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「3本の矢は経済にどう影響するか」(EJ第3943号)  増税で振り出し、日本経済再起動が必要=片岡剛士
http://www.asyura2.com/17/hasan121/msg/210.html
投稿者 軽毛 日時 2017 年 4 月 18 日 18:04:50: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

(回答先: 「日銀vs三菱」戦争収束?「赤組」2人の審議委員で臆測 日銀物価見通し小幅下方修正 日本株続伸、米財務長官と円安、米株高 投稿者 軽毛 日時 2017 年 4 月 18 日 18:03:02)

2014年12月25日
「3本の矢は経済にどう影響するか」(EJ第3943号)
 片岡剛士氏という人がいます。三菱UFJリサーチ&コンサル
ティング経済社会政策部主任研究員です。片岡氏は、今年4月の
消費税率8%の増税も、10%への再引き上げにも強く反対した
数少ないエコノミストとして知られています。
 しかし、片岡氏はアベノミクス自体は評価しています。片岡氏
の著書に出ている「3本の矢の関係」を添付ファイルにしている
のでみてください。
 片岡氏は、2012年末の日本経済について、潜在GDPが実
質GDPを17兆円上回る状態にあったことを指摘しています。
潜在GDPというのは、その国にある「人とモノ」が十分に活用
されれば、達成されるとみられるGDPの推定値のことです。
 潜在GDPが実質GDPを17兆円上回るということは、本来
市場に出回っているべきお金が17兆円も不足していることを意
味しています。このように、実質GDPが潜在成長率を下回って
いる状態を「デフレギャップ」といいます。つまり、2012年
末の日本経済はデフレであったことを表しています。
 経済に関する考え方というのは、学者によってまるで違うこと
がいくらでもあります。きわめて常識的に正しいと考えられるこ
とに対しても正反対の論説を掲げてそれが正しいと主張する学者
もいます。だから、非常にわかりにくいのです。
 ここで思い出すべきことがあります。EJでは、何度も述べて
いる原則ですが、再現します。
―――――――――――――――――――――――――――――
 経済がデフレ下にあるとき ・・・ 財政赤字を増やすこと
 経済がインフレであるとき ・・・ 財政黒字を増やすこと
―――――――――――――――――――――――――――――
 2012年の日本経済は、大きなデフレギャップがあるのです
から、明らかにデフレです。こういうときに野田政権は消費税の
大増税を企み、同じように増税を主張する当時の谷垣自民党総裁
と本来増税には一貫して反対してきたはずの公明党の山口代表も
一緒になって増税を決定したのです。上記の原則にしたがうと、
明らかに間違っていることを財務省の口車に乗った御用学者たち
は「正しい」と主張するのです。経済の考え方にはどのようにで
も変えられるいい加減なところがあります。
 ところが安倍政権は、「デフレからの脱却」を目標に掲げ、一
応正しい方向を目指したのです。まず、現在の経済状況がデフレ
であるとして、その脱却を目指すことを目標にします。続いて、
その実現策として、第1の矢の金融緩和と第2の矢の財政政策を
同時に実施しています。
 上記の原則における「財政赤字を増やすこと」とは、国債を発
行して公共事業を行うことですが、それを第1の矢と第2の矢を
同時に行うことによって実施したのです。これは経済政策として
は正しいことです。
 これについて、片岡剛士氏は次のようにわかりやすく解説して
いるのでご紹介します。
―――――――――――――――――――――――――――――
 経済を人間の身体にたとえれば、病気を治す薬が第1の矢、薬
で回復した身体に体力を与える食事が第2の矢であり、元気にな
った身体の能力をさらに高める筋力トレーニングが第3の矢であ
るといえばわかりやすいでしょうか。3本の矢のこのような関係
性が理解できれば、長年続いたデフレという病にさいなまれてい
た日本経済が強い身体を取り戻すために、金融政策が必要条件で
あったという意味がおわかりいただけると思います。
──片岡剛士著、『日本経済はなぜ浮上しないのか/アベノミク
            ス第2ステージへの論点』/幻冬舎刊
―――――――――――――――――――――――――――――
 片岡氏は、デフレから脱却するには、第1の矢と第2の矢を組
み合わせることが大事であることを説いています。第2の矢であ
る「大胆な」金融政策は、人々の予想に働きかけて予想インフレ
率を高め、それによって総需要を高める政策ですが、間接的で即
効性に乏しい欠点があります。
 それに対して第2の矢は、公共投資など政府部門が支出するこ
とで、デフレ・ギャップを埋める政策ですが、即効性はあるもの
の、持続性に乏しいのです。
 したがって、第1の矢と第2の矢を組み合わせることによって
まず、第2の矢の影響が働き、その後に第1の矢と第2の矢の合
わさった影響によってデフレギャップの解消に成長を押し上げ、
そこから第1の矢の影響によって成長経路が加速されるのです。
第3の矢の影響が現れるのはその後です。添付ファイルのグラフ
はそのように描かれています。
 片岡氏は第1の矢である金融政策は、人々の予想に働きかけて
予想インフレ率を高めるといっています。しかし、「予想」とい
うものは、漠然としたものです。そんなものが果して消費行動に
影響を与えるものなのでしょうか。事実関係だけをみると、日経
平均については、次の数字があります。
―――――――――――――――――――――――――――――
    2012年11月14日 ・・・ 8664円
    2013年 5月22日 ・・・15627円
―――――――――――――――――――――――――――――
 2012年といえば、民主党政権の稚拙な政権運営に国民の多
くが閉塞状況にあったのです。それに対して安倍政権は、インフ
レ目標を打ち出し、「アベノミクス」という経済政策や「異次元
金融緩和」の金融政策のネーミングの目新しさもあって、人々が
そこに漠然としたものではあるが、「もしかすると、景気がよく
なるのではないか」期待を抱いたことは確かです。
 その人々の期待が株価上昇になってあらわれのです。何しろ上
昇幅は6963円、上昇率は80%です。わずか半年で80%も
上昇したのです。確かに2013年の半ばまでは、国民は安倍政
権よる景気回復に期待を抱いたのです。
            ─── [検証!アベノミクス/25]

≪画像および関連情報≫
 ●「アベノミクスの総合評価」について/片岡剛士氏
  ―――――――――――――――――――――――――――
  金融政策は80点、財政政策は50点、成長戦略は10点。
  平均すると40〜50点になる。金融政策を評価していると
  しながら80点となったのは、追加緩和が遅過ぎたからだ。
  今はデフレからマイルドな2%の物価安定目標を目指してい
  る状況なので、金融緩和はよりアグレッシブに行う必要があ
  る。予想インフレ率や市場のマインドが落ち込みつつあった
  ところで手が打たれたが、ぎりぎりのタイミングだった。2
  013年の日本経済はアベノミクスの当初のシナリオ通り、
  おおむね、景気回復基調となった。物価上昇率は持ち上がり
  失業率は改善。株価も大幅に上昇した。ただ、14年に入る
  と予算規模が縮小され、財政政策が拡張から緊縮の方向に向
  かった。消費増税も相まって、持ち上がった日本経済が方向
  感を失った状況になった。財政政策は半分くらいしか評価で
  きない。アベノミクスは3本の矢で経済をとにかく拡張させ
  てデフレから脱却し、最終的に成長軌道に戻すというのが本
  義。ところが、消費増税という方向性の違う政策を景気浮揚
  の途上で混在させ、それまでの効果をほぼ全て打ち消してし
  まった。             http://bit.ly/1JLZdcZ
  ―――――――――――――――――――――――――――
 ●片岡剛士著の前掲書より

アベノミクス3本の矢の関係
http://electronic-journal.seesaa.net/article/411172575.html


 
Business | 2014年 11月 28日 16:26 JST
関連トピックス: ビジネス, トップニュース
インタビュー:増税で振り出し、日本経済再起動が必要=片岡剛士氏

 11月28日、三菱UFJリサーチ&コンサルティング・主任研究員の片岡剛士氏は、アベノミクスが本格スタートした2013年の日本経済はほぼシナリオ通りに推移したが、今年4月の消費増税で効果が打ち消され、振り出しに戻してしまったと指摘。この2年間の総合評価は「40─50点」と採点した。写真は、東京・銀座、16日撮影(2014年 ロイター/Yuya Shino)
[東京 28日 ロイター] - 三菱UFJリサーチ&コンサルティング・主任研究員の片岡剛士氏は、アベノミクスが本格スタートした2013年の日本経済はほぼシナリオ通りに推移したが、今年4月の消費増税で効果が打ち消され、振り出しに戻してしまったと指摘。この2年間の総合評価は「40─50点」と採点した。
しかし、デフレ脱却に向けては、この道を進むしかなく、財政政策を強化して再スタートを切るべきだと述べた。
また、アベノミクスの3本の矢のうち、第1の矢「大胆な金融政策」と第2の矢「機動的な財政政策」の組み合わせは実質的な財政ファイナンスではあるものの、デフレから完全に脱却できていない段階では政府が積極的に経済対策を実行するためのマネーが必要であり、この時期の大胆な財政支出と金融緩和は肯定されるとの見解を示した。
片岡氏はこの11月に「日本経済はなぜ浮上しないのか──アベノミクス第2ステージへの論点」を出版した。「アベノミクスを評価しているようかのようにとられているが、評価しているのは金融政策だけ。財政政策は消費増税で方向感を失っており、成長戦略も期待していない」(片岡氏)という。
インタビューの主な内容は以下の通り。
──アベノミクスの総合評価は。
「金融政策は80点、財政政策は50点、成長戦略は10点。平均すると40─50点になる。金融政策を評価しているとしながら80点となったのは、追加緩和が遅過ぎたからだ。今はデフレからマイルドな2%の物価安定目標を目指している状況なので、金融緩和は、よりアグレッシブに行う必要がある。予想インフレ率や市場のマインドが落ち込みつつあったところで手が打たれたが、ぎりぎりのタイミングだった」
「2013年の日本経済はアベノミクスの当初のシナリオ通り、おおむね景気回復基調となった。物価上昇率は持ち上がり、失業率は改善。株価も大幅に上昇した。ただ、14年に入ると、予算規模が縮小され、財政政策が拡張から緊縮の方向に向かった。消費増税も相まって、持ち上がった日本経済が方向感を失った状況になった。財政政策は半分くらいしか評価できない」
「アベノミクスは3本の矢で経済をとにかく拡張させてデフレから脱却し、最終的に成長軌道に戻すというのが本義。ところが、消費増税という方向性の違う政策を景気浮揚の途上で混在させ、それまでの効果をほぼ全て打ち消してしまった」
──デフレ脱却に他の道はないのか。
「この道しかない。野党がアベノミクスを否定するのは難しいと思う。経済学的に、景気を持ち上げるためにすべきことは、金融政策と財政政策とされている。金融緩和をし過ぎることは問題だが、不況下では問題ないということは教科書にも書いている。それを愚直にやろうとしている現政権を批判するのは困難だ」
「財政政策については、手段として公共投資に偏重している今の在り方は変えないといけない。特に新規投資については、建設業の供給制約が深刻化する中で、予定通りの効果をもたらさない可能性が高い。景気刺激策という意味では定額給付金、所得税減税などで家計の実質所得の低下を抑制する必要がある」
「安倍晋三政権は、合わせて社会保障制度の改革に本腰を入れる必要がある。10%への消費税率引き上げはとりあえず延期されたが、今後、拡大する社会保障費の財源として消費増税が使われていくとすれば、増税のたびに景気対策と財政支出の拡大に直面し、財政赤字が膨らんでいく可能性がある」
──成長戦略については。
「具体的な成果を出すこと。法人税減税や環太平洋連携協定(TPP)といったところで、改革は進んでいるんだということをどこまでアピールできるかだ。TPPはぜひ前に進めてもらいたい。現局面で、農業を含むセンシティブ品目にこだわっている理屈はないと思う。むしろ、そこは捨ててでも関税撤廃や自由化といった話を受け入れることによって、日本経済が変わっていくことに働きかけなければならない」
「他方、民間向けの成長戦略については、どれほど潜在成長率が持ち上がるのか未知数の部分が大きく、私自身、あまり期待していない。そもそも、政府が何か旗を振り、民間について来いといっても無理な話。アイデアはあるが金はないという人たちの金回りをよくしてあげることが、政府の最大の役割なのではないか」
──第1の矢と第2の矢の組み合わせは、マネタイゼ―ションだとの指摘がある。
「これはマネタイゼ―ション、実質的には財政ファイナンスだ。ただ、今はデフレギャップが拡大し、2%の物価安定目標を達成できていない状況なので、やることができる。日本は将来、人手不足による供給能力の低下などから、インフレになりやすい構造になるとみている。今は政府がお金をたくさん使って、やるべきことを整備しないといけない時期と捉えている。そういう意味で、財政ファイナンスはしなければいけない」
「財政ファイナンスを批判しても仕方がなく、むしろ、それで何をするかが大事だ。日本の成長力がつけば、将来の徴税余力は増すので、財政ファイナンスしたものは確実に税収というかたちで返ってくる」
「日本の対外純資産残高は世界一で、今も拡大が続いている、消費増税をしないと財政は破綻するという人もいるが、国債の金利は0.5%をはるかに割り込み、0.4%台の攻防に移っている。これは市場がもっと国債を欲している状況。逆にいうと、日銀が買い取る以上に国債を出せるということだ」
──円安は日本にとってプラスかマイナスか。
「日本経済全体でみると明らかにプラスだ。(ドル)120円程度の円安はまったく問題ではない。輸入価格が上がって困るという話になるが、問題は輸入価格の上昇分をきちんと売価に転嫁できない日本経済の仕組みだ」
「円安について輸出企業のメリットが目立つが、他方、同じ製品で国内製と海外製が競争している場合、国内では国内製の方に競争力が出てくるので、そういった製品を作っている産業はメリットを受ける可能性がある。日本経済全体としてみた時、円安デメリットを過度に強調するのはミスリードという感じがする」
*このインタビューは11月27日に行いました。
(杉山健太郎:編集 田巻一彦)
http://jp.reuters.com/article/abe-idJPKCN0JC0CK20141128?pageNumber=1&virtualBrandChannel=14287&sp=true

 

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