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古賀茂明「銀行を特別扱いする安倍政権への対抗策とは?」〈dot.〉
http://www.asyura2.com/17/hasan123/msg/579.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 9 月 11 日 13:28:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

著者:古賀茂明(こが・しげあき)/1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部卒業後、旧通産省(経済産業省)入省。国家公務員制度改革推進本部審議官、中小企業庁経営支援部長などを経て2011年退官、改革派官僚で「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者...


古賀茂明「銀行を特別扱いする安倍政権への対抗策とは?」〈dot.〉
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170910-00000006-sasahi-pol
AERA dot. 9/11(月) 7:00配信


 麻生太郎金融担当相は、過剰な貸し付けが問題になっている銀行のカードローンについて「審査の厳格化を徹底するために検査を実施する」と9月1日、発表した。最近、銀行のカードローン(簡単な審査を通った人に交付された銀行カードを使って、予め契約した貸出枠の範囲でCD・ATMを通じて資金を借り入れることができる個人向けローン)の残高が急激に増加し、消費者が破産する例が増えている。金融庁が対策に乗り出したのはそれが直接の原因だが、そこには裏がある。それをじっくり解説してみよう。

 「サラ金」は古くから問題となってきたが、とりわけ社会の注目を集めたのが2000年代初頭だ。

 バブル経済の頃に年間1万件を割っていた個人の自己破産が急増し、03年には過去最高の約24万件になった。破産予備軍と言われる多重債務者も一時は200万人に上り、大きな社会問題となった。

 当時、利息制限法で金利の上限は、元本10万円未満の場合年20%、10万円以上100万円未満は18%、100万円以上は15%だったが、それを超えて貸しても一定の条件を満たせば、出資法という法律で定める29.2%まで(グレーゾーン金利)利息を弁済させても良いということになっていた。過酷な取り立てで債務者が自殺に追い込まれるケースなども続発し、大きな社会問題となった。

 しかし、最高裁が2006年1月にグレーゾーン金利を否定し、しかも、過去にグレーゾーン金利を支払った払い過ぎの分(過払い金)を貸金業者に返還請求できるという判決を出したのを機に、グレーゾーン金利を廃止する貸金業法の大改正が行われ、2010年に完全実施された。この法律では貸金業者の融資額が総額で債務者の年収の3分の1を超えてはいけないという総量規制も導入された。その結果、貸金業者の貸出残高は大きく減少し、多重債務者問題は峠を越えた。

■サラ金の追い落としに成功した大手銀行だが……

 サラ金に代わって個人向け融資で大きな役割を果たすことを期待されたのが銀行業界だ。銀行はブラックなイメージのサラ金業者のように悪質な貸し付け、回収をせず、ホワイトイメージで安心・安全と考えられた。だが、ことはそう単純ではない。私は1999年から3年間経産省商務情報政策局の取引信用課長として、クレジットカードや割賦販売ビジネスを所管していたことがある。
 
 そこで目の当たりにしたのはサラ金業界の圧倒的な情報力だった。貸金業の生命線である与信情報の収集管理システムをサラ金業界はしっかりと築いていた。それに比べると、企業融資や住宅ローンをメイン業務とする銀行業界の手法は、不動産担保融資だから、個人信用情報収集力は貧弱で、リスクをとって個人に小金を貸し出すビジネスに本格参入するだけの実力はなかった。

 しかし、現実には、銀行カードローン残高は、11年末の3兆2400億円から5年後の16年末には5兆4377億円と7割近く増加した。どうしてそんなに伸びたのだろう。

■マイナス金利で追い込まれ「ゲタ」をはいて融資攻勢

 まず、銀行がカードローンを増やした要因としては、日銀の金融超緩和が挙げられる。日銀の政策で金利が低く抑えられ、利ザヤも縮小。金余りで優良企業は借金をしないし、住宅ローンも利ザヤは小さいまま。さらにマイナス金利政策の導入が追い打ちをかけた。

 そんな銀行にとって、10%以上の金利が取れる消費者ローンは魅力的だ。カードローン拡大に力が入り、現場の行員にはカードローン拡大のプレッシャーがかかった。
筆者も、窓口でカードローンなど不要だと言っても、「使わなくても作るだけでいいですから」などと食い下がられた経験がある。

 広告宣伝も過熱し、「総量規制の対象外」「年収証明書不要」最短30分審査」などという過剰広告が氾濫した。

 さらに、競争相手のサラ金業者に前述のように、「総量規制」で年収の3分の1超の貸し付けが禁じられる一方で、貸金業者でない銀行にはこの規制は適用されなかったため、サラ金に代わって無制限にカードローン残高を伸ばせる余地が生まれた。いわば、「ゲタ」をはいて競争させてもらったのである。その結果、カードローン残高は急上昇したのである。

■銀行カードローンはサラ金融資の衣替え

 しかし、ノウハウのない銀行がどうやってそこまで急激に残高を伸ばすことができたのだろうか。そこには、コロンブスの卵のような答えがあった。

 まず、銀行は「総量規制」で経営が傾いたサラ金会社を買収して子会社化したり業務提携契約を結んだりした。その上で、そのサラ金業者が与信審査を行い、貸し倒れの際には債務者に代わって銀行に弁済する保証業務をやり、貸金の取り立てはその保証会社傘下のサービサー(債権回収会社)に丸投げするということにした。

 銀行は高い利ザヤを稼ぎながら、リスクと面倒な業務は全てサラ金に移転する仕組みだ。一方、貸金業者にとっては総量規制で自分では貸せない相手でも、銀行が貸せば許される。金利のうちの何%かは保証料としてもらえるからおいしい仕事だ。これが苦境に陥った貸金業者の生き残り策になった。

 要するに、銀行の名前を使ってサラ金ビジネスをやっている、あるいは、銀行がサラ金になっただけと言ってもよい状況だ。

 例えば、三菱東京UFJ銀行とそのグループ企業アコム、三井住友銀行と同じくSMBCコンシューマーファイナンス(旧プロミス)と、銀行サラ金一体の貸金事業の展開である。このモデルは全国の地域金融機関に広がっている。

■銀行サラ金業という新たな地雷発生源

こうした銀行業界の貸し出し攻勢の結果、16年3月末時点の銀行によるカードローンを含む消費者向け貸出金残高は5兆1227億円と貸金業者の5兆1150億円を上回った。08年には貸金業者が約11兆円も多かったところからの大逆転である。17年6月末には5兆6793億円まで増えている。

しかし、そこには大きな問題が隠れている。

 金融庁の調査(16年11〜12月)では、直近3年間で、ノンバンクで希望通り借りられなかった人の1割弱が、その後銀行カードローンで借金をしている。また、貸金業者や銀行から借り入れをした人のうち、借入残高が年収の3分の1を超えている人は全体の2割以上もいるという。これでは、まるで銀行が貸金業の総量規制の抜け道として機能していると言われても仕方がない。

 こうした懸念は統計にも表れた。10年以上減少をつづけていた個人の自己破産は、ついに16年に13年ぶりに増加に転じ、6万4637件となった。その傾向は今も続き、今年1〜6月(上半期)は前年同期比5%増の3万3千件と2年連続で増えている。

■銀行の迎合・反撃とマスコミの忖度

 「個人の自己破産増加」という現象は、非常にわかりやすい警鐘となり、マスコミや国会審議などでも批判されるようになった。

 そこで、銀行は、遅ればせながら、対応策を採った。まずは、世論受けする迎合策だ。例えば、残高の約3割(1兆6500億円)を占める3メガバンクはテレビCMの「最短30分審査」などの表現を削除したり、年収証明書の提出を求める融資額の基準を「300万円超」から「50万円超」に引き下げるなどの対応を発表した。また、テレビCMの放映時間も絞った。

 しかし、銀行のカードローン金利は最高14%程度。こんなに利ザヤが稼げるおいしい商売をみすみす減らす手立てを銀行業界が本気で取るはずがない。銀行は、表面上は融資を自粛するかのような態度を取りつつ、周到にマスコミ対策も行って、カードローン批判に火がつかないような反撃の手立ても講じている。

 まず、第一がPRの絞り込みだ。広告宣伝を減らすと言えば聞こえはいいが、マスコミから見ると大変な脅しだ。新聞雑誌、テレビ局にとって銀行業界はその傘下の企業も含めて大変な「お得意様」。自社での広告を減らされたら大変なことになる。当然、カードローン批判の論調は鈍る。

 もう一つは、銀行の役割論と借金する側の責任論の流布である。「需要があるから貸している」「銀行が貸さなければ、闇金がはびこって消費者が食い物にされるがそれでもいいのか」「浪費やギャンブルで破産しても自己責任だ」というような内容を記者に話したり、ネット上でも流れるように仕掛けて行く。

 現に、新聞などでは、「融資を必要とする人がいる」、「カードローンだけ規制しても答えにはならない」というような内容が、やや全体の流れには沿わない形で付け加えられるようになった。

■闘いの本丸「総量規制」をめぐる政官財の癒着

 批判の矢面に立つのは、銀行だけではない。安倍政権と金融庁も批判を避ける必要に迫られた。

 特に、自己破産が増加に転じて、国会で総量規制の話が出始めると、冒頭で紹介した通り、9月1日に麻生金融担当大臣が「検査実施」を発表。金融庁は、「悪質なら業務改善命令も出す」「利用者保護を浸透させたい」などと消費者目線の姿勢を強調した。

 しかし、これは、とりあえずの選挙向けのポーズだと考えた方が良い。最近の世論は格差や貧困の問題には敏感だ。安倍政権としては、選挙が近いので、多重債務者問題に火がつくのは何としても避けたい。

 一方、厳しい規制を導入すれば、大事な金づるの銀行業界を怒らせる。これも選挙前にはできない。最低限、選挙後までの時間稼ぎが必要だ。その間、銀行業界には選挙への支援を求めるというシナリオだ。

 もちろん、銀行業界としては、自主的な対応で終わりにしたい。とりわけ、法改正で、融資の総量規制や厳格な手続き規制が導入されるのは絶対に困る。

 法改正を回避するために、金融庁の厳しい「ご指導」にこたえて、銀行業界が頭を下げ、一見厳しい自主規制を行うというパフォーマンスで何とか切り抜けようとするだろう。

 しかし、総量規制は絶対に導入すべきだ。同じ人に同じ金額を貸しても、「貸金業者なら貸し過ぎ」だが、「銀行なら問題なし」というのは全くおかしい。こんな政策は、銀行業界を特別扱いして多額の献金をもらうための措置だと言っても良いだろう。

 民進党はこの問題で、総量規制などの厳格な規制を導入する貸金業法の抜本改正案を秋の臨時国会に提出すべきだ。そうすれば、経団連重視の自民党vs.庶民の味方民進党という図式を演出することができるし、前原誠司新代表が唱える「対案」路線も示すことができる。

 一石二鳥の名案としてお勧めしたい。


 

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