★阿修羅♪ > 経世済民120 > 490.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
東芝メモリ「日米連合で中韓に対抗」構想は戦略不在だ(週刊ダイヤモンド)
http://www.asyura2.com/17/hasan120/msg/490.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 3 月 27 日 09:39:20: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

東芝が分社する半導体メモリー新社の1次入札は、3月29日に締め切られる Photo:Rodrigo Reyes Marin/アフロ


東芝メモリ「日米連合で中韓に対抗」構想は戦略不在だ
http://diamond.jp/articles/-/122534
2017.3.27 週刊ダイヤモンド編集部


経営再建中の東芝が分社する半導体メモリー新会社に、官民ファンドの産業革新機構や、政府系の日本政策投資銀行が出資する構想が急浮上した。水面下では、経済産業省の意向だけでなく、株式売却後のメモリーの生き残りを危惧する東芝内部の思惑が絡み合う。果たして有力な売却先の候補になり得るか。(「週刊ダイヤモンド」編集部 村井令二)


「日米のメモリーメーカーを再編してサムスン対抗軸を形成するのはどうか」


 東芝が分社する半導体メモリー新会社、東芝メモリへの出資を募集する入札が始まったばかりの3月上旬、ある政府関係者が東芝の半導体部門の担当者と接触した。その場で、競合相手の米ウエスタンデジタル(WD)や米マイクロン・テクノロジーと連合する構想について意見が交わされたという。


 企業価値が1.5兆〜2兆円とされる東芝メモリの株式売却は、3月29日に1次入札の提案を締め切る予定。すでに10社超が出資に意欲を見せており、WD、マイクロン、韓国SKハイニックスなど競合メーカーだけでなく、台湾の鴻海精密工業など取引先や、外資系ファンドも候補になっている。


 各社とも最大の悩みは巨額の投資資金で、その負担を分け合う連合の動きが水面下で進む。


 この中で急浮上したのが、産業革新機構や日本政策投資銀行の出資案だ。関係者によると、革新機構など政府系の資金を活用して、東芝メモリと米国勢との連合を実現し、「サムスン対抗軸」を形成する構想が一つの選択肢として検討されている。


 この案の背景には、(半導体)フラッシュメモリー市場での競争の構図がある。韓国サムスン電子、東芝、WD、マイクロン、SKハイニックス、米インテルの6社寡占の中、首位のサムスンは出荷数量で40%のシェアを占め、最先端の3次元(3D)メモリーでも圧倒的に先行している。


 このままでは、今の東芝のメモリー事業が好調でも、分社した後の生存競争で振り落とされてしまうという危機感が東芝内部に根強くある。


 現在、東芝とWDはフラッシュメモリー製造拠点の四日市工場を共同で運営する提携関係にある。さらに、マイクロンとインテルは新型メモリーを共同開発する連合を形成している。東芝、WD、マイクロン、インテルが連携すれば、強力な勢力となり得る。


 政府内では「東芝のメモリー技術を、中国やそれと関係の深い台湾に引き渡すのは厳しい」(経済産業省幹部)と、安全保障や機密保持を訴える声が高まっている。


 米国政府も、中国の半導体大手、紫光集団によるマイクロンの買収やWDへの出資を阻んで白紙撤回させた経緯があり、日本政府としても「外為法(外国為替及び外国貿易法)で阻止することにちゅうちょはない」(同)構えだ。


 ただ、東芝メモリの買い手として革新機構や政投銀だけでは1兆円超の資金を用意するのは難しく、拒否権を持てる3分の1超程度の出資を想定しているもようだ。


■売却が目的化
戦略不在のメモリー新会社


 だが、東芝内部では、強力なライバルである米国勢に主導権を引き渡すことで、国内で培った技術や研究開発の人材、四日市工場など製造拠点の雇用をリスクにさらすことに慎重な考えも根強い。


 また、WDからも「四日市工場の運営に他社を入れれば混乱する」(関係者)として難色を示す声が出ている。


 さらに東芝の上層部も「競合企業の出資で、独占禁止法の審査に時間がかかるので難しい」(幹部)として、あくまで競合の出資に消極的な姿勢を崩していない。


 急浮上したメモリー連合構想は実現に困難を伴いそうだが、こうした政府系の資金を活用する構想が出てくるのは、東芝に新会社株売却後のメモリー戦略を描く幹部人材がいないことが大きい。


 東芝の半導体部門からは「経営幹部は、半導体新会社を売却することで頭がいっぱいで、その先は全く考えていない」との嘆きが聞こえてくる。


 もはや半導体事業の売却は、米原子力子会社ウエスチングハウス(WH)の巨額損失をカバーするための手段にすぎない。特にWHが米連邦破産法11条(チャプター11)を申請すれば、東芝がWHに対して行っている親会社保証の7934億円の負担が必要で、半導体は不可欠な資金源となる。


 東芝経営陣は「できるだけ早く、確実に売却することが優先」(前出の幹部)とするだけで、売却後の生き残りを考える余裕はない。主力取引銀行も支援継続の条件として早期売却に圧力をかける。


 結果、経済界が「国の基幹事業で、最重要技術」(榊原定征・経団連会長)と高く評価する事業体は、その将来像を描く主役が不在。


 この中で、政府内では「危機に陥った東芝本体の救済ではなく、競争力のある東芝メモリへの出資なら、革新機構の投資目的に沿う」(経産省幹部)との見方が日々強まる。


 メモリー戦略不在の売り手に、呉越同舟の連合案を模索する官民ファンドは有効な買い手になり得るか。“勝ち抜く”戦略が問われる。
 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民120掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民120掲示板  
次へ