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奨学金返還に困ったら… まず利用すべき救済制度とは〈AERA〉
http://www.asyura2.com/17/hasan120/msg/551.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 3 月 29 日 20:36:45: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

給付型奨学金と同時にFPの高校派遣も始まる。マネープランの名のもとに、返還のプレッシャーが過剰に押し付けられかねないと懸念する識者も(撮影/写真部・松永卓也)


奨学金返還に困ったら… まず利用すべき救済制度とは〈AERA〉
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170328-00000056-sasahi-soci
AERA 2017年4月3日号


 非正規社員、失業、高齢化、病気――。いま、奨学金や住宅ローンなどの借金返済に困る人が増えている。明るい未来を担保にして借金が出来る時代は終わりつつあるのか。AERA 2017年4月3日号では「借金苦からの脱出」を大特集している。

 救済制度や相談機関の存在は意外と知られていない。返還に困ったら一人で悩まずに専門家に相談したほうがいい。

*  *  *
 奨学金地獄に陥らないためには、まず日本学生支援機構にある救済制度を活用することだ。

 奨学金問題対策全国会議・共同代表の大内裕和さん(中京大学教授)は初めに検討すべき措置として、返還を一時的に中止できる「返還期限の猶予」と、毎月の返還額を2分の1にできる「減額返還」を挙げる。

「延滞金を発生させることはできる限り避けてください。延滞してしまうと、その後の支払いは(1)延滞金(2)利息(3)元金の順になってしまい、なかなか元金が減りません」(大内さん)

 さらに、滞納が3カ月を超えると延滞情報が個人信用情報機関に登録されたり、本来の返還期限がきていない将来の割賦金まで「繰り上げ一括請求」されてしまう可能性もある。それでも延滞金が発生した場合は「延滞金の減免」を申請することもできる。しかしその条件は、本人が死亡または精神や身体の障害により返還ができず連帯保証人が返還する場合などで、「機構は延滞金で利益を出したいと思っているのではないか」(大内さん)というほど厳しい。

 だから延滞金が発生したら、貸与額を減らして返還計画を立て直す「個人再生」や、「自己破産」などの法的整理を勧めている。ただし人的保証の場合は、請求が連帯保証人に行く。もしものときを考えれば、奨学金を借りるときは機関保証にしておくほうがいいという。ちなみに在学中であれば、人的保証から機関保証への変更もできる。

 数多くの返還困難者を救ってきた大内さんは、最も重要なのは、悩んだらすぐ専門家や相談機関へ行くことだと断言する。

「機構との交渉は一人では無理。生活保護のいわゆる水際作戦と同じ状況になってしまうこともあり得る。救済制度があること、困ったときの応援団がいることを知って頼ってください」

●高校にFPを派遣

 しかし、2015年に労働者福祉中央協議会が調査したところによると、奨学金利用者の約6割が返還期限の猶予制度が存在することすら知らなかった。この現状を打破するために文部科学省が17年度から開始するのが「スカラシップ・アドバイザー」制度だ。機構で研修を受けたファイナンシャルプランナー(FP)を高校に派遣し、奨学金に関する知識の普及強化に努めるという。

 著書に『誰にも聞けない! 子どもの年代別 大学に行かせるお金の貯め方』があるFPの氏家祥美さんは、高校で経済の授業を行ってきた。痛感したのは、生活者視点の欠如だ。

「社会に出て月収をどうやりくりするのか想像がつく子はほとんどいません。教師や親の立場からは言いづらいような奨学金のデメリットを第三者が伝える必要があります」(氏家さん)

 例えば普段の家計相談では、就職したら収入の1割は貯金するようアドバイスしているが、奨学金の返還があるとそれができない。結果として結婚式や住宅の購入など次のライフプランの頭金が用意できず、また借金を重ねてしまうリスクが高まる。親子で考えてほしいのは、その奨学金に「教育効果」が本当にあるのかどうかだ。

「昔のように良い大学=良い就職ではありません。投資に値するか慎重に判断すべきです。教育に費用をかけすぎて老後資金を貯められない親も少なくない。親が用意できるお金、子どもがバイトや奨学金で補えるお金をざっくばらんに話し合うきっかけに、この制度がなればいいですね」(氏家さん)

 親は、入学時に300万円、その後は年間約50万円を基準に準備してあげてほしいという。

 スカラシップ・アドバイザー制度新設の背景には、18年度から大きく変わる奨学金制度の周知という意味も込められている。

●1学年につき2万人

 特に注目されるのが、これまで貸与型だけだった国の奨学金制度に風穴を開ける「給付型奨学金」だ。予算規模は約200億円。制度の改善に大きな一歩であることは間違いないが、1学年につき2万人など対象は極めてせまい。さらに進級するたびに成績審査があり、著しく下がった場合は給付の廃止または給付した分の返還が求められる。驚くのは、卒業後に高収入を得るようになった受給者には、次世代への寄付を求める仕組みづくりを検討しているということだ。タダより高いものはない、ということにならなければいいのだが。

 昨年10月には、この給付型奨学金の財源として、19〜22歳の子どもを養う親などの税負担を軽くする所得税の特定扶養控除を縮小する検討に入ったと報道され、子育て世帯で限られたパイを争う方向だ。麻生太郎財務大臣はいったんは否定したが、今後の行方が気になる。

●きっかけは人手不足

 一方、地方自治体では独自の支援策が増えている。顕著なのが「就労・奨学金返済一体型」の支援事業だ。

 他県からのUIJターン就職の促進を狙い、16年にこの取り組みを始めたのが富山県だ。対象は理工系の大学院生や薬学部生。県内の登録企業55社のうちいずれかに就職することを条件に、県と企業が彼らの奨学金返還を肩代わりする。毎年度末に本人が返還した奨学金に相当する額が本人に支払われ、10年間就業すればなんと奨学金の残額を機構に一括して返還してくれるという。

「全額を肩代わりする制度は、全国でもなかなかありません」

 プロジェクトを主導する商工労働部労働雇用課の廣瀬智範さんは満足げに言う。確かにかなり太っ腹な政策だが、きっかけは薬剤師の人手不足に悩む製薬企業からの要望だった。製薬業が盛んな富山県だが、製薬会社は病院や調剤薬局に人材をとられてしまっていたのだ。

 これまで2人の応募があったものの、結局該当企業に就職しなかったため、まだ給付者はいない。廣瀬さんは今年1〜3月にかけて全国61の大学をまわり、この奨学金返還助成制度の広報活動を行った。今年度の応募者は10人。製薬産業の中核を担う人材が現れることを願い、今後もPRを続けていくという。

 ただ、こうした取り組みにも課題がある。前出の大内さんは「一定の意義がある」と認めた上で言う。

「住む場所や職業が限定される上に、奨学金を人質にとられ、企業を辞められないという事態にもなりかねません。本来、奨学金は本人の可能性や選択肢を増やすものだということを忘れずに、奨学金制度改革を進めるべきです」

(編集部・竹下郁子)

 

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コメント
 
1. 2017年3月29日 22:18:22 : R0LxjIRplA : OnvgoDyWq5A[212]
金利とルから、ローンじゃん。

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