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電気代、再生エネ上乗せ100円増 5月分から 電力自由化乗換僅か金持トク低所得層値上 財政破綻から医療介護夕張モデル誕生
http://www.asyura2.com/17/hasan120/msg/210.html
投稿者 軽毛 日時 2017 年 3 月 15 日 18:59:47: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

電気代、再生エネ上乗せ100円増 5月分から
2017/3/15付日本経済新聞 朝刊
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 経済産業省は14日、再生可能エネルギーの導入による電気代への上乗せが2017年度は標準家庭で月額686円といまより約100円増えると発表した。太陽光や風力発電の導入が増え、電力大手の買い取りコストが膨らむためだ。5月検針分から適用する。

 再生エネは電力大手が事業者から電気を買い取り、費用を電気代に上乗せして回収する。17年度は家庭で使う電気1キロワット時あたり2.64円が上乗せされ、16年度より…
http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS14H4W_U7A310C1MM8000/

再生エネの電気代上乗せ、17年度は月686円 100円増に
2017/3/14 20:46

 経済産業省は14日、再生可能エネルギーの導入による電気代への上乗せが、2017年度は標準家庭で月額686円といまより約100円増えると発表した。太陽光や風力発電の導入が増え、電力大手の買い取りコストが膨らむためだ。5月の検針分から適用する。

 再生エネは電力大手が事業者から電気を買い取り、費用を電気代に上乗せして回収する。17年度は家庭で使う電気1キロワット時あたり2.64円が上乗せされ、16年度より0.39円多くなる。毎月の使用量が260キロワット時の標準家庭の場合、年間8232円の負担になる。再生エネの電気の買い取り制度が始まった12年度と比べると10倍以上の水準だ。

 太陽光や風力などの電気は高値での買い取りが保証されてきたため、導入が急速に広がった。17年度の買い取り費用の総額は2兆7045億円と16年度に比べて4千億円ほど増える見通しだ。

 経産省は12年度に1キロワット時あたり40円だった太陽光の電気の価格を16年度は24円まで下げた。17年度からは入札制を取り入れ、さらに安い電気を優先して買う。風力も17年度に初めて値下げし、上乗せの膨張を抑える。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS14H4W_U7A310C1EE8000/

 


2017年3月15日 清談社
電力自由化で乗り換えわずか4.7%、不評の原因とは

金持ちがトクする仕組み
低所得層はむしろ料金が上がる

昨年4月に、満を持してスタートを切った…かのように思えた「電力自由化」。しかし、実際に電力会社を切り替えた人はごくわずかだ。果たして電力自由化のメリットとは何だったのだろうか?(取材・文/清談社 青柳直弥)

金持ちがトクする仕組み
低所得層はむしろ料金が上がる

 2017年2月9日時点で、経済産業省に登録された小売電気事業社は379社まで増えたものの、直近(1月31日24時まで)のデータでは実際に電力会社を切り替えた人は全世帯の4.7%と、わずか5%にも満たない。自由化からもうすぐ1年が経とうとしているにもかかわらず、だ。


あれだけ騒がれたのに、フタを空けてみれば1年で切り替えた人はたった4.7%…。この不人気ぶりはなぜなのだろうか?
 そもそも電力自由化とは、消費者の住む地域で決められた電力会社としか契約できなかったところを、新たに参入する電力会社との契約に切り替えることを可能にした政策。これにより複数の企業が、家庭などに向けた電力の小売事業に参入した。

 電力自由化が発表された当初は、11年の東日本大震災で芽生えた東電への不信感から、結構切り替える人がいるのでは?との見方が多かった。しかし、いざ始まってみれば、前述の通り、全世帯の切り替え率は5%にも達していない。小売電気事業社こそ379社まで増えているものの、これはあくまで登録事業者の数であって、実際には登録はしたが、小売りをおこなっていない企業もあるという。

 かつて通商産業省(現・経済産業省)で電力を筆頭とするエネルギー政策などに従事した政策アナリストの石川和男氏は、その原因をこう語る。

「電力自由化には、ある意味、消費者ニーズも新規参入ニーズもあまりないんですよ。実際、震災の前までは『電力の小売りをやりたい』という企業側のニーズなんて、ほとんどなかったですし、電力の小売りをやったところで大して儲からないんです。本当に儲かるなら、もっと規制緩和要望が出ているはずですから」

 ではなぜ自由化の流れになったのか?石川氏が続けて語る。

「私はテレビでも何度か言いましたが、これは男の喧嘩なんです。昔の郵政省vsNTTみたいなもので、官僚vs電力マンの喧嘩。官僚たちは、普段あまり言うことを聞かない東電の発言力が震災で著しく低下したのを見て、ここぞとばかりに自由化に突き進んだわけです」

「これまでは電気料金やガス料金というのは、ナショナルミニマム(国家が国民に対して保証する最低限の生活水準)の考え方に基づいて、電気を多く消費する人より、あまり使わない人ほど料金的に得をする構造になっていました。ところが、電力自由化となると彼らの料金は上がってしまい、逆に消費量の多い人たち、つまり中所得層より上の人ほど料金が安くなる仕組みなのです」

「電気料金が下がる」とは言ってない!
霞ヶ関のレトリックとは

 供給される電力の全体のパイが決まっている以上、ある層が優遇されれば、どこかにしわ寄せがいく。結果、損してしまうのは電力消費量の少ない低所得層なのだという。つまり、我々一般庶民にとっては、ほとんどうまみがないのが実情なのだが、当初は多くの人が自由化されれば料金は安くなると思ったはずだ。

「役所側も『電気料金を下げる』とは言っていないんです。では、どう説明したかというと『電気料金の上昇を抑制する』と言ったんです。ここが肝なのですが、電気料金の上昇を抑制するということは、料金は上昇するという意味なんですね。いわば霞ヶ関のレトリックですよ。ここに気づいていた人はそう多くないでしょうね」(同)

 とはいえ、ほとんどの一般消費者たちは電力自由化の背景をそこまで深く理解していない。消費者たちの切り替えが思いのほか進んでいないことには、もっと根本的な理由があると石川氏は語る。

「これを言ってしまうと身もふたもないけど、根本的に皆、(電力自由化に)興味が湧かないんだと思います。なぜかというと、『人間の本能を刺激しないから』。たとえば1990年代に爆発的に普及したインターネットや携帯電話もすべて規制緩和だったわけですが、これら通信の自由化は、金銭欲と性欲という人間の本能を刺激するコンテンツを生み出しました」

「だけど、電力やガスの自由化にはそれがない。しかも、いざ切り替えようとすると結構めんどうくさい。確かに電気料金7000円が6500円になれば、500円得ですけど、そんなに面倒なことをしてまで500円安くなるのを良しとするかといえば、どっちでもいいや、になってしまうんです」(同)

ガス自由化を控える
東京ガスは健闘した

 そして、もうひとつ、消費者が切り替えを躊躇する大きな理由が、多くの小売事業者がプランとして打ち出している「セット販売」の煩わしさだという。

 たとえば電力会社を東京電力から東京ガスに切り替えることで、電気料金もガス料金も一括して払えるようになるものの、一度セット販売のプランにしてしまうと、次に切り替えをするのは携帯のキャリアを変える以上に面倒なことは容易に想像できる。つまり、電力自由化は、実は不自由化でもあるのだ。

 直近のデータでの切り替え率は全世帯で4.7%。しかも、そのほとんどは東電の管轄内と人口の多い関西方面だという現状。電力自由化で一体、誰が得をしたのだろうか?

「東電管轄内での切り替えが多いのは、東京ガスの健闘もあるでしょう。この4月にはガスの自由化も決まっていますから、東京ガスにしてみれば、東電に取られるくらいなら顧客を囲っておきたい。顧客を競合他社に奪われないための足かせが電気(をセットで売ること)なんです」(同)

 もちろん今後、徐々に切り替える人が増えていくことも考えられるが、現時点では消費者に完全に浸透したとは言いがたい電力自由化。その最大の理由は、「消費者の興味を湧かせるものではないから」と石川氏が言うように、人間の本能(性欲と金銭欲)を刺激しない電力の自由化など、大半の消費者にとって、どうでもいいことなのかもしれない。

http://diamond.jp/articles/-/120806


 


【第73回】 2017年3月15日 浅川澄一 [福祉ジャーナリスト(前・日本経済新聞社編集委員)]
財政破綻で生まれた医療介護の「夕張モデル」とは

夕張市で示された新しい再生案
 財政再建中で「後ろ向き施策」に追われていた北海道夕張市が「前向き施策」に向かうことになった。夕張市の策定した再生計画の見直し案に国が3月7日、同意したことによる。
 炭鉱で栄えた夕張市は1960年には11万7000人の人口を抱えていたが、2006年に財政破綻して以来、若者やファミリー層の流出が止まず、遂に9000人を割ってしまった。
 緊縮財政に邁進し、市長と約100人の市職員の給与をそれぞれ70%減、15%減に抑え、11校の小中学校をそれぞれ1校に統合、公園など公的施設を次々閉鎖してきた。水道料金を引き上げ、固定資産税や市民税もアップした。
 一連の緊縮策で「借金」は、2016年度末までに約116億円返済できる。とはいえ、まだ折り返し点。2026年度末を期限に200億円以上が残り、その完済を目指し続ける。
 ただ、このまま抑制策を続けていくと人口減が止まずに地域崩壊を招き、自治体としての存続自体が危ぶまれかねない。「高負担・低行政サービス」に耐えかねて故郷を後にする市民が今後も続きそう。
 借金払って市民が消えては元も子もない。そこで、地域再生に舵を切った。「耐え忍んできた10年間だった。止まっていた時計の針を動かしたい」と鈴木直道市長は計画案公表の3月1日に話した。
 新しい再生案では、市営住宅の再編を始め、認定こども園の新設、図書室などの複合施設の開設、市立診療所の移転などを打ち出した。市税も元の水準に下げる。ふるさと納税にも期待を寄せ、2026年度までの10年間に113億円の新規事業を投入する。ブレーキを踏みつつアクセルもふかす。
 国も緊急時に交付する特別交付税を約12億円支給して手助けする。東京23区ほどの広大な市域に、それぞれの炭鉱ごとに公共施設や市街地、住宅などが分散しているが、できるだけ集約して効率性を高める。国交省が唱える「コンパクシティー」を目指す。この方針のもとで、新設の施設や市営住宅を清水沢地区にまとめていくという。

896自治体が人口減によって「消滅」する可能性
 隆盛を誇った石炭産業が消えるとともに夕張市の沈下は始まった。1980年代から、「炭鉱から観光へ」のスローガンを掲げてリゾート政策に突き進み、めろん城やホテルなど様々な観光施設を建て続け、巨費を投じた。それが功を奏さないまま、借金隠しもあって年間予算の3倍超、353億円の累積赤字を抱え、2006年に自治体「倒産」に追い込まれた。
 2007年3月に財政再建団体(現在の財政再生団体)に指名されて国の管理下に入り、20年計画で借金返済を求められる。予算編成は無論、細かい施策の一つ一つに国の同意が必要となった。
 再建開始前の06年には約1万3000人だった人口は8600人に減少している。なかでも40歳未満のファミリー層や若年層がほぼ半減した。教育や子育て環境の不安からだ。そのため高齢化率が49%に高まり全国でもトップクラス。市民の半数が65歳以上となった。
 人口が減ると商工業も衰退する。商工会議所の会員が10年前には316だったが、今や半減。シチズン時計やツムラ、マルハニチロなどの勤務先も少なくはないが、子育てを考える段になると去っていくという。
 過去の負債を現在の市民に強いることでひずみが生じた。究極のひずみが人口減として現れ、現在進行形でもある。この道しか選択肢はなったのだろうか。
 夕張市が歩んだ道は、今後、多くの日本の地域で起こる可能性が高い。有識者を集めた「日本創生会議」は、全国の半数の896自治体が人口減によって「消滅」する可能性があると推計している。
「わが町もゆくゆくは……」と不安に駆られた多くの自治体関係者が夕張視察に相次いで訪れている。「再生」への糸口を見いだせるのかを知りたいためだ。財政再建一辺倒から路線転換した夕張市が一段と注目が集めそうだ。
「看取り」の画期的な取り組みが
 実は夕張市では、全国的にも「画期的」なことが起きつつある。マイナス面ばかりが強調される中で、日本の将来を先取りするような、まことに先駆的な事実が着々と広がっている。
 高齢者の終末期、看取りについてである。それは「生」を充足させたうえでの「死」に臨む考え方である。
 公営事業をことごとく見直しに入った夕張市にとって、医療機関も例外ではなかった。171床の3階建ての、市内で唯一の総合病院だった夕張市立総合病院を閉鎖した。同じ建物がわずか19床の小さな診療所と40床の老人保健施設に縮小された。
 それまでの病院には、いわゆる社会的入院の患者も多かった。治療が不要になっても「自宅には戻れない」「安心のため」などの理由で長期に滞在していた。「腹痛でも救急車を呼んでいた」と話す市民もいる。その病院が消えてしまったのだ。
 救急車での搬送先は隣町の病院になる。市民にとっては、医療に見放されたかのように思えたかもしれない。ところがである――。
 まず、小さな診療所には在宅医療に熱意溢れる医師がやってきた。村上智彦医師である。夕張市は、村上医師が理事長の医療法人財団「夕張希望の杜」に指定管理者方式で運営を委ねた。10年の長期契約だった。
 村上医師は、患者の自宅や特別養護老人ホーム、グループホームなどの施設に気軽に足を運ぶ。医師が自宅に来てくれると分かれば、退院を渋っていた患者も考えを改める。
 予防医療にも熱心に取り組み出す。肺炎球菌ワクチンの効果を説き、胃ガンをもたらすピロリ菌の尿検査を始める。高齢者の死亡原因としてベスト3に入っていた肺炎死を減らした。

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 村上医師は地域住民に健康管理の重要性を説いて回った。本人が望んでいる自宅生活を続けることに手を差し伸べた。その活躍ぶりはマスコミに度々登場することで知られ、2009年には若月賞を受賞。地域医療の旗手として名声を高めた。2012年5月まで5年間所長としてリーダーシップを発揮したが、プライベートでの不幸な事件で引責辞任に追い込まれる。
 その後、診療所の所長は次々変わったが、訪問診療に力を入れる志は引き継がれた。訪問診療を受ける患者数を見ると、村上医師が着任した翌年の2007年に44人、その後増え続けて2012年には120人になる。病院時代にはゼロだった。様変わりである。
 医師が日常的に自宅や施設に来てくれれば、遠くの病院へわざわざ足の延ばす必要もなくなる。最期まで自宅で踏みとどまる気持ちになり、看取りを受け入れる。自宅介護が難しい高齢者が入居している市内唯一の特別養護老人ホーム、清光園でも同様のことが起きてきた。
 ちょうど4人部屋から個室ユニットへの転換時だったこともよかった。プライバシーが確保された個室になると、自室での看取りにつなげやすい。特養での看取りが増えたが、この10年ほど市内の全死亡者数は200人前後と変わらない。医療機関が縮小したからといって、死亡者が増えることはなかった。死のあり方が変わったのである。
 病院で亡くなれば、当然ながら死亡診断書には特定の病名が書かれる。だが、高齢者の多くは複数の「病気」を抱えている。老衰による細胞劣化が全身に及ぶためである。たまたま劣化が早い特定の臓器を病院では病名を付けて診断するだけのこと。
 複数の臓器が同時に劣化しても、延命治療に走らなければ穏やかに亡くなることができる。訪問診療医にとっては当たり前のことだ。どの生物にも共通する自然の摂理である。日本人はそうした亡くなり方を「大往生」と呼んで、称えてきた。先人の素晴らしい表現である。

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 いまでは、自然死や平穏死、尊厳死と言われる。死亡診断書では「老衰死」と書かれる。夕張市での老衰死の数字を追うと、財政破綻後から急に増えている。それまではずっと0〜3人だったが。村上医師がやってきた翌年に5人となり、その3年後には15人。5年後にはなんと30人に達した。
 とりわけ特養での看取りが多い。2013年には市内の老衰死22人のうち17人、14年は同16人のうち11人が特養で亡くなった。半数以上である。診療所の医師や看護師が、訪問診療と訪問看護に熱意を傾けた結果と言えるだろう。
 こうした、破綻後の夕張の医療事情を調べ上げ、2015年9月に書下ろしの単行本「破綻からの奇蹟〜いま夕張市民から学ぶこと〜」として発表したのが医師の森田洋之さん。同書は昨年11月、2016年度の日本医学ジャーナリスト協会賞の優秀賞を受けた。
 森田さんは、夕張市立診療所に2009年4月から1年間勤務し、2013年5月からほぼ1年間は3代目の所長だった。村上路線を引き継いだ当事者による実体験を踏まえ、加えて一橋大学の経済学部出身だけに、経済効果まで分析している。
 それによると、夕張市の高齢者1人当たりの医療費は、破綻前の2005年は83万9000円だったが、診療所体制に移行した翌年の2008年には72万4000円へと急減する。その後も70万円台が続く。

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 一方、北海道全体の同平均医療費は増え続けている。2012年には86万円となったが、夕張市は79万7000円にとどまった。約6万円も少ない。医療費抑制に大きな効果があった。後期高齢者の1人当たり医療費も約102万円で、北海道平均の約109万円より低い。
 病院が消えたのに医療費は下がり、北海道全体よりも下回っている。病院がなくても高齢者の不安は醸成されなかった。むしろ、病院がない新しい環境を受け入れたようだ。
 森田さんは、その住民の意識転換こそが重要だと指摘する。著書の中で「ある程度の年齢になったら、いずれ医療では解決できない問題がやってくる。『それが天命だ、老衰だ、自然死だ』との終末期に対する市民の意識が変わり、『文化』というレベルにまで夕張市民を変えた」と綴る。
 病院が消えたことで、市民の間で病院依存心がなくなり、死生観の変化をもたらした。終末期のいよいよの段階になると、βエンドルフィンやケトン体の効果で陶酔感に浸ることができると言われる。脱水症状で意識も落ち、安らかに旅立つ。こうして夕張では老衰死が増えてきた。
 病院が消えたことで医療への向き合い方が変わり、病院から在宅医療への道が拓かれ、そして大往生が増えたことが分かった。
 日本人の死亡場所の80%近くは病院であるが、欧州諸国は50%前後。オランダは既に30%を下回った。在宅医療や在宅介護が浸透すれば死亡場所も、本人が望む「非病院」「在宅」になっていく。その引き金が、夕張市では総合病院の閉鎖にあった。
 病院が多いと地域の医療費は高くなる、というのは定説である。財政破綻した都市で、定説が裏付けられた。奨励してもなかなか浸透しない在宅医療だが、思い切った外科手術もひとつの策ではないだろうか。
自分で自分の最期の姿を選びたい
 昨年の1月5日に全国紙で女優の樹木希林さんが、ハムレットのオフィーリアに扮して森の中の池で横たわる姿が登場したことを覚えているだろうか。「死ぬときぐらい好きにさせてよ」という衝撃的な、大きなキャッチコピーが紙面に踊ったユニークな企業広告である。
 その文中で、本人が「死を疎むことなく、死を焦ることもなく。ひとつひとつの欲を手放して、身じまいをしていきたいと思うのです」と記している。また「生きるのも日常、死んでいくのも日常」とも話している。
 家族や医師によって病院で亡くならざるを得ない状況の日本。樹木希林さんは、その死に方へ「おかしい」と訴えた。自分で自分の最期の姿を選びたい、そんな思いが込められている。
 夕張市ではそうした状況に近付いているように見える。日本で近い将来、起きるであろう死生観の転換が始まっている。
 この4月には、診療所の指定管理事業者が替わる。札幌市で東苗穂病院などを運営する医療法人社団・豊生会が、やはり10年間にわたって運営に乗り出す。
 既に同会の医師など専門職が夕張市立診療所で活動しており、在宅医療重視の姿勢を引き継ぐと見られる。
 診療所自体も再生事業の一環として中心部に移転する。その費用25億円も認められた。再建計画が動き出して10年、新体制で次の10年を迎えることになる。
(福祉ジャーナリスト 浅川澄一)
DIAMOND,Inc. All Rights Reserved.

http://diamond.jp/articles/-/121246
 

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