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金融機関が勧める「外貨建て商品」への投資がオススメできない理由(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/17/hasan123/msg/507.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 9 月 05 日 17:31:00: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


金融機関が勧める「外貨建て商品」への投資がオススメできない理由
http://diamond.jp/articles/-/140993
2017.9.5 大江英樹:経済コラムニスト  ダイヤモンド・オンライン


 銀行を始め、証券会社や保険会社といった金融機関は、どこも「外貨建て資産を持つことの重要性」を訴える。その理屈は一見、もっともなように見えるものの、じっくり考えてみると本当にそうだろうかと疑問に思われるケースも少なくない。

 今回は、当たり前のように言われている「通貨分散」や「外貨建て資産」への投資について、個人投資家としてどうとらえるべきかについて考えてみたい。

「外貨を持つこと」と
「外国資産を持つこと」は違う


 多くの人は、どうやら「外貨を持つこと」と、「外国資産を持つこと」の意味を混同しているようだ。しかし筆者は、外国資産を持つことの意味はあると思うが、外貨を持つことについての意味はそれほどあると思えない。

 一般的によく言われるのが、「今後の日本の経済情勢を考えた場合、日本円だけしか持っていないというのは、大きなリスクだ」ということだ。果たしてそうだろうか。

 いくらドルやユーロを持っていても、まずそれを日本国内で使うことはできない。実際の生活において日本円を使うのだから、いくら外貨を持っていても、いったん円に換えなければ使うことはできないからだ。

 したがって、年に何度も海外旅行に出かけるとか、海外に家族や親族がいて送金することが度々あるとか、あるいは海外に移住する計画を持っているということであれば外貨を持っておくべきだが、そうでなければあまり意味はない。

 ところが、そうは言っても「1ドル70円台とか80円台といった円高の頃にドルを買っておけば儲かったではないか」という意見もあるだろう。もちろんそれはその通りではあるが、それは価格の変動に賭けた単なる為替の“投機”とあまり変わらない。

「為替レート」というのは、異なる通貨を交換する際の“比率”の話だから、基本的には“ゼロサムゲーム”であり、株式のように成長する会社の株をずっと保有し続けていれば、誰もが利益を得ることができるという性質のものではない。だから、市場参加者の利益と損失の総和は等しくなるのである。

 誤解のないように言っておくが、筆者は投機を否定するものではないし、それなりに意味はあると思っている。したがって、もし為替取引を投機として行うのであればそれはFXなどを使ってやった方が効率は良いかもしれない。

 もちろんレバレッジを掛ける分だけリスクが大きくなることは言うまでもないが、そもそも為替投機自体がリスクの高いものなのだから、FXを使ってレバレッジを掛けること自体には投機として一定の合理性がある。ただ、投機をするもしないも個人の自由であるから良いとか悪いと言うことではないが、投機は投資に比べるとその判断が難しいことは確かであろう。

海外の「高金利債券」も
妙味があるわけではない


 このように考えると、単に外貨を持つだけという外貨預金は資産運用としてあまり意味を持たないことが分かる。では海外の高金利債券はどうなのだろうか。

 現在の日本の低金利の状況を見ると、海外の高金利は魅力的に映る。だから金融機関によっては、「超低金利で、しかも少子高齢化で長期にわたって成長が期待できない日本ではなく、海外の高金利債券に投資しましょう」と言って勧誘してくることがあるが、これはあまり意味がない。いくら海外の高金利債券を持っていても、結局は国内の債券を持っているのと大差なくなることが多いからだ。この理由は以下の通りである。

 そもそも為替レートというのは異なる2国間の通貨の交換比率のことである。通貨の価値というのは、「そのお金でどれだけの品物が買えるか」、すなわち「購買力」であるから、為替レートは最終的に2国間で購買力が等しくなるよう調整されるという性質を持っている。

 そして高金利通貨、つまりその国の金利が高いということは、多くの場合、その国がインフレ傾向にあるということであり、もし長期にわたってインフレ率が高いということであるなら、通貨の購買力は低下するということになる。

 したがって、購買力の低下幅がより大きい通貨の相場は、低インフレで低金利の通貨に対して長期的には下落することになるため、いくら高金利通貨の債券を持っていても最終的には為替で調整され、国内の債券を持っているのと何ら変わりがなくなるのだ。

 為替の変動を避けようと思えばヘッジするしかないが、その場合はヘッジにかかる手数料によって、国内債券と同じ金利水準になってしまうから、これも同じことだ。

株式の分散投資には
大きな意味がある


 では、外国資産に投資したり、保有したりすることに全く意味がないのかと言えば、そういうわけではない。むしろ逆だ。特に株式に関して言えば、国内株式のみに投資をするのは明らかにリスクであり、広くグローバルに分散投資をすることが必要であろう。

 これは90年代以降、上げ下げはあっても基本的には低迷を続けてきた日本の株式市場に比べ、米国や中国などの株式市場を見ればその違いは明らかである。もちろんこれからもそうかということは何とも言えないし、先のことは誰にも分からない。だからこそ広く分散投資をしておく必要があるのだ。

 ただし、海外の株式投資については、情報を集めたり投資判断をしたりするのが難しいということもまた事実である。したがって最も簡単な方法は、世界中の市場の時価総額やGDPなど、経済規模に合わせた資産配分でインデックス投資を行うETFや、投資信託を購入することだろう。

 今後、世界のどの地域や国が発展するのかを正確に予測するのは困難なのだから、それならいっそのこと世界全体を買えばいいという発想だ。今の時代は、それが1万円ぐらいの金額からできる方法がたくさんある。

 1本で購入したいということであれば、ETFで言えばバンガードの「トータルワールドストックETF」、投資信託ならセゾン投信の「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」や、三井住友トラスト・アセットマネジメントの「世界経済インデックスファンド」のようなものがある。

 もっと手数料が安くてシンプルなものということであれば、多くの投資信託会社から出ている日本株式、日本を除く先進国株式、そして新興国株式へ投資するシンプルなインデックスファンドを一定割合ずつ購入しても良い。

 為替についてはヘッジありのものもあれば、ヘッジなしのものもあるが、これ自体はあまり気にし過ぎる必要はないだろう。これらを積み立てで投資をしていくのも決して悪くない。

外貨建て商品に
気を付けよう


 このように、海外株式に投資する商品というのは極めてシンプルで手数料も安く、手軽に売買できるものがそろっている。にもかかわらず、多くの金融機関が外貨建ての複雑な商品を熱心に勧めてくるのは、ほぼ金利がゼロに近い円商品よりも、「金利の高い外貨建て商品」の方が、厚い“利ザヤ”を稼げるからだ。

 いつも筆者が主張しているように、こうした金融機関の営業行為を「悪質」だと決めつけるのはよくない。彼らは彼らで、収益を上げなければならない立場なのだから、顧客に良かれと思う商品を設計し、それに高い手数料を上乗せして販売しているだけのこと。意図的に顧客をだまそうとか、損をさせようとかしているわけではないのだ。

 しかしながら、これはあらゆる金融商品に言えることだが、できるだけシンプルなものの方が顧客にとってはいい商品だというのも真実である。

 やっかいなのは、海外については情報も少ないし、よく分からないから、専門家に任せる方が良いと考えてしまうことである。これはまさに行動経済学における「ヒューリスティック」に他ならない。

「これからは通貨分散が必要だ」という一見もっともらしい勧誘文句についつられて、やたら手数料の高い商品を買うことがないよう、投資家、消費者自身が注意すべきなのである。

 最後に繰り返しになるが、「外貨を持つこと」と「外国資産を持つこと」は明らかに違う。そのことをぜひ知っておいてもらいたい。

(経済コラムニスト 大江英樹)


 

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コメント
 
1. 2017年9月06日 05:29:03 : Qk0z0gVGLY : lQZkNLxHm_4[1133]
この記事、なんかフラグ臭いな。円暴落のサインか。

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