のEU(欧州連合)離脱通告とその後の交渉という息の長いリスク要因もある。
 より詳しく説明しておくと、まず3月15日にはオランダで総選挙が実施される。直近の世論調査を見ると、ウィルダース党首率いる極右政党・自由党(PVV)が第1党になる可能性がかなり高くなっている。英国の国民投票におけるEU離脱決定、米国の大統領選挙におけるトランプ候補勝利に続いて、「反グローバル化」のうねりが大西洋の両側で続いていることをあらためて印象付けるイベントになるだろう。
 もっとも、オランダでは小党分立の中で連立政権が常態化しているため、自由党を排除してそれ以外の政党が連立を組む可能性が高い。
 また、英国がリスボン条約第50条に基づいてEUに脱退通告を行い、2年近くに及ぶとみられる条件交渉が開始されるのも3月である。
フランスの大統領選挙が最大の注目材料
 4〜5月には、フランスの大統領選挙が非常に大きな注目材料になる。第1回投票が4月23日に行われた後、上位2候補が5月7日の決選投票に臨む。マリーヌ・ルペン党首率いる極右政党・国民戦線(FN)は、父親が党首だった時代は過激な排外思想を前面に出していた。だが、娘の代になってから大衆政党化を図り、支持層拡大に成功している。公約の目玉は、フランスをEUから脱退させること。大統領選に勝った場合、半年以内にEU離脱を問う国民投票を実施することを決めた上で、EU側と条件交渉を行うとしている。
 直近の世論調査では、第1回投票ではルペン党首がトップになるものの、決選投票では他の候補(中道無党派のマクロン前経済相あるいは中道右派のフィヨン元首相)が勝利する見通しになっている。
ルペン勝利の確率は世論調査の数字より高い
 だが、昨年の米大統領選では、「隠れトランプ支持派」が多数存在していた。このため、世論調査を額面通りに受け取っていた人は、筆者を含め、予想を外すことになった。そうした苦い経験に鑑みると、仏大統領選挙の場合も、ルペン党首が勝利する確率は世論調査の表面の数字よりも高いとみるべきだろう。決選投票は50%をはさむ僅差での決着になるのではないか。
 そのほか、選挙法改正が前提になるが、本来は2017年に実施予定のイタリアの下院選挙が、秋から年末に前倒しで実施されるとみられている。この国では通貨統合からのイタリア離脱を唱える新興政党「五つ星運動」が世論調査で高い支持を得ている。
政治リスク受け、欧州中央銀行は緩和強化の可能性も
 市場の一部には、ECBが年内に量的緩和のペース(4〜12月の9か月間は月額600億ユーロに減額して継続と決まっている)をさらに落として、「テーパリング(資産買い入れの段階的減額)」志向を鮮明にするのではないかという見方もある。だが、筆者は全くそう思っていない。
 むしろ、仏大統領選挙に代表される、欧州全体の先行き不透明感を強めかねない重大な政治リスクがあるだけに、金融市場は不安定化しやすい。このため、ECBは必要があれば緩和強化も辞さない、きわめて慎重な政策の舵取りを行うだろう。


このコラムについて
上野泰也のエコノミック・ソナー
景気の流れが今後、どう変わっていくのか?先行きを占うのはなかなか難しい。だが、予兆はどこかに必ず現れてくるもの。その小さな変化を見逃さず、確かな情報をキャッチし、いかに分析して将来に備えるか?著名エコノミストの上野泰也氏が独自の視点と勘所を披露しながら、経済の行く末を読み解いていく。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/248790/022300083
 

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コメント
 
1. 2017年2月28日 13:56:57 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[3716]

>労働組合の組織力・賃金交渉力が日本や米国よりも強いはずのユーロ圏だが、賃金動向を反映するサービスの価格は、前年同月比+1%前後に張り付いたまま

そりゃ、緊縮財政で、しかも南欧諸国など生産性が低い国では財政リスクが高いのだから当然だ


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