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トランポノミクスで「日経平均2万5千円」説はどこへ行ったのか? 日本株浮上に必要な条件を考える(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/17/hasan121/msg/262.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 4 月 20 日 10:11:15: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


トランポノミクスで「日経平均2万5千円」説はどこへ行ったのか? 日本株浮上に必要な条件を考える
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51530
2017.04.20 安達 誠司 エコノミスト  現代ビジネス


米国株も伸び悩み…

市場見通しの「コンセンサス」は得てして大きく外れる。

年初、多くの市場関係者が、トランポノミクスによる大型財政出動の期待から、米国株高・ドル高・米国長期金利上昇を予想していた。また、トランプ大統領のメキシコに対する強硬姿勢等から、新興国株式、及び新興国通貨については一層の下落を予想していた。そして、日本株は、円安ドル高の動きに連動して堅調に推移すると予想されていた。

だが、実際はどうだっただろうか。2017年はまだ4ヵ月弱が経過したところだが、現時点では、これらの予想はほぼ外れている。

例えば、米国株の代表的な指数であるニューヨークダウ工業株30種平均は、4月18日時点で、年初から4%弱の上昇にとどまっている。その一方で、さらなる下落が予想されていたメキシコ株の代表的な指数であるボルサ指数は、年初来で約7%の上昇と、米国株を上回っている。

他の新興国の株式市場も概ね堅調に推移している(インド、フィリピン、トルコ、ポーランドは年初来で10%以上の上昇)し、対ドルでみた新興国通貨も、一部の国を除いて、概ね、下げ止まりの様相を呈している。

また、昨年末には、一時2.5%を上回る水準まで上昇し、今年はFRBによる利上げと財政赤字の拡大等によって、3%台に乗せてくるだろうと思われていた米国の長期金利(10年物国債利回り)は、3月半ば以降、低下に転じ、このところ、2.2%近傍で推移している。

そして、2万5千円を上回る上昇が予想されていた日経平均株価だったが、足元では1万9千円を割り込む状況となっている。また、1ドル=120円を上回る円安ドル高を予想する市場関係者も少なからずいたドル円レートも、現在、1ドル=109円前後で推移している。



ちなみに、筆者はどうかというと、米国株の調整と為替の円高(筆者の場合、105-110円程度)は予想していたが、新興国株式、及び通貨の底打ち・反転は全くの予想外で、投資対象としてもノーマークであった。

また、日本株については、株価そのものについては一進一退ながら、欧州を含む他地域と比較すれば、相対的には好パフォーマンスなのではないかと考えていたが、どうも怪しくなってきたように思える。

トランプ政権の迷走が原因か

それはさておき、(最近の地政学的リスクの台頭も含め)この理由は、トランプ大統領の諸政策が、大統領選終了直後から大きく変容しているからではないかと考える。

例えば、経済政策面では、トランポノミクスの「目玉」であった大型減税の具体案がなかなか出てこない。そして、「オバマ政権時代からのレジーム転換」を象徴する政策転換とみなされていた「オバマケアの代替案」も議会の承認を得ることができず、一旦審議が中断された。

筆者は、最近のトランプ大統領のシリアや北朝鮮に対する積極的なコミットメントは、一連の経済政策でオバマ政権時代からのレジーム転換を印象づけることができないための代替的な措置ではないかという印象を持っている。

そして、4月28日には、債務上限適用延長にからむ暫定予算の期限が切れる。場合によっては、米国政府の機能が一部停止される懸念も取り沙汰されている。筆者はこの債務上限問題についても、トランプ大統領のイニシアティブでわりとあっさりクリアするのではないかと期待していたが、均衡財政を指向する共和党議会の抵抗もあってか、なかなか決まらないようだ。

通常、債務上限は、今後数年間の債務上限を決めてしまうことが多いので、トランポノミクスの財政拡張政策の規模を制約してしまうリスクもある。



以上より、トランプ政権の経済政策の見通しとしては、財政拡張によるさらなる景気浮揚の実現性に疑問符が付き始めているというのが現状であろう。

そして、これが、経済成長率の底上げによる「株価上昇・長期金利上昇」、そして、それをきっかけとした投資家全般の「債券から株式へ」という資産配分の大幅な変更(グレート・ローテーション)への期待感を後退させてしまっていると考えられる。

さらには、結局、3月には利上げを実施したものの、今年に入ってからは、むしろ、マネタリーベースを拡大させるという、量と金利の方向性がバラバラな金融政策を実施しているFRBの政策スタンスが1月以降のドル安トレンドを作り出している側面も否定できない。

また、トランプ大統領の一連のドル高牽制発言によって、今年に入ってからもドルは上昇し続けているような印象があるが、ドルの実効為替レートは今年1月以降、下落(ドル安)トレンドで推移しており、昨年の大統領選前の水準に戻りつつある。

このドル安が新興国の通貨高(というより、むしろ通貨安を止めたといったほうがいいかもしれない)をもたらし、その通貨高が株価の底打ち反転につながっているというのが新興国市場の構図ではなかろうか。

一方、このドル安は、為替レートと株価の高い相関関係が長期間続く日本市場にとって、株安要因となっている感は否めない(ただし、現在の1ドル=109円前後のドル円レートは日本経済に悪影響を与えるほどの円高ではない)。

日本株が浮上するための条件

それでは、今後、マーケット環境が変わるきっかけは何なのだろうか。

ここまでの議論を整理しながら考えると、結局は米国の経済政策の趨勢がはっきりすることではないかと考える。すなわち、@米国で一転して大型の財政拡張政策が決定される、AFRBによるマネタリーベース(バランスシート)縮小が始まる、ということであろう。

このいずれか(もしくは両者)が実現することによって、再びドル高が示現すれば、「円安・日本株高」の流れが再開するかもしれない。

ただし、注意すべきは、FRBによるマネタリーベースの縮小は、そのペース次第では、米国の株式市場だけではなく、新興国市場の株式市場の大幅調整を誘発しかねない点である。

米国、及び、新興国株式市場が一時的であれ、「クラッシュ」に近い様相を呈することになれば、「リスクオフの円高」を誘発しかねない。つまり、FRBが、自国、及び新興国の株式市場をクラッシュさせない程度の慎重なペースでマネタリーベースを縮小させることが日本株浮上のための一つの条件になる可能性が高いと考える。

そして、日本の株式市場が、為替市場に大きな影響を受けることを考えると、日本側にも日本株高のための条件がいくつかあると思われる。

一つめは、日銀によるマネタリーベース供給のペースをなるべく落とさないことである。

現在、日銀の政策スタンスとしては、「年間80兆円のマネタリーベース供給」が明記されている。だが、「イールドカーブコントロール政策」の下、10年超の長期国債の買い入れ額が漸減しており、現時点までのペースでは、年間80兆円のマネタリーベースの供給はおぼつかない。

「もはや量(マネタリーベース)はそれほど重要ではない」という議論もあるが、現在の為替レートや株価の動きをみる限り、マネタリーベースの供給減は、市場関係者に円高のシグナルととらえられかねない。

二つめは、トランプ政権による円安牽制圧力である。

北朝鮮情勢も絡み、トランプ政権の対中強硬路線も不透明感を増しつつある。安全保障や外交政策との関連でトランプ政権の対中強硬路線が当初予想よりも緩和されるとすると、貿易黒字に対する非難の矛先が日本に向かうとも限らない。この時、政府がトランプ政権に「忖度」して、円高誘導的な経済政策を実施するとすれば、日本株が反転する可能性はその分低下するだろう。

最後に重要な点をもう一つ。

マーケットは情報を過度に織り込み、それを修正するプロセスを絶えず続けている。今年に入ってからの予想外の展開も、基本的にはトランポノミクスの成功ストーリーを先行して織り込み過ぎた結果ともいえる。

現在、その修正局面が来ていると推測されるが、逆に、トランポノミクスを過度に悲観的に織り込み始めた場合には、マクロ経済環境とは関係なく、往々にして、そこが、マーケットが反転する絶好のタイミングであることが多いので、その点にも留意しておくことが必要だろう。


 

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コメント
 
1. 2017年4月20日 17:34:48 : Dn7Lrr2sG2 : 8DblKfo8NiQ[69]
いつものこと。株屋の言うことを真に受けるほどの○○ではない。

2. 2017年4月21日 19:06:20 : C0CDFiDX8E : 0W5ley3lsOA[135]
トランプを 当てにし過ぎて 空回り

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