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コンビニとドンキと百均で爆買い破産寸前「下層キャバ嬢」の理性 オンナの収支報告書(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/17/hasan119/msg/814.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 3 月 08 日 09:39:06: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


コンビニとドンキと百均で爆買い破産寸前「下層キャバ嬢」の理性 オンナの収支報告書
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51143
2017.03.07 鈴木 涼美 作家  現代ビジネス


今月から週刊連載になった、鈴木涼美さんの好評連載「オンナの収支報告書」。今回は「安物買いの銭失い」を絵に描いたような下層キャバクラ嬢の、ギリギリの生活をレポートします。

(※バックナンバーはこちら  http://gendai.ismedia.jp/list/author/suzumisuzuki

■最も身近で安易でスリルと幸福感を得られる行為

ミサトさんというのは7年ほど前に歌舞伎町のキャバクラで働いていた当時31歳のおねえさんで、特別美人というわけでもはなかったが、ものすごく痩せていて髪の毛がつやつやだったので、シルエットとしては結構いい女に見える、というタイプだった。

その店はバイトのボーイを除くと、店長、副店長2人、マネージャー2人がいたのだが、その中で抜群にセックスアピールのない、いわばおばさんのような見た目の、小太りさんが店長で、ミサキさんはその店長の女であるというのは私がそこそこ仲の良かったボーイから仕入れた多分確かな情報である。

なぜ彼女のことを急に思い出したかというと、先日、深夜に新大久保職安通りのドンキホーテに行ったら、かつてのミサトさんとそっくりな人を見つけたからです。



ほろ酔いで1人でふらふら入って来たその人は、化粧品コーナーや部屋着やパジャマのコーナーを徘徊しながら、ぼかすかと商品を買い物かごに入れ、時々立ち止まったりしゃがんだりして商品と睨み合い、困ったような顔をして、結局その商品もカゴに入れる。ドンキのあのおなじみの買い物カゴがいっぱいになったところでふらふらとレジに向かって行った。

その人は、たまたま背格好やヘアメイクがミサトさんに似ていたのだが、行動自体は、深夜の量販店などではそれなりにある光景である。

酔って気が大きくなり、平気で声を荒げたり、普段気が弱いくせに喧嘩っ早くなったりする男たちを、私たちは冷笑的に見ている。路上に止まっている自転車をなぎ倒し、口汚く部下を罵る。普段の臆病っぷりが際立ち、本性を見せているのだ、と自らの評判を落とすだけでなく、人に迷惑もかけっぱなしである。

対して、女の子がお酒を飲んでする行動と言えば泣きながらの恋バナ、無駄なセックス、それと見境のない買い物くらいだ。普段なら良識や貞操観念などできく歯止めが効かなくなり、タガが外れたように泣いたり、うっかり好きでもない人とホテルに行ったりする。

買い物についても、通常であればそれなりに欲しいものであっても、買ったところで使わないかもしれない、でも欲しい、しかしこれを買ったら月末のやりくりが苦しい、でも可愛い、ただ似合わなそうである、と何度も考えを反芻して買うか買わないか決めるのだが、酔っているとその反芻作業が抜け落ちることが多い。

そもそも買い物というのは、拳で殴り合ったり賭博でヒヤヒヤしたりすることが相対的に少ない女の子にとって、最も身近で最も安易にスリルと幸福感を得られる行為であるのは間違いない。

買うか買わないか選択を迫られ、買った時の気持ちの高揚と引き換えにいくばくかの財産を削り取られる。ちょっとした罪悪感と後悔、いい女になるための道具を得られた喜び、先ほどまでは人のものだった商品が自分のものになるときめきなど複数の感情が入れ混ざる。

毎日のように新商品が発売され、ちょっと歩けばキラキラで素敵で可愛いものが溢れている東京のような街では、そんなドラマチックな状況が簡単に生まれる。

ミサトさんもまた、そうやって買い物によって自分の日常をドラマチックに補完したいと思う女の人であった。

ただ、基本的にそれほど稼ぎがいいわけでもなく、年齢も年齢で、質素な生活をしていた彼女は、普段はそれほど大それた買い物をすることがなく過ごし、仕事帰りの深夜、少し酔っている状態でのみ、その願望が急に垂れ流しになり、スリルと幸福感を反芻することすらなく手が伸びるという状態になっていたのである。

■コンビニで1回6000円の買い物

ミサトさんの異常な買い物癖は、同じように店の送りの車を使っている女の子たちの間ではちょっとしたネタになる程有名だった。そのキャバクラの入っているビルのすぐ隣にコンビニエンスストアがあり、ミサトさんは時に送りの車をちょっと待たせながらでも、そのコンビニで毎日大量の買い物をしていた。

とある日の、店のすぐ下のコンビニでの彼女の買い物の内容はこうである。

女性ファッション誌2冊、限定デザインのボックスティッシュ2箱、旅行用ミニサイズのシャンプーセット、ほんのり色づく香り付きリップクリーム、普通の保湿用リップクリーム、拭き取りタイプのメイク落とし、ネイル用リムーバー、サンドイッチ、パックのジュース2つ、ペットボトルのお茶、ゆで卵、美容に良いという触れ込みのグミ、フルーツグラノーラ、納豆、タバコ3箱。会計は約6000円。



それほど売上があったわけでも、若く可愛らしかったわけでも、モデル活動をしていたわけでもない彼女の時給は当時4500円で、歌舞伎町ではかなり低めだった。さらに、彼女は日常的に一部の給与を日払いで受け取っていた。

21時から25時まで出勤して単純計算で1日の給与は18000円、厚生費やヘアメイク代を引き、1日の日払いの限度額である1万円を毎日受け取っていると、月末締めとなる1ヵ月の給与は15万円程度だった。家賃13万円と光熱費を払えば消えてしまう。

日払いの金額は毎日のコンビニ、時にはドンキホーテや24時間営業のブックオフ、たまに同僚と立ち寄るうどん屋やラーメン屋に消えていた。

「韓国みたいに、深夜に109みたいなファッションビルとか毛皮デパートがやってなくて本当に良かったよね。もしやってたら私破産してる」

と笑うミサトさんであったが、おそらくファッションビルが開いていても開いていなくても彼女の状況はあまり変わっていなかったように私は思う。

毎月10日にキャバクラの給料が受け渡される日など、まとまったお金が手元にある日、彼女は深夜も営業している店の近くのドレス屋に行って店内用のドレスを急に3、4着まとめ買いしたり、ドンキホーテのブランド品のフロアで何か物色しだしたり、ドラッグストアで基礎化粧品のまとめ買いをする。

1万円の日払いしかない日は大抵はコンビニとせいぜいドラッグストアやブックオフ止まり。遅刻などの理由で5000円しか日払いが受けられなかった日や、当欠の罰則で日払いがなかった日は、手持ちの数千円をコンビニで散財するか、100円ショップで大量の買い物をする。

ずっと水商売のみで生活し、店長と付き合って半同棲状態の彼女は、クレジットカードを持たなかったため、手持ちの現金が尽きてしまえばタクシーすら乗ることができない。

彼女は酔っていると、ほとんど思考停止状態で店で目についたものをカゴに入れる癖があったものの、酔っていても最後の理性で散財する場所を選んではいるようだった。見境なく商品をカゴに入れても、なんとか現金で支払えるような店を選んで爆買いする彼女は、逆に言えば破産寸前のところで持ちこたえるため、生活は見直されないままに続いていく。

■欲しいものが何でも手に入るような万能感

彼女がいつも持っていたヴィトンの大きなバッグの中を見ると、用途のわからない美容グッズやサプリメント、化粧道具、ボディスプレーなどが雑然と入っていた。店長が登場しても嫌だし、彼女の家に遊びに行ったことはないのだが、時々見せてくれるペットの猫の写真や自撮り画像を見る限り、そのバッグの拡大版のような部屋に住んでいるのが容易に想像できた。

「私多分お金全然なくても生活はできるんだよね。家賃も場所からしたら安いし、光熱費も最低限だし、店は電車で行って送りで帰ってくるし、あんまり食べないから同伴とかあれば1日1食でいいし」

という彼女の言葉はおそらく真実であろうと思う。彼女のお給料のうち、必要経費に使われているのはほんのわずかで、給料全額からそれを引いたら十分に貯金や行楽費が残る。



しかし、彼女は自分が破産寸前になるまでコンビニや100円ショップの商品をカゴに入れてしまう。当然、必要なものなどそのうちの一割にも満たないし、欲しいものすらほとんどない。かなりギリギリの生活ではあっても、少し延滞をしながら家賃や光熱費、携帯料金を捻出するため、完全な破綻までたどり着かない。

買い物依存症を究極の自傷行為だと言った女性作家がいた。ミサトさんもシャネルやボッテガでバカ買いすれば破綻はすぐそこにあるのだが、微妙に残る理性のせいで超低空飛行を続けており、また散財する店の性格によって、クレジットや複数回払い、売掛などのサイクルには陥っていない。

ミサトさんは

「あー、可愛いって思って、悩まずにすぐにレジに持っていけるのって気持ちいいよね。あれもこれもって買いまくってるとすごい楽しい」

と言っていた。目についたものを悩むことなくカゴに入れ、次に目についたものも躊躇なく手に入れる。欲しいものがなんでも手に入るような、その万能感を得るために彼女は36歳まで歌舞伎町で働いていた。

              
「十分満たされているのに、全然満たされていない」引き裂かれた欲望を抱え、「キラキラ」を探して生きる現代の女子たちを、鮮やかに描く。

 

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