★阿修羅♪ > 経世済民121 > 300.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
「転勤なしで高給料」の会社が増える! 好条件の転職チャンスなぜ広がる?(NIKKEI STYLE)
http://www.asyura2.com/17/hasan121/msg/300.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 4 月 21 日 19:34:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


「転勤なしで高給料」の会社が増える! 好条件の転職チャンスなぜ広がる?
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170421-00010004-nikkeisty-bus_all
NIKKEI STYLE 4/21(金) 18:40配信


 就職先、転職先を探す際にあまり気にしない「転勤の有無」。私の連載第1回は、転勤のメリット、デメリットを、企業の立場、個人の立場それぞれの視点から考えてみました。

Q.あなたならどちらを選ぶ?
(1) 転勤はあるが給与が高い会社
(2) 転勤はなく給与が低い会社

■日本では従業員が転勤を拒むのは難しい

 転勤とは、同じ官庁や企業の中で勤務地が変わること。日本企業に勤務していると当たり前の話ですね。当たり前すぎて、転職や就職などで企業を選ぶ際に転勤があるかどうかを考えることは、ほとんどないのではないでしょうか。

 日本企業では、労働者に転勤命令を行う場合には、原則として根拠は必要なのですが、就業規則の規定などにより企業側に広範な人事権が認められています。裁判の事例としては、東亜ペイントの最高裁判例があります。「個人の事情があっても企業の配置転換命令は有効だ」という内容です。

 1973年、神戸勤務のAさんが広島への転勤を内示されました。母が高齢(71歳)で、保母をしている妻も仕事を辞められず、子供も幼少(2歳)なため内示を拒否。会社はAさんの申し出をいったん受け入れ、別のBさんを広島に転勤させましたが、Bさんのいた名古屋の後任としてAさんに転勤を内示します。Aさんは広島転勤を断ったのと同じ理由で拒否しました。しかし会社はAさんの同意を得ずに転勤発令します。それを拒否したAさんに対し、就業規則を理由に懲戒解雇したという事案です。

 結果、86年に最高裁判決で会社側が勝訴しました。30年前の判例ですが、今でも重視されています。つまり、こうした理由だと転勤拒否は認められないのです。

 ちなみに、日本企業では当たり前の転勤ですが、欧米では幹部を海外に派遣するような場合を除けば、転勤はほとんど存在しません。どうして日本の企業は従業員に転勤をさせるのでしょうか。

■企業が転勤を命じる2つの理由

 主な理由は2つです。1つは、労働力の調整です。日本企業は、長期雇用を前提に、業績が悪化しても企業内で労働力を調整するために出向、転勤、異動などを行うからです。日本では、簡単に正社員を解雇できません。どこかの部署の業績が悪い場合、他の部署へ配置転換して雇用を維持しようとします。その際に地域をまたぐケースもあるわけです。

 もう1つの理由は、人材育成です。日本企業はゼネラリストを育てようとする傾向があります。様々な職種や地域を経験させ、多面的にものごとを見られる人材になるよう志向します。つまり、職種異動、地域異動を通じて、環境を変え人材育成するということです。

 雇用維持のため、あるいは人材育成のためと考えると、両方とももっともな理由な気がします。

■多いのは若手一般社員の転勤

 私が所属するリクルートワークス研究所は2016年に「全国就業実態パネル調査」を発表しました。日本中の約4万人に毎年アンケートを実施し、「働く」に関してどのような変化が起きているのかを把握しようとする試みです。この調査により企業内の転勤の実態がわかってきました。

 過去1年間に転勤した人は正規の職員・従業員で2.9%。およそ30人に1人が転勤している計算になります。ビジネスエリアが限られる中小企業では転勤があまりないことを考えると、この割合は多い気がします。年齢別に見ると15〜24歳では4.8%、25〜34歳では3.7%、35〜44歳では2.3%、45〜54歳では2.6%と、若年層の転勤が多いことがわかります。

 また、役職別に見ると、課長以上の管理職より一般社員のほうがより高い確率で転勤しています。日本においては、若手を中心に昇進や昇格を伴わない転勤が一般的ということが浮かび上がってきたのです。

■転勤のメリット、デメリット

 転勤の実態が少し見えてきたところで、転勤について企業、個人のメリット、デメリットについて考えてみたいと思います。

 企業にとっては、

●メリット
(1)長期雇用を前提とした雇用維持の有効な手段
(2)ゼネラリストを育成するための手段

●デメリット
(1)転勤に伴う直接的なコスト負担
(2)人事異動に伴う社内外の関係性を再構築するための時間やコスト負担
(3)人材の採用や活躍を阻害する可能性(管理職が多く転勤する会社では、それを理由に昇進・昇格を希望しない女性社員などが出てくるケースなど)
などが挙げられます。転勤があることで、優秀だけれど、制約がある人材が確保しづらくなるデメリットはひじょうに大きいと思います。

 個人では、

●メリット
(1)担当部署の業績が悪いときでも雇用が維持される
(2)新たな人間関係や仕事を経験することで、ゼネラリストになれる可能性が高まる

●デメリット
(1)転勤に伴うコストや時間負担
(2)プライベートの負担(単身赴任であれば家族との関係性に問題が生じる可能性あり。また家族で転勤する場合は、家族も新たな環境になじむのにコストや時間がかかる、など)
といったことがあります。

 以上のように、転勤に関して企業、個人の損得を整理すると、企業も個人も明確なデメリットがあるのがわかります。


転勤を受け入れる社員と受け入れない社員との許容できる処遇の水準

■転勤の賃金プレミアムとは

 では、転勤を受けると給料はどれくらい増えるのでしょうか。いわゆる「転勤の賃金プレミアム」について考えてみます。リクルートワークス研究所の機関誌「Works134号(16年)」では大手企業2社の事例が掲載されていますが、それぞれ全国転勤ありの社員には10〜15%の賃金プレミアムを支払っています。

 また、14年に出版した「労働時間の経済分析 超高齢社会の働き方を展望する」には、従業員側のデータがあります。勤務地限定の場合、「給料が2割程度下がってもよい」という回答者の割合が多いことが分かります。つまり転勤がOKの従業員には、1〜2割程度の賃金プレミアムがあるようです。この割合は多いでしょうか、少ないでしょうか。

■転職で考慮すべき第3の選択肢

 日本では今後、高齢化がさらに進み、育児に加えて介護の問題は誰にとっても身近な問題になってきます。結果、労働時間や勤務地など何らかの制約がある従業員が増えてきます。つまり、転勤による勤務地の変更は、すべての方にとって人ごとではありません。そうなると、制約がない従業員を前提に人事を考えることはどんどん困難になっていきます。転勤が前提の企業は採用力も下がっていくはずです。

 これを受けて、企業も変わっていかなければなりません。つまり、転勤を受け入れる従業員が大半で、転勤を受け入れない従業員、すなわちエリア限定社員は給料が低いというかたちではなく、その逆のエリア限定社員が当たり前で、転勤を受け入れる従業員に何らかの賃金プレミアムを支払うといった方法が模索されるようになるはずなのです。

 したがって、冒頭の質問に対する2つの選択肢、

Q.あなたならどちらを選ぶ?
(1) 転勤はあるが給与が高い会社
(2) 転勤はなく給与が低い会社
には、第3の選択肢がありそうです。

(3) 転勤はなく給与が高い会社
が増える可能性があるのです。

 あなたの会社はいかがですか。今後、転職の際には、転勤の有無を一つの参考にされてはいかがでしょうか。


 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民121掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民121掲示板  
次へ