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「易きに流れる」集団になり下がった地銀・信金・信組よ、目を覚ませ 旧来のビジネスモデルはいまや四面楚歌(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/17/hasan122/msg/394.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 6 月 29 日 09:39:45: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


「易きに流れる」集団になり下がった地銀・信金・信組よ、目を覚ませ 旧来のビジネスモデルはいまや四面楚歌
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52139
2017.06.29 多胡 秀人 金融庁・金融機能強化審査会 会長代理 一般社団法人地域の魅力研究所 代表理事  現代ビジネス



金融機関に「フィデューシャリー・デューティー」(=真に顧客本位の業務運営)の徹底を求める金融庁の資産運用改革が勢いを増している。森信親長官率いる金融庁の本気度を察し、大手金融機関などが続々と業務指針の見直しを進めている。

とりわけ、地方創生との関係で、地域金融機関 (地方銀行、第二地方銀行、信用金庫、信用組合)の変化への期待が高まっている。少子高齢化の影響に苦しむ地方の中小企業にとって、地域金融機関からの支援は頼みの綱だからだ。

地銀、信金、信組はいまどう動こうとしているのか、どう動くべきなのか。大手邦銀、外資系銀行勤務、地銀の社外取締役などを経て、現在は金融庁「金融機能強化審査会」の会長代理を務める地域金融の専門家・多胡秀人氏が語る。



地域金融機関が史上初めて表舞台に

長年、メガバンクなど大手金融機関の脇役に甘んじてきた地域金融機関が、表舞台に立ったのは史上初といっても過言ではない。

2015年12月に鳴り物入りでスタートした、金融庁の「金融仲介の改善に向けた検討会議」(8人の外部専門家で構成)の主たる論点も、地方再生を展望した地域金融機関の変革である。

金融庁の地域金融改革に焦点を当て、大ベストセラーとなった『捨てられる銀行』(橋本卓典、講談社現代新書) の読者層は当初、金融機関関係者が中心だったが、燎原の火のごとく中小企業経営者や会計士・税理士へと広がっていった。

そうした中小企業経営者たちに対して、2015年の秋以降、金融庁はヒアリングやアンケートでアプローチを続けてきた。彼らの声は私のもとにも届いている。

「ドラマ『半沢直樹』で片岡愛之助が演じる黒崎検査官の役割(銀行への立ち入り検査)こそが、金融庁の立場そのものだと思っていたが、最近の動きを見ていると、どうやら我々の味方らしい」

石橋を叩いても渡らない体質

そもそも地方銀行には、旦那衆として地域における産業資金を供給し、地域産業を育成してきた長い歴史がある。また、信用金庫や信用組合は、相互扶助の精神の小規模零細金融を支えてきた。

それぞれ生い立ちは違っても、地域金融機関が地域経済の発展のためにリスクマネーを供給しつづけてきたことは間違いない。これこそが地域金融機関の本来の姿であり、各社の経営理念にもしっかりと書き込まれている。

ところが、1990年代に入ると、多くの金融機関がノンバンク向け融資や不動産関連融資などに傾注するようになり、バブル崩壊とともに巨額の不良債権を抱えることになる。地域金融機関も例外ではなく、バブルにまみれた相当数の地域金融機関が退場した。

そしてその後遺症から、地域金融機関の多くは担保・保証に過度に依存した融資姿勢を崩さず、石橋を叩いても渡らない体質となった

バブル期とその後の20数年間で、地域金融機関の多くは、借り手の事業の中身を見て金を貸すという融資の原理原則を忘れてしまったようだ。担保・経営者保証への過度な依存、信用保証協会の保証制度ありきの融資など、「易きに流れる組織集団」になってしまった

金融機関の成長より地域経済の成長

こういう状況のもとで、金融庁・森信親長官による地域金融改革が始まった。

2015年9月に金融庁が発表した金融行政方針を見たとき、私は思わず震えた。金融行政のポイントが、「金融機関自身の持続と成長」から「金融機関による地域企業・地域経済の持続的成長と国民の厚生の増大」へと、大きくシフトしていたからだ。


 講演する森信親・金融庁長官 photo by gettyimages

金融機関の仕事は、顧客とのあいだに確固たる信頼関係を築き、顧客の実態やニーズを深く正しく把握することが土台になる。顧客が法人であれば、事業性評価ということになる。

その上で、法人に対しては事業価値拡大のための支援を、個人に対しては豊かな生活を作り上げるための相談に乗り、支援をすることが求められる。そのためには、金融機関が持つ地域屈指の人材と情報のネットワークを最大限に活用する必要がある。

そのような姿勢を貫けば、金融取引は自ずとついてくる。金利競争に必要以上に巻き込まれることもない。顧客と金融機関がWin-Winの関係になるからだ。

かつて付随業務と見られていた金融機関のコンサル機能 (本業支援や生活設計のサポート) は格上げされ、いまや資金仲介(預金・貸出)と並ぶ両輪として位置づけられている。これこそが真の意味での「リレーションシップバンキング」なのである。

そして、いま地域金融機関に求められているのは、このリレーションシップバンキングに収斂される「顧客本位のビジネスモデル」への真摯な対応である。

現状を率直に言うと、「顧客本位」に積極的に取り組んでいる金融機関(「顧客本位の金融機関」)と、軽視している金融機関(「自己中心の金融機関」)とに完全に二極化している。さらに言うなら、遺憾ながら後者の方が大多数である。

四面楚歌の旧型ビジネスモデル

自己中心の金融機関は、優良企業への低金利融資に熱心な一方で、業績不振の企業や新規創業者(=担保がない)には手のひらを返したように冷たく対応している。財務内容が悪化すれば貸付の回収に走り、手間のかかる事業再生は避けて通る。

自己中心の金融機関は、プロダクトアウト型(=作り売る側の理論を優先して商品やサービスを提供するやり方)で、量(を売ること)の追求が“得意技”だ。しかし、プロダクトアウト型の最たるものである優良企業向けの融資や住宅ローンは、過当競争で貸出金利が急降下。さらにマイナス金利がとどめとなり、もはや収益を生み出す業務ではなくなっている。

多重債務者問題を受けた総量規制を見据えれば、消費者ローンの拡大にも限界がある。過熱気味のアパートローンも、供給過多が将来に大きな禍根を残しそうだ。投資信託や保険は、マイナス金利のため商品設計に支障を来し、売れるものが底をついている状況だ。

さらに高リスクの金融商品については、これからフィデューシャリー・デューティにもとづいて当局の強い規制がはたらくだろう。そのあたりの事情は、ベストセラーの続編『捨てられる銀行2 非産運用』(橋本卓典、講談社現代新書)に詳しい。

プロダクトアウト型のビジネスモデルは、いままさに”四面楚歌”なのである。

統合合併で何とかなるのか

今年に入って地銀の再編がいくつも取り沙汰されている。

経営統合や合併の記者会見で、理由として挙げられるのはたいてい「人口減少と地元経済環境の厳しさ」だが、それは何もいまになって始まったことではない。プロダクトアウト型の収益性が急激に悪化したため、統合合併によって収益性の低さをスケールメリットで補うとともに、効率化を進めて乗り切るしかない、との経営判断が働いたのだろう。

地盤とする地域がそれなりの経済規模を持ち、ある程度の人口や事業者数がある場合 (たとえば首都圏、京阪神、中京地区)には 、統合合併によるスケールメリットと効率化によって、当面収益を確保できるかもしれない。

しかし、統合合併を決着させるのに長い時間と機会コストを費やしていては、それすらおぼつかない。スケールメリットと効率化の成果が出てくるころには、おそらくいま以上に金融商品の世界を席巻しているであろう人工知能やフィンテックの軍門に下ることとなるだろう。統合合併に費やした時間と努力が水の泡、という悲惨な事態も容易に想像できる。

『半沢直樹』の時代はとっくの昔に

一方、「顧客本位の金融機関」では、取り組みの成果が出てきている。

マイナス金利政策下で実質的に初めての決算となった2017年3月期、顧客本位の金融機関の貸出金利は、自己中心の金融機関ほど大きな落ち込みを見せなかった。顧客本位のリレーションシップバンキングは、単発・属人的な取り組みにとどまるうちは結果は出ないが、組織的・継続的なものになれば間違いなく成果となって現れるのだ。

この組織的・継続的な取り組みの障害となるのは、プロダクトアウト型のビジネスモデルを推進する「業績評価」や「人事制度」である。

プロダクトアウト型で量を追求する自己中心の金融機関では、厳しい販売ノルマに追われる職員たちが、顧客への後ろめたさと焦燥感とに苛まれ、早期退職が急増している。それに対し、業績評価の方法とそれに連動する人事制度を根本から見直した顧客本位の金融機関では、現場(とくに若手)が息を吹き返している。

今後、金融機関のディスクロージャーの対象となるコンテンツは大きく変わる。地域顧客との対話の重要性は、いままで以上に増すだろう。顧客の側も、顧客本位の金融機関と自己中心の金融機関とを判別する目利き力を高めていくことになる。そうした金融リテラシーを獲得してもらうために、中小企業経営者を対象にした支援の取り組みも始まっている。

あなたの銀行は「顧客本位の金融機関」なのか、それとも「自己中心の金融機関」か。それを判定するのは、あくまで地域の顧客なのである。金融行政では決してない。

金融行政方針にも、顧客本位の金融機関か、自己中心の金融機関かを最終的に評価するのは金融庁ではなく地域顧客であり、金融行政の役割はそのための体制整備・可視化だと明確に記載されている。金融庁はあくまでも黒子であると宣言しているのだ。

検査マニュアル片手に「分類するわよ!」と東京中央銀行に乗り込んでくる黒崎検査官の姿は、もはや本当にドラマの世界の出来事でしかなくなった。「金融庁は味方らしい」と話す冒頭の中小企業経営者の見方こそが、現実なのである。

にもかかわらず、我が国の多くを占める「自己本位の金融機関」は、レンタルビデオ店ではすでに「旧作」に分類される『半沢直樹』の世界から、いまだに抜け出せないでいる。



 

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コメント
 
1. 2017年6月29日 19:23:39 : 4YYrzdxdME : kL37DvJ@@K4[244]
弱らせる ために易きに 流れさせ

2. 2017年6月29日 22:07:51 : Qcz4ysAepE : H6Kokfr_X@s[42]
グローバリストの自民党を応援し、ローカリストである自分達の首を締めている。

3. 2017年11月25日 23:24:38 : LY52bYZiZQ : i3tnm@WgHAM[-3433]
本当はすごい信金 信組 / AIに負けない!凄い税理士・会計士 / 出国税 経済の深層
. デモクラシータイムス
2017/11/25 に公開
https://www.youtube.com/watch?v=jJWOgBg5Te4

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