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ヤマト宅配便を直撃、人手不足は日本経済の新たなボトルネックだ(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/17/hasan119/msg/777.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 3 月 07 日 09:37:04: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

ヤマト宅配便を直撃、人手不足は日本経済の新たなボトルネックだ
http://diamond.jp/articles/-/120090
2017.3.7 真壁昭夫:信州大学教授 ダイヤモンド・オンライン


■ヤマト運輸による
会社への「異例の要求」

 2月下旬、宅配最大手ヤマト運輸の労組は、春闘の労使交渉で賃上げに加え、来年度の宅配便の取り扱い個数が今年度を超えないよう会社側に求める異例の要求をした。これは、同社始まって以来の事態だ。背景にはアマゾンなどの宅配の急増がある。サービス競争で業務量は増える一方なのに、人手が追い付かない。だがこれはヤマトだけに限ったことではない。人手不足という日本経済の新たなボトルネックが浮き彫りになった。

 ヤマト運輸をはじめとする宅配業者は、これまで、アマゾンをはじめとするネット通販会社の配達を比較的安価な料金で引き受けてきた。

 こうした運送業者のビジネスモデルは、労働力を十分に確保できることが前提だった。ところが、少子高齢化の進展などに伴い、労働市場は急速にひっ迫し始めている。2016年の有効求人倍率は1.36倍に達した。中には求人倍率が2倍を超える業種もある。物流などの運転手や建設、介護などの人手のいる業種や職種を中心に労働市場は"売り手"市場になっている。

 その結果、ヤマト運輸のように、業務の増加とともにコストも増え、利益率が低下する企業も出ている。人件費の高騰を抑えるために、増えた業務を既存の労働力で補おうとするほど、現場への負担が増え、労働環境が悪化する。問題は、そうした状況が今後、さらに進むと見られることだ。労働力の供給は徐々に減少するとみられ、それが経済成長の制約要因になる可能性が高い。長い目で見た場合、企業が労働力の減少をカバーする取り組みを進めることができなければ、成長が鈍化する恐れがある。

 その意味でヤマト運輸のケースは、一時的かつ特定の企業に固有の現象というよりも、日本経済が直面する重要課題が表面化していると理解すべきだ。

■便利な社会、人手不足が壁に
利益率低下、労働環境も悪化

 注文や仕事が立て続けに入ってくる状況は、企業としては喜ばしいはずだ。しかし、働き手を確保することが難しいと、話は少し変わってくる。ヤマト運輸のケースはかなり深刻だ。

 労働人口が減る中で、、ネットショッピングの普及に伴って配達の件数が増えた結果、2016年度のヤマト運輸の取扱個数は18.7億個と前年比8%増加の見通しだ。

 そして、ネットショピング関連の配送契約は、通常の法人契約よりも相対的に割安なものが多い。その結果、ヤマト運輸は仕事が増え続ける一方で利益率が上がらず、その上に労働環境も悪化するという負の循環に陥っている。

 この状況が続けば、職を変えようとする人が増えてもおかしくはない。そうなると、ヤマト運輸は業務をこれまでのように続けることは難しい。従業員が疲労やストレスが原因で、思わぬ事故やミスが発生することもある。人手不足が続く中で企業が持続的な成長を続けるには限界がある。

 こうした厳しい状況に直面する中、ヤマト運輸の労働組合は会社側に宅配荷物の量を抑制することを求め、会社側も応じることになった。このことが報道された2月23日、ヤマトホールディングスの株価は、前日の引け値から約8%上昇し、その後も上昇基調にある。

 これは、市場参加者が、人手不足が進む中でヤマトの利益率が伸び悩み、企業の成長が止まることを懸念していたことの裏返しだ。つまり、ヤマト運輸が経営の新たな課題に対して打開策を真剣に考え始めたことを評価したのである。

 過去10年間のデータを見ると、ヤマト運輸の取り扱う荷物の数は50%増加した。一方、同じ10年間で、宅配便の平均単価は1割下落し、営業利益率も6.0%台から4.8%まで落ちている。

 人手不足が続く中で企業がシェアの拡大などに力を入れ、競争に勝ち残ることは容易ではない。コストを抑制しつつ既存の労働力で人手不足を補おうとするほど、現場には過剰な負担がかかる。その結果、サービスの見直しは不可避になる。すでにヤマト運輸は正午〜午後2時の時間指定配達の廃止など、現場への負担軽減を重視した見直しを進めている。

■新しい物流のビジネスモデルが必要
駅やコンビニに配達ボックス

 現場の過度な負担を減らすためには、時間指定などの過剰ともいえるサービスの見直しは有効な選択肢の一つだろう。ヤマト運輸の場合、全体の配達の2割を再配達が占めると考えられている。

 再配達は夜間に偏ることが多く、従業員への負担は増える。それでも、再配達分の追加料金は発生しない。利用者としては好きな時間に配達してもらえることは、確かに使い勝手がいい。多くの企業はパートタイマーを雇い、人手不足による現場の負担増加を軽くしようとしているが、抜本的な対策にはなっていない。

 特に、ヤマト運輸の場合、中興の祖といわれる小倉昌男氏の考えに基づき、サービス第一、利益は第二とする経営が重視されてきた。しかし、利益率の低下が続いている中、サービス優先の理念を踏襲し続けることには無理がある。新しい物流のビジネスモデルを考えていく必要がある。

 そのためには様々な選択肢が考えられる。住宅の前に配達ボックスを設置すれば、書籍などの荷物は留守中でも配達できる。ターミナル駅などにボックスを設置し、登録したIDなどを入力することで、そこに配達物を受け取りにいくようにするのも一つの方法だ。

 あるいは、コンビニなどで荷物を受け取ることができるようにするなど、改善できる部分は多いように思う。それ以外にも、機械化によって効率化を図る方法がある。すでに米国ではアマゾンがドローンを使った配達(プライムエア)の実験を始めた。もし、自動運転技術の実用が始まれば、運転手のいない車が荷物を届けることも可能になるだろう。

 一方で、宅配業者が配達料金を引き上げて、過剰な配送需要を抑えることも検討されることになるだろう。すでに、利益率の低い宅配事業を取りやめる企業も出ている。2013年4月、宅配便2位の佐川急便はアマゾンとの取引をやめた。理由はアマゾンの要求水準が高い反面、利益率が低かったからだ。それ以降、同社の利益率は改善している。

■官民の力でイノベーションを
ドローンや自動運転技術を活用

 人手不足の影響から現場が業務の負担に耐えられなくなり、配達料金の引き上げやサービスの停止が増えると、ネットショッピングの利用者にとっては利便性が低下するだろう。

 宅配業者にとって、需要に対応しきれないから契約を断るという姿勢は、一時的な業務負担の引き下げにはなる。しかし、需要は拡大しているのにそれに対応できるビジネスモデルを整備できないことは、収益機会の喪失でもある。長い目で考えると、そうした状況が続いた場合には成長のチャンスを逃すことにもなりかねない。

 ただ実際には、個々の企業が自助努力で人手不足に対応するには限界がある。新しい技術を既存のビジネスモデルに融合させるためには、まずはその技術の利用が認められなければならない。新しい技術の利用を認め、それに関するルールなどを取りまとめるのは政府の役割だ。

 今後、政府はドローンの活用や自動運転技術など、人手不足の緩和につながる技術の開発や特定の地域での試験的運用に注力することが求められる。人手不足で民間企業の経営圧迫が表面化した状況こそ、規制緩和を進めて新しい技術を導入し、社会全体を変革するチャンスだ。加えて、非正規、正規雇用間の賃金格差を解消するなど、働き手と企業の双方にとって好ましい労働市場を整備していくことも欠かせない。

 2016年の出生数は初めて100万人を下回った。すでに10年続けて出生数は死亡数を下回り、今後も人口は自然に減っていくと考えられる。この趨勢を短期間で食い止めるのは難しい。移民を受け入れるにも社会の抵抗感に加え、日本では受け入れ制度も十分ではない。

 そうした状況下で人手不足に対応していくためには、人工知能などを積極的に活用し、機械にできることは機械に任せてしまうくらいの発想の転換が必要になる。官民で新しい技術の活用などを進めることが、経済全体での生産性向上につながるだろう。

 逆に、それができないと、人手不足が企業経営を圧迫し、日本経済は徐々にジリ貧に向かう恐れがある。これからの人手不足がもっと深刻になることを考えると、早期に官民でこの問題に取り組むべきだ。

(信州大学教授 真壁昭夫)
 

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