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焼肉専用コンロ「やきまる」が、目標の5倍も売れているワケ(ITmedia ビジネスオンライン)
http://www.asyura2.com/17/hasan122/msg/838.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 8 月 03 日 11:26:45: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

         イワタニの「やきまる」が売れている


焼肉専用コンロ「やきまる」が、目標の5倍も売れているワケ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170802-00000020-zdn_mkt-bus_all
ITmedia ビジネスオンライン 8/2(水) 8:38配信


 岩谷産業(以下、イワタニ)が2016年8月に発売した、焼肉専用コンロ「やきまる」が売れている。発売直後からクチコミで話題になり、いまも品薄状態が続いている。「年間で3万台売れればいいよね」(同社)と言っていたのに、2017年7月末現在で15万台を突破。目標の5倍も出荷しているのだ。

 実物を見たところ、カセットコンロの上にプレートが乗っているだけ。これと言った特徴はないように感じるが、なぜ「やきまる」は売れたのか。その答えは「煙」である。自宅で焼肉をすると、どうしても煙が気になる。焼肉をするたびに火災報知器が鳴るので、「自宅では焼肉をしない」という人もいるのでは。そんな悩みを解消してくれたのが、やきまるである。つまり、煙がほとんど出ないのだ。

 「ははーん、最新のテクノロジーを使って、煙まで抑え込んだのか」と思われたかもしれないが、構造はものすごくシンプルである。中を開けてみても、センサーやファンなどは搭載されていない。脂を受ける皿とバーナーがあるだけ。どこにでもあるような、普通のカセットコンロなのだ。

 「焼肉店のように煙の出ないコンロがあればなあ」と思っていた人は多いと思うが、なぜこのタイミングでそのような商品が登場したのか。また、シンプルな構造にもかかわらず、なぜ煙を抑えることができたのか。商品開発を担当した福士拡憲さんに、その秘密を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。

●技術的に難しかった

土肥: 焼肉専用のカセットコンロ「やきまる」が売れていますよね。発売後、すぐに品薄状態になったので、営業で使うサンプルも用意できなかったとか。やきまるの最大の特徴は、やはり「煙がほとんど出ないこと」。実際に、やきまるを使って肉を焼いたところ、確かに煙が出ない。「自宅で焼肉を楽しみたいけれど、煙が出るからできない」といった人には、待ちに待った商品かもしれません。開発はいつごろから始めたのでしょうか?

福士: 発売の2年半前、2014年に開発を始めました。「焼肉専用のカセットコンロをつくろう」となって、焼肉についていろいろ調べたところ「家族で楽しみたい」「仲間と一緒に食べたい」といった声がものすごく多いんですよね。ただ、不満のトップは「煙」でした。

 「家の中でやりたいけれど、煙が出るしな」「煙のことを考えると、焼肉店に行くしかない。でも価格が高い」といった声もたくさん聞いていました。そんな不満を解消するために、開発チームは「煙がでないカセットコンロをつくろう」となりました。

土肥: いや、ちょっと待ってください。「家で焼肉をすると、煙が出る」といった不満は、ずーーーっと前からありましたよね。イワタニがカセットコンロを発売したのは1969年なので、40年以上前から「煙」に不満を感じている人はいたと思うんですよ。それなのに、なぜこのタイミングで「煙がほとんど出ない」商品が完成したのでしょうか。

福士: なぜ肉を焼くと煙が出るのか。調べたところ、250度を超えると煙が出てくることが分かってきました。じゃあ、温度を下げればいいのか。ただ210度を下回ると、おいしくなくなるんですよね。電気を使っているホットプレートであれば210〜250度をキープできるかもしれませんが、ガスを使っているカセットコンロでそれをやるのが技術的に難しかったんです。

土肥: その課題をどのように解決したのでしょうか。

福士: バーナーとプレートの「距離」に着目しました。温度をある程度保てて、煙の出ない位置はどこか。5ミリの磁石を重ねて、どこがいいのか。何度もいろんな距離を試しました。と同時に、「火力」にも注目しました。多くのカセットコンロは2800〜3000klですが、やきまるは900klに抑えたんですよね(kl:ガスコンロの火の強さを表す単位。ガスが燃えて発生する熱の量)。

 そうすることでバーナーとプレートの焼き面の間に適度の熱がこもる構造になりました。結果、プレートの表面温度を210〜250度にコントロールすることができ、煙の発生を抑制することができました。

土肥: ということは完成?

福士: いえいえ、まだまだです。

●プレートも工夫

福士: 先ほど「プレートの表面温度を210〜250度にコントロールすることができた」と話しましたが、それだけで煙を抑えることができたわけではありません。距離と火力を調整しながら、プレートも工夫しました。プレートに肉から出た脂がとどまっていると焦げてしまうので、煙が出やすくなる。それを防ぐために、効率よく脂を落とす通り道をつくりました。

土肥: プレートの中心部は少し高くなっていて、外側に穴がありますよね。

福士: 肉を焼くと出てくる脂は、中心から外側に向かって落ちていきます。プレートには溝があるので、溝に沿って脂が落ちていくんですよね。

土肥: 落ちた脂はどうなるんですか。

福士: あらかじめ水皿に注いでおいた水の中にとどまるんですよね。このように設計したところ、プレート上に余分な肉の脂が残らなくなったので、煙を抑えることができました。またプレートの裏側をみると、厚さ約7ミリの壁がバーナーを囲んでいます。なぜこのような工夫を施しているかというと、脂が落ちたときにバーナーにかからないようにするため。火に脂を近づけない……防波堤のような役割をしているんですよね。

土肥: 溝の形状をみると、ちょっと変わった形をしていますよね。開発の初期段階からこのような形をしていたのでしょうか。

福士: いえ、何度も実験を繰り返しました。最初は外側に穴を設けて、下に水皿を置いて、溝なしで試してみました。うまく脂が落ちると煙は出ないのですが、流れ落ちないことが多く、煙がたくさん出ていました。次にどうしたのか。溝をつくって脂を落ちやすくしました。

●一生分のトントロを食べた

土肥: 溝は「く」の字のような形をしていますよね。脂を速く落とすために真っすぐにしたほうがいいのではないでしょうか。

福士: いえ、真っすぐではダメなんです。脂は速く落ちても、どこかで詰まることがあるんですよ。

土肥: どういう意味でしょうか?

福士: 水のようにサーッと落ちるといいのですが、脂はドロッとしているので、ゆっくりと落ちていく。というわけで、溝を真っすぐにするとどこかで渋滞するんですよね。そして、脂がとどまってしまう。いまのように溝を曲げても渋滞は起きるのですが、それでもゆっくり落ちていくんですよね。

土肥: 脂は速く落としたほうがいいわけですよね。そうすると、プレートは急角度にしたほうがいいのではないでしょうか。ジンギスカンのプレートのような感じで。

福士: 脂を落とすために傾斜をつけなければいけませんが、家族で焼肉をする場合、サイコロステーキやウインナーなどを焼きますよね。急角度だと転がってしまうので、できるだけ傾斜をつけないようにしました。

 このように、やきまるには最新のテクノロジーを使っていません。それでも、なぜ煙が出にくいカセットコンロを完成させることができたのか。ひとことで言えば「バランス」なんです。バーナーとプレートの距離、ガスの火力、溝の形状など、ひとつでもバランスが崩れてしまうと、肉を焼いたときに煙が出てしまう。煙が出ないように、開発チームは「一番バランスがとれているのはどこか」を考えながら、つくっていきました。

土肥: 開発時に苦労したことは何でしょうか。

福士: 嫌っていうほど、肉を食べたことですね(きっぱり)。開発チームでもいろんな肉を焼いてきましたが、煙がたくさん出るのは「トントロ」。というわけで、トントロを使って実験を繰り返しました。

 会社の近くに肉店があるのですが、店員さんに顔を覚えられました。「この人いつもトントロばかり買っているけれど、大丈夫かな」と思われていたかもしれません。実験をしているときには、煙が出るか出ないかをチェックしているだけではありません。実際にプレート上で焼いて、その肉はおいしいかどうかも確認しなければいけません。

 煙を抑えることができても、おいしくなければダメですよね。自分の目と舌で必ず確認しなければいけませんので、さまざまな肉を、いろいろな場所で食べました。そして、すべて納得できたので、商品を完成させることができました。

土肥: ランチはトントロばかり?

福士: そうであればまだいいのですが、仕事なので朝から食べていたことも。実験中は毎日のように食べていたので、一生分のトントロを食べたのかもしれません。いまはちょっと食べることができません(涙)。

●自宅で焼肉を楽しみたかった

土肥: やきまるを見て、気になったことがひとつ。プレートの大きさが小さいですよね。パンフレットには直径233ミリと書いている。野菜を置いたら、肉は2〜3枚しか焼けないですよ。「もっと大きいサイズを出してよ」といった声があるのではないでしょうか。

福士: ご指摘の通り、「小さい」といった声はあります。ただ、カセットコンロの場合、ガスの立ち上がりが速く、直火なのですぐに焼ける。待っている時間が短いんですよね。次々に焼けるので、3〜4人で使われてもあまり問題はないかと。

 開発の際に「カセットコンロと同じくらいの大きさ」を目指しました。ホットプレートのようなサイズにすると、机の上がゴチャゴチャしますよね。ビールを置いたり、コップを置いたり、皿を置いたりする。そうすると圧迫感を感じるので、カセットコンロと同じくらいのサイズにしました。

土肥: 最後の質問です。やきまるは発売当初から売れて、いまも品薄状態が続いているとか。その要因をどのように分析しますか。

福士: 多くの人が自宅で焼肉を食べたかったのではないでしょうか。焼肉店に行くと価格が高い、バーベキューは手間がかかる。そんな問題を解消したので、ここまで売れているのかもしれません。

(終わり)

 

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