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「いざなぎ景気を超えた」理由は景気回復が実感できないほど緩やかだから(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/17/hasan123/msg/797.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 9 月 29 日 11:25:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


「いざなぎ景気を超えた」理由は景気回復が実感できないほど緩やかだから
http://diamond.jp/articles/-/143962
2017.9.29 塚崎公義:久留米大学商学部教授  ダイヤモンド・オンライン


 9月25日、月例経済報告が発表され、景気回復期間が「いざなぎ景気を超えた可能性が高い」との認識が示された。いざなぎ景気と言えば、高度成長期で日本経済が絶好調だったとき。それを抜き去ったというのは本当だろうか。久留米大学の塚崎公義教授が、景気回復の“持続力”について解説する。

景気は自分では方向を変えない
変えるのは政策と外国の景気


 景気回復期間の話に入る前に、景気とはどのような特徴を持ったものなのか、簡単に触れておこう。

 まず押さえておきたいのは、景気は自分では方向を変えない、ということだ。

 景気が回復して物が売れるようになると、「企業が増産のために人を雇い、雇われた元失業者が給料をもらって物を買う」「企業が増産のために新しい工場を建てると、鉄やセメント、設備機械が売れる」「企業が黒字だと銀行も喜んで設備投資資金を融資する」といった良い事が次々と生じるため、景気は一度上を向くと、そのまま上昇を続けるのである。逆に、景気が悪化を始めると、悪い事が次々と起こるため、一度下を向くと、そのまま下降を続けるのである。

 経済学の教科書には「在庫循環」「設備投資循環」などにより景気が循環する、と書いてあるが、そうしたことは最近では稀である。

 背景にあるのは「経済の変化」である。まず、経済がサービス化して、経済全体に占める在庫のウエイトが下がったこと、そして在庫管理技術が進歩して在庫変動幅が小さくなったことなどから、在庫循環の影響度合いは縮小している。

 また、設備投資循環についても、コンピューター関係のように設備投資サイクルが短いものが増えてきて、「全ての設備が一斉に更新されることで景気が変動する」ということがなくなったのである。

 とはいえ、景気は循環する。だが、景気は自分で方向を変えることはない。変わるとすれば、それは外からの力によるものだ。

 その一つは、政府日銀が財政金融政策で景気の方向を変える場合である。景気が悪くて失業者が大勢いるときには、政府は公共投資や減税を行ない、日銀は金融緩和をする。反対に景気が過熱してインフレが心配なときには、景気を故意に悪化させてインフレを押さえ込むのである。バブル崩壊後の長期停滞期には全く不要であったが、以前は日本でもインフレ抑制のための金融引き締めが行われていた。

 もう一つ、景気が方向を変えるのは、海外の影響で輸出が増減することである。海外でリーマンショックのような景気悪化が起きると、日本の輸出が減少して日本の景気が悪化するし、海外の景気が拡大すれば、日本の輸出が増加して日本の景気が回復するのである。

 バブル崩壊後、何度か日本の景気が方向を変えたことがあったが、それは米国でITバブルが崩壊したり、リーマンショックが発生したりして、日本の景気を腰折れさせたからである。

緩やかな景気回復だから
長続きしている


 景気は、前述したように、自分では方向を変えない。したがって、海外の景気が悪化しないとすれば、インフレが心配になって政府日銀が景気を故意に悪化させるまで、拡大が続くことになる。

 つまり今回の景気拡大は、「国内の景気拡大のペースが緩やかだから長続きしている」ということだ。

 仮に景気拡大が急激なものであったとしたら、極端な労働力不足から賃金が高騰してインフレになり、日銀が金融引き締めによって景気を故意に悪化させていたであろう。だが、そうはならなかった。

 もう一つは、幸運なことに海外の景気が後退せず、基本的に拡大を続けていたことだ。海外の景気も、回復が緩やかだったがゆえに、景気拡大が長持ちしているのである。

「景気回復が実感できない」という話をしばしば耳にする。確かに失業者は減り、株高で富裕層は潤ったが、サラリーマンの給料は上昇していないからだろう。しかし、見方を変えれば、その程度の緩やかな景気回復だからこそ、長続きしているのである。

いざなぎ景気と今回とでは
経済環境が全く違う


 年平均10%の成長を続けていた「いざなぎ景気」と、年平均1%程度の成長にとどまっている今回の景気とでは、全くイメージが異なっている。

 喩えるなら、当時の日本経済は、「元気いっぱいの若者が、全速力でマラソンを走ったら体温が上がり過ぎてダウンした」といったイメージだった。一方で今の日本経済は、「高齢者が無理をしないようにゆっくり散歩をしているので、長い時間歩いていられる」といったイメージである。

 高度成長期の日本経済は、次々と新しい機械が導入され、労働生産性(1人の労働者が作り出す財やサービスの量)が急激に高まりつつあったので、経済が急激に成長することが可能だった。労働者の給料は上昇したが、労働生産性が高まったことで「製品1個あたりの人件費」は上昇せず、インフレにはならなかったのである。

 もちろん、一部のサービス業のように、労働生産性が上昇しない企業は、賃金上昇に際して値上げをせざるを得なかったため、ある程度はインフレだった。だが、労働者の賃金が急激に上昇する中でのインフレだったから、インフレ率がよほど高まらない限りは困る人は少なく、政府日銀も引き締めの必要性を感じなかったのである。

賃金が上がらないから
長持ちする景気


 一方、今回の景気拡大局面においては、経済成長率は緩やかなものの、労働生産性の向上があまり見込まれないため、労働力不足が生じている。

 最大の理由は、企業の設備投資が活発でないこと、高度成長期と異なり、既に日本企業が立派な設備を持っているので、最新の設備に置き換えても労働生産性があまり上がらないこと、である。加えて、経済のサービス化、高齢化などに伴って、宅配サービスや医療、介護といった労働集約的な産業が伸びていることも要因だろう。

 では、労働力不足なのに、なぜ賃金が上昇しないのであろうか。

 要因は様々であろうが、高度成長期と大きく異なるのは、日本企業が「従業員の共同体」から「株主の金儲けの道具」に変質したことが挙げられる。

 高度成長期には、企業がもうかっても株主への配当は増やさず、従業員に還元した。しかし最近では、企業がもうけても賃上げはせず、株主に配当する傾向が強まっている。大手上場企業が賃上げをしないため、中小企業も「世間相場」を見ながら賃上げを控えるのである。

 もう一つ、非正規労働者の時給は上がっているのに、正社員の給料が上がらないのは、正社員が終身雇用で年功序列賃金だからである。

 若いときに、会社への貢献より低い給料で我慢して、中高年になったときに受け取れる高い給料を楽しみにしている日本のサラリーマンたちは、退職するインセンティブが乏しいので、会社としては賃上げをする必要がないのである。「釣った魚には餌をやらない」のだ。

 このように考え行くと、現在は、「給料が上がらないからインフレにならず、日銀が金融を引き締めないから景気拡大が長続きする」ということが起きているのだ。

 給料が上がらないというのは、サラリーマンにとって決して嬉しいことではないが、そのおかげで景気拡大が持続して失業者が減り、ワーキングプアと呼ばれる人々(その多くは非正規労働者として生計を立てている)の生活が少しはマシになり、ブラック企業がホワイト化する(労働力不足だと、ブラック企業の「辞表を出して失業するか、働き続けるか選べ」といった脅しが効かなくなる)など、経済的に恵まれていない人々に恩恵が広がっているわけである。

 つまり、サラリーマンの賃上げが小幅であるが故に景気拡大が長続きしているという現状は、日本経済全体として見れば、心地よいものと言えよう。

 ちなみに、今後も景気回復が続き、労働力不足の深刻化から賃金が急激に上昇すれば、インフレ率が日銀の目標である2%を大きく超え、日銀が金融引き締めにより景気を悪化させることも考えられるが、それには相当長い時間が必要だろう。

 したがって、海外の景気が悪化しないとすれば、2002年から2008年の73ヵ月間続いた戦後最長の景気回復を抜くかもしれない。ただ、持続時間を競うことに何の意義があるのか、それはまずもって不明である。

(久留米大学商学部教授 塚崎公義)


 

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コメント
 
1. 2017年9月29日 12:54:02 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[4240]

>持続時間を競うことに何の意義があるのか

とりあえず、景気が回復しているということで

バラマキのムダな公共投資などを抑制する効果はあるようだなw


2. 2017年9月29日 18:00:46 : UOounaho0Q : pV9VIS@IPfw[208]
「回復」も ゾンビ延命 させるため

3. 2017年9月29日 20:54:33 : skAyZj0GvQ : GXL4NA5HeSI[23]
>「景気回復が実感できない」という話をしばしば耳にする。確かに失業者は減り、株高で富裕層は潤ったが、サラリーマンの給料は上昇していないからだろう。

出ました御用学者。富裕層は潤ったが、サラリーマンの給料は上昇していない?
まさしく詐欺理論、トリクルダウンそのものじゃないか。

そうだよ、その通りなんだよ。カネに貪欲な守銭奴グループだけが儲けて、一般庶民は段々と税金や保険料等が上がった分だけ生活は苦しくなってんだよ。


>経済的に恵まれていない人々に恩恵が広がっているわけである。
ウソつけよ。経済的に恵まれていない人ほどますます追い込まれているのが、現状じゃないか。
最近じゃ安いカネでコキ使える外国人労働者が、コンビニや外食店に多数送り込まれているせいで、どんどん日本人の経済的に恵まれていない人が窮地に立たされている。
しかし誰が、外国人労働者を守銭奴企業のために日本に送り込む算段をしているのだろうな。自公のクソどもが、1枚も2枚も噛んでいることぐらいは容易に想像できるが。

外国人労働者はカネを貯めたら、祖国に戻ることを前提に働いているかもしれないが、日本人はここ日本しかないんだからな。
まだまだ発展途上国と比べて物価が高い日本で、経済的に恵まれていない人たちが生きていくのは、結構大変だよ。

『机上の空論』とは、まさに現状を知らないで書いたような、塚崎公義のこの文章のことを言うのだろう。
 


4. 2017年9月30日 01:00:46 : H88kxiwsvk : 2IiFGPrgsuo[40]

違うよ、統計がインチキで無理やり数字を作っているから。

5. 2017年9月30日 21:30:10 : cH4jhM3bG2 : XqauBqrRDGo[210]
景気が回復する事と国民の暮らしが良くなることは別だとアベ政権が体現してますよね

ま、景気は良くなってませんが


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