★阿修羅♪ > 経世済民121 > 240.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
国際的な物価の基本は「原油価格」にある(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/17/hasan121/msg/240.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 4 月 19 日 11:10:30: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


国際的な物価の基本は「原油価格」にある
http://diamond.jp/articles/-/125302
2017.4.19 宿輪純一:経済学博士・エコノミスト ダイヤモンド・オンライン


 先日ワシントンのFRB本部、IMFや世界銀行のエコノミストと面談してきたが、そこで気がついたのは、原油価格の動きをかなり重視しており、物価の基本として見ていることだった。原油価格を重要なインフレの先行指標としているのである。もちろん、FRBは雇用を特に重視し、失業率よりも賃金上昇率を重視していたが。

 原油価格はWTI(West Texas Intermediate)という指標で見ることが多い。西テキサスは、米国映画でたまに見かける採掘機によって、近代的な原油採掘を始めた地域である(Intermediateとは中流の意味)。今はシカゴマーカンタイル取引所(CME)に買収されたニューヨーク・マーカンタイル取引所 (NYMEX)で取引されている。

 筆者はシカゴ駐在時より先物も専門の一つとしていたが、忘れもしないメガバンクの企画部経済調査室に勤務していた2008年7月11日、原油先物が1バレル(約159リットル)=147.27ドルまで上昇した。その時にはエコノミストのみならず、一般の方々まで皆、200ドルまで上昇するものと考えて、省エネが推進された。しかし、9月15日にリーマンショックが発生し下落。その後、WTIは昨年1月20日に最高値以降の最安値26.55ドルを記録した。最高値の2割以下に下落するなどと、誰が予想できたであろうか。

 資源価格において原油はその中心的な存在である。エコノミストになりたてのころ、原油価格が上昇するとブラジルの通貨や株価が上昇した。ブラジルは原油を産出しないので、なぜなのかよく分からなかったが、ブラジルでは鉄鉱石等の鉱物が採れる。鉱物などの資源価格は、原油価格にほぼ連動しているのである。確かに、原油だけでは製造業は成り立たない。

 時は経ち、最高値を更新していたころには実現するとは思わなかったことが起きた。シェールオイルの採掘開始である。頁岩(Shale)と呼ばれる泥岩の層に含まれている原油のことだが、強い水圧をかけることで採掘が可能になった。主として米国の北部と南部の山岳地帯で産出される。筆者の学生時代には考えられなかったことだが、今や米国が原油生産量1位である(2位はサウジアラビア)。さらにトランプ政権になって生産は増加する。オバマは環境を重視していたが、大統領がトランプになり、より環境負荷の高い掘削方式が許可された。環境よりも開発というわけである。

 その動きを見て、OPEC(石油輸出国機構)とロシア等の産油国が一足先に手を打ち、昨年11月30日に石油価格を上げようとして減産に合意した。OPECはまとまらない組織として有名で、15年ぶりの合意だった。彼らの共通の敵・米国の台頭によって、まとまることができたのである。その後減産目標を達成。特にサウジアラビアは目標以上に減産することで、合意を主導した。5月25日にはOPEC総会があり、サウジアラビアは減産の6ヵ月延長を要望するといわれている。しかし、最近の米軍によるシリア空爆等の中東情勢の悪化で、生産の問題を始めとして、地政学的リスクの高まりも絡まり、原油価格は予想が難しくなっている。

 原油先物にはWTIの他にブレント(Brent)というものもある。ブレントは英国や北欧諸国に囲まれた北海にある油田だ。ブレントは、現在は米国ICE(インターコンチネンタル取引所)に買収されたICE Futures Europe(以前のロンドン国際石油取引所)で取引されている。産地から見てWTIが米国産原油の代表、ブレントは欧州のそれにあたる。中東は地理的近さから言って、ブレントに入る。

 最近のそれぞれの価格の動きは、米国WTIは増産で価格下落、ブレントは中東減産によって価格上昇となっている。本稿で述べたように、原油価格の予想は非常に難しいが、このスプレッド(差)は広がる方向と考えられる。この差を利用したスプレッド取引が、最近の先物市場では盛んに行われている。

(経済学博士・エコノミスト 宿輪純一)


 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
1. 2017年4月19日 21:07:07 : Dn7Lrr2sG2 : 8DblKfo8NiQ[58]
そこまで言わないが、あの1967年からの「石油ショック」では狂乱物価と呼ばれすべてのモノの価格が上がった。

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民121掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民121掲示板  
次へ