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「北朝鮮リスク」が高まる中で、株は売るべきか買うべきか(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/17/hasan123/msg/603.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 9 月 13 日 12:42:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


「北朝鮮リスク」が高まる中で、株は売るべきか買うべきか
http://diamond.jp/articles/-/141986
2017.9.13 山崎 元:経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員  ダイヤモンド・オンライン


■米朝のチキンゲームに

 ここのところ、北朝鮮がミサイルの発射や核実験など、軍事的な挑発的行動を繰り返している。日本国民にとっては率直に言って迷惑な話なのだが、株式などに投資している投資家は、「北朝鮮リスク」に対してどう考え、どう対処したらいいのだろうか。

 確定拠出年金やNISA(少額投資非課税制度)が普及してきた昨今、多くの国民が資産運用について自分で考える必要が生じている。多くの国民にとって他人事ではない。

 さて、北朝鮮の金正恩政権が望んでいるのは、米国との直接交渉による現体制を温存する平和条約の締結、各種の経済制裁の解除と、願わくは経済的な支援の獲得だろうと推測される。

 一方、米国は、米国本土に届く核攻撃戦力を北朝鮮が持つことを認めないという姿勢を対外的に示している。米国も日本も、本気でそれが有効であると思っているかどうかはともかくとして、国連において北朝鮮への経済的な制裁の強化で、北朝鮮の核開発を抑止しようとしているように見える。北朝鮮向けの石油製品輸出を全面禁止とする米国の当初案よりも後退したが、9月11日に国連は北朝鮮向けの制裁案を議決した。

 これに対し北朝鮮の現体制は、核開発を抑えようとするよりは、核戦力を強化することによって、米国を始めとする外国に対する自国の交渉力を強化できると考えているのだろう。「経済制裁」という手段は、ここまでのところ必ずしも意図した効果を生んでいないように見える。

 日本、韓国、中国といったプレーヤーもそれぞれに重要な影響力を持っているが、主なプレーヤーは北朝鮮と米国であり、普通に見ると、両者は相手の譲歩を求めて相手を脅す「チキンゲーム」の関係にある。

 このゲームの下では、両国政府は、相手に対して強硬な姿勢をとり続けないと「格好が付かない」。

 しかし、一方のプレーヤーである米国にとって、北朝鮮は必ずしも不都合なだけの存在ではない。北朝鮮をめぐる緊張があることで、ミサイル防衛システムを始めとする軍備を日本や韓国などに売ることができるし、米軍の活動そのものに対する需要を維持できる面がある。通俗的な言い方で気が引けるが、軍産複合体にとって北朝鮮リスクの存在は好都合だ。

 また、やや長期的に見て、米国にとっての真のライバルが中国だとすると、北朝鮮が中国の管理下から逸脱したり、北朝鮮と韓国が統一に向かったりすることは、中国を牽制する上で好都合だ。

 加えて、米朝両国とも、先制攻撃的な軍事行動を起こした場合、その反撃による損害が甚大であることを認識しているように思われる。ミサイル発射や核実験のテレビニュースなどを見ると、金正恩氏は正常な判断ができない異常な為政者のような印象を持ちかねないが、ここまでのところ、軍事的な衝突に至らないまま、北朝鮮は潜在的な交渉力を増しており、むしろ彼の意図通りに事が運んでいる。実は、合理的に物事を考えることができる人物なのではないか。

 米朝双方が合理的なプレーヤーであるとすると、緊張状態が継続しながら、本格的な軍事衝突は回避されると考えるのが妥当なのではなかろうか。

 だとすると、現実に戦争にならない可能性が大きいとしても、いかにも「戦争があるかもしれない」という状態は維持され続ける。そして、その状況がリアルであり続けるために、われわれを「戦争があるかもしれない」と心配させ続ける必要があることになる。迷惑な話だが、普通に考えるとこの辺りが「期待値」ではないか。

 そして現実に、偶発的な事態の進展によって、戦争が起こる可能性はなくならない。われわれは「北朝鮮リスク」と長期間付き合い続ける必要があるようだ。

■「遠くの戦争は買い」の格言通りか

 さて、「投資家にとっての北朝鮮リスク」にテーマを絞ろう。投資家が、まず念頭におくべき原則は、「遠くの戦争は買い、近くの戦争は売り」という有名な相場格言だろう。

 特に株式市場は、経済環境の「不確実性」が高まること自体に敏感に反応する傾向があるので、世界のどこででも戦争が起こると、まずは株価の「下げ」で反応する傾向がある。

 だが、例えば、隣接するA国とB国が戦闘状態に陥っても、両国から遠いC国の企業にとっては、むしろ軍事関連の需要の高まりで業績が改善したりする場合が少なくない。戦争が遠い場合、開戦によって下げた株価は、絶好の“買い場”になる場合がある。これが、「遠くの戦争は買い」の典型的なパターンだ。

 一方、戦争の当事国や近隣の国では、戦闘によって生産設備が破壊されたり、消費の停滞が起こったりする可能性が大きい。従って、「近くの戦争は売り」という判断になるわけだ。

 しかし、「近くの戦争は売り」も、その先を考えてみるべきかもしれない。例えば、A国にとって敵対関係にあるB国に対して、B国の生産力を破壊し尽くすことが直接の目的になることは稀だ。B国を、生産力を維持した状態で支配下に置くことや、B国から何らかの譲歩を引き出すことの方が得である。

 例えば、北朝鮮は、体制維持の保障を得ることや、制裁の緩和、経済協力の獲得などを目的として、韓国や日本に対して限定的な軍事行動を起こす可能性はゼロとは言えない。しかし、日本の人口密集地帯にミサイルを打ち込んだり、核を使用して大規模な破壊を起こし、経済活動を麻痺させたりすることを目的とする可能性は小さいように思われる。まして、同胞が住む韓国を破壊し尽くすことを目的に持つ可能性は小さいのではないか。

 つまり、何らかの武力の行使があったとしても、何らかの条件獲得のための、脅しなり、挑発なりの目的を達したら、それで十分と見る可能性が大きい。

「近くの戦争は売り」という原則に従って、大幅に株価が下がった場合、むしろその株価は「買いのチャンス」である可能性が大きいのではないか。その場合には、「近くの戦争でも買い」に状況が切り替わっているということだ。

■「有事関連銘柄」はほどほどに

 北朝鮮有事の可能性との関わりでは、「有事関連銘柄」との付き合い方も考えておきたい。端的に言って、深入りしないことが肝心だろう。

 一般に株式投資では、「噂で買って、事実で売れ」という言葉があるが、先に考えたように、戦闘が徹底的なものにはなりにくい構造があり、需要が期待ほど続かない可能性を考慮して、関連銘柄として急騰した株式は早めに売るのが正解だろう。

 目下、市場でどのような銘柄が有事関連銘柄として取り上げられているかは、楽天証券の情報サイト「トウシル」に掲載された窪田真之氏のレポート「『防衛』関連銘柄ラリーは短命?業績はイマイチ…」(9月12日付)などをご覧いただきたいが、機雷や小銃のメーカー、電磁波シールド関連などの企業の名前が挙がっている。

■万が一のときに投資家が考えるべきこと

 あってほしくないことだが、例えば日本の国土や領海に、ミサイルが着弾するような事態が起こった場合に、投資家が考えるべきことをまとめておこう。

 まず、最も急いで判断しなければならないケースは、有事関連銘柄を持っている投資家の場合だろう。関連銘柄の株価は急騰する可能性が高いが、反転して下落する時のスピードもまた速いだろう。「売り場探し」に注力すべきだ。

 次に、リスクを取る余裕のある投資家は、株価全体が大きく下落した段階で、戦闘が限定的なものにとどまり、株価が反転上昇する可能性がないか、すなわち「買い」のチャンスがないかを検討すべきだろう。

 投資家は、起きた事柄の「善悪」や「好き嫌い」だけでなく、その状況が「投資にとってどうなのか」を考える別の思考回路を持つことが大切だ。「着弾」におびえるだけでなく、「これは、投資のチャンスかもしれない」と考えてみるようなセンスが多少なりともある方がいい。

 また、iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)などでインデックスファンドを買っているような一般投資家は、「着弾」で慌てて株式を売らないように気をつけるべきだろう。

 もともと過大な投資額を株式などのリスク資産で保有しているのでない限り、株価はいったん下がっても、ある程度の時間で戻る公算が大きい。「状況は、株価に十分反映されている」と考えて、持ち続けることが正解になる可能性が大きいだろう。

 なお、北朝鮮周辺で武力衝突が起きる場合、例えばヨーロッパなどの国にとっては「遠くの戦争」だということになる。つまり、広くグローバルに分散投資しておくことも有効だと言えるだろう。

(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)


 

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コメント
 
1. 2017年9月14日 19:01:00 : qFLrcoO25I : IwCZRvTYQMk[609]
有事株 買いと言えない 流石には

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