★阿修羅♪ > 経世済民119 > 666.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
トランプ演説に為替政策の矛盾、日本は帳尻合わせの矛先に(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/17/hasan119/msg/666.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 3 月 03 日 08:23:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

            Photo:ロイター/アフロ


トランプ演説に為替政策の矛盾、日本は帳尻合わせの矛先に
http://diamond.jp/articles/-/119782
2017.3.3 ダイヤモンド・オンライン編集部


トランプ大統領は初めての施政方針演説で、メキシコ国境での壁建設や1兆ドルのインフラ整備、減税などを打ち出した。だが拡張的な財政政策を進めれば、「ドル高」が加速しかねず、大統領就任直後から「ドルは高過ぎる」と市場への口先介入を続けてきた為替政策とは逆行する。「トランポノミクス」の二大看板、「移民」と「ドル」政策の矛盾解決の矛先は、どこに向かうのか。(「ダイヤモンド・オンライン」特任編集委員 西井泰之)

 28日夜(日本時間3月1日)の議会演説は「米国第一主義」で貫かれた。「あまりに長い間、雇用や富が外国に流れるのを目の当たりにしてきた」「(企業の海外移転や移民や輸入品の流入から)米国人の雇用を守る」「南側の国境沿いに大きな壁をまもなく作り始める」「1兆ドルのインフラ投資で新たな雇用を創出する法案の承認を議会に求める」──。米国人の雇用を奪っている移民や安い輸入品の流入を防ぐ一方で、インフラ整備や法人税減税などで、国内に雇用を作るというわけだ。

■財政赤字拡大で金利高に
ドル高抑制のはずがドル高加速?

 柱になるのが、財政政策。国境の壁建設や道路や空港、鉄道などを整備するほか、法人税率引き下げや中間層への所得税減税も言及した。企業の設備投資や個人消費を刺激する狙いだが、財源が曖昧なうえ、当初税収は増えても、しばらくすると刺激効果は薄れ財政赤字が拡大するのは、80年代に減税と軍事支出で巨額の赤字を積み上げた「レーガノミクス」で経験済みだ。米国の財政収支は昨年年初から再び悪化し始めているが、米国の民間シンクタンクでは、トランポノミクスについても実施されれば財政収支は一時的に好転するが、数年後からは財政赤字が拡大する推計をしている。

 では、演説通りに政策は実施されるのか。伝統的に「小さな政府」、財政均衡路線の与党共和党がトランプ大統領の財政拡大路線とどう折り合うのかは見えないが、大統領選で支持基盤となった産業の疲弊地域や非熟練労働者に雇用機会を増やすという面では、政治的には重要な成果を上げることにつながるから、大統領も簡単には妥協しないだろう。減税と財政支出の拡大は、インフレ予想を高め、金利高が見込まれるので「ドル高」要因。金融緩和が続く日欧との金利差が拡大することになるから、投資資金の流入増など資本取引の面でも「ドル高」が進む流れだ。

 メキシコなどからの安い輸入品の流入を抑えようという「国境税」も輸入物価の上昇などのインフレ予想を強めて、「ドル高」を呼ぶと見られている。税負担が増えた輸入業者が、これを価格に転嫁したら、輸入品価格の上昇が物価全体に少なからぬ影響を与え、インフレ予想―高金利―ドル高のメカニズムがここでも働く。

 結局、「トランポノミクス自体にはドル高要素が多く含まれている。ドル高基調は変わらないのではないか」と、金融シンクタンク、RPテックの倉都康行代表が予想する。施政方針演説のような政策がとられればとられるほど、「ドル高」が進んでしまう矛盾だ。

■「矛盾」の帳尻合わせは対外交渉で
貿易と通貨を絡ませ圧力

「ドル高抑制」を言いながら、「ドル高」を誘引する政策の矛盾の矛先はどこにいくのか。帳尻合わせは、海外に求めるということになりそうだ。

 ドル独歩高を招いた80年代のレーガノミクスは、「ドル高是正」で政策協調して、円や当時の独マルクが切り上げをすることで帰結した(プラザ合意)。そのような多国間での為替調整を予想する声もあったが、最近はそういう声は聞かれなくなった。プラザ合意の当時ほど、米国経済が疲弊しているわけではなく、一方で当時は巨額の対米貿易黒字を稼いでいた日本やドイツも余裕はなくなっている。多くの国が「為替引き下げ」で輸出を伸ばし経済停滞から脱したいと考えている中で、ドルだけが…とはいかない状況だ。

 結局は、2国間の通商交渉の場に為替問題を絡ませてくる可能性が高い。貿易問題で、「為替操作」への制裁などをちらつかせて譲歩を求める、あるいは貿易では輸入障壁撤廃や関税引き下げの要求をごり押ししない代わりに、金利差が拡大しないよう金融政策などの対応を求めるといった具合だ。

 だがここでも対外摩擦が激化しかねない。最大の対米黒字国で、トランプ大統領に「為替操作」を批判されている中国は、今は人民元安誘導どころか、政府が必死で人民元を買い支えているのが現実だ。成長の減速や不良債権急増で、海外からの投資マネーが流出、国内資本も海外に逃避し始めたのが止まらない状況。この状況で、米国が中国に「人民元安誘導」を批判しても話がかみ合わない。それどころか、トランプ大統領が中国批判を続ければ、米中間で無用の緊張が走ることになりかねない。

 日本にも、首脳会談で設置が決まった「新経済対話」(マクロ経済政策、経済協力、二国間貿易をテーマにする)の中で、貿易と為替を絡めて様々な要求が出される可能性がある。だが首脳会談で「日米べったり」を演出してみせたとはいえ、日本側が「出せる弾は限られている」のが現状だ。

 日本側は、為替は日米の財務相間で話し合い、経済対話とは切り離すということで整理したとしている。これまでの「G20」の議論での、為替引き下げ競争はしないことや、各国の金融緩和は国内景気の立て直しのためにされているといった合意を米国側と確認し合うことから始めるという。

 貿易でも為替問題でもトランプ大統領の対日認識は、80年代のまま。あの当時に比べ、日本市場は開放されているし、自動車などの現地生産も格段に進んでいるが、米国の矛先をかわせるかどうか。日本側は雇用創出の成果が、わかりやすい鉄道建設などの経済協力をメインテーマにしたい思惑だが、TPPでなんとか決着した農業の市場開放要求などが、ぶり返すという見方も出ている。
 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民119掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民119掲示板  
次へ