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クロマグロ、食卓から消える可能性…日本の姿勢が漁獲規制の交渉を左右する(Business Journal)
http://www.asyura2.com/17/hasan123/msg/428.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 8 月 31 日 02:20:15: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

クロマグロ、食卓から消える可能性…日本の姿勢が漁獲規制の交渉を左右する
http://biz-journal.jp/2017/08/post_20396.html
2017.08.31 文=編集部 Business Journal


 日本人が約8割を消費する太平洋クロマグロ。1961年をピークに、乱獲などにより資源量は大きく減少。2014年には国際自然保護連合(IUCN)から絶滅危惧種の指定【註1】も受けているが、その資源管理について話し合う国際会議【註2】が28日から韓国・釜山で始まった。米国や韓国、台湾などが参加するなか、日本には主導的な役割が期待される一方、先日、国際合意に基づく漁獲上限を超過したことで国際社会から厳しい目も向けられている。

 その会議において、日本は主に以下2つの方針を打ち出している。

・長期的な管理目標の導入
34年までに、初期資源量(漁業開始前の資源量)20%までの回復を目標とするが、社会経済的な要素を考慮し、20%目標が適切でないと判断された場合、別の目標を設定する。

・短期的な管理目標の達成確率に伴う漁獲枠の増減
24年までに、歴史的中間値(これまでの資源量の中間値)にまで資源回復する確率60%以上を目標に、60%を下回る場合には緊急の漁獲制限を行う一方、65%を超える場合には漁獲制限を緩和する。

 長期管理目標の導入に関しては、これまで日本が頑なに反対を続けてきた経緯を踏まえれば、国際世論の高まりに抵抗しきれなくなったとも考えられるが、資源回復の観点からは大きな前進だ。

 一方、管理目標の達成確率に伴う漁獲枠の増減は、太平洋クロマグロの資源量が回復傾向にあるととらえる日本としては、漁獲量の上限を変えられる方式に見直し、回復傾向が確認されれば、漁獲の上限を引き上げることができるよう、漁獲に関与する多くの国内漁業者を配慮し、将来的には規制が緩和できるようにしたい狙いがある。

 しかし、他の参加国、とりわけ厳しい資源管理を求めてきたアメリカなどは、不確定な管理目標の設定や目標達成前の漁獲上限引き上げには強く反発することが予想され、日本の提案に理解が得られるかは不透明な情勢にある。

■「第二の鯨」

 民間団体は日本の提案をどのようにとらえているのか。米国の民間団体、ピュー慈善財団【註3】は、「日本が長期管理目標の点で歩み寄ったことには一定の評価をしている」としつつも、日本が34年を確定的な期限としていないことに大きな懸念を示している。また同時に太平洋クロマグロの初期資源量20%への回復を、「環境保護における持続可能な資源の回復という意味合いだけではなく、資源を取り巻く漁業関係者の生活基盤の安定という意味における持続可能性の実現といった観点から重要な目標だ」と述べ、「長期管理目標の合意が太平洋クロマグロの資源管理に向けた最初のゴールだ」と国際会議での合意に期待を示している。その他、WWFジャパン(世界自然保護基金ジャパン)【註4】は、「長期目標への合意ができず、管理措置への遵守徹底がなされていない現状では、太平洋クロマグロを漁獲対象とする商業的漁業は、一時的に停止せざるを得ない」、グリーンピース・ジャパン【註5】は「太平洋クロマグロを確実に健全なレベルまでに回復させる長期計画が導入されない限りは、すべての商業的漁業を禁止すべき」と厳しい声明を発表している。

 もし今回の会議で、太平洋クロマグロの資源管理のシナリオが見えてこなければ、最悪の場合、ワシントン条約締約国会議で取引規制の対象【註6】にもなりかねず、日本が影響力を行使できる最後の国際交渉の場になる恐れもある。太平洋クロマグロが食卓から消える「第二の鯨」にしないためにも、日本政府のさらなる奮起が期待される。
(文=編集部)

【註1】国際自然保護連合(IUCN)から絶滅危惧種の指定
1948年に世界的な協力関係のもと設立された、国家、政府機関、非政府機関で構成される国際的な自然保護ネットワーク。世界160カ国の科学者・専門家から成り立ち、生物多様性保全のための協力関係を築く。トキ、ニホンウナギなどが絶滅危惧種の対象とされている。

【註2】太平洋クロマグロの資源管理を話し合う国際会議
中西部太平洋における高度回遊性魚類(マグロ、カツオ、カジキ類)資源の保護と利用のため、資源回復に向けた目標や漁獲ルールを議論する中西部太平洋マグロ類委員会(WCPFC)の北小委員会。日本や米国、韓国、台湾などが参加して9月1日まで開催される。

【註3】ピュー慈善財団
アメリカの独立非営利NGO。世界有数の総合エネルギーメーカーである米国Sunoco社の創業者一族によって、1948年に設立。ワシントンD.C.に本部を置く。安定的な運営資金を有し、実力行使を含むアピール活動を行う必要がないことから、科学的・中立的な立場から、文化・教育・環境問題・公共政策・社会福祉など幅広い政策分野について、調査、政策提言、啓発活動などを行っている。

【註4】WWFジャパン(世界自然保護基金ジャパン)
世界の野生生物とその生息地の保護、熱帯林の保全などに取り組む国際的な基金WWF(世界自然保護基金)のネットワークの一翼を担い、1971年に東京で設立。自然の中に人間が存在するという自然観を取り入れ、日本国内および日本が関係している国際的な問題に取り組む。

【註5】グリーンピース・ジャパン
環境保護と平和を願う市民の立場で活動する国際環境NGO。問題意識を共有し、社会を共に変えるため、政府や企業から資金援助を受けずに独立したキャンペーン活動を展開する。「脱原発」と「自然エネルギーの確実な導入」、そして「持続可能な漁業と農業の実現」を最優先に、消費者や生産者とともに、企業や政府に働きかけている。

【註6】ワシントン条約締約国会議で取引規制の対象
ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)は、野生動植物の一定の種が過度に国際取引に利用されることのないよう、保護することを目的とした条約。オランウータン、ウミガメ等の商業目的の取引が禁止されている。


 

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