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巨艦・野村證券も動く!資産運用業界の「大淘汰」時代が始まった 金融庁の本気度がものすごい(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/17/hasan121/msg/778.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 5 月 26 日 13:47:30: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


巨艦・野村證券も動く!資産運用業界の「大淘汰」時代が始まった 金融庁の本気度がものすごい
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51841
2017.05.26 橋本 卓典 共同通信社経済部記者  現代ビジネス


「あの野村が公表してきたのは驚いた。本気になったということなのか」

5月中旬、資産運用業界の重鎮たちが集まった東京・神楽坂での会合の席。野村ホールディングス(HD)傘下の野村證券と野村アセットマネジメントが4月に発表した、「お客様の業務運営を実現するための方針」が話題を呼んだ。

金融庁がすべての資産運用・資産形成サービスにかかわる金融機関に求めた「顧客本位の業務運営に関する原則」(通称「フィデューシャリー・デューティー原則」)を公表した3月30日に、即座に受け入れ表明をしたHCアセットマネジメント、みずほフィナンシャルグループに次いで、業界最大手の野村証券が「先頭集団」として受け入れを発表したことに、少なからぬ衝撃が走ったのだ。


野村ホールディングスの永井浩二CEO photo by gettyimages

グループ会社の商品を特別扱いしない

実は、野村證券、野村アセットマネジメントが公表した今回の方針は、ふだんは野村に批判的な独立系(=銀行系など以外)の関係者からも「しっかりした内容だ」と高い評価を受けている。

たとえば、野村證券の方針では「利益相反の適切な管理」について以下のように示している。

「当社は、さまざまな金融サービスを提供する野村グループの一員であり、グループ内の別会社から提供を受けた商品を販売するなど、グループ内においてさまざまな利益相反が発生するリスクがあることから、これらを適切に管理することで、お客様の利益の保護を図ります」

「投資信託の取扱商品を決定する際には、評価機関による調査・分析を経て一定以上の評価がなされているものを採用する等、グループ会社の商品に捉われることなく、幅広い候補の中から品質の高いものを選定します」

「グループ会社の商品に捉われることなく」と明記したのは、「野村アセットマネジメントの商品だから」という理由で優先することなく、顧客利益の保護を最優先して、商品を販売するというスタンスを強調するためだ。

周囲からは「利益相反の存在とリスクを認め、正しく管理するというフィデューシャリー・デューティーの根幹を踏まえた模範的な内容だ」(資産運用会社社長)という評価の声が聞かれる。

金融庁に従う野村證券の思惑

それにしても、なぜ野村はいちはやく前向きな方針表明をしたのか。

かつて野村は、主力の野村證券による圧倒的な営業力が収益をけん引してきた。野村に限らず、証券会社の営業担当は顧客に相場を語り、絶好の投資チャンスだとセールストークし、金融商品を販売してきた。それが証券ビジネスの歴史だ。

しかし、主要な収益基盤となってきた顧客層は高齢化し、今後10年、20年先の収益を約束するものではなくなってきた。ここに野村の危機感がある。

野村にとって若手層の開拓は道なかばで、これからの最重要課題だ。今後、若手層が資産形成に目覚めたとしても、低コストの資産運用・資産形成サービスで攻勢をかける楽天証券やSBI証券などのインターネット証券に、大きなシェアを奪われる可能性を否定できない。相場を語る昔ながらの営業では、もはや限界なのだ。

もちろん、野村はすでにこの問題を認識している。2012年8月には早くも、永井浩二グループ最高経営責任者(CEO)のもとで改革に着手している。

当面の課題は、市場の変動に左右されない安定的な収益基盤の整備だ。個人向け営業では、コンサルティング営業を重視し、内部での業績評価なども見直してきた。

取引先企業の従業員向けの「職域販売」(=顧客企業の厚生部などと連携し、職場に出張して販売すること)を深掘りした営業戦略も展開していく。クローズドな職域ビジネスを、ネット証券への強力な対抗策と位置づけている。

5月上旬には、1980年代生まれの30代をターゲットにしたウェブマガジンを公開。80年生まれの俳優・玉木宏さんを起用したCMからも、野村がどこを目指しているのかがうかがえる。

野村には金融当局にたやすく屈しないDNAが流れている。それが野村の「強さ」でもあった。しかし今回は、金融庁が資産運用・資産形成サービスに求める、顧客本位のビジネスモデルへの変革は、野村の方向性とも合致すると判断したように筆者には見える。

フィデューシャリー・デューティーに詳しい、HCアセットマネジメントの森本紀行社長は、コラムでこう指摘している。

「伝統的な個人営業の顧客基盤が縮小するなかで、金融庁のいう資産形成という新しい分野へ展開することが必要となってきていて、そのために必須の要件として、原則に積極的にコンプライしなければならないという経営判断なのです。

(中略)金融庁が原則を公表したことを外部からの強制力として利用し、変革への意思を社会に宣言することで、内部の抜本的な意識改革を進めようということではないでしょうか」

大手銀行の危機感が高まっている

フィデューシャリー・デューティーの改革の衝撃は野村にとどまらない。金融業界がこれまで「常識」としていたことはことごとく覆されるかもしれない。

「今後はわれわれの業務のすべてが顧客本位であるのかが問われる」

今年に入って、あるメガバンクのトップが会議で、こう檄を飛ばした。

森信親・金融庁長官の任期が、異例の3年目に突入する公算が大きくなったことだけが理由ではない。長官が交代すれば「金融庁は顧客本位の看板をはずす」と楽観視できる状態ではなくなり、待ったなしの改革が迫っているとの危機感が高まっているのだ。

事実、ある大手銀行は、地方支店の大幅な撤退を内部で検討しているという。

秋以降に本格化する、金融庁によるフィデューシャリー・デューティーのモニタリング(検査)への対応を考えると、「顧客本位に責任を持てないエリアや業務を縮小し、地方銀行などにまかせていくのが自然な考え方」(銀行幹部)というわけだ。

今年4月に『捨てられる銀行2 非産運用』(講談社現代新書)を刊行して以来、毎月分配型投資信託や外貨建て貯蓄性保険商品など、手数料が高く顧客の資産形成につながらない金融商品の妥当性を問う論調が強まった印象がある。

業界関係者と思わしき反論もみられるものの、あるべき姿への問題意識、関心が高まっていることは事実だ。いま目を背ければ、それだけ時間を浪費し、対応が遅れ、後手に回るだけ――。そうした認識が徐々に広がり、もはや後戻りできないところに来ているように感じるのは、筆者だけではあるまい。

もはや大手だけの問題ではない

とはいえ、宣言や方針を表明しただけで、業界がきれいさっぱり生まれ変わるわけではない。

銀行などの販売会社と資産運用、保険会社が結託して、手数料が高く、運用パフォーマンスが低い商品を顧客に売りつける従来型のビジネスが許されなくなれば、短期的な収益ダメージは避けられない。一方、中長期の資産形成の必要性が定着すれば、安定的な収益ビジネスにもつながる。

顧客本位のビジネスへの転換は、痛みを伴うのだ。しかも、収益が安定するまでにはタイムラグがある。すっかり変わりきるまでに我慢を強いられることもあるだろう。

そこで問われるのは、経営者の覚悟だ。

大手銀行、大手証券だけの問題ではない。独立系の資産運用会社では、金融庁の原則を受け入れるのか、いまだ態度を表明していないところも多い。

たとえばある運用会社では、実質的に同じ金融商品を、販売手数料のかからない直販と、手数料のかかる地方銀行の窓口の両方で販売している。金融庁の求めるフィデューシャリー・デューティーの観点から言えば、この場合、地銀の窓口では「資産運用会社から直接購入すれば手数料はかかりませんよ」というアドバイスをしなければならないことになる。

来年1月から始まる非課税20年の「積立NISA(少額投資非課税制度)」の対象となる金融商品には、運用実績や手数料による事実上の「選定基準」がある。金融庁の試算では、株式指数に連動するインデックス型と、個別株などに投資するアクティブ型の商品約5400本のうち、積立NISAの投資対象となるのはわずか1%程度の50本ほどにとどまる。

もちろん、積立NISAの対象にならない商品を販売、運用することそのものに問題はない。しかし、顧客本位へのサービスの転換を迫る金融庁の気迫を前にして、地銀、信金などの動きに変化が出てくるものと、筆者はみている。

今年秋以降、顧客本位の業務運営に関して検査を受ける見通しの地銀、信金は、積立NISAの対象となる商品、あるいは選定基準に近い低コストで運用実績のある商品を、窓口でも積極的に販売しようという傾向が強まるのではないか。

森長官からの強烈なメッセージ


講演する金融庁・森信親長官 photo by gettyimages

多くの銀行は、日銀の金融緩和で供給された資金をアパートローンやカードローンに回し、「貸し出しを伸ばした」と標榜しているが、これらが個人の資産形成にダメージを与えるのは必至で、金融庁の厳しい監視の目が向けられるのは言うまでもない。

個別株や外国為替証拠金取引(FX)などのリスクの高い投資は、これまでと変わらない。数10%のリターンを狙う株式投資も、市場には必要な経済行動だ。ひと山当てたいというたくましい個人投資家もいるだろう。

しかし、一般国民の資産形成は違う。長期でどのように運用し、資産形成に導いていくのか。資産形成サービスにかかわるすべての金融機関は、運用会社のみならず販売会社も、顧客本位=フィデューシャリー・デューティーに則った具体的な行動が問われる時代になるのだ。

金融庁の森信親長官は4月7日の講演で、鬼気迫る表情で強烈なメッセージを放っている。

「お客様が正しいことを知れば、現在作っている商品が売れなくなり、ビジネスモデルが成り立たなくなると心配される金融機関の方がおられるかもしれません。しかし、皆さん、考えてみてください」

「正しい金融知識を持った顧客には売りづらい商品を作って一般顧客に売るビジネス、手数料獲得が優先され顧客の利益が軽視される結果、顧客の資産を増やすことができないビジネスは、そもそも社会的に続ける価値があるものですか?」

「こうした商品を組成し、販売している金融機関の経営者は、社員に本当に仕事のやりがいを与えることができているでしょうか? また、こうしたビジネスモデルは、はたして金融機関・金融グループの中長期的な価値向上につながっているのでしょうか?」

             
金融庁が求める「顧客本位ビジネスモデル」に金融機関はどう対応するのか。切迫する業界の現状を描いた話題作(amazonはこちらから


 

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コメント
 
1. 2017年5月30日 03:33:24 : qNApj6abVo : pmR1FMr_lBA[513]
安倍政権では、この糸だけ”まとも”な大臣?

あとは頭から腐っている。


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